※この作品はR-18です。

アルフガン   作:もっち~!

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学園都市

 

 

 

主僕契約の儀式を終わった後、更に先に進んでいったジム。

 

「ねぇ、あの人は何に殺されたの?」

 

ジムは、下僕の二人に聞く。

 

「あぁ、あれは、儀式の失敗だ。私達を別々の場所から奪って、人気の無いここで、契約しようとして、あまりにも下衆だったので、私が雷で戒めたんだ」

 

レヴィアタンが答えた。

 

「そうだったのか。自業自得だったんだね」

 

「そういうことだ」

 

なんの変哲のない場所で、歩みを止めるジム。

 

「ここがいつも気になっているんだ。何かを感じるだけど、何かが解らないんだ」

 

廃墟迷宮にしては、綺麗すぎる壁。ジムの興味はソレだった。

 

「他の壁は、風化したり、刀傷があったり、血糊の跡があったりするんだけど、ここだけ無いんだよ」

 

下僕の二人が実体化した。

 

「たしかに変ね。この壁を、壊してみましょうよ」

 

二人は刀化した。ジムは二振りの刀で壁を撃破した。壁の中には小部屋が有り、中には1本の剣が地面に刺さっていた。ジムは小部屋に入り、剣の柄を握り、地面から引き抜く。それを同時に部屋中から声が響いてきた。

 

「我を引き抜きし汝に 我らは仕える 我はドラゴンマスター 龍神王 我納まる器 ドラゴンスレイヤー也」

 

「へ?」

 

驚いているジム。レヴィアタンに助けを求めた。

 

「ほぉ、龍神王とは。オーフィスも封印されていたのか」

 

「うん?リヴァか。久しいな」

 

「リヴァって、昔の名前で呼ぶな。今は魔王レヴィアタンだ。あぁ、彼は私達の主のジムだ」

 

「ジムというのか。これからは我も仲間になる。我の能力はドラゴンを使役させることだ。そのドラゴンスレイヤーで斬りつけたドラゴンは、全て仲間になる。ジムが危険だと判断した場合、的確と思えるドラゴンが召喚される。もちろん、ジムの意思でも召喚はできる」

 

まだ戸惑っているジム。

 

「ジム、私達は貴方の心の中にいるから、気にしないで良いわよ」

 

優しい声で、ジムの心を落ち着けさせようとしているガブリエル。

 

「しかし、ジム。お前は凄いなぁ。封印された三種族の長を、下僕にするなんて」

 

呆れた声のレヴィアタン。

 

「そもそも、なんで封印されたのですか?」

 

恐る恐る訊くジム。

 

「ケンカの理由は忘れたけど、随分前に大ゲンカしていてね、それを一番偉い神に怒られて封印されたんだ」

 

頷くケンカ相手だったと思われる二人。

 

「あの神は短気すぎるだろ?」

 

「同感だな」

 

ジムの心の中では同窓会が始まった。ジムのわかる話ではないので、心を無にして迷宮探検を続けた。

 

◇

 

下僕が出来てからは、迷宮探検に行かない時は、それぞれから、新たな能力や魔法や技などを、会得していった。

 

ある日、ジムが懇意にしている旅団が、集落に立ち寄った。この旅団は各地の迷宮を巡り、解明状況を検査したり、盗掘されていないかを調査していた。団長のサーゼクスが、ヒーラーを探していた。団員の一人が怪我をしていたのだ。集落の人々の情報から、懇意にしているジムがヒーラーということを知り、ジムは怪我人にヒールを施していく。

 

怪我人もジムが懇意にしているリアスだったので、話ながら治療を施していった。

 

「ジムのオーラって、こんなに暖かかったのね」

 

「よく言われるんですけど、自分ではわからないです」

 

苦笑するジム。確かに自分自身を治療すると、患部が暖かくなっていくのは感じていた。それは単に手の温もりのせいと思っていたから。

 

「どうだ、リーア?調子は」

 

団長のサーゼクスが、様子を見に来た。

 

「ジムは凄いのよ。心まで癒やされていくの。こんなヒーラーは出会ったことがないわ」

 

何かを考え込むサーゼクス。しばらく考えた末にジムに話しかけた。

 

「なぁ、ジム。推薦枠で迷宮学園で学ばないか?学費とか生活費などの経費は僕達が工面するからさぁ」

 

サーゼクスの申し出に驚くジム。

 

「いいんですか?僕はお金も地位もコネも無いですが…」

 

「だから、推薦枠なんだ。僕達が推薦するから大丈夫だ。君のヒール能力は貴重だし、将来的には僕らの手助けをしてもらいたい。どうかな?」

 

「お願いします。基本を学びたいです。もっと多くの廃墟迷宮も、探検してみたいし」

 

「廃墟迷宮だけでなくて、未解明迷宮も頼むよ」

 

サーゼクスは笑顔で、ジムを見据えていた。

 

移動中もヒールが出来るので、ジムが旅団に帯同することになり、ジムは集落を離れることとなった。集落の人、一人一人に挨拶をしていくジム。ジムとの別れがつらい者は挨拶を拒否してしまった。

 

そして、旅団は迷宮学園都市へと旅立った。

 

 

 

---迷宮学園都市 レインボーヒル----

 

巨大と思われる未解明迷宮の上に広がる都市だ。都市の中央に学園があり、それを取り囲むように街が広がっていた。学園内には武器屋、防具屋、アイテム屋などのお店があり、迷宮内で見つけたアイテムの売買が、学園外より取引レートは少し悪いが、学園を出ずにできた。生徒、教師の住居は基本学園内にあるが、一部の特権階級の者は学園外から通っていた。

 

ジムは、サーゼクスとリアスが、この学園の教授で、上級ジョブに就いている事を、初めて知った。

 

「ジム、君は僕らの恩人で有り、友人で有り、家族だからね。困ったことが有れば、気安く言ってくれ」

 

「そうよ、ジム。何時でも私達の部屋に、来ても良いから。また、心を癒やしてね!」

 

二人は、ジムの入学する高等部の次の課程、大学と呼ばれる教育施設で、教鞭を取っていた。二人の研究室の人達も快くジムを迎えてくれた。彼と一緒にいるだけで、心が癒やされていくという経験をしてしまったからだ。

 

ジムが大学の施設にアクセスする権利を得る為に、アルバイト先は二人の研究室のサポーターになった。これにより、学園内の教育施設の殆どに、アクセスできることになった。

 

「勉強をいっぱい出来る環境を貰ったので、頑張ります。早く、サーゼクスとリアスの旅団に入れるようになりたいです」

 

と、抱負を語るジム。そんなジムを暖かい目で見守る、大学のスタッフ達。

 

 

 

---ジム---

 

実際に授業を受けると解る教科もあれば、まったくわからない教科もあった。実戦系は良いのだけど、学術系はまるでダメだ。

 

一番、戸惑ったのは学生寮だ。二人で一部屋は良いのだけど、僕のルームメイトは女の子だった…初日に共用部分で着替えたらしく、上半身裸の姿を見てしまい、殴られた挙句に『変態』と言われた。とっても凹む。それ以来、自分の部屋に戻るのが怖くなり、今は教員寮のサーゼクスさんと同居している。

 

「どう?授業の方は?」

 

「研究室の人に習いながら、初等部、中等部程度なら、理解が出来るようになりました」

 

「そうか、まだまだだね。まぁ、焦らずにね」

 

「はい」

 

「そうだ、そろそろペアを組む時期だ。ジムは誰かペアを組めそうな人は出来たかな?」

 

「ペア?何のためのですか?」

 

「初級迷宮を潜るための仲間だよ」

 

「ソロじゃダメなんですか?」

 

「ダメってことはないけど、仲間は大切だよ」

 

「僕はソロでも仲間がいますけど…」

 

僕の言葉に怪訝な顔つきになるサーゼクスさん。

 

「まさか…まさかと思うけど、もう主僕契約をしているのかな?」

 

「しています」

 

ジムの言葉に驚くサーゼクス。

 

「誰と主僕契約を結んだんだ?」

 

「大天使ガブリエル、魔王レヴィアタン、龍神王オーフィスの三名です」

 

僕は正直に答えた。その結果、蒼白な顔になるサーゼクスさん。

 

「そ、それって…おいおい。伝説級の契約相手だよ。その三体とも…」

 

声が震えてきているサーゼクスさん。どうしたんだ?

 

「伝説級って?」

 

意味が分からない僕は、平然と質問をした。

 

「伝説級って言うのは…書物には書かれていたけど、その存在が明らかになっていない者達のことだ」

 

「ふ~ん、そうなんだ」

 

「無学は、時に脅威になるんだなぁ」

 

「僕って脅威なの?」

 

「そうなるなぁ…明日、僕の研究室で、君のステータスを測ろう。いや、測らせてください」

 

なんか、大発見をしたような表情のサーゼクスさん。価値が解らない僕は唖然としながら、頷いた。

 

◇

 

翌日、授業は休んで、サーゼクスの研究室で、検査をする装置であれこれ、検査されることになった。

 

「あっ、本当だ。3体も契約結んでいる…ステータスは測定不能…レベルは測定不能…ジョブはヒーラー…」

 

「ソーナ学長、彼の扱いはどうしますか?」

 

ソーナ学長というのは、この学園のトップだそうだ。

 

「どうするって…伝説級3体と契約かぁ。さすが、サーゼクスさんが見込んで、推薦した人物ですね。とりあえず、ヒーラーとしてサポーター扱いにして、ジム君が学びたいジョブを学んでいって欲しいかな。本来はジョブは、大学に入ってから学ぶんだけどね。君は特別だよ」

 

「がんばります」

 

みんなの期待に応えたい、特にサーゼクスさんの期待に…

 

「まず、剣や刀を極めたいです」

 

「それだと、まず侍か、剣士だな」

 

「刀を二振り持っていますので、侍を極めたいです」

 

翌日から、授業の終わった後の放課後に、侍のギルドで学ぶことになった。ジョブギルドで終了証書を貰えると、そのジョブを履歴に書き込めるようになるそうだ。

 

 

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