---ヒロ---
企画会議…開発部と運営と、何故か僕とで、『オリジナルの種族の街を』って企画を練っていた。
「ヒロさん、どういう者に萌えますか?」
「う~、猫かな?癒やされるよね…くぅ…」
「ヒロさん、寝ないでください~」
あっ、寝てしまった。会議って、なんでこんなに、寝心地がいいのだろうか…くぅ…
僕の寝ている間に会議は進行して、僕の萌え処が採用されたようだ。
「ヒロさん、どういう街が面白いと思いますか?」
なんで、僕の意見を…
「貢がせて、身ぐるみ剥ぐっていうのは?無理矢理剥ぐのではなく、自発的に貢がせるような…夢うつつを抜けると、装備やお金が無いって、驚くと思うけど…ゲーム運営的にどうかな?」
あぁ、「それはちょっと…」とっと言う声が聞こえる。
会議が終わり、起こされると、僕の案が採用されていた…いいのか?
部屋に戻ると、見かけない女性が二人いた。
「あぁ、ヒロくん、彼女達はここに配属された新人さんだよ。浦つばささんと、暮森あずささん」
と、洋子が紹介してくれた。
「浦です、よろしくお願いします」
ショートカットで、健康的な小麦色の肌の子。
「暮森です、よろしくお願いします」
ロングで巨乳系…
「あぁ、よろしく。で、担当は?」
「浦さん…つばさちゃんの方がいいかな?彼女は、ヒロ君のサポート。彼女もプログラマーなのよ。で、あずさちゃんは、事務、連絡係」
「そう…少し仮眠してくる…」
新人さんにあまり興味のない僕は、隣の仮眠室に移動して、しばしの爆睡…
目が覚めると美里さんが添え寝していた…なんでよ~
「なんで…」
僕の動揺した動きで、美里さんも目覚めた。
「私とヒロ君の仲でしょ~」
と、目覚めのキスをいただいた。そして、テストルームに二人で戻った。
「洋子、問題は起きている?」
「問題はない…クレームが来ているけど」
「クレーム?何に?」
「ベータテスト地域に行くのに船移動でしょ?それも1時間も。長すぎるって」
「すぐに着いたら、普通のゲームだろうに…船旅を楽しめないのかな?」
「わかった…クレームが来たら『船旅を楽しみましょう♪』って表示させようっと」
開発に連絡をしはじめた洋子。
「ミリーさんは、今どこに?」
美里さんに尋ねた。苦笑い気味の美里さん。
「その船旅を寝て楽しんでいる~」
クレーマーの一人は美里さんかな。
「今は、街の機能のベータテストなんで、正式公開後には、海の魔物が襲ってきますよ」
「沈没とかもあるのかな?」
「もちろん…ブルーカラーで、ばらさないでくださいね」
「うん♪カザミネ君がバラしそうだもんね」
見た目はとても大人の美里さん。話し方が少しアンバランスのような…ゲーム内での話し方がリアルに影響している気が…
「洋子、ベータテストエリアで問題は?」
「順調…まだ、歓楽街しか開放していないし」
「じゃ、インする」
「つばさちゃんもインするから、どこかで合流してね」
そして、ログインをした。
---エフ---
ウィスパーが飛んで来た。
『どこにいらっしゃいます?』
発信者はバサ姉…誰だ?あぁ、新人さんにつばさっていたかな?
『どちら様ですか?』
『ごめんなさい。今日配属された浦つばさです』
『了解!妖精の国の自分の家』
『え?妖精の国に家があるんですか?』
『そういうこと。自力で来てね♪当分、ここを拠点にしているから』
起き上がろうとするとルイさんが、添い寝していた。
「おはよう、エフ…くぅ…」
見なかったことにして、ルイさんを寝かせたまま部屋を後にした。1階のリビングには、エルフ達がおしゃべりをしていた。
「おはよう~」
「「「おはようございます!」」」
「今日はどうします?」
代表してライカが声を掛けて来た。
「どうしよう…う~…くぅ…」
僕は柔らかい物に顔を埋めて寝ていた。
---ヒロ---
一旦、ログアウトした。気になるデータがあったから。
「洋子、気になるデータを見つけたんだけど、運営から何かイベントがあるか、聞いている?」
綴じてある書類の束に目を通す洋子。
「無いけど、どうしたの?」
「バサ姉…今どこだ?」
「えぇっと…まだ最初の街で装備を整えています」
「どうしたの?」
洋子がきいてきた。
「グリーンドラゴンの大群が移動しているんだ。どこに行くんだ?」
「ヒロ君、トレースはしている?」
「している。龍の国から妖精の国方向に移動中なんだ。龍姫が攻め込んできたかな?」
「到達時間はどのくらい?」
「リアルで1時間くらい。あずさ、運営に確認して、洋子は開発だ。突発イベかな?僕は迎撃の準備をする」
再度インをした。
---エフ---
目が覚めるとライカに抱かれていた。
「お目覚めですか?急に私の胸に飛び込んで来たと思ったら、寝ちゃうんですもの」
笑顔で話掛けて来たライカ。
「あぁ、ごめん。急に眠気が…」
「私で良ければ、戦闘中以外なら喜んで♪」
「そうだ…クィーンに会いに行ってくる」
僕は彼女達にそう言うと、クィーンの執務室に急いだ。
「会いに来てくれたんですねぇ♪」
クィーンが抱きついて来た。好きにさせておく。
「なぁ、国境警備の者から、緊急連絡なかったか?」
「ないない」
「龍姫から宣戦布告の知らせは?」
「ないない…って、どういう意味ですか?」
驚いたように僕から離れて、僕の顔見ているクィーン。
「グリーンドラゴンの大群が龍の国から、この国目がけて飛んで来ているんだ。心当たりは?」
「ないです…どういうことでしょうか?」
「国境に行ってみる。クィーンは龍姫を呼び出して、事情を聞いてくれ」
「わかりました」
僕は、国境を目指して歩を進めた。遠くにグリーンドラゴンの姿が黒い雲のように見えている。徐々に大きくなっているのは、近づいて来ているってことだな。
「一人で行動しないでください。私達の立場っていうものがあるんですから~」
ライカ達が僕を追ってきた。
「怪我をさせたくない。城にいれば安全だ」
「私達は、あなたのガードです。共に行動して、共に怪我を負います」
う~、見た目が幼いから、一緒に行動するのが…とは、言えないか。
---ヒロ---
「ヒロ先輩、運営でもグリーンドラゴンの大移動を確認したそうです」
あずさの声がする。
「ヒロ君、開発はプログラミングしていないって」
洋子の声がする。
モニタ画面に刻々と変化するデータを確認して、ゲームに意識を戻した。
---ミリー---
船の上で寝ていたが、起きてツヴァイに近づいていく。ツヴァイはアースと会話をしていた。
「ツヴァイ、突発イベが起きそう~」
私はツヴァイに声を掛けた。
「ミリー、本当か?どこでだ?」
「妖精の国の国境。エフが迎撃の準備をしているよ~」
「一緒にいるのか…でも、船の上じゃ助けに行けないなぁ」
「そうだな、ツヴァイ。リアルで1時間も海の上だからなぁ」
アースが苦笑い気味に言った。新天地での移動、これはつらい。家に居ながら、船酔いを体験出来るのはカンベンして欲しいなぁ。あとで、クレームだな。
---エフ---
この国に攻撃するのであれば、反撃だが、移動している状況だけでは、攻撃は出来ないよな。
【龍姫は知らないそうよ。すぐにエフの元に向かうって】
クィーンからウィスパーが届いた。
【クィーンは執務室にいて、指示を出すように。戦況は僕が知らせる。いいな!】
【了解!】
空にグリーンドラゴンの群れが展開していた。どうするかな、ドラゴンスレイヤーの妖刀草薙でも、あの丈夫なウロコはきつかったし。
【領空に入ったら攻撃して良いです】
クィーンからウィスパーが飛んで来た。あぁ、そのつもりだ。ただ、攻撃方法が…考えるんだ…口腔以外に柔らかい部分…目かな…鼻の穴…耳の穴…臍はないし…生殖器…あるはずだよな?対戦したグリーンドラゴンの身体を思い出す。胸元に固かったよな…下腹部…うん?体内に仕舞っていて、使う時に出すのかな?すると…ふふふ
僕は妖刀草薙を手にした。
「鬼畜な手を思いついたんでしょ?」
オニキスが僕に囁く。
「そうかもな、ふふふ」
龍姫に確認をする。
『なぁ、ドラゴンって性欲強いだろ?』
『それはもう…いや、妾は上品じゃ…性欲なんか…』
長くなりそうなので、ウィスパーモードから抜けた。
領空に達する手前で、止まる大群。1匹のデカいグリーンドラゴンが、僕の前に降りてきた。
「妖精の国になんの用だ?」
僕は尋ねた。
「貴様か?人ごときで、龍の国を乗っ取ろうとした野郎は?」
なんの話だ?
「どういう意味だ?興味ないぞ、龍の国なんか」
「なんかだと…酷い言い草だな。人や妖精なんか、俺達のエサなんだ。大人しく喰われてしまえ!」
目の前のグリーンドラゴンが、少しずつ前進してきた。それにあわせて、僕達も後退していく。そして、領内に入った瞬間、目の前のグリーンドラゴンを、居合い斬りで3枚に下ろした。その光景に上空の大群が右往左往している。
「ライカ、領内に入った奴だけ、撃ち落としてくれ」
ライカは雷を放ち、領内に入ったグリーンドラゴンだけを、撃ち落として行く。落ちてきたドラゴンだけを、僕は捌いていく。思った通り、生殖器官を出し入れするようで、下腹部には見えづらいけど一筋の肉の割れ目がある。まるで、女性の秘部のように。そこに草薙を差し込むと、体内に到達でき、内部から外部に向けて斬りやすいようだ。
目の前に身を開かれたグリーンドラゴンの肉が、ゴロゴロ落ちている。この肉って美味しいのかな?一応、食材にどうかなって考えて、3枚に下ろしてある。あとで、料理家のアースに聞いてみようっと。
「あっ…遅かった…」
龍姫の声がした。
「おい、残りのドラゴンを引かせろよ!龍の国の姫!」
「はい?」
龍姫が大群の元に向かい、説得している。しばらくすると、説得が通じたのか、大群が帰っていった。僕達の元に戻ってきた龍姫。
「この度はすみませんでした。ドラゴンは同じような種族ですので…」
「はぁ?妖精はエサだっていっていたそ、龍姫もクィーンをエサだと思って、近づいているのか?」
「めっ、滅相もございません。龍族は違いますよ~」
「はぁ?龍の国の王に謝罪をさせろ。クィーンにだ」
「それは…」
「出来ないなら、もう来るな!いいな」
僕達は龍姫を残して、お城に帰還した。結果をクィーンに報告。
「グリーンドラゴンの性器を斬り裂いた?…さすが鬼畜王だな」
ぎこちない笑い方をしているクィーン。まぁ、鬼畜王だから、いいかぁ。
「たぶん、どの生物でも有効じゃないかな?」
「精霊で試さないで~」
クリスタルのビビったような声がした。
「精霊は生物でないだろ?たぶん、妖精もなぁ」
談笑をしてたところに、
「すみませ~ん。用があるなら、そっちが来いって…」
龍姫の声がした。
「おい、さっき言ったことが理解出来ないようだな?龍の国の王が謝罪するまで、お前はこの国に出入り禁止だよ」
「そんなこと言わないで…」
「謝罪を受けたいなら来いって、どこまで横柄なんだ?龍の国は…」
「エフ、龍とはそういう者だ。そもそも、ドラゴンとは違う」
クィーンがかばう。でも僕は…
「わかった。これから龍姫の処刑をする。助けて欲しければ、龍の国の王が謝りに来いと、伝えろ、クィーン」
「ちょっと…」
龍姫の首をつかんで、引き摺っていく。
「お姉ちゃん、助けて~」
龍姫がクィーンに助けを求めるが、気にしない。
◇
国境の辺りに、手足を拘束した龍姫を連れて来た。後方の草むらに、クィーン達が心配そうにこちらを覗いている。
「どうされたい?」
「ダー…お兄様に優しくされた~い♪」
この状況で…おバカか?頭が痛い。ふと見ると、国境の向こうに、頑強な男が立っていた。
「龍の国の王か?」
「そうだ」
謝る気はあるのか、ないのか?龍姫の服を剥いでみる。
「ちょっと待て!娘に乱暴なマネはやめてくれ!」
全裸にして、縛り直した。
「なぁ、言うことがあるだろ?そこに転がっているグリーンドラゴン達の亡骸を見て何も思わないのか?」
「惨いマネをしてくれたな」
「そうじゃないだろ?妖精はエサだって、領内に入ってきたんだぞ。お前の娘は僕のエサだ。それでいいか?」
「良い訳ないだろ?貴様…」
手のヒラで、龍姫の胸を弄ぶ。
「いや…こんな場所で…」
表情が嫌がっていない龍姫。人質感がまるでない…なんか嬉しそうなんだが…コイツ、エムか?
「ここで、お前の娘を食べて良いよな?」
「待て!」
「ならば、クィーンに謝罪しろ!」
龍姫は胸への刺激だけで、恍惚な表情を浮かべていた。おい、そこは苦しそうな顔をしろよ~
「あぁ…そうだな…」
後方の草むらから出て来て、僕の横にクィーンが立った。龍の国の王は、クィーンに対して土下座をして、謝罪をした。
僕は龍姫の拘束を解いて、龍の王の方へ返そうとしたのだが、龍姫は僕に抱きついて来た。
「なぁなぁ、ウィスパーでも言っただろ?龍は性欲が強いのじゃ。あれだけでは無くて、もっと妾を食べてくだされ♪」
これには龍の国の王が、唖然とした。隣のクィーンは頭を抱えている。
「龍姫、お前は人質だろ?なんで、エフに抱きつくのだ。あぁ~キスはするな。彼は私の物だ~」
クィーンが僕から龍姫を引きはがそうとしたが、離れない。
「どういうことだ?おい…」
目の前の状況が理解ができていない龍の国の王。
「父上、彼が私のダーリンよ♪」
笑顔で、龍の国の王に僕を紹介する龍姫。
「おい、僕はお前のダーリンじゃないぞ~」
「父上の前じゃからと言って、照れない照れない」
引きはがそうとしても剥がれない龍姫。身に危険を感じた僕は、指で龍姫の秘部を刺激した。
「あぅ…いいっ…」
それだけで、恍惚な表情を浮かべる龍姫。僕に抱きつく力が弱まったので、僕は彼女から逃げて、クィーンの背中に隠れた。
「ダーリン、恥ずかしいからって、逃げないでいいわよ~」
「おい、龍姫…お前、アースという彼氏がいるだろう?」
「今はエフに首ったけじゃ、父上…腕輪は彼に差し上げたわ。婚約指輪代わりにね」
龍姫の返答に、龍王様が唖然としている。龍姫は甘い声を上げながら、僕を追って来た。逃げ切れないと判断し、転移をして逃げた。逃げた先は、ルイさんの家。ここなら安全かな?あぁ、ルイさんにウィスパーで居場所を知らせた。
◇
後日、クィーンの口から衝撃的な事実が語られた。
ドラゴンと龍族は別の種族で、国が違うらしい…道理で、龍族の王様、ドラゴンの肉を見て、無反応だったな…謝りに行かないとダメだな。そして、ドラゴンの国に攻撃だな。