※この作品はR-18です。

アルフガン   作:もっち~!

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エルフ国樹立

 

 

---ヒロ---

 

開発チームから、新機能を搭載する旨が伝えられた。当面、ベータテストとして解放する新エリアも同時に搭載みたいだ。アレのソフトバージョンを新機能として、実装して、新しいエリアに歓楽街を作り、その機能を使えるようにするようで、ベータテストに於いて感度の微調整をするそうだ。今回のベータテスターには、スポンサーでプレイされている方数名も含まれるらしい。

 

新しいエリアは、コラボということで某作品と手を組む運びになった。世界観、種族など、あまり違和感が無いないとの判断のようだ。このあたりは、企画部と運営が担当なので、僕はテストに入るまで、なんの作品かわからない。

 

アレのハードバージョンの方は、まだ目処は立たない。AIキャラとの同期にズレが生じる時がある。フィードバック信号の届くのに、タイムロスがあるのかもしれない。これはアルファテストで、調整していくしかないな。美里さんが女性版のアルファーテスターとして名乗りをあげた。僕と洋子のテストの様子を見て、スポンサーとして協力したいと申し出てきたのだ。

 

スポンサーの言うことに弱い上層部は、これを認めて、アルファーチームの非常勤扱いとして、受け入れてしまった。大丈夫なのかな?

 

今回のベータテストは、物が物だけに、プレイ内容を見て、信用が出来そうなプレイヤーに、テストをしてもらうことにした。コレ目的だけのプレイヤーはダメ、未成年もダメ、審査は厳しいものになった。そして、VRヘルメットを指定日に持参が出来る者という条件もある。ベータテスト用のプログラムを入れる他、ヘルメットにプレイデータのフィードバック情報を送り返す機能も付加する為である。市販のVRヘルメットのメモリ容量では足り無いので、メモリの増設もすることになる。このメモリ増設が、ベータテストの報酬となる訳だ。

 

決定したベータテスターのリストに目を通すと、意外にもアースの名前を見つけた。ツヴァイやカザミネもいたけど。

 

「アースでも興味あるんだね」

 

って、美里さん。

 

「興味はあるだろう。一般公開する時は、有料サービスだし、無料で試すにはこの機会しかないんだよ。それにメモリの増設も魅力なんだろうな」

 

アレ…所謂、アダルト機能に関しては、有料サービスとなる。将来搭載されるハードバージョンも有料サービスになるが、こちらは専用のVRヘルメットを別途購入する必要が出てくる。普通のVRヘルメットのエミュレーターでは、制御が難しいことが判明したのだ。

 

メモリ増設に関しては、データの肥大化が進むと、別途専用のUSBメモリーが販売される予定ではある。今回の報酬のメモリは、ヘルメットに内臓するタイプで、メモリ装置としての反応速度が段違いに速い。僕が一般ユーザーであったならば、迷わずベータテスターに応募すると思う。

 

そして、1週間の長期メンテ期間に突入した。一般プレイヤーに知られることなく、改竄事件が終わったので、すんなりとメンテ期間に入れた。この期間を利用して、ベータテスター達を集めて、VRヘルメットの改造をすることになっている。

 

「ベータテスターが集まる日、改造している間に懇談会を予定しています。アルファーチームは参加決定ですからね」

 

って、企画部から連絡が来た。懇親会?なんだ、それは…

 

「ヒロ君、サボりはダメだよ」

 

って、洋子。ダメなのか…

 

◇

 

懇親会当日、会場では、企画部が主導で会を進行している。今回のテスト内容を詳しく発表すると、テスターの間から、どよめきのような物が聞こえてきた。新たに出来るエリアについても発表がなされ、コラボ作品の紹介し、エリアの概要も説明されていった。

 

僕は、このメンテナンス期間は、新たなエリアのアルファーテストをしまくっていた。致命的なバグを見つけては、修正の繰り返しなのだ。細部のバグは、ベータテスト中に修正することになると思う。

 

今後の予定を頭の中でシミュレートしていると、急に僕は呼ばれて、壇上の…それも中央部に上がることになった。なんで?聞いていないぞ!

 

「彼が、このシステムの骨組みを開発して、現在もゲーム創りに関わっている、アルファーチームの水谷浩介氏です」

 

って、紹介された。ベータテスターの皆さんに向かって一礼をして、壇上の隅に移動した。

 

「ヒロさん、もう少しだから、がんばってください」

 

って、隣にいる開発部の後輩に言われた。いや、バグ取りで睡眠不足なんだけど…眠い…

 

各部門のトップが紹介されていき、懇談会に移行して、僕はベータテスター達のいる場に放たれた。質問などに答えて来いってことらしい。僕達社員は胸に部署名と氏名の書かれた名札を付けているが、ベータテスターの皆さんはキャラ名が書かれた名札をつけていた。

 

アースと、ツヴァイとカザミネ、ミリーが固まっている場所に、引き寄せられていった。

 

「あっ、ヒロ君。今日も寝不足かな?」

 

って、ミリーさん。僕の後ろに回り、肩を揉み始めた。

 

「ベータテスターの皆さんに、バグの少ない環境を渡すために、日夜努力中です。ふぅ~」

 

「ミリー、開発者と知り合いなのか?」

 

こいつがツヴァイか…

 

「うん♪」

 

「まさか…神業師のフォックスさんですか?」

 

こいつが、アースか…

 

「昔の事です。って良く知っているなぁ」

 

「雑誌に写真が載っていましたし。ゲーマーとして、憧れていました。ポヨンポヨンでの25連鎖、鳥肌がたちました」

 

ポヨンポヨンとは、所謂落ち物パズルで、4個以上繋がると消えるタイプの物だ。発売日に20連鎖の動画をアップしたっけな…まぁ、遠い想い出だ。

 

「うん?フォックス?まさか…エフ…」

 

カザミネの呟き…驚いた表情で僕を見る、カザミネ、ツヴァイ、アース。

 

「ミリーと知り合いだし…おい…」

 

って、ツヴァイ。

 

「それについては否定も肯定もしないけど、公表するよなマネをしたら、ねぇ、カザミネ君」

 

って、カザミネの肩をポンっと叩いた。みるみる顔が青ざめていくカザミネ。掲示板に書き込みをした件を思い出したのか。

 

「す、すみません…その節は…」

 

と、謝罪しまくっていた。運営サイドの人間だから、本名も住所も知りうる立場だし、敵に回すと怖いよな。

 

「ヒロ君を敵に回すと、不感症にされちゃったり、うふっ♪」

 

って、ミリーさん。あぁ、そういう手もあるよね。

 

「そうか…冒険もせずにいるのは、細部のバグ取りをしているってことか」

 

とは、ツヴァイ。頷いておく。

 

「まぁ、今後もこのゲームをお楽しみください」

 

と、その場のみんなに告げ、自分の部屋に戻った。

 

◇

 

部屋でデバッグ作業をしていると、部屋の呼び鈴が鳴った。応対すると、美里さんとツヴァイ、アースがいた。

 

「ここは部外者立ち入り禁止だけど」

 

「開発の許可は取ったわよ。カザミネ君は問題を起こしたことあるから、禁止にされたけど。ふふふ」

 

スポンサー特権を使ったな、こいつ…

 

「ここで、アルファーテストしているのか…」

 

ツヴァイ、アースが室内を見渡している。スポンサー特権らしいので、奥にある開発環境を見せてあげた。

 

「すごい…こんなにたくさんのモニタがあるのか。キーボードもたくさんあるし」

 

「ツヴァイ、ヒロ君はプレイングプログラマーだから♪」

 

「ゲームをしながなら、デバッグをしているのか…」

 

「アース、ツヴァイ、でも、ヒロ君はチートなことはしていないよ」

 

「あぁ、チートなことはしていない。チートしたら、バグを見つけられないから、みんなと同じ環境でプレイしている。違うのは、プログラムとデータの状態を確認しながら、プレイしていることくらいだ。ここの運営はドSだから、僕にもしっかりペナを掛けてくるし」

 

ペナが想定通りの動作をするかのテストを兼ねているけど。

 

「レベルアップ停止のペナは解除されたのか?」

 

心配そうにツヴァイがきいてきた。

 

「今回のメンテナンスで解除されるみたいだよ。これで、少しは冒険する気が起きるかな」

 

で、二人に今回搭載される機能を体験させてみた。

 

「風俗行くよりいい♪」

 

って、ツヴァイ。おい、そういう事は美里さんの前で言うなよ。

 

「こんなことも体験が出来るようになるのか…」

 

って、アース。

 

「あぁ、まだ決まったパターンでしかプレイはできないけどね。いずれ、フリーな動作でも再現してみたい。今はテストの毎日だよ」

 

「俺も、ここで仕事したいなぁ」

 

って、ツヴァイ。

 

「プレイしながら、デバッグが出来る能力があれば、上にスカウトしてもらうけど、ツヴァイってそういうスキルあるかな?」

 

「ない…残念…」

 

「それに、ツヴァイみたいに、快楽を愉しむだけではダメよ。ヒロ君は刺激を数値データにしていく作業をしながらなんだからね」

 

って、美里さん。確かに快楽に飲まれると、この仕事は出来ないなぁ。

 

開発から、彼らのVRヘルメットの改造が、終わったとの知らせが来るまで、あれこれ話が弾んだ。

 

 

 

---エフ---

 

メンテナンスが終了。ベータテスターの皆さん方は、新たなエリアである、迷宮都市を目指しているようである。僕は妖精国の僕の家で目覚めた。エルフの村に向かうんで良かったよな。

 

階下の応接間に行くとライカが待っていた。

 

「エルフの村に行くんですよね?」

 

って、言いながら僕に近寄って来る。

 

「さて、行くか」

 

ライカと共にエルフの村の近くに転移して、エルフの村の入り口から入った。村に入ると、エルフ達の目に恐怖の色が浮かび上がっていた。ハイエルフのライカの存在がそうさせているようだ。

 

僕達は、ルイさんの家の前を通過して、村の長老の屋敷に向かって歩いた。そして、屋敷につき、門番に用件を伝えた。

 

しばらくして、奥の間に通され、エルフの村の長老と会うことができた。僕は長老に腕輪を見せて、身分を明かす。

 

「そなたが、新しいハイエルフの指導者なのか。そなたは、どうしたいのだ?」

 

「僕は、エルフ、ダークエルフ、ハイエルフのエリアを1つに統一してエルフの国を創りたいのです。エルフ同士争いは起こさない、エルフ同士でルールを作り、それぞれのエリアに置いては、それぞれの種族の文化に干渉しないようにしたい。協力をして貰えないだろうか?」

 

「考える時間は貰えるのかな?」

 

「勿論です。力尽くで進めようとは思わない。考えておいてください。これからダークエルフの谷にも行き、同じことを提案してきます」

 

「どうして、人族のそなたが、このようなことをしておるのか?」

 

「僕はエルの遭遇したような事件を、再発させたくない。それだけです」

 

「もしや…エルを甦らせてくれた者か?そなたは」

 

僕はその問いをスルーした。そのような能力は、持っていないと思われた方が良いから。

 

「お付きの者は、ライカ殿か?」

 

「そうだ。今は彼、エフ様の守護役だ」

 

ライカが睨みを効かせると、長老を含めたエルフ達が、震えだした。

 

「ライカ、闘気を纏うな。お付きが尖っていては、交渉がうまく行かない」

 

と、彼女に釘を刺す。

 

「すみません。エフ様」

 

僕の前に跪いた彼女。

 

「では、長老。また来るから」

 

僕達は、その場を後にした。村の出口を目指して、歩く。と、

 

「エフ…」

 

僕を呼ぶ声がした。ライカの影響か、声が震えていた。声の主を見ると、ルイさんだった。

 

「ルイさん、どうしたの?アースと旅立たなかったの?」

 

「エフ…お前の帰りを待っていた…でも、なんで、ハイエルフと一緒にいるんだ?」

 

僕は、腕輪をルイさんにだけ見せた。状況を把握したようなルイさん。

 

「ここじゃ、他の村人達の目がある。私の家に来てくれ」

 

言われた通り、僕達はルイさんの家に向かった。家の中に入り、ライカがへたりこんだ。緊張していたみたいだ。

 

「エフ…あんなに恐れられていたんだな。私達、ハイエルフは。エルフの視線が身体を突き刺すようだった」

 

「ハイエルフはそういう存在だ。今までの行いが悪かったのだ。その辺りを改めないと、ハイエルフはいずれ孤立しちゃうぞ」

 

うんうんと頷いているライカ。

 

「で、ルイさん、なんでエルとアースと旅立たなかったの?」

 

「私は、お前と旅がしたいんだ。エルは、アースと一緒なら安全だろうし」

 

そういうと顔を赤らめて、項垂れた。

 

「ハイエルフのライカと一緒だけど、大丈夫かな?ライカ自体は優しい娘だけど、イメージが悪いでしょ?」

 

恐怖心を帯びた、敵視するような村人の刺すような視線を、たっぷりと浴びていたライカは、

 

「ハイエルフはイメージ悪いな…歩いているだけで、アレは酷い」

 

って、落ち込んでいた。

 

「イメージは良くしていかないと。その突破口はライカの行動だ。横柄なことをするなよ」

 

また、釘を刺しておく。ルイさんには、あの後のことを説明した。ハイエルフの里のクーデターを失敗させたこと。指導者の腕輪をはめられたことなど。

 

「そうか、2カ国制覇したのか」

 

ルイさんまで、クィーンみたいな言い方を…ははは。

 

「今日は、ここに泊まって、明日ダークエルフの谷へっていうのはどうだ?」

 

急ぐ旅でもないので、そうさせてもらうことにした。

 

翌日、ルイさん、ライカを伴い、村の北門に向かった。そこには、長老と一人のエルフの女の子がいた。

 

「この子を一緒につれて行ってもらえるか?儂の娘で、名をトイと言うのだ。ダークエルフの長老との間のパイプ役に使ってほしい」

 

長老はルイさんに視線を向けて、

 

「ルイ…お前も同行するのか?」

 

「あぁ…こいつが何者であって、付いていこうと思っていた。アースとは違うが、似ている部分もある不思議な男だから」

 

「そうか…エフとかいったかな。我々エルフの村はそなたの提案にのってみようと思う。あの後、聖樹様に相談をしたのだが、エフと共に生きろと言われた。これからも、この村とトイを頼むぞ」

 

うん?村は分かるが、娘を頼むとは?

 

「長老の娘をエフの嫁にしてくれってことだ。ライカもそうみたいだぞ」

 

ルイさんが僕の耳に囁いた。はぁい?なんですって…女難の相がしっかりとレベルアップしているみたいだ。

 

「なぁ、ライカって、ハイエルフの長老の娘なのか?」

 

「エフ様、知らなかったのですか?」

 

ライカが驚いた表情を浮かべた。いや、知らないって…ルイさんはニヤニヤしているし。

 

そして、凹み気味の僕を含めた4名でダークエルフの谷を目指した。

 

途中、遭遇する敵なし。僕の気配を感じると、逃げていくモンスター達。

 

「エフ、安全だけど、なんかつまらないなぁ」

 

って、ルイさん。僕もそう思います。RPGの要素が抜けた気がします。ライカが一緒にいるので、道に迷うことなく、ダークエルフの谷を目指せていた。中間地点で一休みをする。

 

「なんで、モンスターが出ないんですか?」

 

と、トイさんから質問が出た。

 

「僕が精霊王だから…ボスクラスとしか戦えない呪いが掛かっているみたいなんだ」

 

と、説明した。

 

「え?出逢う敵って、全部ボスクラスなんですか?」

 

その辺の事情を知っているルイさん以外が驚く。

 

「ちょっと待ってください、エフ様。聞いてませんよ」

 

って、ハイエルフのライカですら、驚いている。精霊をまだ見ていないトイさんは、

 

「精霊王って?聞いていませんよ…エフ様って一体何者なんですか?」

 

「エフ様、精霊達に鬼畜王って呼ばれてませんでしたっけ?」

 

ライカからも質問が出た。答えにくい箇所に食いついたな。

 

「あぁ、なんというか。契約手順を踏まずに、精霊4人を下僕にしたから…」

 

ライカの顔色が悪くなっていく。

 

「思い出した…女神様にも守られていましたよね」

 

その事実を知らないトイとルイさんの顔からも血の気が引いているみたいだ。

 

「はぁ?エフ、お前…女神様も下僕にしたのか?」

 

いや、した覚えはないけど…

 

『私はエフ様といつでも一緒ですよ~♪』

 

って、天の声がした。マザー、悪ふざけは止めてくれ~!PTメンバーの3人が僕に対して、正座をし頭を地面に触れ伏した。あっ、マザーも女性だよな。女難の相が炸裂か?

 

『そうです』

 

って、マザーからウィスパーが届く。僕のイメージが……凹む僕。

 

ガサガサ

 

と、草をかき分ける音がした。僕達4人はそれぞれ戦闘態勢を取った。前衛は僕とルイさんで、後衛はトイ、ライカ。

 

現れたのは、レイジと、たしかコンポタっていうレイジのリアル彼女だった。僕達は戦闘態勢を解いた。

 

「脅かすな、レイジ」

 

「エフか。ちょうど良かったよ。道に迷っちゃてね」

 

レイジ達は道案内を連れていなかった。

 

「エルフの村で道案内と契約しなかったのか?」

 

「いやねぇ、彼女が道案内と私のどっちが好きって聞くから…ははは」

 

おい…それで彼女を取って、道案内無しかぁ?

 

「エフもいないみたいだが」

 

「僕の方はハイエルフがいるから、安心なんだ」

 

「「ハイエルフ?」」

 

レイジとコンポタさんが驚いた。

 

「なんか、凄いパーティーだな…エフ、エフのパーティーに入れてくれるかな?」

 

道案内無しの者を、置いていけないよな。それも知り合いじゃ。

 

「わかった。でも、僕達はダークエルフの谷に向かうんだけど、良いかな?」

 

「かまわない。チームメンバーの誰かに迎えに来て貰うから」

 

ということで、レイジ達とダークエルフの谷に向けて歩き出した。

 

「この辺りって、モンスターはいないのか?」

 

って、レイジ。僕は僕に掛かっている呪いのようなペナルティの話をした。

 

「マジか?RPGでそれって、きついだろう?」

 

「キツいってもんじゃない。つまらない…今はペナ解除待ちだよ」

 

僕とレイジの会話は弾んでいたが、女性陣の方は、他種族から恐怖の対象にされているハイエルフのライカの存在が、他の女性達を無口にしているようだ。イメージを変えて上げないとイカんな。

 

で、森を抜けてやっとダークエルフの谷が見えた。段々畑が点在して、街の中央には大きな谷があり、いくつもの橋が見えた。

 

「絶景だな」

 

レイジが言い、僕は頷いた。

 

「そうだな。しっかし、階段が多いなぁ。足腰が鍛えられそうだ」

 

街中に入るとダークエルフ以外にも妖精族や龍族がいるみたい…はぁ?なんで?僕の方へ妖精族と龍族のペアが近寄ってきた。それもよく知っているヤツらだ。

 

「なんで、お前らがいるんだ?クィーン、龍姫!」

 

「今日は、お休みの日です♪」

 

「妾は姉ちゃんの付き添いです、ダーリン♪」

 

龍姫の最後の言葉に反応して、ドラゴンスレイヤーを手にして、アイツに突きつけた。

 

「ダー…いや、お兄様、失言でした。許してください」

 

謝罪を受け入れて、刀をしまった。

 

「なんで、ここにいるんだ?」

 

「交渉の件を知って、お手伝いです♪」

 

固まっているレイジ、コンポタ、僕の仲間3名…

 

「じゃ、レイジ、コンポタさん。ここで失礼します。こいつらをしばくんで…」

 

クィーンと龍姫と僕が歩き出すと、仲間3名は固い表情のままついてきた。

 

「そうじゃ、ダー…いや、お兄様、プレゼントです」

 

って、龍姫が僕の腕に腕輪を嵌めた。腕輪?いやな予感がするのだが…

 

「なぁ、龍姫。この腕輪はなんだ?」

 

「龍の国の王子の証じゃ。妾のダー…じゃなく、お兄様だし、その資格はあるじゃろ」

 

いや、無いと思う。

 

「外してくれ」

 

「外れない…正確には外し方を知らぬ」

 

をい…

 

「いいじゃない。これで3カ国制覇だよ、エフ♪」

 

クィーン、僕は国盗りゲームをしている訳ではないんだよ…

 

「ここじゃ」

 

ダークエルフの長老の家に着いたみたいだ。まず、トイさんが長老に会いに行った。しばらくすると、僕達も奥に通された。

 

パーティーメンバーに驚いている長老。ハイエルフのライカ、フェアリークィーン、龍姫って、どんな組み合わせなんだって感じだ。

 

「トイから話を聞いた…」

 

ライカ、クィーン、龍姫の放つオーラに、飲み込まれてしまった感がある長老。

 

「お受けします…そなたが初代エルフ国の王になり、導いてください」

 

なんで、僕が王に?僕の腕に何かの刺激を感じ、袖をまくると、ハイエルフの里で嵌められた腕輪が変容していた。

 

「凄いわ。ハイエルフの指導者の証が、エルフ国の王の証になったわよ、エフ。さすがは女神様の彼氏だわ♪」

 

クィーンの口走った最後の言葉を耳にした、ダークエルフの長老とその側近の者。僕の前に正座して地面にひれ伏した。

 

「なんと、女神様の…失礼しました…」

 

僕はクィーンを睨んだ。僕の視線に気づき、頬に大粒の汗が流れているクィーン。

 

「いや…ごめんなさい」

 

クィーンがその場で土下座した。僕のイメージが悪くなっていく。そして、ダークエルフの長老の娘さんのライナさんも、僕のパーティーメンバーになった。ツヴァイの事言えない。僕のパーティーはハーレム状態になっていくのか?

 

僕はパーティーメンバー全員と、ハイエルフの里に転移した。転移したことに驚く、トイさんとライナさん。

 

ハイエルフの長老に、結果を報告すると、運営よりアナウンスが、プレイヤー全員にあり、エルフ国樹立を告げた。運営はモニタリングしていたのか?やけに、手際が良いじゃないか。

 

そして、パーティーメンバーで、妖精国の僕の家に転移した。そこで、クィーンの助言を基にして、今後のエルフ国の取り決めを決めて行く。副国王は、それぞれの長老の娘さんのトイさん、ライナさん、ライカさんとして、三人の同意を得られた物だけを採択していき、同意できない事柄は、同意できるように相談して決めていった。

 

法律みたいな物を、精霊ラピスに3枚の羊皮紙に書いてもらい、それぞれを、ライナさん、ライカ、トイさんに渡して、後日それぞれの長老へ手渡してもらった。

 

それぞれの種族間でのわだかまり、イメージはすぐには無くならない。なので、今は森での争いなどを禁止し、それぞれのエリアは徐々に閉鎖性を解放してもらう方向にした。

 

 

一息ついた時に気づいたのだが、腕輪がむ2つ増えていた。クィーンに確認すると、精霊王の証と鬼畜王の証だそうだ。

 

鬼畜王ってなんだ!?

 

 

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