※この作品はR-18です。

アルフガン   作:もっち~!

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ベータテスター投入 Part1

---ヒロ---

 

問題に気づき、徹夜で作業をしていると、つばさと洋子が出勤してきた。通常、一番乗りはあずさなのだが…

 

「ヒロ君、何をやらかしたんだ?」

 

二人ともお冠である。朝から、こんなことは初めてかもしれない。

 

「どうしたんだ、洋子?」

 

恐る恐る尋ねてみる。

 

「はぁ?緊急メンテって何?ゲームする為に、定時で帰宅したのに!」

 

「そうですよ、先輩!」

 

二人は昨夜、アルファテストが出来なくて、お怒りのようだった。あぁ…システムを止めて作業していたからな。

 

「データがね、ちょっと、まずいことになって…」

 

「えっ?マズイって?」

 

お二人のお怒りモードが心配モードへと移行していく。。

 

「エルとルイさんのデータが、原因だったので、あの二人のコピー体を作って、こっちに持って来た。記憶はほぼ覚えている」

 

「どうしたの?」

 

「あの二人は、システム依存データだったようだ。まぁ、エルは裏技で生き返らせたから、それも原因ではあるようだ。最初からキャラメイクに関わっていなかったから…気づくのが遅くなったというか、マザーから苦情が来たというか…」

 

アプロからのメッセージで事態に気づいた。このまま、運用すると、データが破損するかもって、指摘されたのだ。システム依存データって何だよって、悩んだ末に、データをコピーして、新たなキャラにデータを移植した。エルは死亡状態に戻し、ルイさんはエルフの村で生活をしてもらうことにした。僕がワンモアに関わり始めたのはアダルト機能搭載からなので、それ以前の設定には関与していなかった。

 

そして、ワンモアからNPCの連れだしを、出来なくするルーチンを加えた。なので、精霊遣いは僕の専用ジョブになる。

 

「エルは大天使ガブリエル、ルイさんは魔王レヴィアタンにしたよ。種族は精霊ってことにして」

 

「だいぶ、弄り直したのね」

 

「あと、ワンモアからの転移者達の待遇も変えた。従来のデータを持ち込む場合、戦士というジョブをマスターしないと、他のジョブに就けない。アルフガンで、新たに始める場合は、今までのステイタスの1/10を付加して、初期設定から出来る仕様だよ」

 

洋子がメモを取っている。

 

「データの持ち込みだと、戦士から?」

 

「そうだよ。今までの武器も使える。ただ、アルフガンオリジナルのジョブ、スキルは得られない。得るには、新たに始めるしかない。その場合、戦士のレベルを50にしないとダメにした。ランクも上がらないので、始まりの街だけをお試しって感じだよ」

 

「鬼…それって、鬼仕様でしょ?」

 

言葉とは裏腹に洋子は笑っている。

 

「スポンサーの意向を重視しただけだよ。アルフガンオリジナル設定が嫌のようだからね。それなら、それでそうなるでしょ?」

 

「スキルが得られないのは痛いでしょ?ははは」

 

つばさも笑っている。さて、ベータの諸君はどう出るかな?

 

 

 

---ツヴァイ---

 

ファストの街の奥にある祠から、新ゲームへと転移をした。

 

『今までのゲームデータを使いますか?新たな道を進みますか?』

 

と、いきなりの2択。きっとヒロさんのことだ。後者を選択した。

 

『あなたは正しい選択をされました。では、初期ジョブを選んで下さい』

 

と、いくつかのジョブが選択肢に現れた。剣士だよな。

 

『広場の掲示板をお読み下さい。--- Hit Any Key ---』

 

何かのキーの叩くと、

 

『アルフガン 始まりの街へ ようこそ♪』

 

と、表示されて、街並みが見えてきた。みんな、転移出来たかな?

 

「よぉ、ツヴァイ」

 

アースが現れた。現れてすぐにステイタスのチェックをし出した。俺もしないとなぁ。

 

「初期ステイタスに、元々のステイタスの1/10が乗かったみたいだな。見事にスキル欄は空白だ」

 

アースは苦笑いしていた。

 

「アースは、ジョブは何にしたんだ?」

 

「弓使いだ。ツヴァイは?」

 

「俺は剣士だ」

 

二人で語らっていると、レイジ、コンポタ、ミリーが現れた。彼らは、ワンモアでの装備のまま、現れた。まさか、あの選択で前者を?

 

「ジョブは何になった?」

 

「戦士…やられた…」

 

ミリーが凹んでいた。レイジ、コンポタも蒼い顔色だ。やっちまったか…

 

「あぁ、戦士のままだと、次の街に行けないようだ。転職しようにも、レベルを50まで上げないと、転職が出来ないって…」

 

彼ら3名が遅れて出現したのは、注意事項の説明がなされた為だった。レイジは力無く肩を落とした。あぁ、ヒロさんの性格を読まないと。あの人はドエスだし。

 

「そうなると、レイジ達の転職が出来るようになるまで、この街に足止めってことか?」

 

前途多難だなぁ。

 

「いや、いきなり進むのは危険だし、良いんじゃないかな」

 

って、アース。

 

「スキルを覚えるのが先だし。時間はどの道かかるぞ」

 

そうだな、スキル欄が空っぽだしな。アースと凹んだ3名と共に、広場に向かう。そこには凹み気味のシルバーさんのパーティー、グラッドのパーティーがいた。

 

「おぉ、アースとツヴァイは、うまく逃れたようじゃな」

 

シルバーさんに声を掛けられた。

 

「まぁ、なんとか」

 

「いきなりドエスをかますとは…侮れないなぁ」

 

シルバーさんの凹み度は高そうだ。シルバーさん達の視線の先にあったのは、

 

『ワンモアの設定を選んだ方々に…始まりの街のお試しモードになっております。正規のスタートをしたい場合は、戦士レベル50にして、転職をしてください。初期ジョブの選択画面に入れます♪』

 

っと…ははは…レイジ達が更に凹んでいる。

 

「いきなりの罠か…ミリー、どういうことだ?」

 

レイジは、エフのリア友のミリーを問い詰める。

 

「あ…あのね…怒らしちゃったから…その報復だと思うの~」

 

怒らした?

 

「何をしたんだ?」

 

俺も訊いてみた。

 

「ワンモアでのステイタスを使えるようにしてって…」

 

「それって、無理でしょ?システムが違うし。そういう設計に、していなかったはずだし」

 

アースがミリーの言葉に反応した。

 

「そう言っていたわ。意を汲んでくれたもんだと、思っていたのに~」

 

ミリーの凹み具合は凄まじい。

 

「嘆いてもしょうがない。先に進もう。って、お金は有るのか?」

 

アースが先立つ物を確認してきた。その結果。俺とアースは支度金が有ったが、他3名は無銭だった。追い打ちをかけるように、ワンモアのお金は、ここでは使えないようだった。ドエス仕様だな。何かを買うにも、宿に泊まるにもお金は必要である。このゲームでは、モンスターを倒して得られるのはドロップ品だけで、それを街で売って、お金を得るようだ。

 

「俺とアースは武器などの装備が無いから、支度金で買うしかないな。その後、ダンジョンでレベル上げをしながら、稼ぐしかないな」

 

頷く、パーティーメンバー。

 

「ギルドっていうのを作った方が、攻撃力は上がるな」

 

って、ことで、こちらでもギルド・ブルーカラーを作り、アースと凹み組3名に入団してもらった。

 

「ダンジョンに行く前に、アイテム屋を見ておきたい」

 

アースの要望があり、向かった。特定の道具を買うことにより、スキルが発現し、使い込むことにより、スキルのレベルが上がるようだった。

 

「なぁ、ツヴァイ。乳鉢があるんだが…」

 

アースが指差した先にソレはあった。価格がとても良い値段だ。他の商品より1桁くらい高いし。

 

「あぁ、臭いな。これを最初に買えってことだろうな」

 

「ツヴァイもそう思うか?」

 

アースが迷わず、それを買った。で、残りのお金で二人の装備を武器屋、防具屋で購入した。ステイタスをチェックするアース。

 

「乳鉢で正解だ。薬草を加工すると、回復薬になる。後、草の判別が出来る様になった」

 

苦笑いしているアース。

 

「回復役のいない序盤に、必要不可欠なアイテムだな」

 

アースは胸をなで下ろしているようだった。これは、危険なゲームだ。気を緩めると、罠に嵌まりそうで怖い。こんなに緊張するゲームは、初めてかもしれない。

 

「あぁ、魔法使いなのに、魔法が使えない」

 

ミリーが更に凹んでいた。魔法体系が違うから使えないと、広場の掲示板に書いてあったな。コンポタも撃沈していた。

 

「これはつらいなぁ。レイジ以外、ノービスだからな」

 

って、アースの表情が苦笑いから苦渋な物になってきた。

 

「とにかく、3日分の生活費を稼いで、アウトしようぜ」

 

っと、皆でダンジョンへと向かった。

 

 

 

---ヒロ---

 

5番目の街を設計している。ここに土地を買って、家や倉庫を建てるようにする。問題はランク解放条件だな。どうするかな。

 

「つばさ、土地はゲーム内通貨で買うようにして、結婚を課金にしようかと思うけど、どう思う?」

 

「うん?もしかして、土地所有がランクアップ条件ですか?」

 

洋子がメモ書きをしている。うんうん、これでいいかな。

 

「そういうことだ。戦闘エリア無しの街も有りかなって」

 

「そうですね。良いと思います。無課金でも土地が買えますから」

 

「あと、一人で買える土地は一区画にする。なので、一対多の結婚はハーレム状態になる」

 

「土地の節約ですね。良いんじゃないですか?どうせ、ヒロさんくらいですよ、ハーレム状態になるのわ」

 

「つばさ、それ、正解だよ♪」

 

って、洋子が笑っていた。そうなのか?他にもいそうだろうに。そんなこんなで、5番目の街の設計が終わり、開発にマッピング作業を頼んだ。やっと、半分だよ。

 

「6番目からは戦闘続き?」

 

洋子が訊いて来た。

 

「まぁ、基本はね。6番目はどうするかな…」

 

構想を練る僕。

 

 

 

---ファントム---

 

始まりの街に、ツヴァイ達がいるそうなので、冷やかしに行く。レヴィアタン、ガブリエルが同行してきた。成長した姿をアースに見せたいそうだ。

 

広場で待っていると、ヘロヘロな状態でツヴァイ達が戻って来た。

 

「ツヴァイ、アース。元気か?」

 

「な訳ないだろう?このドエスが~」

 

アースが珍しく毒気付いていた。

 

「うん?やっちゃったの?3名も…これは、つらいよな」

 

「つらいってもんじゃない。真面に戦えるのは、レイジだけだ。経験値は1/5だし」

 

ツヴァイがへたばっている。

 

「そうか…で、アース、お前に紹介しておく。僕の連れの大天使ガブリエルと魔王レヴィアタンだ」

 

アースが二人を食い入るように見る。

 

「おい…これって、エルとルイさん…」

 

「アース君、正解♪ファントムに連れて来て貰っちゃった♪」

 

元エルのガブリエルが嬉しそうに、アースに話し掛けた。

 

「どうして?こうなった?」

 

「ここに連れ込む際に、精霊になって、で、大天使と魔王になっちゃったんだよ。ライカとドライグは精霊扱いで連れ込めたけどね」

 

「ステイタスは?」

 

「存在だけが変化した感じだよ。攻撃方法は同じ。危なくなったら、精霊だから、精霊使いの僕の中に入り込める」

 

「精霊使い?そんなジョブもあるのか?」

 

「初期ジョブの他に、上級ジョブとか、レアジョブがある。どうすれば、成れるかは、探してください」

 

ミリーさんが僕を睨んでいる。魔法の使えない魔法使いになったんだね。まぁ、自ら選んだ道だし、恨まれる筋合いでは無い。

 

「エフは今どの辺りをテストしているんだ?」

 

「今、4番目の街。こっちもつらいよ。役立たずが居るからね」

 

って、ヴィヴィの顔が浮かぶ。

 

「4番目かぁ。3番目まではベータで行けるってことかな?」

 

ツヴァイが訊いて来た。

 

「う~ん、どうだろうな。正解のジョブに就いたのは、ツヴァイとアースだけだし。正解の道具を買ったのはアースだけだ。この街をクリア出来るギルド、パーティーはまだ、いないのが現状だよ」

 

「ドエス過ぎでしょ?」

 

「はぁ?恨むなら、そこにいるミリー様に言ってください。ミリー様のご要望に沿った仕様にしただけですからね」

 

皆がミリーさんを睨んだ。怯んだように後ずさりをするミリーさん。

 

「ミリー様って…エフの上司なのか?」

 

「そんな感じです。僕の設計にケチをつけて、ワンモアのステイタスを生かせってね。これでも譲歩したんですよ。まぁ、ゲームバランスを崩すことは出来ませんので、このようなお試しプレイにしました。レベル50なんか直ぐでしょ?」

 

「無理…」

 

「じゃ、ミリー様の顔に免じて、ヒントを。まず、レイジだけをレベル50にして、転職させる。その間、アースは薬草を摘み、回復薬を量産。で、3名が正規のジョブになったら、コンポタ、ミリー様に作った回復薬を持たせて、回復役にさせて、3名だけで突入して経験値を積ませる。これが、一番効率が良いですよ」

 

「なるほど…」

 

アースは納得してくれたようだ。

 

「じゃ、頑張ってね♪」

 

僕達は、4番目の街へと戻っていった。

 

 

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