※この作品はR-18です。

アルフガン   作:もっち~!

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SS:企画会議

 

 

---ヒロ---

 

企画会議…眠い…くぅ…

 

「あぁ、ヒロさん!寝ないでください」

 

あっ、寝ていた。どうして会議って寝やすいのだろうか?議論している声が子守り歌に聞こえる…くぅ…

 

「もう、先輩…起きて下さい」

 

あぁ、またかぁ…くぅ…

 

会議が終わると眠気が覚める。どうしてだろうか?喫茶スペースで、会議の決定事項を聞く。

 

「種族選択システム?う~、現状ではダメだと思う」

 

「どうしてですか?」

 

「マシンパワーが足りない。そうだな…もう1棟ホスト部屋が無いとダメかな」

 

僕の体質を知った会社側の配慮。企画会議は予備審査みたいなものになり、ここ喫茶スペースでの雑談が、本会議になったらしい。

 

「そうか…予算が現状では難しいなぁ」

 

渋い顔のお偉いさん。

 

「では、テストは出来るか?」

 

構想資料と、大まかなアルゴリズム表を見て、判断を下す。

 

「難しいですね。VRフィードバックを無くせば、システムの負担は減るので可能です」

 

次の議題の資料が手渡された。VRシステム無しでのプレイ…単純にRPGゲームだけを楽しみ、仲間との会話を楽しむ、本来のゲームのあり方だ。

 

「このゲームの特徴を切り取るんですか?」

 

「まぁ、医療現場へのフィードバックが、我が社の担う役割だと思っている。しかし、このゲームは我が社だけでなく数社で運営をしているのだが、他社ではゲーム人口の裾野を広げたいようだ」

 

数社で運営をしているが、プログラム、ハードウェアは我が社がリードしているようだった。他社もVRヘルメットを出してはいる。ただ、AIシステムの保守・管理・改修は我が社で行っており、ゲームシステムの大半も我が社で手がけていた。

 

「う~、プレイヤー人口が一気に増えると、それに対応するNPCの数も増加させないといけないから、どうだろう?」

 

「差別化があってもよい。例えば、フリーなNPCではなくて、固定なNPCとか」

 

固定のNPCとは、ある地点から動かないけど、重要なヒントをくれるキャラクターのことだ。

 

「まぁ、端末側にゲームの大まかな部分をダウンロードしてもらい、端末側のマシンパワーでこなしてもらえば、サーバーの負担は減るかな」

 

「じゃ、これは他社さんにまかせてよさそうだな。あっ、ヒロ君、アルファーテストは頼むよ、メーカーを選ばず、同じサービスを提供するんだから、同じように出来るかのテストね」

 

はぁ…仕事が増える…

 

「そういえば、ヒロさん、それって作ってありましたよね?」

 

開発部の後輩から言われた。うん?それって何だ?はて?

 

「ヒロさんが、まだ開発部にいた時、RPG要素だけ遊びたいって…一人で5体操っているのを見た記憶があります」

 

あぁ、そんなこともしたなぁ…泊まりの連続で、他社のRPGにアクセスできない状況に陥り、自社のゲームを自分なりに楽しむ…

 

「ヒロ君、それって、今のシステムでも動くのかね?」

 

上司が食いついた。

 

「動くと思います。ただ、マップデータとかアイテムデータを端末側にダウンロードする必要があります。サーバーに負荷を掛けずに、バレずに遊ぼうと思っていたから…」

 

「あぁ、サボっていたんだな?」

 

しまった。上司にサボタージュ告白をしてしまった…

 

「サボった件はチャラにする代わりに、そのシステムを完成しろ。パッケージ販売方式として他社に提言するから」

 

あれは確か…

 

「無課金でプレーだったかな。決済システムを絡めると、端末に付加が掛かるから…あっそうか、USBメモリで売り出せば、メモリ内にIDを埋め込み、IDに対してクレジットカード登録をしてもらえば、課金での負荷は無くなるかな?」

 

「わかった、その方向で、相手方には準備をしてもらう。君は、そのシステムを完成させてくれ。勿論、今の仕事と並行でな。頼むよ」

 

って、お偉いさんは退場した。はぁ…休みが…

 

「ヒロさん、必要な物は洋子さんに伝えてくださいね」

 

「とりあえず、水冷のデスクトップ1台と、ターボファン付きのデスクトップ1台、ノートを4台、用意してくれ。耐久テストもしないとダメだろ?」

 

「あぁ、端末側の負荷測定ですね。わかりました。各機には温度チェッカーを装着するようにします」

 

開発部の者が喜んで退場した。デスクトップの作成…楽しいもんなぁ…特にパーツの買い出しなんか…あぁ、買い出しに行きたい…ジャンク屋行きたい~

 

「で、企画部は何の用かな?」

 

「種族変更の件です」

 

「却下だ」

 

即答した僕。いや、なんで僕が決裁をしているだ?僕の役職の範囲を逸脱していると思うんだが…僕以外、誰もおかしいと言わない。退場していったあの上司にしても…

 

「テストとかでもダメですか?」

 

「見た目だけでなくて、動きも種族特有にしないといけないだろ?例えば、食事をする場合、狼男が箸でちまちま食わないだろう?絶対とは言わないけど。ドラゴン族同士の交尾なんかはどうするんだって話だ。人化した状況で再現するんなら負荷は問題ないけど、妥協点をどうするかで、負荷率も違うから、一概ではないよ」

 

「人化じゃ…ねぇ…リアル感が…」

 

企画部の着地地点はその先なんだな。でも、龍姫も龍王もクィーンも人化しているんだが…プレイヤーの欲望は違うのかな?獣姦希望者が多いのかな?

 

「スキルを種族特有にするとかで、差別化するしかないだろう。問題は…グラフィックがネックだよ。あぁ、あと、装甲の厚さによるダメージの変化も数値化して、VRシステムに送らないとダメかもな。リアルを追求していくならば」

 

意気消沈状態で企画部は退場していった。あとは、運営か…

 

「で、運営が何かな?」

 

「洋子さんからお聞きになっていると思いますが、船の移動のクレームが…」

 

あぁ…それかぁ…

 

「じゃ、船の中の施設を良くして、時間を潰せるようにするのは?乗合船のイメージでなくて、豪華客船のイメージにするんだよ。レストランとかホテルとかカジノとか…どうかな?」

 

「あぁ、いいですね…矢切の渡しのイメージだったから…そういう発想はなかったです。そうか船自体が1つの街にすれば良いのか…」

 

「低運賃でも乗れるが、高額を払えば、豪華な船旅ができるとなれば、楽しめるだろ?船の先の街で楽しむんだ。金持ちしか乗らないよ。当面はね」

 

「当面?」

 

「そうだよ。だって、巨大な迷宮があるんだよ。あそこには。一攫千金な者がいてもおかしくないと思う」

 

「あぁ、そうでしたね…まぁ、リアルと違って、建造費は同じだから…開発に相談してみます」

 

明るい表情になった運営の者達が退場していった。さて、僕の仕事場に行くかな。

 

 

仕事場に着くと、仮眠室にゴー。会議の後の僕のルーティンだ。洋子も後輩達も何も言わない。気持ち良い睡眠…だけど、突然揺り起こされた。

 

「問題発生か?」

 

「うん、寝てばかりでなくて、私をかまってよ~」

 

美里さんだ…彼女と見つめ合う僕。しかし、眠気に勝てず、彼女の胸に顔を埋めて…くぅ…

 

「え?え?ちょっと、そこにヨダレたらさないで~」

 

遠くで美里さんの困ったような声が聞こえている…すぅ…

 

 

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