「アー……もういいわよ。 解散ねー、解散」
暇すぎて待機中からワインを飲んでいた姐御のやる気無い声に送り出されて、今日もまた上の階層へ向かう。"再生"の起こる間隔は多少のズレをもちつつもおおまかな周期が決まっているらしいので、時期的に探索者達も動きを控えているようだ。ここ数日の間、俺達が担当している中階層のエリアに探索者が現れる事はなかった。
とは言っても、先日の盗賊さんの事もあるので浅い階層ではそこまで油断できない。盗賊さんから得た知識によると、この時期は構造体内へ入り込んでいたゴロツキ達が"組み換え"を避けて迷宮の外にある周辺の森や山へ一時的に移動していくので浅い階層で騒ぎが起こる事が多いらしい。町の中へ紛れ込む者も多いらしく、悪化した治安に対応する為に迷宮へ入れなくなった探索者達が各所で雇われるのだとか。
まぁそんな理由で、色々と人間の動きが活発化する浅い階層はいつもより危険になっている筈である。いつにも増して注意しなくてはならないだろう。
「んん?」
既に通い慣れつつある呪術師ちゃんのエリアへ向かう浅い階層の通路。構造物へのアクセスを意識して周辺を確認しながら歩いていると、角の先から妙な気配が接近しているのに気が付く。この気配……知っているような、知らないような? なんだろうか。
……っ、くるかっ?!
「ああ! たびのおかた! まものにおわれています! おたすけください!」
立ち止まって杖を構えると、曲がり角から現れた変なモノがなんか棒読みの台詞と共にこちらに飛びついてきた。腰の辺りにしがみついて、そのまま背中側へと俺を壁にするように回り込んでくる。
見た目は赤い髪をした人間の少……幼女?のような何かだが、色々とおかしい。先ずこんな所に非武装の人間の子供が居る訳がない、とか。幼女なのに先輩の服(仮)のような紐ビキn……げふん、露出の多い服を着ている事だとか。何気に俺にもある人間にしては鋭い三角の八重歯が隠せてなかったりとか。見た目と飛びついた際の重量が合っていない上、幼女の割に妙にあるふくらみに触れている感覚が存在していない事だとか。
……さらにぶっちゃけてしまうのなら、ほんのり感じる同族の気配だとか。
「……」
どう突っ込みを入れようかと考えていれば、前方からもうお馴染みとなった6本足の獣達がやってきた。あー……これは多分、迫る獣達から人間に擬態しているこの変な子を庇って戦っている隙に後ろから、って計画なんだろうなぁ。どことなく身に覚えのある手口である。
「…………」
しかし俺の正体は悪魔なわけで、ついでに下級の魔物も支配可能なので特に何も起こらない。むしろ現れた獣達はお座りしてこちらの命令を待っている雰囲気さえ漂わせている。
― 1のダメージを受けた ―
無視して進もうかな? なんて思っていれば、背後に引っ付いて実体の無い……エアギターならぬ空気胸?を押し付けていた変な子が動きを見せた。これまた覚えのある成分を含んだ毒針でチクチク攻撃を行っているようである。
「ははは、かかったな! 愚かな侵入者め! もう動けないだろ! じわじわと嬲り殺しに……って、あれ?」
─ 再生…1ポイント ─
ずっとツンツンされるのもこそばゆいので、くっ付いていた変な子を引っぺがして放り出す。
「ひぇっ?! ど、毒が効かないなんて……こここ殺される~~~!」
べしっとその辺の獣の上に落っこちた変な子は、自分の攻撃が効いていない事に怯えた様子を見せると獣に乗っかったまま走り去っていった。
……なんだったんだろう。
……◇……◆……◇……
気を取り直して今度は呪術師ちゃんとのラインを意識しながら進んでいると、最初に出会った夜の公園のような空間へ辿り着いた。彼女は今日もこの辺りに居るようだ。
改めてこの場所を見渡すと気づいた事がある。……ここは、天井が高い。歩道の脇に植えられた樹木のさらに上、ドーム型の天井を距離感の掴み難くなる暗い紺色の魔法の光が照らしている。その高さは15メートル、いや20メートル程はあるだろうか。このエリアは浅い階層の3層目に位置しているけれど、上に向かう階段はそこまで長くは無い、せいぜい8メートル位だ。
階段の長さだけを考えれば、下手をすると地下一階まで突き抜けてしまう高さがあるというのに狩人さんの知識の中には上の階層でこれほどの広さを持った進入不可能な空白地は無かった。端から端まで歩き続けて半日もかかると聞いて、薄々そうではないかと考えてはいたのだけど。どうやら、構造体の内部では空間の広さが弄られている場所が数多く存在しているらしい。
お、いたいた。歩道を進んでいけば、前方に背中を向けて歩いている呪術師ちゃんを発見した。相変わらず6本脚のわんこ達を大量に引き連れたマント姿へと足早に近づいていく。
そういえば呪術師ちゃんは"組み換え"の間はどうしているんだろうか。この付近のエリアは破壊された跡が無いのでそう危険な事は無いだろうけど、そもそも真っ黒なナニカから存在維持の力を供給されている警備員と違って彼女は普通の人間である。構造体の内部は寒くも暖かくも無い快適な温度なので寝床や衣類はさほど重要でないけれど、流石に食事は必要だろうと思う。
んー、目の前に本人が居るんだから聞いてみればいいか……でも、とりあえずは。
「きゃっ」
こちらに気づいていなかった呪術師ちゃんをおもむろに捕まえて、通路横の茂みへと引っ張り込む。ふふ、公園の茂みの奥で……というシチュエーション。一度ヤッてみたかったんだよなぁ。会おうと決めてからお預けを食らっていた事もあり、俺自身もようやく訪れた機会にかなり興奮している。
連れ込んだ茂みの中で未だに混乱している呪術師ちゃんを押し倒す。マントの合わせ目に手を入れて、その下に隠されていた妖しい紋様の走る褐色の素肌を露出させる。
「あ、やっ! いやぁっ、放して!」
すると……顔を近づけてその柔らかな果実を堪能しようとした所で呪術師ちゃんが意外な抵抗を見せた。悪魔第一主義の呪術師ちゃんが嫌がるなんて、アノ日なのかな?
「今日は都合が悪かったかい?」
お腹に手を置きつつそう声を掛けると、暴れていた呪術師ちゃんは動きを止めて、こちらへときょとんとした視線を向けてくる。おお、こんな表情の呪術師ちゃんもソソるね!
「あの……もしかして、悪魔……さま?」
戸惑った様子の呪術師ちゃんの目線がこちらの頭へと向かっている。頭の上? あ……そういえば、最初に会った時は擬態を解いてから声をかけたんだったかな。今日はフードも被ってるし、悪魔大好きっコの呪術師ちゃんからしたら現在のこの姿でヤるのは物足りないのかも知れない。
フードを後ろへどけて、頭に意識を集中して――むむむむむ。
紫の光が頭上に走り、角の重さが感じられるようになる。この操作も素早くこなせるようになってきたなぁ。流石は俺、二つ名は『早い悪魔』……いや、前にも思ったけどこれは駄目だ。
「紫の…光……」
アホな事を考えていると、呪術師ちゃんは何かを思い出すように口元に手をあててそんな言葉を呟いていた。
そういえば真っ黒なナニカがみっしり詰まった空間から出る時もこの光を見たなぁ。ここに来てからイロイロと色っぽい方向で色んな事があったから、あの頃が遠く感じる気がしないでもない。
「この光がどうかしたのかい?」
「やっぱり、……まさ…………ミサ…………」
呪術師ちゃんにしては珍しい事に問いかけをスルーされてしまった。ぶつぶつと考え事に集中して、こちらの声が聞こえていない感じである。呪術師ちゃんも一つの事に集中すると周りが見えなくなるタイプの人だったのか。
……まぁいいや、今はこっちの都合を優先させてもらおう。と、いう訳で――
「わひゃ…ん……ぅ、悪魔さま、なにを」
ふにゅ、ふにゅりと正面から鷲掴みにしたふくらみを変形させる。うむうむ、呪術師ちゃんのふくらみは今日も見事なボリュームだ……これは盗賊さんの上を行くサイズだなぁ、すげーぜ。
「いや少し聞きたい事があったんだけど……後にしよう」
「あっ……あ、後で…ンっ、ですか?」
くりん、と指の間で硬くなってきた部分を転がすようにして、呪術師ちゃんの跳ねるような反応を愉しみながら続ける。
「そう、後で……ね。 今は…………」
……◇……◆……◇……
横たわる呪術師ちゃんに覆いかぶさり、刺激を受けて上を仰いだふくらみの先端にゾロリと舌を這わせる。
「あ…んっ……はぁ…………ぁ、悪魔さま……ぁむ、ん……」
――ちゅ……ちゅ、ちゅるっ……
そのまま少し汗ばんだ素肌を舐め上げていき、鎖骨から首筋、そしてしっとりとした唇へ。舌を絡め、互いの唾液を混ぜ合わせながら呪術師ちゃんの膝の間へと肉体を動かして、体勢を整えていく。
「ぅん……んく…………ん、はふ…………はぁ……はぁ、はぁ……」
こちらの脚にすり寄って俺の腰を手前に招くように動く呪術師ちゃんの太もも。その付け根に目をやると、分泌された体液がてらてらと光を反射させているのが見えた。
ははっ、淫魔の気配を感じているせいか、良い具合に欲情しているみたいだ。これ以上の愛撫は必要ないかな? その事に笑みを浮かべながら、唾液に濡れた唇から熱い吐息を漏らす呪術師ちゃんの潤んだ瞳を見つめて……腰を、一気に――
「くぅ、は…あぁああぁ…………っ!」
ぬちゅう、るるる……と、べったり濡れた肉襞をかき分けて、俺自身を根元まで没入させる。呪術師ちゃんはくっと背をそらせ、喉を突き出すようなしぐさで肉体の内側に入り込んだ俺自身を感じているようだ。眉を寄せ、目じりを下げたその表情に苦痛を感じている様子は無い。
出会った最初の日からある程度時間が経過した二度目の機会。女のコが快楽に慣れてしまうでもなく、苦痛を受けるでもない反応をしてくれるこの時期は、実にイイ。何事も、覚えたてというのは面白いし、愉しく感じるものだ。
「ぅ、はぁ……はぁ、あぁ……んん…あっ……」
呪術師ちゃんもその例に漏れず、何とも素敵な姿を俺に見せてくれている。ぬかるみの中の俺自身をゆっくりと引いて浅い部分でゆるゆると動かしてみれば、粘膜の触れ合った部分からこみ上がる刺激に耐えかねた様子で吐息を乱し、甘えた声を上げ始めた。
動きの前後が切り替わるたびに、呪術師ちゃんはぴく……ぴく……と可愛らしく反応する。震える肉体の上で息づいている大きなふくらみも、ふるんふるんと揺れて俺の目を愉しませてくれる。
その姿が急に愛おしく感じられて、衝動のままに首筋へと唇を付けて、強く吸う。
「ふあっ……あぁ、悪魔さま……あ、あン……んっ……はぁぅ……」
俺の所有物であるマークを肌に付けて、こちらを見上げる呪術師ちゃん。あぁ、このコは良いな……本当、良い感じだ。
淫靡な熱を帯びた肉の襞、そのひとすじひとすじを確かめるようにじっくりと俺自身を進める。けっして激しくは無い、速度の遅い焦らすような交わり。しかしその事が逆に密着し、すり合わされる部分を強く意識させていく。
「はっ……んん、う…あっ! あぅ……はぁ、ふぁ……あ、んぁあっ」
沸き起こる快楽に鼓動が早まり、心臓からトクトクと送られる血液が呪術師ちゃんの肉体を熱く、淫らな女へと作り替えていく。呪術師ちゃんの切なげな吐息は次第に上ずり、細い悲鳴にも似た声へと変わってきていた。
夜の公園のような空間にある小道の脇、茂みの奥に悩ましげな声が響く。脱ぎ捨てたローブの上で、ひんやりとした外気に晒されている素肌を絡み合わせる。
「あ、あッ! あっ、くぅ……ンっ! あっ、あぁっ!」
熱く乱れた吐息を漏らし、こちらの首へ腕を回している呪術師ちゃん。抱きつき密着したふくらみを感じながら深く結んだ結合部をぐんぐん突き上げれば、雄を求める若い肉体は内部の俺自身をきゅうきゅうと包み込み、もっと奥へもっと奥へと引き込むような動きを開始した。
中々出会えずに悶々としていた俺がその誘いを拒む事も無い。膝の位置を調節し、汗の流れる呪術師ちゃんの腰をぐっと抱き寄せて、快楽の頂点へ向かって走り始める。
「ぅあっ! あっ、あッ アぁっ! ん…んくッ! あぁっ! アっ!」
一際膨張した俺自身を肉体の奥深い部分へ連続して打ち込まれて、呪術師ちゃんの肉体が仰け反り、跳ねる。触れ合った体温を感じながら上気した首元に再び口付けを落とす。耳元で上がる甘い悲鳴と共に、ふわりと呪術師ちゃんの女としての匂いがまた強くなったのを感じた。……もう、そろそろか。
「あぁッ……あクっ、ぁく魔さまっ! あっ! くぅっ! あーっ!」
呪術師ちゃんの呼び声に応えるように、大きくタイミングを計るように肉体の奥をノックすると、腕の中の熱く淫らな肉体はこれ以上ないほどに俺自身をきつく締め付けてくる。収縮してより強く密着した粘膜から生まれる快感に意識が染まり、腕の中にある肉体へと、より深く、何度も腰を打ち付けた。ぶつかり合う湿った肉の音が辺りに響く。
「あアっ! ふぁッ! あーっ! あぁあっ! はぁアっ!」
追い込む様なこちらの動きに高まる呪術師ちゃんの鼻にかかった甘い声。汗の流れる肉体を、互いの荒い呼吸を混ぜるような近さで抱きしめ合って、溢れる衝動のまま――
「ぁ…ああぁああアあーーーーーっ!!」
蕩けるような熱を孕んだ深みへと俺自身を押し込み、白く濁った欲望を勢い良く解き放った!
……◇……◆……◇……
「ふぅ……」
一息ついて、頭を切り替える。ここでこのまま呪術師ちゃんをてろんてろんのくにゃくにゃにしてしまう訳にはいかない。今日は話を聞きに来たのだから、忘れないようにしないと。
「……ッ!……」
横にごろんと転がるようにして肉体を離し、上半身を起こすと、少し離れた所でナニカの気配が動くのが感じられた。実はヤり始める前から周りにはいつも呪術師ちゃんと一緒の6足わんこ達がそれぞれ寝そべっていたりした訳だけど、感じられた気配は獣達よりも随分と小さい気がする。……敵意は感じないけど、一体なんだ?
「悪魔さま、どうかなさいましたか?」
じっと気配を伺っているこちらに疑問を持ったのか、上気した肉体を無造作に晒したまま隣で息を整えていた呪術師ちゃんがそう問いかけてくる。
「あぁ、いやちょっと気になることが――」
「おかーさん、おつかれさまー」
っ!? 返事をしようとした所で、唐突に幼い声が割り込んできた、何奴!! というかお母さん!?
「ばかっ! これからが良いとこなのにっ!」
違う方向からぱたぱたとコウモリに似た羽音が聞こえたかと思えばまた別の声が聞こえる。そちらに目を向ければ褐色の肌に三角のしっぽ、コウモリの羽に面積の少ない服(仮)と、髪や肌の色を除けば先輩……というか一般的な淫魔♀を小さくスケールダウンした感じの存在が浮かんでいる。
むむ、なんか最近似たような気配を持った奴と遭遇したような……
「おや、もう終わりでしょうか?」
黒い髪の毛を持ったそいつに気をとられていると、いつの間にかさらに他の個体が複数現れていた。最初に出てきた緑の髪の個体をはじめ、黒、白、赤、今声をかけてきた青と全部で5体。髪の色がカラフルな連中である。
何だろうこいつら……うーん、見たこと無いけど、気配からして小悪魔……なのか? 近くを飛んでいた動きの遅い白色のを両手で捕まえてみれば――む、これは。ゲームのコントローラーを持つ感じで胴体周りをむにむにしてみると中々な弾力、チビだけどスタイルはグラマーだな。
「ぁぅ…………あ、主さま……次は私でシますか?」
手の中の白色がもじもじしながらそんな事を言ってくる。スルって……一体どうヤるつもりなのか。
「あー! ずるい! 私も、わたしもー!」
返答に困っていると赤色が騒ぎながら周りをぐるぐる飛び回りはじめた。黒色は頭の上に乗ってくるし、青色は「任せてください」とか言いながら裸のままな股間に張り付いてモゾモゾしている。
実の所、淫魔の肉体は行為の相手に合わせて勝手に最適なサイズに変化するらしいので可能といえば可能だったりする。とは言え、確かに姿は可愛いけど……このサイズは、なぁ…………いくら女のコが好きでもヤる気にはならない。50cm程だろうか、妖精さんというには大きすぎ、子供というには小さい位だ。
……しかしこの体質、この先無いとは思うけどもし身長10メートルを超えるような巨人♀とヤるハメになったりなんかしたら俺の肉体はどうなるんだろう。ご立派な御方のようなセクハラ生物に超進化でもするんだろうか。
「あッ、ボスの角、すご……硬くて、太い……ンっ……」
って、待て黒色。お前人の角に抱きついてナニやってるんだ、液体が垂れてきたぞ。
……◇……◆……◇……
小悪魔と思しき連中は、まるで自分の尻尾を追いかける子犬のようなアッパーというかあっぱっぱーなテンションだった。どうもここへ来る前に遭遇した変な子は赤色が化けていた姿っぽいけれど、あの時の人間が擬態した俺だと気づいていないのか、はたまたその記憶が既にもう緩そうな脳内から失われているのか、気にしている様子は無い。
「あ、その……あの、この子達は――」
はしゃぎ回ってまともに会話が成立しないので、何か知っているらしい呪術師ちゃんを魔法で洗浄しつつ事情を聞いてみる。彼女は引っ付いていた緑色を人形のように抱えながらこの連中が現れた経緯を語ってくれた。
なんでも、俺と契約を結んでから5日ほど経った頃にお腹の逆五芒星がおもむろに輝いて発生したとの事で、そうして現れたこの連中は呪術師ちゃんを母と認識して懐いているのだという。
「……なる、ほど」
詳細を聞いて思わず頬が引きつる。
「ありがとうございます。 悪魔さまと私との、絆の結晶です」
むしろ悪魔ってだけで無条件にエロくてステキな肉体を提供してくれて、こっちがありがとうと言いたい位だけれど。でも、まぁ……何と言うか、ナニの最中に呪術師ちゃんのお腹の中へ思う存分たっぷりとアレを出して、さらに真っ黒なナニカも外と内から染み込ませるように凝縮して入れた訳だけど、まさかなぁ……道理で俺と似たような気配を持っていて、似たような発想でアホな内容とはいえ計略を仕掛けてくる訳だ。脱ぎ捨てていたローブに袖を通しながらそんな事を思う。
「?? ますたーは、ますたーですー」
もしかして俺は父親扱いなんだろうか。……と思いきや、のんきに抱えられたままの緑色の反応を見るとそうでもないっぽい。母親扱いの呪術師ちゃんに対しての父親ではなくて、マスター・主・ボス等と呼ばれるという事はこの小悪魔達としては子と言うよりも配下みたいな認識になっているんだろう。
ふと思いついて、呪術師ちゃんのラインを細かくチェックしてみる。力の流れを辿ってみれば、案の定呪術師ちゃんと小悪魔達の間には何らかの繋がりが存在していた。うーん、構造体と俺達魔物の関係に近いもので、呪術師ちゃんを守る役割が与えられている感じかな? ついでに俺の注いだ力を元に発生した事もあってか、俺の眷属という性質も合わせ持ってしまっているようだ。
あぁ、もしかしたら呪術師ちゃんの魔物を操る力にも関係しているのかも……って、そうだ。小悪魔達の登場に気をとられて忘れる所だった。
「そういえば、さっき出会った時に角の光の事で何かを考えていたみたいだけど」
まとわり付く赤色をあしらいつつ手近なベンチへと移動して問いかけてみれば。緑色を離した呪術師ちゃんはマントを羽織りながら隣へとやってきて口を開いた。
「角の光、ですか? …………あっ、そうです。 悪魔さまはやっぱりカミサマなんですね!」
えっ?
「先ほど私を清めてくださった水を生み出す魔法なんて、昔聞いたお話にもありましたしっ!」
そう言って、ベンチに並んで座った状態からこちらへと身を乗り出してくる呪術師ちゃん。エロ方面以外では割と落ち着いた性格の呪術師ちゃんにしては妙に興奮している。そんなにくっ付くと大きなふくらみが当たって気持ちい……ではなくて。
「ほら、落ち着いて――それで、その昔の話ってのは何の事だい?」
そのまま目の前の暖かい肉体を抱き寄せて行為に及びたくなる衝動を抑えつつ、問いかける。
「あ、はい。 私の故郷に伝わっている昔話なんですが、その中に紫の光と共に魔法を使うカミサマが出てくるんです」
ベンチへと座りなおして居住まいを正した呪術師ちゃんの返事に耳を傾ける。妙に静かだなと思えば、小悪魔達も思い思いの場所に陣取って話を聞く体制をとっているようだ。さっきまであんなに騒いでいたのに、主の行動を邪魔をしないような習性でもあるんだろうか。
「へぇ……面白そうだね。 ちょっと聞かせてくれないかな」
異世界の昔話か、どんなものなんだろう。というか、そもそも呪術師ちゃんに会いに来たのはそれが目的だったような。まぁいいや、今でも細かい所までしっかり覚えていると言うことなので、語ってもらう事にしよう。
「わかりました……んんっ、それでは――
その昔、ここには一つの王国がありました
王国は最初、一つの寂れた辺境の町でしかありませんでした
人々は荒れ果てた土地でほそぼそと貧しい暮らしを送っていました
ある時、そこにカミサマの一族が空の果てから降り立ったのです
カミサマからもたらされた魔法によって、町は豊かな繁栄を築きあげていきます
その力はどんどん大きくなり、しだいに周りの町も取り込んで、いつしか一つの王国となりました
しばらくの間、王国には幸せな時が流れていきます
幾度となく大きな災害が訪れても、カミサマ達の助けでその困難を乗り越えて暮らしていました
安寧の日々が続いていく中、王国で一人の男が王となりました
その王はとても傲慢で、世の中のすべてを我が物としなければ気がすまない人でした
遠い国々を従えて、城に集めた財宝の山を前にしても、王は満足しませんでした
際限のない欲を抱えた王は、恐ろしい事を思いついてしまいます
王国の繁栄を見守ってくれていたカミサマの一族、その力を手に入れたい……と
カミサマ達は人々が困った時に助けてくれる事はあっても、私欲の為に力を貸してくれる事はありませんでした
そこで王は、王国の外れで静かに暮らしていたカミサマの一族の娘を城へと招き、騙し、幽閉して……強引にその血を交えてしまいました
愚かにもそうする事で自分や子孫にもカミサマの力が宿るだろうと考えたのです
しばらくして、娘を奪われたと知ったカミサマは激しい怒りを抱きました
カミサマは激情のままにその偉大な力を振るい、お城の一室から娘を助け出します
そして、身篭ってしまっている娘の悲しげな表情を見て、騒ぎを聞いて現れた王の前でこう告げました
「おまえ達に力を貸した事は誤りであった。我らの力で生み出してしまったモノ全てを消し去ってやろう」
その夜、王国を妖しい紫色の輝きが覆いました
人々は恐ろしさのあまり家の中に閉じこもっていました
あくる朝、外に出た人々は驚きます
豊かな実りを約束してくれていた大地は固く乾いてひび割れて
滾々と水を湧き出させている綺麗な泉だった場所には水の一滴もありません
日を浴びて輝き人々を守っていた高い城壁はただの土の山になってしまい
夜に街を照らしていた魔法の明かりは輝きを失っています
そこからはカミサマがくれた恵みの全てが、確かに失われていました
ずっと、ずっと昔の……王国が王国になる前の姿に戻ってしまったのです
固く乾いた土は食べ物を生み出す事が出来ず
水が無ければ生き物は乾いて死を待つばかり
城壁がなければ恐ろしい外敵が命を脅かし
明かりの無い夜は人々の心に不安をもたらします
人々は我先にと他の国へ移っていきました
王国に残るものはカミサマの力を手に入れたと思った愚かな王ただ一人でした
――こうして、栄華を誇った王国は一夜にして消え去ってしまったのです」
「ふぅん、なるほどねぇ……」
呪術師ちゃんは、いつものどこか丸っこい印象を受ける声でそんな物語を聞かせてくれた。
「故郷から荒野に遠くかすんで見えるんですよ。小高い丘にそれらしい遺跡が残っているのが」
だから興味があって、小さな頃に何回も聞かせてもらったんです――と、呪術師ちゃんは懐かしそうに、そして寂しそうに続けた。
……しかし、そんな感じのしんみりとした空気も、周りで「拉致監禁ですー」だの「わわ、王に、強引に……」やら「強姦だな、強姦ー!」「ボス! こっちも子作りしようぜ、子作りっ」等と騒ぐ小悪魔達のおかげで台無しである。これは酷い。
うん、まぁ独りで隠れ住んでいた呪術師ちゃんには、こんなアホな連中が一緒に居る位で丁度良いのかも知れない。一人だけ騒がずに動いて、誰得ローブの裾から中へ入り込もうとしてくる青色をつまんで放り出しながらそう思った。
……◇……◆……◇……
「おなかへった」
話が終わって再び騒ぎ出した小悪魔達をぼんやり眺めていると、唐突に赤色がそんな事を口にした。お腹が減る……? ここに来てからついぞ感じたことの無い衝動である。……あぁ、そうか、小悪魔達が関連付けされているのは呪術師ちゃんだから、構造体から存在維持の力が全自動で供給されないのか。
「こっちはまだ大丈夫だけど、まぁ減ってるかな? かーさん、わたし達、先に戻ってるね」
「うん、皆も気をつけてね」
黒色はそう言うと、赤色に手を引かれてどこかに移動していく。戻るって事は呪術師ちゃんの拠点になっている召喚陣の部屋にでも食料が置いてあるのかも知れない。「あー、まってよー」と緑色が二匹を追いかけて行き、「お母さま、主さま、それでは~」と白色が別れを告げる。
「それではご主人さま、失礼します。…………かあさまとヨロシクおねがいします」
最後に青色がそんな言葉を残しつつ他の連中の後を追って飛び去っていく。かあさまを、じゃなくて"と"ヨロシクって事は……暗にナニでもしろって言いたいんだろうか。まったく、なんて奴だ……こっちは一々言われなくてもヤル気十分さ!
「…………」
小悪魔達の去った空間に噴水の音だけが流れていく。あれだけ騒がしい連中だと、居なくなった時の落差が激しいなぁ。ここしばらくはずっと一緒に居ただろう呪術師ちゃんも、隣で少し寂しそうにしている。
「あー、うん。そういえば……キミやあの連中は何を食べてるの?」
さりげなく肩に腕を回しつつ、気になっていた事を聞いてみた。
「あっ……はい。私は木の実や果物で、あの子達は召喚陣の光を吸っているみたいです。前に来て頂いた場所のもっと奥に、色々な実のできる木が生えている場所があるんですよ」
身を寄せてくれる呪術師ちゃんからは、そんな答えが返ってきた。えっ、それだけ? 悪魔は元々あやふやなモノから発生した存在だから問題なさそうだけど、人間の呪術師ちゃんが木の実や果物だけで何年も生きられるものだろうか。
「私のお乳が出ればあの子達にもあげられるんですが……」
妙な事を口走っている呪術師ちゃんをよそにあれこれ考えてみる。いくら色々な果物があっても、それだけじゃ人間は生きられないと思う。多分、塩分とか色々足りない。でも、目の前の呪術師ちゃんは健康そのものだ。何となく女のコの状態が解る淫魔の感覚もそれを裏付けている。という事は、呪術師ちゃんも警備員となった魔物と同じように構造体から何らかの補助を受けている?
ふぅむ……呪術師ちゃんが追い出された故郷は、構造体があるこの地方からは遠く南に離れているという話だったけど。話に出ていた紫の輝きは悪魔だけじゃなく構造体の召喚陣が放つ光とも同じだから、何らかの関連性があるのかも知れない。もし話の中の"カミサマ"の一族が構造体の創造主と同じであるならば、人型で、しかも人間と子供もできるような近い種族、あるいは特殊な力のある人間そのものという事になるのだろうか。
そして、その光を使う術式にアクセス……操作できる因子を持っていた呪術師ちゃんは、やっぱり――
「あの……悪魔さま、何か」
おっと、新しく入った情報に集中しすぎていたかな。考え込んでいたこちらへと呪術師ちゃんが不安げに声をかけてくる。少し先ほどの様子を思い出して……隣に寄り添っている呪術師ちゃんの腰へ腕を回して、その柔らかな肢体をぐいっと引き寄せて。
「ああいや、何でもないよ――それじゃあ、ふふ……さっきの続きをしようか」
声を掛けながら空いた腕を膝の下へ通して、呪術師ちゃんをひょいっと膝の上に抱き上げる。いきなりかも知れないけれど、まぁ良いだろう。不安や寂しさで沈んだ顔よりは愉しんでいる表情を見ていたい。
……◇……◆……◇……
急な動きに驚いた表情を浮かべる呪術師ちゃんへ顔を寄せて、少し強引に唇を合わせる。
「あっ……ンん…………ん、ふ……」
そのぷるんとした弾力のある唇を軽く啄ばむようにしていると、驚きに硬くなっていた肉体から力が抜けるのが感じられた。こちらへと体重を預けてきている呪術師ちゃんのその肉体は心地良い重さと柔らかさを伝えてくる。
それにしても、呪術師ちゃんの服はマント一枚しか無いんだろうか。今度三つ編みちゃんが残した荷物から肌着でも持ってきてあげても良いかも知れない。構造体の中は温かくも寒くも無いけれど、流石に布一枚はどうかと思う。擬態の為とは言え、俺でさえ誰得ローブの上にマントを羽織っている訳だし。
……あー、でも、三つ編みちゃんの服じゃ胸周りが苦しいかも知れないか。平均よりも恵まれている神官ちゃんや狩人さんでも呪術師ちゃんほど大きくはない。知っているコの中でその部分のサイズ的に近いのは盗賊さん位だけど、彼女はサラシで押さえてたしなぁ……かといって戦利品の中に数多くある男性用の着替えを使わせるのは何だか気に入らない。
そうだ! 包帯代わりなのか戦利品の中には清潔な布が沢山あったから、あれを使ってもらおう。ぼろぼろのマントの下、素肌に包帯を巻いた姿……うん、イイね!
「ん…………うぅ、んっ……はぁ」
その服装の呪術師ちゃんを想像してテンションを上げながら実際に手も動かす。マントの合わせ目から入り込み、柔らかな太もも、もっちりとしたおしり、きゅっとしたお腹……そして目的地となる豊かなふくらみへ。腕の中で息づく温かな肉体へとゆっくり指を這わせていく。
親指と他の指とで大きく挟むようにふくらみの感触を味わっておいて、これからの行為への期待からかツンと立ち上がりつつある先端に親指の腹で軽く回すように触れる。
「あぁ……はぅ…………ん…あくまさまぁ……」
呪術師ちゃんは夢見るような表情を浮かべて、甘い吐息を漏らした。突然の行為にも拒む様子は見られない。このコはどんな時でも俺を受け入れてくれるのだろう。
その事に内心笑みを浮かべながら、再び唇を触れさせて恋人のような行為を続ける。少し汗ばんだ肉体へ指先をかすらせるようにして、ふくらみの形をなぞり上げ、さわさわと優しくわき腹をくすぐる。腕の中の肉体は、その温度を次第に上昇させていく。
そうやってしばらく緩やかな時間を過ごしていると、呪術師ちゃんが太ももをもじもじさせているのに気が付いた。
「あ、その……悪魔さま、わたし……」
「ふふ……また欲しくなったのかい?」
頬を上気させた呪術師ちゃんの顔に肯定の意思が浮かんでいるのを確認してから、向かい合ってこちらの膝を跨ぐ形に体勢を整える。誰得ローブの裾から俺自身を取り出して見せつけるようにすると、呪術師ちゃんの喉がごくりと動くのが見えた。
「さぁ、今度は自分で入れてごらん」
「……はぁ…………はぁ……はぁ」
熱の篭った呼吸を繰り返す呪術師ちゃんは、潤んだ瞳でじっと俺自身を見つめたまま、無言で膝を立てて肉体を上にしていく。
「う、あっ……」
何度か失敗して泉の表層を滑ってしまい、その度にピクンと可愛らしく肉体を震えさせたりしながらも。片手でこちらの身体に縋りつき、もう一方の手で俺自身を支えて、ゆっくりと腰を降ろしていく呪術師ちゃん。
既に一度行為を行ったせいか、ずぶずぶと俺自身を飲み込む呪術師ちゃんの泉の中は万全の状態で待ち構えていた。くふふ……自分から動いて入り込むのもイイけど、不慣れな様子の女のコに入れて貰うのもイイものだなぁ。太ももに力を入れて肉体を支えている事で、連動して強く締め付けてくる肉の感触に笑みが零れる。
「…………ん、入りまし――あぅっ!」
完全に納まった事で気を抜いたのか、足から力を抜いてしまった呪術師ちゃんの重みが強く俺自身にかかってくる。当然そんな事になれば呪術師ちゃんの肉体の奥深くに刺激が届く事になる訳で、びくりと震える内部の締め付けがきつくなる。
「クク、ゆっくりでいいんだ。自分で動いてごらん」
咄嗟にこちらへ縋りついている呪術師ちゃんの耳元でそう囁いてから、ベンチの背もたれに体重を預けて見守る体勢に移る。「はい」と頷いた呪術師ちゃんは、手の平を上にして差し伸べた俺の腕を掴んで安定を確保すると探るように足に力を入れて、震える腰をぎこちなく前後させ始めた。
「うぅ……ふ、あっ…………はぁ……んん……」
前面の開かれたマントからちらちら顔を覗かせて上下に揺れているふくらみや、妖しくくねる紋様の描かれた褐色の肢体。至近距離にあるそんな呪術師ちゃんの姿を見ているだけでも充分に愉しめる。勿論、熱く柔らかい肉の中を動く俺自身に伝わってくる感触は言うまでもない。
ふー、ふーっと呪術師ちゃんの口元からこぼれる濡れた吐息、結合部から微かに届く湿った肉の音。二人だけの……と言うには獣達が沢山居るけれど、夜の公園風の空間の中をそれらの音が噴水の水音に紛れるように流れ出していった。
「…………」
腰の上で揺れる肉体を感じながら、意識をその奥深く、魂へと集中させていく。先ほどラインを通して行ったものより直接的な、心と肉体が繋がった状態での調査だ。
現在感じている快感、肉体のざわめき、小悪魔達への思い、俺への依存……独りぼっちであった寂しさ。呪術師ちゃんを構成しているモノを認識しながら意識の手を深くへ向かわせる。そうしてたどり着いた心の底には……やはりと言うべきか、うっすらと紫色の輝きが存在していた。他の女のコの心にも潜って比較してみなければ何とも言えないけれど、これはほぼ確定か。
ひとまずの結論を出して意識を浮上させると、甘い吐息が耳に聞こえてきた。
「んっ……あ…………あっ……ふぁ……あぁは」
呪術師ちゃんの方も大分慣れてきたみたいだし、もういいだろう。呼吸と共にリズムをとりながら、懸命に自分の肉体を前後させてくれている様子からそう判断する。
「解ってきたみたいだね……ふふ、さぁこっちへおいで」
「ぁ、はっ……はい。あくまさま、私……はぁ、はぁ…ふわふわと……よくて」
荒い吐息の合間に答える呪術師ちゃんのくびれに腕を回して、くっとこちらへ抱き寄せた。密着するふくらみの柔らかさを感じながら唇を深く合わせ、口の中で滲ませた回復薬を喉の奥へと流し込んでいく。最初の時の事を覚えていたのか、呪術師ちゃんは喉へ注がれる液体をこくりこくりと受け入れている。
「うん、いいコだ……さて、どうしようかな」
まぁどうするもナニも、今も下半身は深く繋がったままで抱き合っている訳だけど。そうだなぁ……やはりここは、前から思っていたように後ろから愉しませてもらおう。激しくなる形だし、余裕がある内に経験してもらった方が良いに違いない。
……◇……◆……◇……
「……こう、ですか?」
言われた通りにベンチの上に膝を突いて、片手は座面に、もう片方は背もたれを掴む体勢になってから、そう聞いてくる呪術師ちゃん。狭い場所に乗って少し不安定な体勢でこちらに顔を向かせているからか、目の前に突き出された肉付きの良いお尻がふらふらと揺れている。
「そうそう、そのまま……」
そう言いながら、先ほどまでの行為に滲んだ汗で少しひんやりとしているお尻を鷲掴む。手の平に感じるたっぷりとした肉の質感を堪能しつつ、俺自身と呪術師ちゃんの泉の位置を調節する。
「さぁ、いくよ」
返事は無かった。しかし欲情して行為への期待に濡れている呪術師ちゃんの瞳には、拒むような意思は見受けられない。とろとろと淫らな体液を流している中心へと俺自身の先端を宛がって、ズブリと肉の中へ分け入っていく。
「あっ、ハぁぅ…………ッ!」
今までは向かい合った形ばかりで、こちらの向きからは初めてだからだろうか。呪術師ちゃんは背中を反らして、入り込んだ俺自身をきゅうっと締め付けてきた。
くく、思っていた通りいい感じだ。俺自身を包む感触にペロリと唇を舐めて笑みを浮かべた。ぼろぼろのマントに褐色の肌、身体に描かれた紋様と、ファンタジー的な要素をふんだんに含んだ姿の呪術師ちゃん。そんな姿の少女と夜の公園、まるで日本にいた頃のような印象を受けるこの場所で、こうして交わっている。さまざまに異なる要素が混ざり合う現状は、何とも不思議な気分を沸き起こらせた。
「っ……あぁ、あくまさま…………うぅ、んぁっ!」
ぬかるんだ肉の中を、浅い位置から一気に、勢いよく深みへと入り込む。それから腹に力を入れて俺自身を持ち上げるようにしながら、ゆっくりと、内部の背中側をなぞり上げるように……
「ン、はぁァ……! ぁ、ぁあぁ……ぅあ、ぁっ……」
持続して伝わる刺激に、ため息のような嬌声を上げている呪術師ちゃんの肉体を、ゆっくりと縦横に揺り動かす。この体勢は男女の交わりの中でも、最も動き易いものかも知れない。こちらだけがそうなのではない、突かれている呪術師ちゃんも動きに合わせてその腰を動かし始めている。完全に同期する事のない微妙な動きの違いが、粘液の中で擦れ合うそれぞれの部分に快楽を生み出していく。
「気持ち良いかい?」
目の前で揺れる背中へと、吐息を当てるような近さで問いかける。優しく、焦らすような行為を続けられている呪術師ちゃんの肉体は、ただそれだけの事でもヒクンと反応した。
「あぁ……はっ、はい、悪魔さまが……ふっ…深くに、あぁ……感じます」
乱れた吐息の合間にそう言葉を返してくれる呪術師ちゃん。
淫魔のモノはあらゆる状況に対応して、女を満足させられる最適な大きさや形に変化する。なので、今のように泉の内部が少し伸ばされた体勢の時でも、奥へと届き難くなってしまう様な事にはならない。呪術師ちゃんの感じている度合いや肉体に合わせて、内部を酷く圧迫する程でもなく、奥まで届かないという事もなく。泉の深みを少し押し上げる程度のサイズとなって肉体の奥へと接触を繰り返す。
その事が、呪術師ちゃんが上になっていた時との明確な違いとなって強く意識されるんだろう。激しい行為ではないけれど、こちらの腰の先で揺れる褐色の肉体からはトロトロと淫らな体液が流れ出している。
「っ! あ……あぁ……はぁぅ……」
垂れていく液体を逆に辿るように、呪術師ちゃんの太ももの内側を下から撫で上げる。腰を突き出す度に、柔らかな皮膚の奥で悦びに跳ねる筋肉の躍動を感じた。深く感じている事にほくそ笑みながら、手はそのまま足の付け根、俺自身を咥え込んでいる泉の縁へ。
「ひあっ、あぁあ……はっ…ぁくまさま、そこはぁ……あっ!」
ただでさえ前後する俺自身によって刺激を与えられている部分。腰の動きと共にゆったりとしたスパンで沸き起こる快楽、そこへさらに追い討ちをかける。広げられた泉の形を指で象るようにぬるりとなぞって、今現在は何の刺激も与えられていない泉の上の端、充血してぷっくりと突き出た女の欲望を両側から指先で挟みこむ。
「あッ、はぅんんンっ…………!」
その瞬間、呪術師ちゃんが一際大きな声を上げて肉体を反らし、内部の俺自身が強烈に締め付けられた。ぷしゅ、しゅ……とかすかな水音が聞こえて、足の間へやっていた両手が何かで濡れる。
……これは驚いた。盗賊さんのように慣れているコならともかく、まだそこまで慣れ切っていない呪術師ちゃんが、ねぇ……このエロい肉体は伊達じゃないって事かな、ふふふ。
「イったね」
ベンチの座面に片手を突いて、震える背中に覆いかぶさるようにして囁きかける。
「いった……? ――あ……はい、わたし……はぁ、はぁ……わたし、いった……イきました」
呆然としていた呪術師ちゃんは一瞬疑問を浮かべながらも直ぐに我に返って、そう宣言した。他の人間との触れ合いがあまり無かった人生によるものか、その精神にあどけない、幼い部分のある呪術師ちゃん。そんな彼女にこういった単語を言わせるなんて……良いな。背徳感がたまらない、興奮する!
「ふふ、良いコだ……」
可愛い呪術師ちゃんを褒めつつ、尻尾の先から回復薬を呪術師ちゃんに流しかけていく。紋様の描かれた褐色の背中に広がる薄赤い液体が、快楽に疲れた肉体を癒し始める。
「あっ、悪魔さま……ありがっ、ありがとう…ございます」
空いていた片手に回復薬をとり、肉体の下に回して柔らかなふくらみを掴む。うはは、元々女のコの胸が一番大きく見える体勢だからか、手に感じるボリュームが凄いね! 指が沈み込んでいきそうだ。
そうして、呪術師ちゃんの胴体全体へと回復薬を塗りこんでから、腰の動きを再開させた。
……◇……◆……◇……
「あっ……あっ、あぁあっ! あぁ、はぁっ……あッ、ふぁ、あぁっ」
先に加速したのは吐息のペースか、それとも揺れる腰の動きか。いつしか、どちらともなく速くなっていった二人の肉体は、肉のぶつかり合う音を辺りに響かせる程になっていた。くんっ、くんっと揺らめく呪術師ちゃんの腰が、内部を突き進む俺自身を奥深くまで受け入れている。
じゅっ、ちゅっ、じゅぶ、ちゅぷ……と、連続して淫靡な水音を立て続ける二人の結合部。少し目を上げれば、本能のリズムで腰を手招きするように振る呪術師ちゃんの反り返った背中が視界に映った。二度目で行為に慣れつつあるという事と、先ほど動きを任せていた事の経験からか、呪術師ちゃんは性を味わう事を覚えてきているようだ。くねる肉体に刻まれた紋様が、より淫らに呪術師ちゃんを彩っている。
「ふあっ?! あっ! ぁく魔、さまっ…あぁっ! く、ぅンっ!」
両手を呪術師ちゃんの肉体に回して、その豊かなふくらみを揉みしだく。ピンと充血した頂を指で転がせば甘い声が上がり、内部の締め付けが強くなった。
ははっ、こうして突き上げながら同時に他の敏感な部分を責められるのも後ろからする利点だなぁ。二重三重に与えられる刺激に、最初は少し不安そうな様子を見せていた呪術師ちゃんも悦びの声を上げてくれている。
「はぁっ、あっ……あぁっ! あんっ、うっ、あッ、あぁあっ!」
腰を自由に動かして、思うが侭に濡れた肉の中を抉り、ヒクヒクと震える襞を堪能する。深く打ち付ける度にこちらの下腹部へと触れ、形を変えるふんわり丸いお尻の感触が、堪らない。
自らの手で……肉体で、性の悦びを教えた女のコが、その悦びに髪を振り乱して悶え狂う姿。これ程までに男の支配欲を満たしてくれるモノが他にあっただろうか……もう何と言うか、色々と、最高だ!
ぞくぞくと背中を駆け上がる悦びのままに、腰を振り続ける。
「あぁっ、あっ! はンっ! んあっ…アっ、あっ、あぁぅっ!」
気が付くと呪術師ちゃんはベンチの背もたれへと縋り付いて、今にも崩れてしまいそうになっていた。いっぱい感じてくれたから限界も近いかな……でも、ここはもう少し頑張ってもらおう。俺自身の前後する動きに連動してぶるんぶるんと激しく揺れているふくらみを強調するように、しゅるりと尻尾を巻きつける。たっぷりとした腰も両手で掴み、呪術師ちゃんが倒れてしまわないように支えてあげながら行為を加速させていく。
「ふぁっ! ぅあぁ! アっ! あぁッ! ああっ! あーっ! あぁあっ!!」
深く、強く、激しく、終わりを目指して呪術師ちゃんの塗れそぼる内部の先へと攻勢をかける。呪術師ちゃんが上げる甘い鳴き声と、俺自身をきつく包み込み震える内側。その褐色の肉体を愉しみながら最初の時に忘れていた術式の準備を完了させる。……よし、これでOK。後は、このまま――
「アぁっ! ああアあぁあぁーーーーーっ!!!」
天井を見え上げるように肉体全体を反らせて、ガクガクと大きく絶頂を迎えた呪術師ちゃん。熱く震えるその肉の奥の奥へと俺自身を押し付けて……びゅく、びゅくりと、念入りに溜め込んだ術式を一気に注ぎ込むっ!
……◇……◆……◇……
「ふふ、そんなに良かった?」
ふらふらになってしまった呪術師ちゃんの重みを背中に感じながら、以前行為に及んだ召喚陣の部屋……彼女の寝床へ向かう。何か最近女のコをおんぶしてばかりな気がするけど、背中から伝わる感触が最高なので気にしない。
背中の腰の辺りに湿り気を感じるのも……気にしない。呪術師ちゃんはマント一枚で、おんぶしている時は前が開いて足の間の辺りが直接俺に密着しているだろうけども、キニシナイヨ! 例え背負った肉体が下半身をこちらへ擦り付けるように動いていても、そこからにちゃにちゃ音がしても、気にしないのだ!
「ぁん…………あ、はい。 悪魔さま、私……んっ、凄かったです」
耳の直ぐ近くに艶っぽい声と吐息を感じる。……と言うか、また明らかに欲情している。うーむ、呪術師ちゃんはエロいなぁ。淫魔の肉体と接触しているせいなのか、エロ教団の教育の成果なのか。本当にもう、ご馳走さまって感じだ。
「悪魔さま、今日もありがとうございました。 その……ま、また……」
「こちらこそ、さ。 また今度、一緒に、ね? それじゃ」
送り届けた呪術師ちゃんの寝床で軽く挨拶を交わし、お土産としてリンゴを渡されつつ帰路に着く。というか本当に果物あるんだ……草木が生えてるんだからおかしくは無いけど、何故地下にそんなものを植えたんだろう。構造体への疑問がまた一つ出てきてしまった。俺の人生にはあんまり関係ないけど、謎だ。
さーて、どうしたものかな。手の中のリンゴを上に放っては受け止めて、その質感や匂いを感じながら考える。
呪術師ちゃんの昔話を聞いても、結局の所あんまり意味は無かった。判った事といえば呪術師ちゃんが構造体の創造主の子孫かも?という程度。構造体にアクセスして自由自在に操作できる、なんて都合良くは行かないみたいだ。
俺の目標は自分の生存、これに尽きる。ついでに色々ヤって愉快に生きていられると尚良い。構造体の中にいる限り生存する事にはあまり問題はない。腹も減らないし、怪我も治る、力も供給されれば、存在も維持される。
……けれど、それらの要素は構造体から契約によって得られるという所が問題だ。構造体は頑強な造りになってるように見えるけど、それでも完璧じゃない。実際に浅い階層では機能にバグが生じているとの事だし、年月で自然に劣化している部分もあるようだ。
個人的に拠りどころが一つだけってのは微妙である。こういうのはもし無くなってしまったら困る事になる。平和な日本に居た頃の経験じゃ困る程度で済んだけれど、今のこの世界では命に関わる事になるだろう。だから、いざという時の保険が必要だ。……でも、まだ足りない。
少しだけそんな焦りを抱きつつ、手に持ったリンゴを齧ってみる。日本の物と品種が違うのか、久しぶりに食べたそれは記憶にあるものよりも酸っぱく感じられた。
― リンゴジュース(100%)の成分を記憶しました ―
「ぇぶっ」
いきなり表示が出てきて、変な声を出しつつ軽くむせてしまった。相変わらず空気を読めないシステム?表示である。アクセスコードという手がかりらしきものがある構造体とは違って、こっちは謎のままだ……でも今は良いか。便利なだけだし。
――ぽつり
考えながら歩いていると、三つ編みちゃんの時のように力が少し高まった。あぁ、そろそろ時間か。感覚では日が落ちて少し経った位になっている。先ほども考えていた危険性。一つの力に頼り、それが失われた時にどうするのかという問いには、もう答えが出ていたりする。
――ぽたん……ぽたん
構造体一つで不安なら、二つ、三つ、沢山の他のモノから力を貰えばいい。好都合な事に自分は淫魔……吸精悪魔で、その方法を持っていたわけで。
――ぽた、ぽたん……ぽたん
盗賊さんが町まで帰ったのは早くても今日の昼過ぎ位だろうから、まだ渡した粉は流通させていないだろう。これらは以前にその辺の通路へと置いていた粉の方かな。術式を仕込んだ淫魔の角の粉を使って、今もどこかで行われている男女の営みが、俺の力を高めていく。
――ぽたん……ぽたん、ぽたん
ははっ、良い感じだなぁ。盗賊さんに渡したものが流通し始めれば、もっと増えるだろう。もう少ししたら、一度外へ出ようとしてみても良いかも知れない。
食べ終えたリンゴの芯を、ついて来ている獣達へ投げてやりながら思う。
……と、いうか、命の危険とか色々それらしく並べてみたけれど。ぶっちゃけてしまえば、中階層に女のコが沢山来てくれれば、居心地の良い構造体から外へ行こうなんて思わなかった。でも来ないんだから仕方ない、多少面倒でも努力せざるを得ないじゃないか! 専門の神官さえもごまかせる俺の擬態なら、町へ行ってもそれ程危険も無い……筈。
そうしたら、この手で直接……ふふふ、自由に女のコ達とナニした上で、力の供給も増やせる。まさに一石二鳥って奴だ。これは頑張るしかないだろう。
いやぁホント、愉しみだなー。