※この作品はR-18です。

アルフガン   作:もっち~!

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交差するリアル Part2

 

 

 

---美里---

 

財団に調査結果の資料を持っていった。人違いだったと結論づけた。そして、財団の医療機関で精密検査を受けた。その結果は異常なし…

 

財団の情報管理システムで、調べて見る。生まれ年を無視して、公務員リストで『水谷浩介』という氏名を全検索してみた。しかし、ヒットせず。なんでだ?嘘を吐いているのか?

 

『電脳空間では時空をとべるんだよ』って言葉も引っ掛かってはいる。もし、時空ではなく次元だとしたら…別世界、並行世界から来た…まるで『時をかける少女』のような話になる。

 

彼らの存在自体を疑い始めた私。

 

『何が真実で、何がリアルかはそれぞれの者が決めることです』って言ったヒロ君。この世界がリアルと私が決めれば、ここがリアル世界なんだろう。ヒロ君にとってのリアル世界は、あの廃墟な街の世界みたいだ。この世界は彼にとって夢の世界になるのか?

 

あれこれ、考えて、財団の研究員の意見も聞いたけど、結論は出ず。いや、研究員は全員口を揃えて、『何が真実で、何がリアルかはそれぞれの者が決めることです』と言う。ヒロ君と同じ考えなのか?

 

疲れたから、帰宅をした。家の帰り着くと、鍵は開いていた。恐る恐る室内に入ると、ヒロ君がいた。

 

「どうやって入ったの?」

 

「えっ?美里さんが合い鍵をくれたじゃないですか?立ちくらみが激しいみたいだから、心配で来てみたんです」

 

と、言いながら、エスプレイ用の小物入れを物色している彼。

 

「それに興味あるの?」

 

「まぁ、有ります。ゲーム内で使えそうなアイテムが無いか模索していました」

 

ゲーム内で、エスプレイ用の道具を?まさか、課金アイテムにするのか?

 

「で、今日はどういうシチュエーションが良いんですか?」

 

物色しながら、私に訊いてきた彼。えっ?!そのセリフは…

 

「あなたは何者?」

 

「それは美里さんが決めることです。僕は僕の役割をこなすだけですから」

 

「役割って?」

 

「アルフガンを完成させることです。どんなゲームになり、どんな人気になるのか楽しみです。逆に訊きます。美里さんは僕にとって何者ですか?」

 

どう答えれば良いのだろうか?脳裏に表裏分離された自分が甦ってきた。

 

「私は…」

 

言葉が続かない…恐怖によってでは無く、考えがまとまらないのだ。

 

「私は?」

 

答えを求められている。どう言えば良いのだろうか?

 

「私です」

 

そんな事を言ってしまった。問いに対する答えになっていない。

 

「わかりました。僕にとって私なんですね。では、僕の好きにしても、私なんだから問題は無いですね♪」

 

え?おかしいだろう?その理論は…そんなことを考えている私を余所に、彼はソファに座り、テレビを見始めた。テレビ画面には…あの時見た映像が流れていた。

 

「美里さんって、こういうプレイが好きなんですね。驚きましたよ、久しぶりにアダルトビデオを買いに行ったら、『美里』っていうタイトルがあるんですもの。パッケージを見たら、美里さんだし」

 

ソファの前にあるテーブルにパッケージが置かれていた。そのパッケージを手に取り、確かめると、私が調教されている写真が、何ショットも印刷されていた…

 

「思わず2本購入したので、1本はプレゼントします♪」

 

売っている…なんで?

 

「ねぇ…」

 

ヒロ君に声を掛けたのだが、彼はいなかった。私は財団の個室形式の情報管理端末の前にいた。手にはあのビデオのパッケージを手にして…また、時空を飛んだようだ。

 

 

 

---ヒロ---

 

洋子達は定時で帰っていった後、やっと他部署の仕事から解放されてインができた。解放されたと言うのは語弊があるな。他部署の者達も定時で帰った為に、僕を必要としていた者がいなくなったのだ。。

 

そして、剣士のレベルを上げていく。レベル100まで遠いなぁ。強制ジョブチェンジする者って現れるのかな?などと考えながらプレイをこなしていく。強制ジョブチェンジをするには、レベル100までに稼いだ累計経験値と同じ経験値が更に必要になってくる。

 

今日のパーティーは、僕と杏だけだ。バサ姉が泣きそうになるのがわかる位、こいつと組むとつらい。攻撃と防御の役に、まるで役立たないのに、経験値だけは持っていく。自分で言うのもなんだが、制作者はドエスなんだろな。つらい戦闘の合間に、街に戻り、生産スキルをテストしていく。

 

「ねぇ、子作りって生産スキルは無いの?」

 

杏が訊いて来た。

 

「ねぇよ。こっちは、アダルトモードが無いんだ。交われないのに、どうやって作るんだ?」

 

「いや、世代交代もいいかなって」

 

あぁ、そういうシステムのゲームって、あったなぁ。親から子へスキルや能力を継いで、優秀な子孫を作るゲーム。

 

「そうなると、アダルトモードが要るよな」

 

「課金で出来ないかな?」

 

「VRヘルメットは兼用だから、出来るけど…サーバーがなぁ」

 

どう考えても、サーバーへの負荷が高くなるよな。

 

「そうだ…結婚をして家を買うと、子作りって生産スキルが発現するのは?」

 

あぁ、家を簡単には買えないようにして、人数を絞ればいけるかな?って、言うか、

 

「結婚っていうシステムが無い」

 

「作ちゃえ~♪」

 

はぁ?なんか大変そうなんですけど…プログラム自体はそうでもないけど、結婚に関するルールが面倒だよな。現状、ジョブで頭がパンパンなのに。

 

「手が空いたら考える」

 

「待っているよん、ダーリン♪」

 

嬉しそうな杏。いや、面倒なことを言うなコイツは…あぁ、そうなると、建築という生産スキルもいるだろうな。ジョブに大工とか…あぁ、頭痛えなぁ~

 

◇

 

翌日、出勤してきた洋子達に、杏の提案をしてみた。

 

「それ、面白そうだよね~♪」

 

って、洋子がメモをしている。採用なのか?

 

「そうなると、家を建てたり出来る住宅地も作らないと。あっ、でも土地を課金って言うのは有りかと思います」

 

と、つばさ。

 

「そうですよ。家でなくて倉庫とかも建築できれば、アイテムを保存しておけるとか」

 

と、はじめ。話が膨らんでいくのだが、洋子のメモ書きが終わらない。をい、全部採用か?

 

「じゃ全部、採用ってことで。ヒロ君、頼んだよ~」

 

洋子が一番のドエスじゃないのか?

 

「それじゃ、結婚のルールはどうする?」

 

採用じゃ、しょうがない。決めるだけ、決めておくか。

 

「一夫多妻制とか?多夫一妻制とか?」

 

と、洋子。

 

「そうだね。男女同権だよな…いや、そういうのは何かの特別アイテムが無いとダメにするか。例えば、オットセイの肝とか、女王様の鞭とか」

 

「あぁ、いいかも。通常は1対1で良いだろうな」

 

と、はじめ。お前、アダルトモードは苦手だろうに。

 

「で、財産は共有か?」

 

「家に倉庫があって、そこに入れたアイテムは共有でも良いんじゃないかな?」

 

なるほど…男性の手に入れた魔法のビキニが活かせるのか。

 

「でも、建築スキルの経験値はどう稼ぎます?レベル10で家を建てられるにして」

 

そうだな…それは大きな問題だ。何で稼ぐかな?

 

「棺桶との小物?でも、木工スキルになるのかな?」

 

あぁ、合わせ技で習得も手だよな。

 

「木工マスターと鍛冶マスターでないと建築スキルが発現しないとか」

 

「ヒロ君、それって、更に鬼畜だよ」

 

って、洋子が笑いながらメモに書く。その鬼畜案を採用なのか?

 

「で、妖精使いには成れたの?」

 

洋子が話題を変えてきた。

 

「一晩じゃ無理…バサ姉の苦労が良くわかったよ。つらいな~」

 

「でしょでしょ」

 

って、つばさが苦笑いしている。

 

「踊り子には回復魔法を覚えさせた方がいいな。回復役程度しか使い道がないもんな」

 

「是非、お願いしま~す」

 

つばさにお願いされた。更に、ベータへの道のりが遠くなった気がする。

 

 

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