---小太郎---
インをすると、ファントムさんの周囲に知らない人達がいた。その中の一人が、僕を見るなり抱きついて来た。薄着なのか、胸の感触が気持ち良い。
「約束通り、ゲーム内で触れ合うからね♪」
って、僕に言葉を掛けた女性。彼女をよく見るとハイレグビキニ姿だ。この人は誰?そして、何のジョブ?
「約束って?」
約束って言われても、初めて会ったのに…
「あぁ、この姿じゃ、わからないよね、小太郎君♪」
「えっ?」
なんで、僕のリアルな名前を知っているんだ、この人?
「おい、ヴィヴィ!何度言えば分かるんだ?ゲーム内で、本名呼びは禁止だぞ!」
ファントムさんが、ヴィヴィと言う女性に、注意をした。
「あ…そうだった。そうだった。団長、私よ。あなたの担任♪」
え~、日比谷先生…ゲーム内だとこんなに解放的なのか…唖然とするしかない。
「こう見えても、賢者マスターなんだよ~」
ハイレグビキニ姿の賢者?有り得ない…威厳のあるジョブを汚すような…常識的な先生のイメージだったのに、日比谷先生のイメージが崩れていく。
「団長、僕がギルドに参加したので、僕のギルドメンバーも、君のギルドメンバーになった。まさか、君がヴィヴィの教え子とはなぁ」
と、ファントムさん。偶然なのか?必然なのか?まぁ、探される手間が省けたので、良いかな?
ヴィヴィ先生以外に、ファントムさんのギルドメンバー、魔導剣士のバサ姉さん、魔術師のマヤさん、ダークエルフのライカさん、ポーターのドライグさん、大天使のガブリエルさん、魔王のレヴィアタンさん、精霊のアプロさんが合流したそうだ。
「で、ランク3だから、ここの洞窟はクリアしないでも、次の街に行けるけど、どうする?」
って、ファントムさんに訊かれた。
「1つずつ、コツコツとクリアしていきたいです」
「そうか。団長らしいなぁ。で、ここの洞窟は、天井高が低いので剣を振りかぶることは出来ない。短剣系か、剣は横降りにしないと戦えないからね」
それは、つらいなぁ。
「一応助っ人として、ヴィヴィとレヴィアタンをつける。レヴィアタンは武闘家系だから、頼りになると思う。まぁ、ヴィヴィがいれば、ほとんど無敵ではあるが」
ヴィヴィ先生って無敵キャラなのか?
「遅くなりました」
リアスがインしてきた。少し遅れてアイズもインしてきた。僕は、彼女達に新しいメンバーを紹介した。
「え?日比谷先生…」
リアスが絶句している。
「うん?あぁ、弟想いのお姉さんねぇ♪」
日比谷先生はKYなのだろうか。リアスの正体をバラしている。僕としては、正体を知らないってことにして、ゲームをしたかったのに…
「先生、リアル情報はヤメテください。小太郎には内緒なんですからね!」
姉ちゃん、弟の前でそのセリフはダメだろ…自白に近いよ。
「なんで…レアジョブばかりなんですか…」
アイズは、別の事に絶句状態になっていた。
「レアジョブって?」
「普通にプレイしていても、転職できないジョブよ」
アイズが呆れたように言う。うー、僕はゲームについて、殆ど知らないからなぁ。
「あぁ、僕達は元々ギルド『チームアルファ』で、最古参だから。で、元々テスターだったんで、特典でレアジョブになったようなものだよ」
と、ファントムさん。
「『チームアルファ』?トップギルドじゃないですか…そんな最前線にいるギルドがどうして…」
ファントムさんのギルドって、そんなに凄いのか?
「いや、テストをガンガンやり尽くしてね、のんびりとゲームを振り返ろうって、皆で相談して決めたんだ」
「お兄ちゃん…この人達、凄いんだよ」
って、アイズが僕に教えてくれたけど…お兄ちゃん?…えっ?アイズって亜衣なのか?…聞かなかったことにしようかな。リアスは、僕達二人を暖かい目で見ているようだ。
「アイズ、そんなに凄いのか?」
気づいたことを気づかれないように、キャラ名で呼んだ。
「うん。ランク10集団だもの。でも、最終エリアで戦闘していたはず」
「最終エリアは激戦だよ。まぁ、攻略の糸口も見付かったし、少しのんびりプレイしようかってね」
「レアジョブでもつらいんですか?」
「人数が足りないというか…まぁ、死ぬことは無いけど、先にも進めない。謎解きパートが難しいんだよ。って、また朽木君に報告するのかな?」
「え…っと…」
何か困ったことをしたのか、アイズは返答できないみたいだ。
「何かしでかしましたか?」
僕が割って入った。
「いや、問題は少ない。ランク7なら、まだ当分かかる話だ」
ファントムさんは、終始笑顔で話していた。
「そうだ、リアスはどうする?団長は、ここの洞窟をクリアしたいみたいなんだけど」
「勿論、一緒に行きます♪」
「じゃ、ヴィヴィとレヴィアタンを同行させる。バグが起きた時の保険だ。で、ヴィヴィ達援軍は5分遅れで出発させる。団長と二人で行ける処まで行ってくれ。倒しきれなくなったら、ヴィヴィ達をパーティーに入れるんだ。その方が経験値が稼げるから。ヴィヴィ、分かったな!団長に経験値を稼がせろよ!」
「はぁ~い!」
日比谷先生って、こんなに軽いノリの人だったのか…イメージが…
---亜衣---
お兄ちゃんとお姉ちゃんは洞窟攻略に出た。さて、私はどうしようかな?
「朽木君に報告でもするのかな?」
私を睨んでいるファントム。お兄ちゃんに向けていた暖かい視線は、そこにはなかった。
「約束が守れない子は、躾が大事だと思うんだけど、どうかな?」
この場にいる全員を倒せる自信はない。逃亡なんか出来そうに無い状況だ。
「や、約束なんか…していません」
「そう…残念だ。団長は優しいから、君の事を庇うだろうね。酷い目に何度も遭わされているのにね」
え?リアルの事を知っているの?なんで?
「このギルドから離脱させて、朽木君のギルドに入団させても良いんだよ」
これは脅しだ。そんな権限がプレイヤーにある訳がない。
「そう思うのは勝手だ。取り敢えず、このギルドからは脱退してもらう」
え?ギルド脱退のウィンドウが開いた。「他のギルドを検索しますか」って…思わず、ファントムを睨む。
「君は団長に、もう一度入団申請をしないと、このギルドに戻れない。脱退理由をどう言い訳するのかな?僕達プレイヤーにはそういう権限ないから、君の意志で脱退したことになるんだよ」
この人…ハッカーなのか?システムを弄れるようだ。
「何事も無かったことにして欲しいのであれば、謝罪して、二度と情報漏洩しないことを誓え!」
お兄ちゃんがいなくなった途端、横暴になったファントム。このまま、朽木のギルドに逃げ帰るのは悔しい。謝るかぁ…
「すみませんでした…」
ファントムに頭を下げた。
「心から謝罪しないと、意味ないんだよ」
私の心を見透かすような発言。こいつ、何者なんだ?
「うん?小学生なのに、アダルトモードが使えるのか?保護者の了承は偽りかな?」
へ?私の個人情報を見たような発言。弱みを握られたようだ。
「この事実を、お姉さんに言うとどうなるかな?」
アダルトモードを使っていた事実により、見下したように私を見るお姉ちゃん、お兄ちゃんの姿が脳裏に浮かぶ。それはバラされるのはダメだ。
「ヤメテください…すみませんでした。心から反省しますから…」
「わかった。今回は許してやる。次回は即バラす。いいな?」
ギルド入団ウィンドウが開いて、団長が、すぐに了承してくれた。
「ウィスパーで、アイズが間違って、退団ボタンを押したから、再入団の了承を頼みますって、送っておいたから」
ファントムは、操作が早いようだ。
「お仕置きはしないとダメだよな♪」
彼がそう言うと瞬時に、私は『おかしの国』っていう場所に飛ばされた。
---小太郎---
ファントムさんに、寝る時間になったから、洞窟でセーブしますと、ウィスパーを飛ばすと、「了解」って返信がすぐに来た。今日はここまでだ。ログアウトした。
布団に入って寝ようとすると、部屋のドアがノックされた。こんな時間に誰?父さんかな?鍵を開けて、訪問客と対面。えっ…なんで?姉ちゃん…
姉ちゃんはドアが開くと、僕の部屋に入って来た。
「小太郎…あのね…騙すつもりはなかったんだよ」
僕に背を向けて話し出した姉ちゃん。なんの事だ?
「最初にこの部屋に来た時にねぇ、PCを起動して…IDを見たんだ…ごめんね、勝手に覗き見て…」
あぁ、だから、あの場所にいたのか。あのゲームには、ID検索機能っていうのが有って、IDがわかれば、探している相手がどこの街にいるか程度の情報が得られるらしい。
「私は…」
俯いている姉ちゃんの背中から、抱きつく僕。僕の行動に驚く姉ちゃん。
「初めて見た時から、お姉ちゃんってわかった。何でかわからないけど。だから、パーティーを組んだんだよ。間違っていても、お姉ちゃんと同じ何かを感じられる人だから、良いかなって。でも、本物のお姉ちゃんで良かった」
姉ちゃんの耳元で、想いをぶつけた。今の僕にとっては精一杯の想いだ。
「ファーストキス、バージンは、小太郎に捧げた。ねぇ、残りの私のすべてを貰ってくれる?」
僕の方に振り返らずに、姉ちゃんが言った。あっ…姉ちゃんの感触が甦ってきた。唇、薄くて柔らかい。舌、しなやかで絡み合える。暖かく気持ちの良い、姉ちゃんの身体の中…
「お姉ちゃんのすべてが好きだよ。香りも感触も味も…だから…」
姉ちゃんは振り返って、僕と唇を合わせた。お互いの腕は相手の首筋に絡みつく。鼻先には姉ちゃんの匂いが漂う。深呼吸するように深く吸い込んでいく。
「ねえ、今夜は一緒に寝て良い?」
姉ちゃんの言葉に頷く僕。二人で抱き合いながら、布団に身を沈めていった。
---亜衣---
とんでもないエリアに飛ばされた。これでもかってくらい蹂躙された気がする。でも、やみつきにはなりそうな刺激ではあるが。『おかしの国』を脱出して、ログアウトすると、もう朝であった。お兄ちゃんとお姉ちゃんは、洞窟内でセーブ&ログアウトしたようだ。一緒に行きたいって言えば良かった。くそっ…
隣のお姉ちゃんの部屋に行くが、蛻の殻。えっ?!もう起きたの?早っ!寝不足じゃないの?私は完徹で眠いけど…眠気を覚ますためにシャワーを浴びに行く。リビング、キッチンにお姉ちゃんの姿は無かった。どこに行ったんだ?まだ、学校に行ってはいないよな。シャワーを止めにして、お姉ちゃんの部屋に行く。学生カバンは、まだある。制服はハンガーに吊してある。風呂場にもいなかった。トイレかな?トイレも調べるが、いない。
あと、行く場所は…まさかなぁ…いや、あそこしか無いか。お兄ちゃんと添い寝…まさかな…この前まで記憶が無かったのに…う~ん…考えても始まらないので、お兄ちゃんの部屋に向かう私。
家の裏手に回り込むと、知らない間に外階段があった。この先がお兄ちゃんの部屋なのか?恐る恐る階段を昇っていく。階段を昇りきると、踊り場になっていて、ドアがあった。ノブに手をかけるが、鍵が掛かっているようで、ドアは開かなかった。
「どうする…ドアを開いた先に、お姉ちゃんとお兄ちゃんが抱き合っていたら…それも、全裸で抱き合っていたら…私だけ仲間はずれじゃないか…嫌だよ、一人にしないでよ~、お兄ちゃん!」
カチャ!
え?!ドアが開いた。
「亜衣!心の声は、口に出さないで言いなさいよ~。まる聞こえよ。まったく!」
お姉ちゃんが顔を出した…全裸のお姉ちゃんが顔を出した。奥には、布団から上半身だけを出している全裸のお兄ちゃんがいた。
私はお姉ちゃんに部屋に引き込まれ、ドアは閉められた。
「もう、朝っぱらから、何?」
お姉ちゃんが怒っている。お兄ちゃんとの添い寝をジャマされて、怒っているようだ。
「仲間はずれ?あなたがそうしたんでしょ?」
お姉ちゃんの言葉が、私の心に刺さる。事実だし…
「で、何かしら?」
「私も…仲間に…」
「亜衣、あなた、先にやることあるでしょ?家の中からこの部屋に行けるように、直しなさいよ!お札を貼った、あの壁よ!」
お姉ちゃんは激怒していた。事実だけに、反論できない。今更、お兄ちゃんの前で、事実をねじ曲げた反論なんか出来ない。
私はお姉ちゃんに背を向けて、部屋から出て行こうとすると、
「亜衣、今夜もインするんだろ?」
って、お兄ちゃんが…え?なんで、知っているの?振り返って、全裸のお姉ちゃんを睨み、
「アイズの正体をバラしたのね!」
って、文句を言う。
「え?亜衣が自爆したんだよ、昨晩…気づいていなかったのか?」
って、お兄ちゃん。その言葉に笑顔で頷いているお姉ちゃん。えっ?自爆?したっけ?記憶を遡る…うっ!そうだ。団長を「お兄ちゃん」って呼んだ記憶が…お兄ちゃんはスルーしていたけど…アレでバレたのね~。
俯いて自分の愚かさに半泣きになる私。そんな私を、全裸のお兄ちゃんが、抱きしめてくれた。
「亜衣は亜衣のしたいことをすれば良い」
昔してくれたように、頭を撫でながら、手ぐしで寝癖を直すような動作をしている。
「うん?亜衣、完徹か?寝癖が無いって、そういうことだよな?」
久しぶりにお兄ちゃんに怒られるのかな。感動のあまり爆泣して、お兄ちゃんに抱きつく。
「え?そんなに怖い声だった?」
お姉ちゃんに確認しているようだ。
「そうね、昔はそんな感じで怒っていたかな♪」
って、お姉ちゃんの弾んだ声がする。あっ…お兄ちゃんのアレが抱きついたことで、私の下腹部辺りに押し当てられている。これって、ヤバい状況では?
「ねぇ、三人で寝ない?」
意地悪っぽい声のお姉ちゃんが提案をしている。
「そうだな、昔のように…」
えっ…心の準備が出来ていません。
「え…亜衣、この程度で準備オーケーなの?」
お姉ちゃんの驚く声がした。準備オーケーとは?…あっ、VRアダルトモードを満喫していたので、身体が反応していたようだ。そんなモードを完徹で使っていたとは言えない。窮地に追い込まれていく私。
そんな私におかまいなく、私の着ている物を手際良く脱がしていくお姉ちゃん。
「はぁ…小学生なのに…もうグショグショよ~。この子は…まったく…」
私の身体の異変を見て、頭を抱えるお姉ちゃん。お兄ちゃんは何の事かがわからないようだけど。
「ねぇ、お姉ちゃん、亜衣はVRモードで良いんじゃない?」
お兄ちゃんがお姉ちゃんに提案をした。えっ?リアルではしてくれないの?助かったような、残念なような複雑な気分である。
「そうね、そうしましょう♪じゃ、亜衣はスキンシップだけよ。小太郎続きをしましょう♪」
えっ、続き?何の?
布団の中で川の字に寝るけど、お兄ちゃんはお姉ちゃんの方に向いてしまい、私には背中しかない。上半身を起こして、二人の行動を覗き見ると…お兄ちゃんの身体の一部が、お姉ちゃんの身体に入っていた。これが大人の儀式なのね…リアルで始めた見た。
お姉ちゃんの口から艶っぽい声、喘ぎ声が発声されていく。聞いているだけで、身体が火照っていく。恐る恐るお兄ちゃんの背中に、自分の身体を密着させてみる。お兄ちゃんの体温を身体全体で受け止める感覚で、肌同士密着して、お兄ちゃんの身体の一部になっていくような感覚に陥っていく。VRと違う。これが生の感覚なのね~
そして、その日、三人揃って、学校を休んだ。お姉ちゃんがお父さんに、「三人でスキンシップが取れるようになったから、学校を休む」って、伝えていた。これでいいのか?私達姉妹は…