※この作品はR-18です。

儚き異能は心を映す   作:緑茶わいん

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第百二十四話 宴の一幕、真里亜とのローター散歩 後編 ★

 せっかくなので校内をひととおり散歩することにした。

 個室内でのやり取りを、誰も聞いていなかったことを確認しつつトイレを出て、まずは階段に向かう。もちろん、手はまた繋ぎ直している。

 ローターを気にして遅くなりがちな真里亜を、知尋は急かすように軽く引く。

 振動は「弱」レベルに設定してあるので無理は効くはずだ。ただし、今の真里亜は全部を快感に変えてしまう状態だろうからフォローは必要。

 

 人にぶつからないよう歩くペースを調節したり、さりげなく進路を誘導したり。

 

 階段を使って一番上の階まで上がる時も、下から見られないよう注意を払った。

 そうした配慮の甲斐あってか、真里亜も傍目から変に思われない程度には外見を取り繕うことができている。

 

「もしイけるなら、好きなだけイっていいからね」

「あ……ええ」

 

 傍に寄って囁くと真里亜がこくんと頷いた。

 

「うん。先は長いから、楽しもうね」

「……ああ。素敵」

 

 まずは階を一周。

 特別、出し物に立ち寄るつもりはなかった。大半以上の出し物は昨日回ってしまったし、真里亜もこの状態では上の空になってしまうだろう。

 ただし、時折、教室内を覗く名目で立ち止まってみたりはした。

 

 歩くなら歩く、止まるなら止まるでペースとメリハリが取れていれば快感の流れをコントロールしやすいが、急に止まられると調子が狂う。

 そうやって揺さぶることで快感と興奮をより引き出してやる。

 周囲の喧騒もちょうどいいスパイスになっているはず。

 その証拠に、最初の階を歩き終える頃には、真里亜は繋いだ手をきゅっと握って離そうとしなくなっていた。誘導がないと歩くのも大変なのだろう。

 

 階段をゆっくり下りた。

 次の階でも同じように、時折止まったりを繰り返しながら歩く。慣れてきたのか、真里亜は快感に浸りきっているように思う。

 

 何か新しい刺激が欲しいな。

 

 深い気持ちよさに包まれているのは良い。その上で、余裕があるなら更に気持ちよくなって欲しい。

 何か材料がないかと思考を巡らせていると。

 

「えーい」

 

 背後から。

 突然、二人纏めて抱きしめられた。

 背中に当たる柔らかな膨らみ。この感触は、

 

「鈴さん?」

「正解。やっほ、知尋くん、真里亜ちゃん。……あ、今はちさとちゃんだったっけ?」

 

 ふわふわと微笑む長身の女性。

 やはり、ラフなパンツルックに身を包んだ鈴は微笑んだ後、ふと真里亜の方へと視線を向けた。

 

「……真里亜ちゃん?」

「……ぁ」

 

 呆けた表情で真里亜が振り返る。

 膝が震え、口元が悦びに歪んでいる。さっき声をかけられたことで驚き、絶頂してしまったのだと理解する。

 鈴が首を傾げた。

 

「二人とも、何してるの?」

「ローター入れて散歩中なんです」

 

 廊下を歩く他の人が誰も知尋達を気にしていない――『認識疎外』が機能しているのを確認してから知尋は答えた。

 相手によっては引くだろうが、鈴ならまず問題はない。

 案の定、彼女はむしろ楽しそうな声を上げた。

 

「へえ、いいなあ」

 

 わたしもしたい、と、目で知尋に訴えてくる。

 まあ、確かに。このローター散歩は、鈴の好きな露出散歩と趣は違えど精神としては近いものがある。どちらかというと羞恥がメインの調教だ。鈴がやりたいと思うのも無理はない。

 しかし、知尋は苦笑を浮かべて首を振った。

 二人まとめて面倒見るのは明らかにキャパオーバーだ。そもそもローターが一つしかないし。

 

「すみません、また今度でもいいですか? 今は……」

「あ……うん。そっか。そうだよね」

 

 羞恥を愛する者として、邪魔されたくない気持ちが理解できたのだろう。鈴もすぐに理解して頷いてくれた。

 彼女は再び微笑んで真里亜に囁く。

 

「じゃあ、真里亜ちゃん。頑張ってね」

 

 ちゅ。

 と、首筋にキスまでして、鈴はどこかへ歩いていった。

 

「深海さん、大丈夫?」

「……ええ、大丈夫よ」

 

 言いつつも、声を抑えるのも大変そうだった。

 快感のせいでついつい声が甘くなってしまうのだ。だから、真里亜は極力黙ったまま知尋に手を引かれてついてくる。

 

 鈴のお蔭でワンポイントの刺激を得られた。

 ついでに、次の階で入れる刺激のヒントまで見つかってしまった。

 彼女には感謝しなければいけない。

 

 そして一年生の階へ。

 

「ここは知り合いが多そうだね、深海さん」

「そうね」

 

 努めて明るく語り掛ける知尋に、真里亜は短く答える。

 顔をほんのり赤く染め、ぶっきらぼうな返答をする彼女は周囲からどう見えているだろうか。怒っている? それとも、体調不良を押している?

 恥ずかしがっている、と、正解を言い当てる者がいたとしても、彼女が恥ずかしがっている理由まではわからないだろう。

 

「深海さんは、昨日、学園祭を回らなかったの?」

「いえ。幾つかは、回ったわ。実行委員会で、話をした人のクラスには、行かないといけなかったから」

 

 これまではなるべくエスコートに専念していたが、この階では意図して何度も話しかける。声を出すのが辛い、という情報を得たため、そこを攻めるという作戦だ。

 これも効果的だった。

 真里亜は知尋の声にとぎれとぎれに答えては、その後、何度も呼吸を繰り返していた。喋ってしまうと呼吸がうまく整えられなくなるらしい。

 それでも荒い息を吐くのだけは堪えている。

 ただ、知り合いの多い階で会話して注目を集めるのは怖いようで、

 

「御角さん。それよりも早く、次の階へ」

「わかった。そうしよっか」

 

 知尋はくすりと笑って真里亜の手を引いた。

 ゆっくりと――これは今の真里亜のペースに合わせた結果として仕方なくそうして、ようやく階段に辿り着く。

 そうして、今まで以上に慎重に階を下りた。

 

 最後の一段を下り切ったところで、がくんと真里亜の身体が崩れ落ちる。なんとなく予想できていたので抱き留めるのが間に合った。

 少女は再び絶頂を迎えていた。

 

「……深海さん、最後の階だけど、ここは特に見るところないと思うんだ」

「じゃあ……」

 

 何らかの『期待』に瞳を輝かせた真里亜が知尋を見上げる。

 知尋は頷いて彼女に答えた。

 

「うん。だから、外に行こう」

「……ぁああっ」

 

 絶望が。

 真里亜の瞳をさっと濁らせ、とうとう我慢しきれなくなった絶頂の声が、傍にいた知尋にだけ届けられた。

 立て続けに二度も絶頂した真里亜は息も絶え絶え。

 二人は階段から脇に避け、数分間休憩を取ってから歩き出した。

 

 もう、真里亜はされるがまま。

 とろんとした瞳はちゃんと前を見ているかも怪しい。表情は緩んでいるので、知尋が無理に連れ回していると思われる心配はなさそうだが。

 

「ご飯、何か買っていこうか」

「はい」

 

 従順に頷くだけの彼女。

 手を引くだけだと限界が来たので、半ば腕を組むようにして歩いた。

 手近な露店でいくつか食べ物を買ってから来た道を引き返す。

 

 ちらりと背後を振り返る。

 

 特別、知尋達に注目している人はいないようだった。

 ほっと息を吐いたところで、知尋は地面にいくつか小さな染みができているのを目にした。

 雨の降り始めのような水滴の跡。

 

「深海さん、垂れてるよ」

「……っ」

 

 昇降口近くで囁いたところ、真里亜はがっくり膝を折ってしまった。

 またイったようだ。もはや夢心地の彼女を抱き留め、殆ど抱きかかえて引きずるように移動する。

 

 玄関から入るつもりだったが、予定を変えて校舎を迂回する。

 学園祭中ということで周辺施設に用がある者はあまりいない。グラウンド周辺を除き人気が少ないのを利用して、外側から、個室訓練場のある棟へ向かった。

 幸い部屋は利用可能だった。

 生徒証を使って利用申請をし、部屋に入ると鍵を閉めた。床に真里亜を座らせて軽く一息。

 

「ここなら大丈夫だよ」

「……ありがとう、ございます」

 

 ぼうっと答える真里亜。

 彼女はあらためて周囲を見回し、知尋の言葉通り密室であることを確認した。それからおもむろに右手を持ち上げてスカートの下、太腿へ。

 指でスイッチを操作した方向は。

 

 ヴヴヴ……。

 

「んんんーーっ!」

 

 当然、振動を強くする方向だった。

 大きく声を上げ身体を仰け反らせ、彼女は更に両手で制服越しに胸を揉みしだく。

 もどかしげに、どこまでも快感を求める姿は知尋にも欲情を抱かせた。

 

「真里亜」

 

 漆黒の瞳が知尋を見上げる。

 知尋は彼女の傍に歩み寄ると、スカートを捲り上げショーツを下ろした。半勃起したペニスが少女の眼前に晒される。

 

 はぁ……っ。

 

 吐息と共に激しくむしゃぶりつかれた。

 さながら餌を前にした空腹の獣のように。

 吸い、舐め、しゃぶって白濁を求める。本能的な動きでありながら、一つ一つには彼女が経験してきたテクニックの片鱗が見え隠れしている。

 こんなもの、まともに耐えられるはずもない。

 

「っ」

 

 知尋は無理に堪えるのを止め、真里亜の口内に射精した。

 本日一発目の、濃くて量のあるそれを、真里亜は喉を鳴らして飲みこんでいった。飲み終わると、ほう、と息を吐く。

 精液が気つけになったわけでもないだろうが、瞳には幾分か正気が戻っていた。

 

「申し訳ありません、知尋様。急にこのようなことを……」

「気にしなくていいよ。僕も気持ちよかったし」

 

 あれだけ乱れる姿を見せられて興奮しないはずがない。

 

「……でも、一回出したくらいじゃ物足りそうにないかな」

「でしたら、私のここをお使いくださいませ」

 

 微笑んだ真里亜が足を開き、ショーツとローターを抜き取る。

 彼女は左手でスカートを捲りながら右手の人差し指と中指を使い、くぱ、と秘裂を割り開いてみせた。

 溢れるほどの愛液でとろとろになったそこが、ペニスを求めてひくひくと動く。

 

 知尋はこくりと頷いて床に腰を下ろした。

 足を折った状態で床につけ、軽く開いてからスカートを捲る。

 

「自分で入れてみせて欲しいな」

「……はい」

 

 真里亜が恭しく答えた。

 彼女は片手でスカートを摘まみ、もう片手で秘所を開きながら腰を落とした。ペニスの先端をずぶずぶと飲みこむと一気に奥まで受け入れる。

 

「はぁっ」

 

 知尋の肩に捕まって息を吐く。

 足は知尋の足の上。騎乗位と同様、ペニスが深く挿入される対面座位で二人は繋がりあった。

 股間にはしっとりとした充足感。

 軽く腰を揺すれば、それだけで膣奥を叩く形となって真里亜を責めたてる。

 

「んっ」

 

 軽く喘いだ真里亜は頬を染めながら知尋に囁いた。

 

「もしも今、この光景を誰かが見たら驚くでしょうね」

「あはは……見た目は女の子同士だもんね」

 

 黒髪の美少女の秘部を、もう一人の少女の股間に生えたモノが貫いている。そんな、華なら邪道だと罵りそうな――乱らで倒錯的な光景に見えるだろうか。

 乱れたスカートの奥はきっちり見通せるわけではなく、知尋の股間にあるのがペニスだけなのか、それとも女性器も付いているのかは不明瞭。お蔭でよりレズプレイらしさは増しているだろう。

 

 だが、実際にはこれはセックス。

 

 少女を恥ずかしめ、喘がせ、膣内に白濁液をたっぷりと注ぎ込むための行為だ。

 今日はもう何度も絶頂している真里亜も、やはり挿入は別格なのかうっとりと表情を蕩けさせて快感に浸る。

 そんな彼女はふと、傍らに置かれたままになっていた食品類に目をやった。

 

「……これでは、せっかく買ったものが冷めてしまいますね」

「そうだね」

 

 それは仕方ない。

 冷めても食べられなくなるわけではないし、後で食べればいいだろう。

 と、思ったのだが。

 

「では、せっかくですからこういうのはどうですか?」

 

 真里亜が身をよじり、プラスチックのパックを一つ手に取る。

 動いた拍子の刺激に甘い声を漏らしつつ輪ゴムを外し、挟まっていた割り箸を割る。

 

「はい、どうぞ」

 

 割り箸で小さく切り分けて差し出されるのはお好み焼きだ。

 

「あーん、してください」

 

 これではむしろ知尋の羞恥プレイなのでは。

 などと一瞬、釈然としなかったが、見れば言った当人も赤くなっていた。あまりにも普段のキャラと違いすぎて反動があったらしい。

 こういうのは愛華とか鈴なら喜んでやりそうだ。

 

 ふっと気持ちが軽くなった。

 口を開けて箸を受け入れる。

 お好み焼きはまだほんのりと温かかった。

 

「うん、美味しいよ」

「良かったです。では、もっと召し上がってくださいませ」

 

 次々とお好み焼きが差し出される。

 一緒に食べないのか尋ねると「私はいいんです」とのこと。首を傾げながらお好み焼きを咀嚼し、一パック分である二分の一個を食べきった。

 

 真里亜は微笑を浮かべて知尋の食事を眺めていた。

 

「ごめん、なんだか中断されちゃったね」

「そんなことはありませんよ」

 

 首を振り、少女は唇を近づけてくる。

 

「愛する人の姿を間近で見られる、これ以上の喜びがあるでしょうか」

 

 その言葉を証明するように。

 真里亜はすぐさま情熱的に知尋を求め、腰を動かし、その膣内にたっぷりと精を受け入れた。

 ペニスを引き抜けば膣内から体液が溢れてくる。

 

「ありがとうございました」

 

 言った真里亜は制服のまま床に寝そべってペニスを綺麗にしてくれる。

 付着した体液を舐めとり恥垢を掃除して――ちゅうちゅうと鈴口を吸い始う。

 

 なんだか妙に熱が籠もっているような。

 お掃除フェラのはずが、次第に射精欲が高まっていき、知尋はそのまま真里亜の口内に射精した。

 

「……ふふ」

 

 どうやら計算づくだったらしい。

 満足そうに笑った真里亜はぺこりと頭を下げると、口に精液を貯めたまま残りのパックを手に取った。

 

 赤と黄色のトッピングを施されたフランクフルト。

 そこに、どろりと白いものが添加された。

 

「いただきます」

 

 彼女はフランクフルトを一本、実に美味しそうに平らげた。

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