※この作品はR-18です。

アルフガン   作:もっち~!

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エルと再び再会

 

 

---美里---

 

入室すると、洋子さんから

 

「おはようございます」

 

と声を掛けられた。

 

「おはよう~♪あれ?ヒロ君は仮眠室かな?」

 

部屋中を見渡しても、彼はいない。こんなことは初めてだ。

 

「開発部に出向中です」

 

洋子さんが私の行動に気づき、教えてくれた。

 

「開発部?」

 

「う~っと、美里さんに話していいのか、わからないので、詳しくは話せませんけど…」

 

洋子さんは言葉を濁す。ベータテスト案件か?

 

「新エリアで何か動きがあるのかな?」

 

「私からは言えませんよ~」

 

何かを隠している雰囲気だ。これは何かが追加されるんだな。

 

「わかったわ!開発部に行ってみる~」

 

◇

 

そして、開発部に…なにやら殺気立っている。

 

「あぁ、美里さん…良いところに来てくれました。ヒロさんを3日くらい拉致してもらえませんか?」

 

って…え?!どういう事?

 

「どうしたの?」

 

「話には聞いていたんですが、ヒロさん…鬼です。開発と運営と企画からプログラムを10本ほど依頼したんですよ。納期10日くらいで。なのに、なのに…3日で仕上げて、今全員でデバッグ作業中です」

 

開発リーダーの瞳は充血しているようだ。

 

「短納期で仕上げてもらって、良かったって話でないの?」

 

「全員ヒロさんレベルって、前提でのデバッグ作業ですよ。無理…俺2徹中です」

 

凹んでいる開発部員。モニタ画面には情け容赦の無い量の指示が表示されている。

 

「ヒロさんって、腕何本あるんですか?全員に個々の指示を出しながら、プレイしていますよ」

 

目を白黒させている開発部員もいるし。戦場か?ここは…ほぼ、全員のモニタ画面に複数のメッセージウィンドウが開き、1つずつ修正して、デバッグ内容を返信しているようだ。

 

「で、ヒロ君は?」

 

「企画部で、企画部案件のアルファテストしています」

 

◇

 

企画部に向かう。すると、目指す人物はいた。後ろから彼の作業風景を眺める。彼の目の前には3つのモニターが置いてあり、左には少し違和感のある通常画面、真ん中には縦長の窓が4つと、データが流れている窓が1つ、右には、ウィスパー専用なのか、色々なメンバーとの窓がいくつも開いていた。

 

「これは何?」

 

思わず、ヒロ君に質問。

 

「え?あぁ、美里さん…」

 

私の方を振り返って、私をエスコートして、仮眠室へ…

 

「ちょっと…」

 

彼は無言で私をベッドに押し倒して、胸の谷間に顔を埋めて、直ぐに寝息が…それと同時に、企画室からは

 

「女神様が降臨してくれた~。この隙に、休も~♪」

 

「「「うぉ~!」」」

 

はぁ?事態が…見えない…

 

「美里さん、すみません。ヒロさんをお願いします。彼、5徹です」

 

と、企画部長から声が掛けられた。えっ?5徹…仕事の鬼か、コイツは…

 

「申し訳ないですが、しばらく、ヒロさんをお願いします」

 

って…おいおい。抱き枕をしに来た訳では無いんだけど…

 

「企画部長、ヒロ君の身柄はしばらく預かるけど、何を彼は根詰めてやっているの?」

 

「あぁ、スポンサーの美里さんなら、話しても大丈夫かな。あっ、他言はまだダメってことでお願いできますか?」

 

「勿論、スポンサーとして守秘義務は守るわ」

 

「他社さんからVR機能無しバージョンを出すんですが、そのプログラミングです。PC版とスマホ版とガラケ版。で、そのアルファーテスト中です。それと同時進行で、新エリアへの船を2種類の製作。1つは乗船料金安めで乗り心地が悪くて、海の魔物と遭遇する危険のある輸送船、もう1つは乗船料金高めで、乗り心地が良く、カジノ、レストラン、ホテルを設置している豪華客船で、そのカジノスペースのゲームのプログラミングと、種族選択可能なシステムの構築です」

 

「3つ?それを並行して製作して、デバッグしながらアルファーテストしているの?」

 

「そうです。鬼でしょ?」

 

「ねっ、ゲーム画面が5つ開いていた気がするんだけど…」

 

「ヒロさんったら、5つのIDを同時に操作しています。挙動が5パターン見られるって…鬼畜ゲーマーですよ。正気の沙汰では無いです。いや~噂では聞いていたのですが、実際に見ると、鬼です」

 

「ねぇ、ヒロ君の確保しているんだから、私にもアルファーテストさせて~♪」

 

「スマホ版でいいですか?」

 

「そうだね。それって、VR版のIDと連動できるの?」

 

「できます。ヒロさんは、企画書以上のスペックで作り上げていますから。で、企画書以上なのが、てんてこ舞いの原因の1つだったり…ははは」

 

企画書に書かれていない、重箱の隅をつつくプログラミングかぁ。噂では聞いていたけど、凄腕のプログラマーにして、鬼畜クラスのゲーマーなのは事実のようだった。彼のその才能、技術を買っている重役達。役職は低いけど、プログラムの決裁権は、重役並って聞いたことがある。

 

◇

 

そして、ヒロ君が復活したのは3時間後くらいだ。

 

「あれ?なんで美里さんの胸の上にいるの?」

 

おい、状況を覚えておけ!

 

「ヒロ君が、この部屋に連れ込んで、押し倒したんでしょ?」

 

不思議そうな顔の彼。

 

「う~、記憶に無い…なんか損した気分です…って、あれ?ここって、どこ?」

 

「企画部の仮眠室だって…」

 

「う~~っと、をぉ…そうだ。アルファテスト中だ」

 

「ねぇ、5徹なんでしょ?休まないと…」

 

「だって、これを早く終わらせないと、僕の本来の仕事が出来ないんだよ」

 

「ヒロさん、後はヒロさんの部署での、アルファテストで良いですよ。テストマシンは移動させて置きますから、今日はお帰りください」

 

って、完徹仕事人には帰宅して貰いたい、顔が引きつり気味の企画部長から声が掛かった。

 

「そうなの?」

 

顔を横に傾けて、私の顔を見る彼。迂闊にも、彼のその仕草に胸がキュンとしてしまった私。こんな無防備な表情が出来るのか…

 

「そうだよ。ヒロ君、お持ち帰りだからね。早く帰る用意をして~」

 

そして、ヒロ君をお持ち帰りした。メインプログラマーを休ませるのも、スポンサーの役目だ。いや、スキンシップもしたいし…って、個人的な趣向ではあるけど。

 

◇

 

私の部屋に着き、ソファーでうたた寝をするヒロ君。そんなヒロ君の隣に座り、

 

「ねぇ、何もしないで寝ちゃうの?」

 

って、甘えた声で耳元で囁き、耳タブを舐めてみた…ヒロ君が、豹変した?ソファーに私を押し倒し、唇を重ねてきた。彼のアレを触ると既に…かっ、固い…えっ?なんで?

 

「疲れていると悶々と…」

 

いつも責め役の私が、ヤラレ役になりそうな予感…いや、それはちょっとなぁ。エスプレイは好きだけど、エムプレイは…その場を離れようと、身を捻るとバックを取られた。後ろから胸を揉み、耳を舐め返された。お尻の谷間には、彼のキャノン砲が…

 

「あっ…ダメっ…あぅっ…ダメっ…あぁっ…」

 

しまった。プチ絶頂…全身の力が抜けていく。今夜は彼の玩具になるのね…って、その後のアクションがまるでない。ソファーに腹這いになっている私の上に載って、寝息の聞こえ始めた彼…おい、こんな体勢で寝るな~!

 

 

 

---ヒロ---

 

朝、目覚めると、美里さんの部屋の床にいた。なんでだ?

 

「起きた?」

 

「おはようございます、美里さん」

 

「じゃ、これを設定して」

 

美里さんから手渡されたのは、開発中のID連動タイプのスマホ版のシリアル番号だった。

 

「なんで、美里さんが?」

 

「はぁ…まるで記憶が無いの~」

 

「すみません。無いです」

 

時計の日付をふと見る。あれ?

 

「僕…何日くらい寝てました?」

 

「2日半だけど…ねぇ、アレのプレイ中に寝るって、どういうことかな~」

 

アレのプレイ中?

 

「何のプレイ中?」

 

「えぇ~、本当に覚えていないの~?」

 

「ここにいるってことは、アレかぁ…でも、服は着ているし…まったく記憶に無いです。すみません」

 

「それならいい~」

 

何かやらかしたかな?よくわからないけど、分かることをしていこう。早速、美里さんのスマホに設定をした。

 

「注意事項は、VRヘルメットを起動して、スマホ版をすると、データ壊れますから、注意してください。必ず、両方ともログアウトしている状態で、ログインをしてくださいね」

 

「了解♪これって、移動範囲は、新エリアだけ?」

 

「ファストの街と船と新エリアだけです。もう少し、デバッグが進めば、ベータテスターの方にもテスト項目追加で、試して貰うことになるけどね」

 

「ねぇ、ヒロ君のキャラは新エリアにいるってこと?」

 

なんか、美里さんの目が光輝いた気がした。

 

「いるけど…」

 

「戦闘していたよね?」

 

「まだ、解放していないエリアだよ」

 

「ツヴァイ、カザミネ、アース、エルさんといるけど。どうかな?」

 

「う~、それは僕の決裁権では決められない。運営に、訊いてみてください」

 

「ヒロ君のパーティーは?」

 

「僕のパーティーは、エフと、ハイエルフ、エルフ、ダークエルフ、鬼神、龍神、天使、悪魔だけど」

 

「ちょっと…なんか知らない種族が…」

 

「企画部の種族選択ってヤツのテストだよ。まだ、パラメーターの調整中だからね。それに、このパーティーでも地下35階くらいしか行けないし」

 

「新ダンジョンって、何階まであるの?」

 

「地下100階。簡単に到達されても、つまらないだろうから。地下50階くらいまで降りるのに、1週間くらい見ておいた方がいいな」

 

美里さんが驚いたような顔をした。

 

「え?1日で終わらないの?」

 

「終わらないよ。ダンジョン内に野営をするんだ。モンスターが夜襲するかもしれない場所にね。難易度が高いでしょ?ふふふ」

 

「えっ…」

 

「安全地帯は18階と50階だよ。あとは、安全ではない」

 

「食べ物とかは現地調達?」

 

「そうなるかな。アースが居れば、料理は問題が無いだろうけど」

 

 

 

---エフ---

 

そして、いつもの部署で、久しぶりにVRヘルメットを装着して、インをした。残りの4IDもインをさせていく。VRヘルメット操作で、4つは無理かもしれないけど、まぁ、試してみないと、テストにならないし。

 

新しいキャラは、天使のガブ、悪魔のヴァイラ、龍神のオーフィス、鬼神のリアスだ。全部女性にしてみた。男性キャラの方が、デザインが楽らしいので、あえて女性にして、企画部の創造力を試してみたというか。この4体はスマホ、ガラケバージョンで動かしている。PC上でそれぞれのエミュレーターを起動して、1PCで4体操作を可能にさせている。

 

画面は視点ビューで、食事をしている姿は、自分では見えない。人型以外は、それなりの食べ方に固定した。ヴァリエーションを持たしすぎても、重くなることが判明したので、企画も納得した。ちなみに僕の4体は全員人型だ。天使は頭に輪っかがあったり、鬼神は額に角があったりなどの特徴は持たしている。

 

 

「今日は、どうする?」

 

ルイさんに訊かれた。

 

「地上に戻って、スパイス類を手に入れたいなぁ」

 

ミノタウロスの肉は結構美味しいのだが、味の変化は欲しいところだ。

 

「そうだな。上がろうか」

 

「ライカはどう思う?」

 

ハイエルフのライカに訊いてみた。

 

「そうですね。宿屋のベッドで寝たいといいますか…」

 

ここ1週間くらい、野営だもんなぁ。身体は痛いだろう。NPC達は…

 

「よし、地上に戻ろう。18階で1泊して、それから地上にしよう」

 

テントを畳んで、戦闘要員兼ポーターのオーフィスとリアスに、嵩張って重い機材は背負って貰った。

 

「オーフィスさんと、リアスさんが居て良かったよな」

 

って、ルイさん。

 

「まぁ、こんだけ深いと、僕達だけじゃ無理だし。ライカ、索敵を頼むよ」

 

「了解です♪」

 

 

 

---ミリー---

 

ベータテスターまでという条件で、言っても良いと、企画部に言われたので、パーティーで、知り得た情報を知らせた。

 

「掲示板にリークしてあったら、カザミネ君って事になるからね~」

 

「えぇ…僕って札付きですか?」

 

「あぁ、お前は、怒り買っているからな」

 

と、ツヴァイ。

 

「料理スキルが無いと辛いダンジョンかぁ」

 

アースは新ダンジョンに興味があるようだ。

 

「でも、エフのパーティーでも35階だって~」

 

「う~ん、100階まであるんですよね?クリア出来るパーティーがいるのかな?」

 

と、カザミネが呟く。

 

「バグ取りが終われば、解放なんだろ?準備はしておいた方がいいなぁ」

 

と、ツヴァイはアースに言った。

 

「そうだな。スパイス類は多めに持っていった方がいいかな」

 

アースが呟く。ダンジョンの内容について、詳しいことは知らされていないから、準備のしようはないんだけど。

 

「俺的には豪華客船も気になるなぁ」

 

とは、ツヴァイ。

 

「カジノで身ぐるみ剥がれたり~」

 

「そうですよ。ミリーさんの言う通りです、ツヴァイ」

 

と、カザミネが私の発言に乗っかった♪

 

「いや、乗り心地の問題だ。船酔いがリアル再現されて、ダメだよ、あの輸送船は」

 

エルさんは、アースに寄り添ったまま、会話を聞いていた。

 

「エルはどう思う?」

 

アースがエルさんに尋ねた。

 

「アースが一緒なら、それで良いよ♪」

 

もう、エフの事は記憶に無いのだろうか?まぁ、エフの望んだことだし、いいっか。

 

「なぁ、ミリー。エフに新ダンジョンの案内を頼めないかな?」

 

って、ツヴァイ。

 

「まだ、ダメだと思うよ~」

 

「エフが一緒でも、まだ入れないか」

 

「ウィスパーで、居場所を確認したら、今夜は18階で宿泊だって~」

 

「あぁ、18階は安全地帯だったな」

 

コラボ作品を読んで、少し予習をしているツヴァイ。

 

 

 

---エフ---

 

宿屋に着いて、3部屋に別れて、寝る。エルフ達、僕、僕のサブ達って分け方だ。これで、ようやく1体だけの操作が出来る。VRヘルメット装着だと、4体はキツいなぁ。チート技使うかな…チート用のプログラムに目を通し、目視でのデバッグをしていく。問題は無いと思うけど、どうかな?こっそりとオートプレイモードを作っておいたのだ。うまく作動出来れば、製品版にフィードバックさせても良いし。これにより、多少はキー操作の回数が減るから、操作苦手な人も取り込めるかなっと。

 

ふと、頭に浮かんだ。18階でもスパイス類が買えると便利だな。早速、開発にウィスパーを飛ばす。しばらくすると、

 

【了解!】

 

と、返事が戻って来た。あと、やることは…あっ…そうだった。龍姫にウィスパーを飛ばした。

 

【龍族とドラゴン族を混同して、すまなかった。龍王様に、謝りに行きたいんだけど、いつ行けば良いかな?】

 

と。返事はすぐに戻って来た。

 

【謝らなくても良い♪ダーリンの事は、父上に話したから。今、どこにいるの?妾がソッチに行きたい♪】

 

【何を話したの?】

 

【妾の想い人だと。父上も、龍の国に来たことのないダーリンの勘違いは、もっともだと言っておったぞ。だから…今、どこにおるのじゃ?】

 

【内緒。また連絡をする】

 

と、ウィスパーを閉じた。このエリアはNPCには分からないと思うし。とは言うものの、龍の国は行かないとダメだよな。僕は、エルフ部屋を訪ねた。

 

「地上に出たら、龍の国に行こうと思う」

 

と、みんなに告げた。

 

「ドラゴンと龍の違いがわからなかった件ですか?」

 

と、ライカ。

 

「龍王には謝らないといけないからね」

 

「知識が無いと龍もドラゴンも同じに思えるよな」

 

と、ルイさん。

 

「ドラゴンの国って、どこかわかる?」

 

「龍の国の隣辺りかな?」

 

と、トイ。龍の国で訊けば良いか。

 

◇

 

翌日、地上に向けて進軍をする。このダンジョンから転移をすれば楽なのだが、今回はデバッグを兼ねているので、地道に地上を目指す。4体のオートプレイモードも試して、これもデバッグをしながら進軍を続けた。

 

そして、ようやく地上に出た。

 

「エフ、おかえり~」

 

って、ミリーさん達がダンジョンの入り口で待っていた?いや、ダンジョンに入れずに、たむろっていたのかもしれないな。

 

「まだ、入れないよ。デバッグが終わらないし」

 

「18階まではどうかな?」

 

って、ミリーさん。

 

「通路からで外れると、何が起きるかわからないけど」

 

「チェックしきれていないの?」

 

「う~、まだだよ、ミリーさん」

 

ふと、顔を上げると、エルと目が合った。何か言いたげな彼女。僕は、僕達のパーティーを率いて、宿屋に向かう。

 

「じゃ、明日、龍の国の入り口まで転移します。今日はフカフカのベッドを満喫してくださいね」

 

笑顔のルイさん、ライカ、トイ、ライナ。僕も僕の部屋のベッドで、フカフカ感を満喫する。満喫ついでにうたた寝をしていたようで、ドアのノック音で目が覚めた。ドアを開けると、エルがいた。

 

「入っていい?」

 

「ダメだ。エルにはアースがいるだろ?」

 

何かを思い詰めた顔をしている彼女。

 

「あのね…アース君は友達なんだよ。いつまで経っても…」

 

「アースの処に行こう」

 

僕はエルと共に、アースの元に転移した。突然、僕とエルが現れたことに驚くアース。

 

「どうしたんだ?」

 

「それは、こっちのセリフだ、アース」

 

「エル…エフに何を言ったんだい?」

 

首を横に振るエル。

 

「あのねぇ…私は…アース君と一緒に旅が出来て嬉しいよ。でもねぇ…」

 

「アース、彼女を頼むよ」

 

僕は転移をしようとすると、彼女に呼び止められた。

 

「待って!エフ…私は…アース君と友達なんだよ。いつまで経ってもね。戦闘の度に、アース君はあの場面を思い出してしまう」

 

「思い出すってことは、友達以上なんだろ?アース、どうなんだ?」

 

「エフ、彼女は君の事を忘れていない。自分はエルのことを、大事な友達だと思っている。一緒に旅が出来て嬉しい。でも、彼女の心は支えられない。自分は彼女の耳に触る許可は貰っていないんだ。エフ、お前なら意味がわかるよな?」

 

え?なんで?彼女の方を振り返る僕。

 

「なんで?エル?アースとあんなに逢いたがっていたじゃないか?」

 

「逢いたいのと、抱き合いたいのは別だよ」

 

顔を真っ赤にして俯いた彼女。

 

「私はエフに貰ったプレゼントが嬉しかった」

 

「何かあげたっけ?」

 

「もう1度生きること…もう1度、アース君と旅をすること…」

 

「なぁ、エフ。頼むからエルと生きてくれないか?自分にとって大事な友達なんだ。お前になら、安心して託せる」

 

アースの言いたいことはわかる。でもなぁ…

 

【お前、わかっているのか?僕のパーティーにはハイエルフがいるんだぞ!】

 

と、アースにウィスパーを送った。

 

【あっ…そうだったねぇ…】

 

【エルが苦しむと思わないのか?そんなことになれば、ハイエルフの彼女も苦しむだろ?お前…状況を考えて話せよ!】

 

【すまん、失念していた…】

 

顔が青ざめていくアース。それに気づかないエル。さて、どうするんだ?なんか、女難の相が蠢いているような…

 

 

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