※この作品はR-18です。

ようこそ発情ヒロインがいる教室へ   作:御米粒

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もうすぐ11巻発売ですね!


57話 長谷部波瑠加と昼休憩

「んっ……んちゅっ……じゅるっ……」

 

 絆創膏を保健室に貰いに行った帰り。

 俺は帆波と濃厚なキスをしていた。

 

「ふぁ……歩夢くん……ちゅっ……」

 

 絆創膏が手に入り、愛里の元にすぐに戻ろうとしたところ、帆波に人気のない場所まで連れ込まれた。

 帆波はすぐに俺に抱きつき、唇を押し当ててきた。

 そのまま俺たちは舌と舌を絡め、唾液の交換を絶え間なく続けている。

 だが休憩時間は10分しかない。名残惜しいがそろそろ終わりにしなければならない。

 

「ぷはぁっ……帆波、そろそろ……」

「もう少し……」

 

 唇を離しても、帆波はキスをやめようとしない。

 右手で触れてないが、ディープキスのおかげですっかり蕩けた顔になっている。

 

「休憩時間が終わる。帰るぞ」

「で、でも……!」

「週末にデートするんだから我慢しろ」

「うっ……。わ、わかった……」

 

 やっと帆波が離れてくれた。

 もう少し密着されていたら俺の方がやばかった。

 3日間、セックスもオナニーもしていないのである。そんな状態で帆波のエロい身体に密着されたら盛ってしまう。

 

「体育祭中に盛るなよ」

「だ、だって……」

 

 帆波とは一週間セックスしていないので、彼女も我慢出来なかったのだろう。

 聞いた話によると、帆波は俺とセックスしない日は毎日オナニーしているという。

 そんな性欲全開な女が、一週間もセックスをしていなかったら欲求不満になるのは当たり前だ。ただ、帆波が危険な行為をしたことには違いない。なので俺は帆波にしなければならないことがある。

 

「今度、お仕置きするからな」

「……うん♡」

 

 『お仕置き』というワードを聞いただけで、喜びが隠せない帆波。

 Bクラスは担任も学級委員長も変態でどうしようもないクラスだ。

 

「ほら行くぞ」

「わかった」

 

 帆波を歩くよう促すと、俺の左腕に抱きついてきた。

 

「人が来るまでいいよね?」

「……しょうがないな」

 

 帆波は校舎を出るまでくっついたままだった。

 お漏らし女の牛のような乳房をたっぷり味わってしまったので、午後の競技もおっぱいに目がいってしまいそうだ。

 

 

☆☆☆

 

 

 休憩時間が終わると競技の順番が一時的に逆転し、女子騎馬戦が始まった。1年女子全員がグラウンドの中央に集まる。

 巨乳組で騎手を務めるのは帆波一人だけだった。愛里も、長谷部も、櫛田も騎馬役でつまらない。

 

(とりあえず鈴音と軽井沢が怪我しないように祈るか)

 

 お祈りをしながら観戦してると、またしても須藤が俺の真似をしてきた。つられてCクラスの他の男子たちもお祈りをし始める。

 またしても新興宗教のような構図になってしまった。

 だがお祈りが効いたのか、白組は負けてしまったが、けが人はゼロだった。

 

「やっぱお祈りは最高だぜ!」

 

 須藤が興奮して何か言ってるが俺には聞こえない。

 

「ごめんなさい。負けてしまったわ」

「気にするなよ」

 

 鈴音が落ち込んだ様子で戻ってきた。

 原作と同じように鈴音は多数の騎馬に囲まれてしまい、粘ったものの、ハチマキを取られてしまった。

 

「歩夢くん、頑張ってね」

「怪我しない程度にな」

 

 鈴音にそう言い、グラウンド中央に向かう。

 騎馬戦も怪我がしやすいので、参加したくなかったが、あろうことか俺は騎手に選ばれてしまった。騎馬役は中央に博士、右方に池、左方に山内と落ちこぼれ組が俺を支える。

 きっと誰も俺たちには期待していないだろう。だが俺には作戦がある。

 

「博士、作戦通り頼むぞ」

「任せれよ! 拙者の未元物質(ドロドロ汗)で蹴散らしてくれたるわ!」

 

 作戦は簡単だ。口調がおかしくなってる博士のドロドロした臭いがきつそうな汗を撒き散らしながら戦う。

 男子同士とはいえ、博士の汗は嫌がるはずだ。

 

「池も山内も頼むぞ。もし生き残れたら彼女ができるようアドバイスを送ってやる」

「マジかよっ!?」

「約束だぞ? 池も博士も証人だからな!」

 

 池と山内のやる気も念のため出させておく。

 

「よし、行こう!」

 

 平田の号令とともに白組の騎馬が赤組へと突撃していく。

 先頭を切ったのは平田が騎手を務める騎馬だ。須藤、綾小路、三宅とCクラスの力自慢が集まったエース格だ。

 俺たちは安全に後方からゆっくり攻めることにした。

 

「うーん、やっぱ騎馬戦って野蛮だよな」

「今さらでござるか?」

「だって男同士の騎馬戦って誰得だよ」

「確かにそうでござるが」

「女子の騎馬戦も巨乳の騎手は帆波くらいしかいなかったからな」

「上里殿、今日は下ネタが多いでござるな」

 

 だって三日も禁欲してるんだから仕方ないじゃないか。

 池も山内も普段より下ネタが多い俺に戸惑っているようだ。

 

「悪い悪い。とりあえず騎馬戦に集中するか」

 

 前方を見ると、平田、柴田、神崎の騎馬を中心に次々と赤組の騎馬を蹴散らしているのがわかった。

 これなら何もしなくても勝てるかもしれない。

 

「もらった!」

 

 赤組の騎馬が向かってきた。

 

「博士」

「了解でござる! 未元物質(ドロドロ汗)!」

「ひぃっ!?」

 

 博士の凶器に相手の騎馬たちは俺たちから離れていく。

 気づけば俺たちの周りには誰もいなくなっていた。

 

「おい、味方も俺たちから離れていってるぞ」

「え……?」

 

 池に指摘され、周りを見渡してみると、確かに味方まで俺たちから距離を取っていた。

 

「そんなに拙者の汗は臭いでござるか……?」

 

 博士の悲しい問いに答える者は誰もいなかった。

 誰も近寄ってこないので、帆波のお仕置きデートプランを考えることにした。

 1分ほど経っただろうか。気づくと生き残ってるのは俺と龍園の騎馬のみになっていた。

 

「上里殿、どうすることでござるか?」

 

 優勢だったのにみんなやられてしまったのか。

 恐らくアルベルトが原因だろう。あんな巨体は反則だよ……。

 

「行くしかないだろ」

 

 もちろん俺が龍園に勝てるとは思っていない。だが俺たちには博士の未元物質(ドロドロ汗)がある。騎馬戦は一人じゃなく四人で強い方が勝つんだ。それを龍園にわからせてやる。

 

「よう。こうして話すのは初めてだな」

 

 龍園の騎馬に近づくと、邪悪な笑みを浮かべながら話しかけてきた。

 

「そうだな。そんなに俺と話したかったのか」

 

 舐められないよう余裕の表情で返す。内心はガクガクブルブルしているが……。

 

「そうだな。お前にはいいようにやられてきたからな」

「なんのことだ?」

「とぼけんじゃねぇよ」

 

 やはり櫛田は俺の情報を龍園に流してやがったか。

 余計なことをしやがって! あの退学候補ヒロインが!

 

「まぁいい。お前とは今度じっくり話してやるよ」

「結構です」

「テメェ! 龍園さんに喧嘩売ってんのか!?」

 

 騎馬を務める石崎が吠えてきた。

 

「博士」

未元物質(ドロドロ汗)!」

「わぷっ!?」

 

 博士の未元物質(ドロドロ汗)が石崎の顔にかかる。

 

「テメェ、何しやがる!?」

「悪いな。俺の愛馬は凶暴なんだ」

「拙者はガンダムヴァサーゴではないでござるよ」

「博士は俺のネタ拾いすぎだろ」

 

 これで博士が美少女だったら文句なしだったのに。

 

「おい、ふざけてないでかかってこいよ」

「……そうだな。そろそろ真剣にやるか」

 

 俺は覚悟を決め、博士の頬に両手を当てた。

 

「……なにしてやがる?」

 

 龍園が怪訝な表情で訊ねる。

 これはお前に勝つための最終奥義だ。

 博士の未元物質(ドロドロ汗)は龍園の顔まで届かない。なので俺の手に直接、未元物質(ドロドロ汗)を付着させて、龍園に攻撃する。

 龍園は嫌悪感により、動きが鈍くなるはず。

 

「これが俺の作戦―――――」

 

 作戦名を明かそうとした瞬間、試合終了の合図が鳴ってしまった。

 

「…………あれ?」

 

 どうやら喋ってるうちに試合時間の3分を過ぎてしまったらしい。

 これじゃ俺が博士の汗を触ったのが無駄じゃないか。

 これも龍園が話しかけてくるからだ。卑怯な奴め。

 

「くそ、覚えてやがれ」

「あん?」

 

 俺は龍園に捨て台詞を吐いて、その場を後にした。

 そして、すぐに手を洗いに行った。

 

 

☆☆☆

 

 

 手洗いをしていると軽井沢が声をかけてきた。

 

「ねえ歩夢」

「なんだよ? てかなんで下の名前で呼び捨てなんだよ?」

「なんでって……平田くんも下の名前で呼ぶようにしたから。だから歩夢って呼ぼうと思って……駄目だった?」

 

 上目遣いで不安そうに訊ねる軽井沢。

 

「まぁいいけど。なら俺も下の名前で呼んだ方がいいか?」

「す、好きにすればいいじゃないっ!」

「なんでそこで照れるんだよ」

「照れてないしっ!」

 

 きっと俺の下の名前を言うのに苦悶したんだろうな。

 本当に可愛いやつめ。

 

「そうか。恵がそう言うなら信じるよ」

「っ……! き、急に下の名前で呼ぶのやめてよっ!」

「えー……」

 

 なんて理不尽な。しかも急じゃないし。お前自身が許可してるからね。

 

「それより俺に用があったんじゃないのか?」

「あ、そうだった。さっきの騎馬戦、堀北さん狙われてたわよね?」

「そうだな。単純にエース格を潰したかったんだろ」

「それならいいんだけど……」

 

 恵もやたらと勘がいいな。

 あれは龍園の指示で鈴音を潰しにかかったのだろう。

 

「恵は怪我なかったか?」

「え、う、うん……」

「どれどれ」

「ひゃっ!?」

 

 恵の綺麗な顔に傷がついてないか顔を近づけて確認する。

 

「ち、近いっ! 近いってばっ!」

「うるさい、黙ってろ」

「うっ……。は、はい……」

 

 強い口調で命令すると、恵は素直に従った。

 もしかして恵は強引にされるのが好きなタイプだったりして。

 

「大丈夫そうだな」

「だ、だから大丈夫だって言ってんじゃん……」

「そうだな。そろそろ戻るか」

「う、うん……」

 

 その後、顔を真っ赤にした恵は何があったのかとクラスメイトの女子たちに心配されていた。

 俺は時間差で戻ったので、疑いの目を向けられることはなかった。

 

 午前最後の種目である200メートル走が始まった。

 グラウンドに集まると、平田と龍園が話しているのが見えた。

 

「上里は行かなくていいのか?」

 

 二人のやり取りを眺めてると、三宅が話しかけてきた。

 

「俺が行く必要ないだろ。それに俺は龍園嫌いだから」

「いや、嫌いって……」

「あいつは女の子を殴って興奮する特殊性癖を持ってるんだ」

「…………え?」

「だから変態には近づきたくないんだ」

「た、確かに変態には近づきたくないな……」

 

 伊吹も椎名も、今は龍園に手を出されていないが、いつ暴力を振るわれるか心配だ。

 だから龍園を早く潰してくれ、綾小路。

 

「まったく変態ばっかりでおかしな学校だな」

「……龍園以外にも変態がいるのか?」

「ノーコメントで」

 

 うっかり口が滑ってしまった。

 ドMクール女子、お漏らし大好き学級委員長、被虐大好き教師と少なくとも三人はいるが、口外するつもりはない。俺だけが知ってればいい。

 

 三宅と駄弁ってるうちに、俺の番がやって来た。

 100メートル走より距離が長いこともあり、危なげなく一着でゴールした。

 このままいけば、本当にクラス別最優秀生徒を狙えるかもしれない。

 

 

☆☆☆

 

 

 午前最後の種目が終わり、昼休憩となった。俺は無料で支給される敷地外から取り寄せた高級弁当を受け取り、鈴音と愛里と一緒に適当な場所を陣取りブルーシートを敷いて昼食を取ることにした。

 

「僕たちも一緒していいかな?」

 

 蓋を開けて食べ始めようとしたところ、平田と恵が現れた。

 

「いいぞ」

「ど、どうぞ……」

「……」

 

 即答した俺と違い、戸惑い気味の愛里に、ガン無視の鈴音。

 

「あ、ありがとう……」

 

 平田は苦笑いしながら腰を下ろす。

 恵も歓迎されていないことは気づいてるようだが、平田の隣に座った。

 

「午前の種目は順調にポイントを獲得できたね」

「そうだな。予想より多くポイントを稼げてるかもしれない」

 

 平田は順調な結果にご満悦なようだ。

 

「学年だけなら白組が勝ってると思う。後は上級生だな」

「白組の上級生って頼りにならなくない?」

「それな」

 

 恵の意見に賛同する。

 2,3年は赤組が圧倒的で、このままでは白組の勝利は難しいだろう。

 

「やっぱAクラスとの差があるって感じ?」

「顔が分からないから赤組で誰がAクラスなのかわからない」

「あ、そっか」

 

 堀北会長と南雲パイセンと橘先輩と朝比奈先輩しかわからない。

 

「白組の勝利は難しいかもしれないけど、ベストを尽くすしかないね」

「平田の言う通りだな」

 

 さっきから鈴音と愛里が一言も喋らない。

 それに気づいてか平田と軽井沢は食べ終わったらどこかに行ってしまった。

 

「ふぅ、緊張した……」

「そんなに苦手か」

「悪い人じゃないと思うんだけど……」

 

 原作の影響か、愛里の恵に対する苦手意識は相当なもののようだ。

 

「まったくなぜあんな人たちと食事を共にしないといけないのかしら」

「そう言うなよ」

 

 鈴音は不満を隠そうとしない。

 鈴音の不機嫌オーラで、愛里がますます萎縮してしまう。

 俺たちの昼食は微妙な雰囲気のまま終わってしまった。

 

 昼食を食べ終えた俺は気分転換をするために一人でぶらぶらと歩いていた。

 人気のない場所をいくつか探すも、どこもカップルがいちゃいちゃしていて、居辛そうなのですぐに撤退した。

 5分ほど探索すると、とある生徒が一人で寂しく食事をしている姿が目に入った。

 

「よう」

「あ、あゆむーじゃん」

 

 長谷部波瑠加。最近仲良くなったクラスメイトだ。

 

「お疲れ様。一人なの?」

「ああ。適当にぶらぶらしてる」

「寂しい人だね」

「長谷部もな」

 

 長谷部は友達はいるが、基本的に一人を好む。

 特に親しい生徒は俺と三宅の二人だが、もちろんいつも一緒にいることはない。

 

「私は一人が好きだからいいの」

「知ってる」

「でもあゆむーと一緒にいると、また噂されちゃうかもねー」

 

 荷物持ちとナンパ避けとして買い物に付き合ってから、長谷部は俺の新しいガールフレンドとして噂されているのだ。

 

「……悪かったな」

「あゆむーが謝る必要ないって。私が買い物に付き合うようお願いしたんだから」

「でも目立つの嫌いだろ」

「そうだけど……質問されるくらいで、嫌な目にあってるわけじゃないから大丈夫」

「ならいいけど」

「それより隣座らない?」

 

 ベンチに座ってる長谷部が端っこに寄り、俺が座れるようスペースを空けた。

 

「それじゃ」

 

 二人掛けのベンチのようで、すんなりと座ることができた。

 

「あゆむーはもうお昼食べたの?」

「ああ。雰囲気が悪かったから急いで食べてきた」

 

 俺は昼食時の出来事を長谷部に説明した。

 

「あはは、軽井沢さんが来たらそうなるに決まってるじゃん。堀北さんも佐倉さんも軽井沢さんが苦手なのわかるでしょ?」

「そうなんだけど。長谷部はどうなんだ?」

「私は普通かな。必要以上に仲良くしようとも思わないけど」

「長谷部と仲良い女子っていないもんな」

「お、はっきし言うね~」

 

 肘で俺の腕をグリグリしてくる。

 まったく痛くないが、胸が気になり、やられてる箇所と胸を交互に見てしまう。

 

「ま、事実だからいいんだけどね」

「そっか」

「うん。それに一部の女子に嫌われてるのも知ってるし」

「そ、そうなのか……」

「私って付き合い悪い方だからさ」

「それ以外にも理由があるんじゃないか?」

「例えば?」

「長谷部が可愛いから嫉妬してるとか?」

「っ……」

 

 原作では出番は少ないが、容姿だけならトップクラスの美少女だ。それに胸も大きい。目の下のほくろもエロい。

 

「ほんと、あゆむーってはっきり言うよね」

「だめ?」

「駄目じゃないけど……」

「つーか、可愛いとか言われ慣れてるもんじゃないの?」

 

 実際、長谷部はケヤキモールでナンパをされていた。ナンパ師も声をかける時に容姿を褒めてるはずだ。

 

「どうだろうね」

 

 笑ってはぐらかす長谷部。その笑顔はどこか悲し気に見えた。もしかしたら友人関係でトラブルがあり、一人を好むようになったのだろうか。

 

「まぁ、深くは訊かないでおく」

「ありがと」

「どういたしまして」

「お礼にから揚げ一個あげる」

「え?」

「はい、あーん」

 

 から揚げを箸で掴み、口元に差し出してきた。

 

「頂きます」

 

 俺はすぐにから揚げを口の中に入れる。高級弁当のから揚げだけあって美味しい。

 

「躊躇なく食べるねー」

「あーんくらいで照れると思うなよ」

 

 俺はヒロインたちともっと恥ずかしいことをしてるからね。

 

「……なんか面白くなーい」

「そんなことを言われてもな」

 

 俺の反応に明らかに不満を示す長谷部。

 先ほど俺に可愛いと言われて照れていたので、やり返したかったのだろう。

 

「じゃあ、これは……?」

 

 長谷部は周りを見渡し、誰もいないことを確認すると、左腕に抱きついてきた。しかも腕を谷間に挟むサービス付きだ。

 

「柔らかくて最高」

「あゆむーが変態さんになってる!」

「それなら腕を谷間に挟ませる長谷部も変態だろ」

 

 長谷部が爆乳を武器にしてくるとは思わなかった。しかも恋人でもない男相手に。

 

「私は変態じゃないから。これはあゆむーを照れさせたいだけだし」

「俺を照れさせたかったらもっと身体を張るしかないぞ」

「うーん、あゆむーが強敵すぎる……」

 

 長谷部は諦めたのか、俺の腕を極上の感触から解放させる。もっと抱きついてていいのに。

 

「ご馳走様でした」

「お粗末さま……って違くない!?」

「細かいことはいいんだよ。それよりそろそろ戻ろうぜ」

「うん」

 

 長谷部のおっぱいの感触に浸りながら俺は昼休憩を終えた。

 長谷部と二人で戻ってきたので、男子たちから質問攻めされたが、おっぱいの感触に浸りすぎてあまり覚えていない。

 

 

☆☆☆

 

 

 チャイムが鳴り、体育祭後半戦が開始。推薦競技の時間を迎えた。

 残された4つの競技はクラス内から選ばれた精鋭たちが出場することになる。借り物競争だけはじゃんけんだったけど。

 

 競技前に審判たちからの説明を受けて準備に入る。

 

「よう」

 

 隣に立った龍園から声をかけられた。これから頻繁に絡まれるのか思うと憂鬱になる。

 

「昼休憩はよろしくやってたようだな」

「……見てたのかよ」

「長谷部だったか。いい身体してる女じゃねぇか」

「俺もそう思う」

「あ?」

 

 龍園は長谷部を利用して俺を挑発したつもりのようだが、長谷部がいい身体をしているのは事実なので素直に同意した。

 

「お前もおっぱい好きなのか」

「は、とんだエロガキだな」

「女をいたぶって興奮する変態には言われたくないな」

「……あ?」

 

 さっきからメンチ切りすぎだろ。ちなみに俺が龍園に強気でいれるのは、ここが体育祭の場だからだ。さすがの龍園もここで暴力を振るったりはしない。

 

「ま、お互い頑張ろうぜ。じゃーな」

「ちっ」

 

 龍園から離れて須藤の近くに行く。

 

「龍園と何話してたんだ?」

「おっぱいについて」

「……お前ら、仲良かったのか?」

 

 そんなわけないだろ。今日まで話したことなかったし。

 

「それより競技は始まるぞ」

「おう!」

「借り物競争は運だからな。負けても癇癪起こすなよ」

「安心しろ。昼休憩中もメントレしまくってたぜ!」

「そ、そうか……」

 

 昼休憩くらいは休憩しろよ。いつか須藤がメンタリストになりそうで怖い。

 

「みんな、苦戦してるな」

 

 参加者全員がチェンジしまくっている。よほど借りるのが難しいものが紙に書いてあったんだろう。

 

「俺は簡単なのが当たるといいな」

 

 日頃の行いがよかったのか俺の願いは叶った。

 俺が箱から引いた紙には『異性のジャージ(上着)』と記載があった。Cクラスでジャージの上着を着ていたのは愛里と長谷部の二人。しかし愛里は借り物競争に参加中のため、長谷部から借りることにした。

 他の生徒たちは難易度が高かったようで、俺は一着でゴールすることが出来た。

 

「あゆむー、上着返して」

 

 クラスの元に戻ると、すぐに長谷部が催促してきた。

 

「……暑いからそのままでいいんじゃないか?」

「あゆむー、怒るよ?」

「ごめんなさい」

 

 怒る長谷部も見たかったが、素直に上着を返した。

 ジャージの上着を纏うことにより、長谷部の爆乳が再び保護されてしまった。

 残念だが、長谷部を抱く日までおさらばだ。

 さよならおっぱい。

 

「あゆむーのエッチ」

 

 長谷部が耳元で囁く。

 

「男はみんなそうだよ」

「うん、知ってる」

 

 知ってるならわざわざ言うな。

 それに距離が近い。いい匂いがするからもっとくっつけ。

 

「次の競技も頑張ってね」

「ああ」

 

 長谷部は俺にエールを送ると離れていった。

 

「お前ら、いつの間にそんな仲良くなったんだ?」

 

 三宅が不思議そうな顔で訊ねる。

 俺と噂になった長谷部だが、三宅は彼女と仲が良いので、俺が荷物持ち兼ナンパ避けに利用されたことは知っている。

 

「最近だな」

「そうか。目立つのが嫌いな長谷部が人前であんなに絡むなんてな」

「俺もびっくりしてる」

 

 恐らく長谷部は俺に好意を持っている。きっかけはわからないが、理想が高い彼女の御眼鏡に適ったようだ。

 もしかしたら恵より早く抱けるかもしれない。

 サバサバ系女子の長谷部が、どんな淫らな顔を見せてくれるのか、今から楽しみだ。




ようやく龍園と初絡みでした!
長谷部が本格参戦な感じです!
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