※この作品はR-18です。

儚き異能は心を映す   作:緑茶わいん

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第七十四話 愛華のアナル開発 ★

 もう一つの穴(・・・・・・)で行う性行為の知識自体は前から持っていた。真里亜から薦められたり自分で探した作品群の中に相当数、そういう描写が含まれていたからだ。

 ただ、知尋はこれまでそちらには手を出してこなかった。

 膣だけで手一杯かつ満足していたのと、開発するのに手間と時間がかかるのを知っていたからだ。

 また約一名を除き、排泄の穴を弄られるのはさすがに嫌がるだろうというのもある。

 

「ど、どうして急に? しかも、私がメインなの?」

 

 案の定、表情を強張らせる愛華に知尋は答えた。

 

「……ほら。この前、愛華の願望を覗いた時なんだけど」

「そ、それは忘れてって」

「ごめん。でも、あの内容が直接どうこうっていうんじゃなくてさ」

 

 大事なのは、あのイメージの中で愛華が知尋と、避妊具なしでの行為を望んでくれていたということ。

 膣内射精(なかだし)を嫌がっているのはあくまで妊娠を避けるためで、愛華も直に抱かれたいと思ってくれていることを感じた。

 

「……そ、それは、当たり前だよ。私だって知尋君と本当は」

「だからだよ」

 

 真っ赤になって俯く愛華に頷き微笑む。

 今までは、ピルも絶対安心じゃないからと諦めていたのだが……。

 あのイメージを見て、やっぱり直のセックスをしたくなった。そこで、生で膣に挿入できないなら、単純に別の穴を使えばいいと思った。

 

「どうかな?」

「ど、どうって言われても……」

 

 愛華はしどろもどろになって口をもごもご動かしている。

 代わりに口を開いたのは真里亜だ。

 

「和泉君、高槻さんがメインなのは今言った理由で、ということ?」

「うん。真里亜達にもしたいとは思うけど、真里亜や李狐の場合は急ぐ必要もないかなって」

 

 プレイのバリエーションをつける意味で混ぜていくのはアリだが、主に使うのは前の穴でいいだろうと思う。

 知尋の答えを聞いてほっとしたのか、真里亜は軽く息を吐いた。

 

「良かった。私にもしてくれるのね」

「そっちなんだ。……いや、わかってたけどさ」

 

 微妙に呆れ顔の李狐がこちらに目をやって。

 

「まあ、知尋がしたいって言うならすればいいけど……さすがに恥ずかしい、かも」

「大丈夫、そのうち慣れるよ」

「っ。ちょっと、いきなりドSモードに入るのやめてよね」

 

 そこで頬を染めた意味合いは果たしてどういうものか。

 苦笑しつつ顔を愛華に戻すと、彼女も同じタイミングで、知尋を上目遣いに見上げてくる。

 

「いいよ」

「……本当?」

「……うん。でも、優しくしてね」

 

 もちろん、と一も二もなく頷いた。

 

 

  ☆   ☆   ☆

 

 

 そうと決まれば早速、動き出す。

 といっても、急な思い付きだったので準備もできていなかった。必要な道具もあるため、急遽それを用意する必要がある。

 

「李狐、近くのドラッグストアってまだやってたかな?」

「え? うん、十時くらいまでやってたと思うけど」

「よし、なら大丈夫かな」

 

 とりあえずは最低限『あれ』があればなんとなるはず。

 頭に思い描きつつ財布を取り出していると、真里亜が物言いたげにじっと見つめてきているのに気づいた。

 ……皆まで言うな。

 なんとなく言いたいことを察した知尋は財布から札を抜きつつ少女達に告げた。

 

「ええと、真里亜と李狐。じゃんけんして、負けた方が買い出しに行ってくれないかな?」

「いいけど、何買うの?」

「浣腸液」

 

 

 

「……買ってきたよ」

 

 約二十分後。

 買い物から帰った李狐がつん、と顔を背けながら買い物袋を突き出してくる。

 ありがとうと礼を言って袋を受け取り、知尋は中身を確認した。確かにきちんと、それだけで注入できるタイプの浣腸液の箱(十個入り)が入っていた。ついでに他の物も色々入っているが。

 

「だって、それだけ買うのはさすがに恥ずかしいよ。店員さん女の人だったし、わざわざ夜にこんなの買うとか。友達に会ったらどうしようとか」

 

 必死に訴える表情には微妙に涙まで浮かんでいた。

 それはまあ、知尋だって女の子にこんなものを買わせて全く平気なわけではない。

 

「お疲れ様。大変だったね」

「……知尋ぉ」

 

 頭を撫でてやると、そのまま抱き着いて顔を埋めてきた。キスしたくなる衝動を堪え、そのまましばらく頭を撫でた。

 愛華はそんな李狐を見ながら頬を膨らませ、しかし自分が行きたかったとも言えない複雑な表情をしていた。

 

「……残念」

 

 あそこでチョキを出さなければ負けていたのに、と呟きながら、真里亜が浣腸液以外の品物を整理していく。ちょっとしたお菓子やブロック食品の他、栄養ドリンクにコンドーム……?

 多分、後半の品はそろそろ切れそうだからと何の気なしにチョイスしたのだろうが。

 

「西崎さんもなかなかやるわね」

 

 真里亜の呟きにはノーコメントとしておいた。

 

「それで、知尋君。どうするの?」

「うん。この浣腸液でまず綺麗にするんだ」

 

 何を、とは言わなかったが愛華には伝わった。

 後ろの穴――アナルは普段排泄に使う場所なので、当然そこは汚れている。だから、プレイの前には浣腸を使って綺麗する必要がある。

 

「……わかった。じゃあ、やってくるね」

「お願い。ちなみに、もし一回で駄目そうならもう一度やるといいらしいから」

「……ん。真里亜ちゃん、お部屋借りるね」

 

 こくんと頷き、愛華は廊下へ小走りに移動していく。多分、恥ずかしかったのだろう。

 何しろこれは性行為そのものではなく、あくまでそのための準備。

 愛華はこれから真里亜の部屋で下着を脱ぎ、浣腸液を注入してしばらく待機、我慢できなくなった時点でトイレに行くことになる。

 性的に興奮していない今の状態ではかなり抵抗があるはずだ。

 そこに真里亜がぽつりと。

 

「ご主人様が浣腸されるのではないんですね」

「さすがにね……それはちょっとハードすぎるよ」

 

 苦笑して答えた。

 ハードすぎるというのはどちらかというと知尋に、ではなく愛華にだが。

 ちょっとハードルが高いのはいずれにしろ事実。

 

「浣腸して目の前で出させるのは真里亜や李狐にとっておくよ」

「ああ……はい。ありがとうございます」

「いや、あの。あたしも出すのはトイレでやりたいんだけど」

 

 などと言っているうちに愛華が戻ってきた。

 何やらお尻を気にしながら歩いてきて小さく囁く。

 

「あの、終わったよ?」

「ありがとう。じゃあ行こうか」

 

 うん、と愛華が小さく頷いた。

 

 

 ☆   ☆   ☆

 

 

「……どうして、李狐ちゃん達も付いてくるの?」

「……だって、あたし達も興味あるし」

 

 いつも除け者にされるのはズルい、と李狐。真里亜も「そういうこと」と頷いた。

 

「恥ずかしいのに」

 

 仕方ないなあ、と愛華が嘆息する。

 何度もマンションに通って二人と話し、この間も揃って奉仕してくれたりしたお蔭で大分打ち解けているらしい。

 ……知尋達の色に染まってきた、とも言えるが。

 とりあえず、李狐達も邪魔をする気はなさそうなので、ベッドの両側で見学してもらうことに。

 

「愛華、しよう」

「うん……」

 

 まずは立ったままキス。

 たっぷりと舌を絡めて愛華の気持ちを解す。

 やはり、慣れない浣腸と排泄のせいでだいぶ強張っていたようだ。口内を愛撫してやるにつれて彼女は身体の力を抜いていった。

 キスの合間に脱がせると、殆ど抵抗もなく裸になってくれる。

 

 なおも唇を合わせながらベッドの上に誘導し、奥に寝かせたところで口づけを終了。

 そうして、余韻が醒めてしまわないよう耳元で囁いた。

 

「仰向けか膝立ち、どっちがいい?」

「どっちでもいいの?」

「うん」

 

 お尻を向けて貰った方が位置的に弄りやすいが、足を立てた姿勢は疲れやすく、慣れていないと安定を保ちづらい。仰向けでもM字開脚の姿勢なら指は届くので、体力を気にするならそちらの方が良いかもしれない。

 

「うーん……じゃあ、こっちにする」

 

 恥ずかしいから、と愛華は膝立ちの姿勢を選んだ。

 確かに、仰向けだと自身のされている行為がよく見えすぎるか。

 

「わかった」

 

 せめて少しでも楽になるようにと、枕を顔のあたりに置いて上半身だけ突っ伏せるようにしてやる。これなら腕の筋肉的にはマシなはずだ。

 

「それじゃあ、いくよ」

「……ん」

 

 かすかな返事。

 体勢的に直接は見えないだろうが、やはり恥ずかしいのか愛華はきゅっと目を瞑る。それを見て極力優しくしようと思いつつ、知尋は愛撫を始めることにした。

 常備しているローションを適量手に取り、愛華のお尻の穴……可愛らしい小さな窄まりに指を伸ばす。

 

「少しひやっとするよ」

「きゃっ」

 

 穴の入り口に優しく触れる。

 

 ……アナル開発は根気と、何よりも「無理しないこと」が大事らしい。

 もともと性行為用にできている場所ではないので、とにかく焦りは禁物。無理をすれば筋肉が裂けてしまいかねない、なんて話もあるので猶更慎重にならなくてはいけない。

 万が一やりすぎた場合は、愛華自身の能力に頼るしかないだろう。

 

 ローションを塗り込むように、ごく軽い力で入り口を刺激。ぐりぐりと円を描くように人差し指を動かしていると、愛華が切なげな吐息を漏らした。

 

「大丈夫?」

「うん。なんだか、ちょっとくすぐったい感じ」

 

 今のところ痛くはないようだ。

 ならばと、そのままじっくりローションと指を穴に馴染ませる。膣と違って潤滑液も分泌されないので、湿り気をローションで補ってやるのが大切になる。

 くち、くち。

 粘性の液体故、頻繁に鳴る水音がいやらしい。

 性行為をしている――排泄の穴を性器に変えようとしていることを音によって自覚させられる。アブノーマルな行為だからこその興奮。

 

 指を動かすうち、だんだんと穴がこなれて柔らかさを増していく。

 ローションの滑りも手伝って、つぷ、と指がそのまま沈んでいきそうになる。

 

「ふあっ」

 

 かすかに甘い声。

 もっと聞きたい、もっと鳴いてほしい。

 頃合いだと見てほんの少し、軽く指の先を沈ませる。その状態でまた円を描くように内部と入り口を刺激。

 

「んんっ」

 

 きゅっとお尻の穴が締まり、指が締め付けられる。

 

「愛華、力を抜いて。力を入れてる方が傷つきやすいらしいから」

「そ、そんなこと言われたって」

「抜くのが難しかったら、逆に力を入れるといいらしいよ」

「……やってみる」

 

 しばらくして締め付けが緩んだ。

 

「恥ずかしいよ、これ」

 

 愛華は今、排泄の時のように力を入れているわけだ。

 

「大丈夫。そのために綺麗にしたんだから」

「そうだけど……」

 

 なおも居心地の悪そうな愛華を落ち着かせるため、空いている左手で彼女の柔らかなお尻をそっと撫でた。半身だけ突っ伏した身体がぴくっと震える。

 それでも、ほんの少しだけ力が抜けた。

 

 指でアナルを解す。

 少し指の圧迫感が和らぐのを感じては、沈ませる範囲を伸ばしてまた解す。

 すぅ……はぁ……。

 途切れ途切れだった愛華の呼吸も、知尋の手つきに安心したのか大分安定してくる。そういえば呼吸も大事だとか記述があったか。

 

 そして。

 

「愛華、人差し指が全部入ったよ」

「う、嘘」

「本当だよ」

 

 少女の尻穴は、知尋の指をしっかりと飲みこんでくれた。

 

「だ、だってお尻の穴だよ? そんなところに指が、簡単に入るわけ」

 

 そんなの知らない、と。

 呟く愛華に、知尋は優しく答える。

 

「ええと……ちょっと汚い言い方になるかもしれないけど。もともと、もっと太い物が出ていく場所なんだから、きちんと手順を踏めば入るのは当たり前なんだよ」

「出……ち、知尋君のばかっ」

「ちょっ、愛華、今動くと色々危ないから!」

 

 顔を真っ赤にした愛華が身をよじりかけたが、幸い彼女は制止の言葉を素直に聞いてくれた。

 怒った、というよりは恥ずかしさが耐えきれない領域に達しただけだったらしい。

 しばらく息を荒げた後、彼女はようやく落ち着いてくれる。

 

「……ごめん、あんなこと言われたら嫌だよね」

 

 まだアナルに指を入れたまま――ちょっと間抜けな絵面で謝ると、愛華はくすりと笑みをこぼした。

 

「ううん、私もごめんね。でも、その。キス、してほしいな」

「……ん」

 

 そうするとアナル開発は中断せざるを得ない。

 しかし焦らないと決めたのだ、と、知尋は彼女のお願いを聞くことにして指をゆっくりと引き抜いた。

 

「ん……本当に、長いものが入ってたんだ」

 

 やや呆然とした愛華の言葉に答えたのは別の少女の声だった。

 

「ええ、そうよ。私達が見ていたから間違いないわ」

「真里亜ちゃん……」

 

 真里亜が這うように二人へ近づいてきて、そっと囁きかけてくる。

 

「ご主人様、高槻さん。二人がキスしている間、私にここを代わらせてくれないかしら」

「え、ええ?」

「あ、楽しそう。じゃああたしは高槻さんの耳でも責めようかな」

「り、李狐ちゃん!?」

 

 二人の提案を愛華は拒み切れず、結局押し切られてしまった。

 結果――ベッドに寝た知尋に愛華が覆いかぶさり、二人は緩慢にキスを交わす。

 

「あ……ふ」

「ん……ちゅ」

 

 軽く突き出す格好になった愛華のお尻を真里亜が撫で、知尋の行為を真似るように指へローションを絡める。

 

「っ」

「大丈夫よ。私の指は、ご主人様のよりも多少細いはずだから」

 

 訓練の影響で同年代の少女よりは多少太いはずだが、それでも真里亜の指はたおやかさを感じるほっそりしたものだ。

 男子としてはかなり細い方であろう知尋の指だが、さすがに女の子に比べると見劣りする。

 

「あは。そうそう、高槻さんは……知尋とのキスに集中してて」

 

 この状況でできるわけがないだろうに。

 二人は容赦なく、それぞれの方法で愛華を甘やかしてくれた。本人達の言っていた「いつも除け者」の鬱憤をできるだけ可愛らしい方法で晴らしているのかもしれない。

 

「~~~っ」

 

 恥ずかしがりながらも抵抗できない愛華は気を紛らわせるように知尋の舌を貪り、いつにも増して甘えてきた。

 それが嬉しくて、知尋もまた積極的に愛華と舌を絡めた。

 ちゅ……じゅ……じゅる。

 

「そうそう。気持ちいいでしょ? 気持ちいいよね? 知尋、キス上手いもんね」

 

 そうして、だんだんと夢中に。

 知尋は、そしてきっと愛華も気持ちのいいこと以外考えられなくなり、なおも抱き合ったままキスを続けるうち。

 

 愛華の身体が震えはじめた。

 危険な痙攣ではなく、絶頂を前にした甘い震え。快感が身体の中で納まりきらなくなってきた合図。

 それを理解していながら、知尋はキスを止めなかった。

 むしろ強く、さらに愛華の身体を抱きしめ、お互いの唾液を交換した。

 

 真里亜が人差し指でアナルを愛撫し、あるいはゆっくり抜き差しして刺激し。

 李狐が甘い言葉で囁きかける。

 三人から、それぞれ単独なら決定的ではない快感を与えられ、それが混ざり合って。

 

「ふぁ……あ、あーーーっ!」

 

 愛華は大きな声を上げて絶頂に達した。

 くたりと、彼女が知尋に身を預けて脱力すると、真里亜と李狐はふっと微笑んで愛華を解放する。

 なんだかんだ言いつつ、彼女の気持ちを解きほぐすのに協力してくれたのか――。

 

「さて」

「高槻さんがギブアップしちゃったし、あたし達の番でいいよね?」

 

 照れ隠し、だと思いたいのだが。

 この後、知尋は二人からしっかりと搾り取られた。

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