---エフ---
アースとのペアで準決勝まで辿り着けた。で、相手は…
「今回の目玉対戦だな。アース組対フェアリークィーン組って」
って、観客席から聞こえてきた。なんでアイツ出ているんだ?職務は?休みの日では無いはずなんだが、サボりかな?
で、戦闘フィールドに移動した僕達。アースを見るや、クィーンが口を開いた。
「アース、よくも私達をハリセンで叩いたりしたわね」
「そうじゃ。そうじゃ」
うん?クィーンの相棒は、悪友の龍姫か?
「クィーン、言いにくいんだけど、自分の相棒を怒らせない方が良いと思うよ」
アースは、苦笑い気味に言っていた。僕の怒りのオーラを感じ取っていたのかもしれない。
「はぁ?アンタの相棒?どうせ、碌なモンじゃないんでしょ?」
僕はアースの肩をポンっと叩いて、彼女達の前に進み出た。
「おい、仕事はどうしたんだ?テメェら!」
怪訝そうに、僕を見ている彼女達。
「無礼じゃ!なんじゃ、その口の利き方は?」
あぁ、目立ちたくないから、頭巾で顔を隠していたんだ。頭巾をずらして彼女達だけに顔を晒した。
「あっ…なんで…」
「お兄様…」
最近、龍姫は僕のことを、「お兄様」と呼んでいる。姉ちゃんであるクィーンの相方って認識なのかもしれない。
「なぁ、今日は休みの日では無いよな?当然、仕事をこなしてから来たんだよね?」
「なんで…アースと組んでいるの?水と油でしょ?」
水と油?あぁ、そうかもしれない。普段ならね。
「今回は目的が一致したから。それよりも、仕事は?二人とも」
龍姫の目は泳いでいた。コイツはサボりだな。で、クィーンは、どっ、土下座。ここでするなぁぁぁぁぁ~!
「おい、クィーン。なんのマネだ?」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
いや、謝ることは良いことではあるが、目立つだろうが…アースに助けを求めるべき、視線を送ると、目をそらしやがった。くそっ!
で、最終的にはクィーンと龍姫が、僕に土下座をする展開となり、不戦勝で決勝へと駒を進めた。僕的には後味の悪い展開である。
戦闘フィールドから戻ると、
「なんで、クィーンだけでなくて龍姫まで土下座する関係なんだ?」
って、ツヴァイに追求された。アイツら、お仕置きしてやる~!
---ヒロ---
ゲームとゲームの合間に、食事休憩。いよいよ、決勝戦だ。対策がまだ練れていない。どうしたものか?
「どうしたの?食欲が無いの?」
首元に柔らかい物が当たっている。なんだろう?いや、この声は…
「美里さん、どうしたんですか?」
洋子が不思議な顔をして、僕の背中越しに立っているであろう人物に声を掛けた。
「今日は、これから決勝でしょ?ヒロ君のプレーを見るには良い機会かと思って」
で、首元に当たっている柔らかい物は、何ですか?訊くのが恐ろしい気が、するんだけど。
「ねぇ、ヒロ君。私の胸って気持ち良い?」
想像していた物が…悶々としてくるでしょ、そういうのって。
「美里さん、ヒロ君は喜んでいるみたいですよ。良かったね、ヒロ君。」
仕事の合間で無ければ、嬉しいかもしれないけど、食欲がますます無くなっていく。
「美里さん、プレー中は大人しく見ていてくださいね」
プレー中にこんなことされたら、不味いので、注意をしておく。
「了解!あぁ、そうそう。掲示板でアースの相方の話題で盛り上がっていたわよ。眼力でクィーンと龍姫を土下座させた謎の男として♪」
眼力で土下座にさせたら、格好良いよね。実際は…はぁ…
◇
仕事部屋に戻り、プレーをする準備をしていく。各部署に通じるマイクのテストをしておく。相手はハイエルフなので、データを取れるだけ取るための準備もしておく。
「このデータは?」
美里さんが、プリントアウトした1枚のデータシートについて質問してきた。
「あぁ、開発部で設定したデータとの相違データは、黒で出ているんです。改竄された証拠ってヤツです」
「そんなこと可能なの?」
「外部からは無理です。入念にエラートラップを設定したので、外部からの進入は出来ません。完全に内部犯行です」
「目星は着いているの?」
「えぇ。今は取り押さえるタイミング待ちです」
「取り押さえる?」
「次にインした時、VRヘルメットを装着した時というか。トラップ仕掛けて置きましたから」
そう言いながら、準備が整った僕は、VRヘルメットを装着して、ゲーム世界へとインをした。
---エフ---
インをして、ベッドで目覚めた。
「おはよう、エフ♪」
笑顔のエルが近づいてきた。
「おはよう、エル。食事をして仕事に行ってくるよ」
エルの首に腕を巻き付けて、彼女の額にキスをした。
「今日も帰りは遅いのかな?」
「なるべく早く帰ってくるよ」
食卓に向かうと、お預け状態のルイさんが待っていた。
「エル、エフも来たし、食べて良いよな?」
ルイさんに頷く彼女。
豪快な食べっぷりのルイさんを見ながら、僕も彼女の手料理を食べた。
食後、出かける準備をして、エルに挨拶をして家を出た。
「おい、エフ。何を企んでいるんだ?」
家の外で、ルイさんに声を掛けられた。
「僕はエルに、幸せになって欲しいだけだ」
「お前から離れることになってもか?」
「僕はエルに、幸せになって欲しいだけだ。何度も言わせないでくれ」
「なぁ、いつも以上に、お前が愛おしく感じるんだが。お前は何をしようとしているんだ?」
「何度も言わせないでくれ。それだけだ。僕は多くは望まない。そろそろ、行くよ。ルイさん、さようなら」
僕はアースの元に転移した。
「おぉ、来たな。いよいよ決勝戦だ。これに勝てば」
「勝てば、じゃない。勝つんだよ。その為にアース、お前に協力をしているんだからな」
アースの目を睨む。少し怯んだアース。
「そうだな。で、作戦は?」
「とりあえず、ドラゴンは僕が仕留める。その間、ハイエルフを抑えてくれ」
「グリーンドラゴンは強敵だぞ。大丈夫か?」
「あぁ、龍喰の刀がある。これで仕留める。ただ、ハイエルフの張る結界が問題なだけだ」
「あれかぁ…アレは問題だよな。破る方法がない訳ではないが、自分が戦闘不能になったら不味いよな?」
「不味いな。アースは生き残って欲しいから」
「う~ん、どうするかな?」
---美里---
いくつものモニタを見て、ゲーム中なのに、いくつものキーボードを操作して、データを確認しながら、バグを修正していく。
「洋子さん、いつもヒロ君って、こうなの?」
「そうですよ」
モニタ画面から目を外さずに、洋子さんが答えた。ヒロ君からのリクエストメッセージが入ると、すかさず、必要なデータを検索して、ヒロ君に転送しているようだ。
「そっちのモニタは、ヒロ君の脳波と心電図です。そこに異常が出たら、医務課に連絡することが、私の一番重要な任務なんですよ」
話には聞いていたが、命がけのプレイングプログラミングだ。VRヘルメットから、色々な感覚データを神経信号に変換して、人体へとフェードバックさせている。少しでもデータがぶれると、それは人体へのダメージにつながりかねない。それを前以て、身を以て体験して、安全性を確かめていく。
入念なチェック後にベータテスターに試してもらい、そこで問題なければ、一般公開の機能として実装していくのだ。
「大変な仕事だよね、ヒロ君も洋子さんも」
「でも、誰かがやらないと駄目なことですからね」
一瞬、私を笑顔でみた洋子さんが言った。
「洋子、見つけた。位置データを転送する。トレースを開始して、トラフィックを追跡するように捜査課へ連絡して」
急に、ヒロ君から指示が飛んだ。
---エフ---
観客席は満員だった。席と言っても立ち見だけど。ほぉ、ターゲットも見学に来ているみたいだ。まぁ、手下にしているハイエルフがいるからな。来ると思ったよ。ふふふ。
アースと共に戦闘フィールドに移動した。グリーンドラゴンは、実際に見るとデカいなぁ。僕は、龍喰刀、草薙を腰に差して、時を待った。アースはチートな外套を用いて、ガードに徹して時間を稼ぐそうだ。結界を破れない限り、ハイエルフに攻撃が通らないそうだ。さて、どうするか?アレって通じるかな?
試合開始の合図があり、試合が始まった。僕は一瞬の時を待つために、グリーンドラゴンの攻撃を居合い斬りで防いでいく。コイツの鱗は堅く、キズをつける程度で、斬り付けるという具合にならなかった。
時は来た。イラついたグリーンドラゴンがブレスを吐こうと、口を開いた瞬間、そこに爆裂な居合い斬りを飛ぶ斬撃で放ち、アイツの柔らかい腔内を切り開いていく。余りの痛さで、前屈みになったアイツ。アイツの首元、鱗と鱗の間に、必殺の一撃の居合い斬りを放ち、首をはねた。
次はハイエルフだ。結界を破れないアースは苦戦中のようだ。僕はアレを使ってみる。分子破壊で、ハイエルフの周囲の空気の分子を破壊した。イメージはハイエルフの周囲を真空にするイメージだ。結界がハイエルフに向かって凹み、ひび割れ始めて、崩壊していった。ハイエルフの胴体は押し潰されたアルミ缶のようになり、四肢はちぎれかかっていた。、
「アース、トドメだ!」
すでに瀕死な状態に追い込んだハイエルフに向かって、アースから渾身の一撃の矢が放たれて、命中したハイエルフは消滅した。その瞬間、観客から大歓声があがった。優勝した瞬間だった。
今回の戦場に向かう時に、僕からアースに1つだけ、お願いをしてあった。ハイエルフを瀕死までに追い込むが、トドメはアースが撃ってくれと。サボり魔二人のせいで、掲示板などで騒がれているのを知っていたアースは、
「これ以上は目立ちたくないんだな?」
と、僕に言った。それに対して頷いた僕。
「当たり前だろ?アイツらを、眼力で土下座させたことになっているし。実際はしょぼい理由なのにな」
僕の肩を叩きながら、
「了解だ。あれは、ショッキングだったもんな。準決勝でアレはないよな」
って、苦笑いしながら、納得してくれた。
戦闘フィールドから戻ると、ツヴァイ達に囲まれて、揉みクシャにされそうになったので、アースだけを残して、僕は転移した。優勝賞品を貰える場所にね。
しばらく待つとアースが来た。
「ズルいぞ、一人だけ転移するなんて」
手荒いお祝いを受けて、髪型が変わっているアース。あぁ、転移して良かった。
「優勝したアースペアには望みを1つずつ叶える。何を願うのだ?」
目の前の天使を模したと思える、偶像から声がした。
「自分は、エルにロストした<弓>のスキルを復活して欲しい」
「僕はエルが本来望んだ幸せを叶えられるようにして欲しい」
「わかった。二人の願いを叶えよう」
僕はアースに向かって一礼をして、
「エルのことを、頼むぞ、アース」
え?って表情をしたアースをエルの元に強制転移させた。これで、エルはまたアースと旅することが出来るはずだ。ルイさんと共に。
次に、僕は僕に出来ることをする。ハイエルフの里を急襲しに、里の入り口に転移した。
---ヒロ---
「作戦を開始する。洋子、各部署に連絡をしてくれ」
洋子に作戦を開始する旨を伝えた。非常用マイクをサイバー犯罪捜査チームに繋ぎ、
「状況はどうかな?」
「ターゲットの入り口に急襲班が待機、トラフィックを確認」
「トレースからだと、転移して戻ってきたみたいだな。同じポートを使い、転移する」
「了解!」
---エフ---
入り口の前に設置したトラップは、踏んだ形跡はなかった。開発部で見逃しているポートを使ってアクセスしているようだ。僕も同じポートから転移した。たぶん、アイツの近くに転移が出来るはずだ。
転移した先は、里の中。祭壇の真ん中のようだ。
「貴様はエフ…どうして、ここに?」
「黒き軍師様、初めまして」
ターゲットのキャラ名を呼んだ。僕を囲むハイエルフの急進派の皆様。
「軍師様、コイツは何者ですか?」
「人族なんぞが、来られる場所ではないぞ、汚らわしい」
僕に対する敵意が露わである。まぁ、コイツらはとりあえず、スルーだ。
「黒き軍師様、ゲームセットです」
居合い斬りで、そいつの首をはねた。
「今だ!」
それと同時に、現実世界の僕は、非常用マイクに向かって叫んだ。目の前の黒き軍師は光に包まれて霧散していった。黒き軍師に死亡フラグが立つと、問題のプレイヤーは、取り押さえ易い様に、一時的に意識を失ってもらうようにしてあった。これはアレのテストで得た失敗データ、刺激が良すぎて失神してしまう事例を基に、前もって組み込ませておいた。
「無敵の軍師様を…一撃だと?」
僕が説得するより、頼りになる仲間を頼るために、精霊を全員召喚した。僕を囲むように現れた精霊達。
「おい、そこのアホなエルフ共よ。この方は鬼畜王…いや、精霊王様だ。頭が高いぞ」
って、オニキス。
「妖精国の国王代理でもあるのよ。主様が傷つけば、あのフェアリークィーンが乗り込んでくるわよ」
って、クリスタル。
「あの龍姫を、天下の面前で土下座させたんだ。お前らが敵う訳ないんだぞ~」
って、またオニキス。こいつ、話したがり屋なのか?コイツに任せておこう。
「主様は女神様の知り合いなんだぞ、天から雷を喰らいたいヤツはドイツだ!」
徐々に、頭を下げるハイエルフの皆様。場が静まってきたので、僕が口を開いた。
「長老に会いたい。牢から出して来てくれ」
事前調査の段階で、穏健派の長老が、牢に閉じ込められているらしいことが、判明していた。そこからクーデターがあったことは、予想できていた。
牢に向かう者が動くと同時に、僕に襲いかかってきた、クーデター組のハイエルフの一団。精霊達がその者達を屠っていくが、一部屠り逃した者が僕に接近するが、天空からの雷により、消滅した。
「女神様が守護されたぞ。この者は神様か…」
僕は、穏健派の長老が来るまで、待った。しばらくすると、両肩を抱えられて長老らしき者と、その側近と思われる者達が、僕の前に現れた。この場にいて、一部始終を見ていた者が、長老に何が起きて、今に至ったのかを説明してくれた。
「この里を護ってくださったそうじゃな。感謝します」
長老が震える声で、僕に言ったのだが、
「その口の利き方は、なんだ?精霊王様は、お前らエルフよりも上の者だそ」
オニキスが、割り込んできた。
「いや、…すまんぬ。多種族に対しての口の利き方を知らん我らを、許してくだされ」
不満そうなオニキスの頭を撫でて、後ろに下げた。
「里から出て行った急進派は、まだいるんだろ?」
うなずく長老。
「そうか…ソイツらを探して出して、掃除しないと駄目だな」
長老は側近の者に耳打ちをすると、側近の者が、黒き軍師のいた場所に向かい、何かを拾って、僕の元にきて、跪いて何かを僕の腕に嵌めた。なんだ?
「おい、これは何だ?」
「ハイエルフの里の指導者の証じゃ。この里を救ってくれた、ソナタには資格があると思うのじゃ」
はぁ?何を言っているんだ?精霊達は「もらっておけ」と言っているけど…
「あと、ライカ。あの方に仕えよ。ライカは、この里きっての若手の急先鋒じゃ。得意な魔術は雷撃系、火炎系じゃ。きっと、ソナタの役に立つと思うのじゃ」
僕の前にスリムだけど、スタイルの良い女性のハイエルフが現れ、跪いた。見た目は15位だから、ルイさん並の年齢なんだろうか。
「その腕輪があれば、このハイエルフの里の出入りは自由じゃ。出来るならば、エルフ、ダークエルフ、ハイエルフによるエルフの国を創れるように動いてもらえんかな?」
まぁ、安全地帯になるならば、そうしたい。
「エルという名のエルフが受けた、悲劇を繰り返すことのない、平和で安全な国を創りたい。協力してくれるか?」
「「はっはぁ」」
了承ってことかな?ライカを見ると、頷いていた。
「今日の所は、帰るよ。また来る」
僕達は、家に…妖精の国の家に転移した。
◇
精霊達には、それぞれの剣に戻ってもらった。
「あの~、ここはどこですか?」
ライカも付いてきたのか。
「ここは僕の家。妖精国の城の中にある」
「「おっかえりなさい~」」
いきなりドアが開いて、二人が入ってきた。クィーンと龍姫だった。
「うん?お前ら、お仕置きを受けに来たんだよな?」
”お仕置き”という単語に反応して、土下座をし始めた二人。
「仕事をさぼって、イベント参加とはなぁ…」
「「ごめんなさい」」
僕たちのヤリトリを見て、笑っているライカ。それに気づいた。二人。
「おい、エフ。何者だ、あの女は?」
「妾という者がおるのに、愛人を連れ込んだのか?」
龍姫の首筋に草薙を当てて、
「おい、お前とはつきあっていない」
と、脅しておく。ドラゴンキラーの纏うオーラだけで、顔が青くなり、目元に涙を溜めていく龍姫。
「彼女は、ハイエルフのライカだ。僕の側近になった者だ、クィーン」
腕輪を見せながら言った。
「なるほど。ハイエルフの里の指導者になられたんですね。これで2カ国制覇、おめでとうございます」
いや、クィーン。僕は、国盗りゲームをしている訳ではないんだけど。
「で、エルフの三種族をまとめて、エルフの国を創りたいんだ。どうすれば良いかな、クィーン」
あぁ、刀を鞘に戻した。それと同時に、龍姫が腰砕け状態で尻餅をついていた。
「エルフとダークエルフの長老と話し合いをする必要があります。あぁ、ゴタゴタ言うようであれば、私が出て行きますわ」
いや、それは妖精国の侵攻になって大事になるぞ。
「お前は来なくて良い。クィーン、お前はお前の仕事をしろ。罰として、次の休みは無しだ。いいな」
渋々頷くクィーン。
「龍姫、お前はクィーンの次の休みの日まで、入国禁止だ。いいな?」
震えて頷く龍姫。
「今日は帰ってくれ。ライカと作戦を練りたい」
クィーンは、腰が抜けて立てない龍姫を抱えて、家を出て行った。
「主様はすごいんですね。フェアリークィーンと龍姫に、命令が出来るなんて」
「すごくないよ。彼女達が約束を破った。それに対して罰を与えただけだよ」
メイドを呼んで、夕食の支度をしてもらい、ライカと食事をした。そして、食後に作戦を練った。ライカの意見を参考にして、エルフの長老と先に話し合いをすることにした。
さて、疲れたし寝るかな。僕は寝室に向かい。ベッドに横に…
「ライカ、お前の寝室は向こうだぞ」
僕の隣の横になったライカに言った。
「夜もお供します。ふつつか者で経験不足ですが、よろしくお願いします」
横になりながら器用に、身に纏っている衣を脱いで全裸になったライカ。どこの部分も未使用みたいできれいだ。
「誇り高きハイエルフのお相手が僕なんかで良いの?」
「えぇ、ハイエルフの里に、平和と静けさを、取り戻してくれた英雄様のお相手なんて、光栄です」
僕は優しく彼女の上に覆い被さり、耳を優しく舐めあげていく。
「あっ…えっ…そんな…身体の内が熱いです」
軽く唇で彼女の耳を甘噛みをすると、ピクっと一瞬震えて、全身の筋肉が弛緩したようだ。これだけで達したのか…下腹部に手を当てると、準備OKなようだ。僕は僕の肉体の一部を、
彼女の肉体の中に入れて、軽くピストン運動をした。
「あぁぁぁいぃぃぃ…あぅ…」
彼女は果てたようだ。僕はこのままの体勢でログアウトした。膣内の感触を、どうにかしないと…
---ヒロ---
VRヘルメットをはずした。一息吐いて、洋子に訊いた。
「どうだった?」
「身柄を押さえたし、証拠も押さえたわよ。もちろん、改造VRヘルメットもね」
「任務終了だ。明日からは、エルフの国の設立と、残党狩りかな?」
「エルのことはいいの?」
美里さんが割り込んできた。
「いいもなにも…<弓>スキルをロストして、アースとは一緒にいられないことを悟り、僕と一緒にいることを望んだ。そのスキルが復活したんだ。初めの願い通り、アースと旅がまた出来る。それが僕が望む彼女の幸せだ」
「ふ~ん、じゃ、今夜はヒロ君の失恋の傷を、癒やしてあげるわ。洋子さん、お持ち帰りしてもいいよね?」
「えぇ、どうぞ。後の処理は、他の部署でしますから」
ねぇ…僕の意思は?僕は、美里さんに襟首を捕まれて、お持ち帰りされたのであった。