※この作品はR-18です。

アルフガン   作:もっち~!

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アルスルの事情

 

 

 

---ジム---

 

夢なのか、現実なのか、わからない。

 

僕は、生まれ育った集落にいる。みんな顔馴染みばかりだ。だけど…皆、動かない。何かの動作の途中で止まっていた。石化ではない。瑞々しい身体だ。なんで、みんな動かないのだろうか?

 

いつも通っていた廃墟迷宮に向かう。なんで向かう気になったのか、自分でも、わからない。だけど、行かないと、いけない気がした。

 

僕がいなくなり、誰も入る者がいなくなったのか、入り口は埃塗れだった。僕は、入り口を掃除した。廃墟とは言え、誰かが何かの目的で作った迷宮に、敬意を表して。

 

掃除をしていて、気づいた。なんで、今まで気づかなかったのか…迷宮の入り口の門の上部には蛇の紋章があった。あ、そう言えば…

 

ガブリエルとレヴィアタンを呼ぶが、僕に返答はなかった。これが答えなんだね?答えは以前見た夢の中にあった。湖に捨てられた血糊がこびり付き切れなくなった刀2振り。そこに宿ったんだね。君達は…

 

僕は迷宮の奥へと歩を進める。そして、龍神王と出会った場所に辿り着く。地面に刺さった龍の紋章の剣。僕はここに埋葬されていたんだ。

 

「そうでしょ?アーサーさん」

 

僕の後を付けてきた、集落の長のアーサーさんに、声をかけた。

 

「気づいたんだね。いや、思い出したんだね、ジム」

 

「どうして…」

 

「どうして?理由までは、思い出せていないみたいだな」

 

アーサーさんの後から、学長が現れた。なんで?

 

「彼は、私の家の者だ。私達アルスルの末裔は、栄華を手に入れた。そんなアルスル家に牙をむく1匹のドラゴン、いわゆる蛇がいた。青空を彷彿する蒼い身体を持つ蛇。ソイツを葬ることが我ら一族の栄華を勝ち取る条件に思えた。我々はその蛇を倒すことに成功した。湖で手にいれた剣を刺すことによってね。剣を抜くと生き返るようなので、刺したまま、この地に封印することにした。それが、ここだ。万が一甦っても迷い、地上には出られないようにしたの」

 

僕は彼らを見据えた。

 

「迷宮学園都市として栄えた、あの場所こそ、我々アルスル一族の栄華の証であり、円卓の騎士を育てるのに最適な場所であった。お宝が眠る迷宮だったからね。しかし、当初は、栄光を勝ち取る為の剣を手に入れる為に、水を溜める水槽として利用してしまい、お宝を取り出すのが困難となったのだが、騎士を育てる名目で、お宝探しをさせたのだよ」

 

「今も探しているのか?」

 

「そうよ。迷宮探検を鍛錬と位置づけて、お宝探しを生徒にやらしているのよ」

 

と、温厚な学長の顔が、下劣な顔に変貌したように見えた。

 

「で、僕をどうするの?」

 

「消えてもらう。君達に掛かっている呪いが発動すると、我々の世界が無くなるからね」

 

「呪いを掛けたのは、お前らではないのか?」

 

この点において、僕の推測は間違えていたらしい。

 

「違う。ヴィヴィアンが掛けたのだ。我々にだ。お前達は呪いの発動キーでしかない。それだけの価値しかないんだ」

 

それだけの価値…ヴィヴィアン…そうなの?

 

僕は、ギルドマスターから貰った羊皮紙に、魔力を込めた。

 

◇

 

僕達は光の渦に飲み込まれて行く…そして、やっと出逢ったグリーム、ブルームと…

 

「今回は、あまり触れ合えなかったな、ブラーム」

 

と、レヴィアタン…グリーム。

 

「まぁ、設定が良くなかったわね、グリーム」

 

と、ガブリエル…ブラーム。

 

「そうだね。また逢えて良かったよ。次はいつ逢えるかな?」

 

僕達はお互いに身を寄せ合い、しばしの時間、お互いの感触を確かめ合う。

 

「記憶が戻らなければ、永遠に居られると思うんだけど、それじゃねぇ」

 

と、ガブリエル。

 

「あぁ、この短い時間が貴重で大切な時間だよ」

 

と、レヴィアタン。

 

「この世界は消えるんだね。僕達に掛かってる呪いのせいで」

 

「今回は、呪いの原因がわかっただけ、良かった。まぁ、アイツらの世界は消えても問題は無いだろ。あんなのが支配している世界なんて…」

 

と、僕達があれこれ、束の間の話し合いをしていると、

 

『呪いはいつか解けます。呪った相手を消すことが出来たんですから。ただ、私の掛けた呪い、血塗られた呪い、ドラゴンの恨み…様々な悪しき念が混じり合ったため、単純に解けないものになってしまったのよ。そもそも呪いではなくて、アイツらを一掃する為の鍵だったのよね…それがいくつかの要因が絡まり合い、いつしか呪いになってしまった。ごめんなさい』

 

と、ヴィヴィアンが僕達に念話を飛ばしてきた。

 

『まぁ、あの世界自体は消えない。違う情勢が支配する世界になるだけ』

 

「ねぇ、結局、僕達は何者なの?」

 

『ブルームは水の妖精、グリームは森の妖精、ブラームは地の妖精なんだけど、地に封印された蒼き龍の魂を取り込んでいるのよ。さて、次の世界はどうなのかしらね』

 

「いつか、呪いを完全に取り除いて…」

 

段々と意識が遠くなっていく。永遠の時を共に生きる仲間達と、しばしの別れの時が来た。また、互いの記憶が封じ込まれて、互いを認識が出来なくなる。でも、記憶に残る部分も増えて来ている。

 

三人で永遠の時を生きることに関しては、願いは叶っている。記憶を取り戻すと、別の世界に飛ばされるのは、マイナス要因ではあるが。

 

また、いつか三人で、記憶共有しながら同じ時を生きることを夢見て、僕達は次の世界へと誘われた。

 

 

 

 

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