---ツヴァイ---
4つ目の試練に対峙した。そこは平原だった。奥の方には森らしき物が見える。
「ツヴァイ、これ、ヤバいだろう」
アースの顔が珍しく苦しげだ。
「あぁ、ヤバいな。囲まれたら終わりだ…」
平原には隠れられるブッシュも岩も無く、膝辺りまでしか草も無い。
「俺とレイジで先頭を行く。コンポタ、ミリーは中段、アースはしんがりを頼む」
「森からの狙撃は考え無くても良い。自分でも届く距離でないからな」
この街にあった広場の掲示板には平原にて100匹狩るとしかない。全員で100匹なのか、一人100匹なのか、大きな違いである。それを見極めるのもクエストなんだろうな。
「行くか」
皆頷き、一歩ずつ慎重に歩を進めていく。うん?地面に煉瓦が埋め込まれている。一直線に伸びているし…
「戦闘域はここからってことだろうな」
アースが呟いた。その煉瓦のラインを超えて、進むと…
「ヤバっ…ミリー、後ろ…」
アースの悲鳴にも似た叫びが聞こえた。ミリーが振り返り、魔法を放っていく。
「痛っ!」
レイジの声…コンポタも魔法で攻撃をしていく。えっ?上からもあるの?上から鳥のようなモンスターの急降下攻撃にやられてしまったレイジ。
「撤収だ~!全力でラインを超えろ~!」
コンポタ、ミリーに撤収令を出し、戦闘域から出た。なのに…
「なんでぇ~!」
コンポタの悲鳴、ミリーが応戦して、コンポタを襲ったモンスターを壊滅させた。そして、今回生き残ったのは俺とミリーだけだった。
「戦闘域ってことでなくて、モンスターの出現範囲なのかも~」
あぁ、そうだな。あのラインは。ミリーの呟きに同調した俺。仲間の死に戻り先の宿屋に向かった。
◇
「死に戻りって、こんな感じなんだ」
笑顔のアース。
「死ぬ時は、歯医者で歯を削られる感じの痛みだよ。怪我した時は、抓られた程度だったし。これくらいなら、ショックは少ないな」
と、死に戻った感想を教えてくれた。
「音がしないだけマシって感じだよ。あぁ、上からかぁ…ノーマークだったよ」
レイジが頭を抱えていた。
「逃げ切って安心して、アレって…ドエスすぎだよ、まったく、もぅ!」
コンポタは怒り心頭であるようだ。
「作戦を練らないと、危険だな…そうだ、クエストカウントはどうなっている?」
みんなに、クエストクリアに必要なカウント数を確認した。俺、アースは0。コンポタは10、ミリーは25、レイジは1。
うん?レイジが1?
「あぁ、ドエス仕様なんだな…たぶん、初撃を入れた者にだけ、カウントされるんだよ」
アースの顔はひきつっているようだ。
「俺、何匹か倒したけど…そうか、レイジとコンポタが初撃を入れたからかぁ…」
メンバー別にカウンターがある。それって…一人100匹なのかぁ…あの隠れようのない戦場で…
「敵は地面から湧いていたよ~」
って、ミリー。地面から湧き出る敵…奇襲かぁ…
「何でも有りの平原戦だものな…総力戦をしろってことだろうな…」
まぁ、敵の出方が分かれば、そんなに苦労せず倒せた。ライン外にロングレンジが放てる者を置き、俺とレイジが囮になり、モンスターをおびき出して倒す。ウェイアンドヒット攻撃で、対処が出来るようだ。時間は掛かりそうけど、一安心だよ。
---ヒロ---
アース達が4つ目の平原戦の攻略方法に気づいたようだ。次の街はどうかな。戦闘が無いから、意外に苦戦するかもな。
最後の詰めの部分を作っている僕。ラストバトルエリアは、ハードな仕様になっている。森、洞窟からのダンジョン、そして最後は塔の攻略だ。最後の街を出ると、塔に着かないと街が無い。塔は100階建てで1階と、それ以降は10区切りの階ごとに街がある。
「う~ん、街が無いとつらいなぁ…」
つばさがこぼした。現在、森エリアをテスト中である。
「草で回復薬は作れるだろ?」
「食事がさぁ…モンスターを食べるって、どうなんですか?」
ラストバトルエリアのモンスターからのドロップ品は、主に肉である。
「最後の街でスパイスを大量買いしか無いだろう」
「いや、森を抜ける頃には無くなりそうですよ」
そうなると…湖の周辺に集落は、いるのかな?
「じゃ、湖の周辺に集落を作る。洞窟に降りる前に、買い込むんだな」
「スパイスの価格が、高値安定になりそうだ…」
洋子は滝のデモを見ながら、開発にダメ出しをしている。迫力が足り無いって…あずさは、A機能の収集データの解析をしてくれていた。
「第2次ベータの初日の稼働率90%以上です。リピーター率も95%以上になります」
高水準だな。
「非稼働なデータを解析してくれ。何をしていたのか、何故リピートしなかったのか、その辺りを読み取れるだけ頼む」
「了解しました」
「そうか…ダンジョン内が鬼門ですよね」
「あぁ、街が無いし、広いからなぁ…」
「ダンジョン内に街、きぼんぬ♪」
つばさからリクエスト。ダンジョン内にかぁ?う~ん…
「あっ、私も希望する♪」
洋子からもリクエスト…って、ダンジョン内にか?う~ん…
「わかった、オアシスみたいな集落を作るか…外れの道筋に…」
「「ドエスやろ~!!」」
二人から怒号が飛んで来た。
「だって、正解の順路だとそんなに距離が無いし」
「はぁ?順路を探すのが大変でしょ?」
「だから、オアシスがあったら、はずれって印でさぁ」
「トコトン、ドエス仕様にするのね」
洋子すらあきれている。メモにも取ってくれない。くそっ…こっそり埋め込んでやる…
---キリト---
僕以外、Aアダプタの虜になってしまい、なかなか、先に進めない。妻帯者持ちのエギル曰く、人間相手よりも気持ちが良いらしい。初日に5ラウンドしたそうだ。
アスナが死に戻り先を、それぞれの宿の部屋にしたおかげで、気兼ね無く死に戻っている。アスナがインをすると怒っているけど。
3日ほどすると、アスナ、リーファは戻って来た。ゲームの本質に気づいたようだ。
「キリト君…しばらく会わない間に、そんなに強くなったの?」
って、アスナが驚く。そう、一人でナイフを極めていた。死に戻りする度に、HPの上限が上がり、そう簡単に死に戻らないレベルになっていた。
1週間すると、みんな戻って来た。ヤリすぎて、気持ち良さが分からなくなっているようだ。
「過度の使用はダメだな…」
クラインがうなだれていた。
「俺なんかカミさんに、相手にされなくなったよ…やっぱ、夫婦円満、人間相手が一番だぞ」
と、エギルが苦笑いしている。
「とにかく、5番目の街を当面の目標にするわよ」
アスナの言葉に頷くリーファ、シリカ、リズベッド。5番目の街かぁ…ファントムさんと再会できるかな。
そして、最初の試練を超える為に、ダンジョンに入っていく。
---ヒロ---
第一次ベータの皆さんにも、あれが届いた頃だ。美里さんの家に、アポ無し訪問をしてみる。預かっている合い鍵で部屋に入り、寝室に行くと、美里さんはAアダプタを試用していた。
僕は、美里さんのおもちゃ箱を探す。以前、あった場所にはなく、どこかに隠されたようだ。宝探しゲームをする感じで、おもちゃ箱を探す僕。
あった…床下収納庫に…中身を確認する。見た事無いブツを手に取り、説明書を読む。使い方を頭に入れ、それらのブツを持って、美里さんの元にいく。
美里さんのプレイしているのは、ソフト目で濃厚なヤツだった。ハード目な濃厚なヤツに切り替える。その途端、美里さんの裸体がビクっと反応した。暫くすると、先程よりもハードな喘ぎ声が聞こえてきた。
で、ビンビンにそそり立つ乳首に、液体を塗っていく。
「えっ…ダメ…いくっ…」
美里さんの身体が逆エビ反りに一瞬なった。昇天したのね。でも、プログラムは、プレイヤーの昇天具合を判断していないので、責めまくる。男性と違い、女性はすぐに戦闘可能になるのが凄い。いつも、タフなんだなって感心している。
そうだな、昇天したかを測定して、プログラムをクールダウン方向に移行させていくのも手だよな。手帳に、貴重なアイデアをメモしていく。
1時間が経ち、プログラムが終了した。余韻モードになる美里さん。乳首がくたびれたように柔らかくなっているし。口に含んで、その触感を愉しむ。
「えっ…え~、なんでヒロ君…何しているの~」
「脱力状態の美里さんと遊ぶの~」
アダプタを外して、ヘッドセットを外し、僕を美里さんに装着した。
「あぁ、こういう美里さんも良いなぁ。感触が普段と違うし♪」
「ダメだって…感度が良くなっているみたい…あっ…あっ…ダメ…」
簡単に昇天してしまった美里さん。でも、僕は果てていないので、続行する。
「あっ…だから…ダメだって…」
交わりながら、美里さんの身体をチェックしていく。筋肉はリラックスしているのか、弛緩した状態だ。ホルモンが活性化したのか、肌の吸い付きが良い。気持ち良さ倍増だな♪
その反面、唇は乾いている。しきりに自分の舌で唇に潤いを与えている。その姿が妙に誘われている気がして、唇を奪い、舌を吸い、美里さんの口内を征服していく。
そういえば、あそこも弛緩しているようで、絞められる気配は無いが、吸い付くような感覚と、いつもよりも多い湯量が、気持ちが良い。温泉に入っている気分になり、僕はお約束の通り、美里さんというベッドの上で…
◇
下から揺り起こされる感覚で、目覚めた僕。ここはどこだっけ?股間が冷たいなぁ…
「おい、起きたか?このど変態やろ~!」
朝から、怒号が聞こえる。何でだ?いや、そもそも誰からの怒号だ?視線を下ろすと、美里さんがいた。
「美里さん、おはようございます♪」
「はぁい?何を言っているのよ~、って言うか何をしていたのよ~」
「何で?怒っているの?」
「感覚が無い時にしないで~損した気分じゃない~」
「損?僕は得した気分だけど♪」
「えっ?そうなの?」
僕の言葉を受けて、キョトンとした表情になる美里さん。
「うん、とても気持ち良かったよ。何かしようって気が起きないほど…」
美里さんから抜いて、起き上がる僕。
「どう気持ち良かったの?」
「皮膚の吸い付きが良くなっていた」
「そっか…ヒロ君が愉しめたのなら良いか」
上体を起こした美里さん。しかし…
「何よ、これ…布団が…あぁ…」
大変なことになっていた。まぁ、全身が弛緩すると、そうなるよね。
「はぁ~、気分は爽快だけど、布団が大惨事よ~紙おむつ着用がいいかな」
美里さんを抱き抱えて、浴室に向かい、彼女の身体を綺麗に洗い上げる。もちろん僕もだ。で、浴室で2ラウンド。
◇
出勤した。
「朝から、石けんの香り?美里さんで寝たの?」
「洋子、正解。Aアダプタの感想を訊きに行っていた」
「で、どうだったの?」
「ハードな濃厚モードは紙おむつか紙パンツ着用が良いな」
「布団が大惨事だったんだね」
メモを取りながら正解を言った洋子。
「大惨事だった…買い換えだって…」
「早速、運営にメールしたよ。大惨事は避けないと、評判に響くし♪」
「そうだ、ネットにレビューが上がっていますよ」
あずさから報告を受けた。レビュー?メールで送られてきたurlを開いてみた。そこにはアルフガンのベータレビューが上がっていた。禁止事項だぞ、これって…
「苦情は入れた?」
「相手は大手の出版社なので、スルーされています」
あずさから状況が伝えられてきた。ゲーム内容はあまり触れず、Aアダプタの試用のレビューが主体だった。
「これダメだろ?ゲーム内容のレビューならともかく」
「法務部が動いてます」
あずさから状況報告がなされていた。記事内容から、書いた本人もしくは、情報提供者を割り出す。画像データがアップされていた。これなら、IDが割り出せる。そのデータをスキャニングして、画像処理をすると、ゲーム画像の後ろにIDが壁紙として表示された。こういう時の為に、透かしを入れているのだ。
法務部にIDをメールして、対処を依頼した。
で、次に非公式な掲示板を見ると、4つ目の試練でのことが書かれていた。アース達は書かないよな?あっ…カザミネだ。IPアドレスに見覚えがあるし。まぁ、非公式だから、文句は言わないけど。
掲示板は、あのアースが瞬殺されたことで、盛り上がっていた。まぁ、あっちではチーターではあるが、英雄に近い存在だしな。
あっ、攻略方法が書かれている。これはダメだな。この掲示板を法務部に知らせた。しょうがない。4つ目は改良するかな。攻略方法を逆手に取って…ふふふ
---ツヴァイ---
Aアダプタ、恐るべし…集合時間になっても、俺とアースしかいないし…二人で、平原は無理だし…
「アースは試したのか?」
「あぁ…やみつきになりそうだよ」
苦笑いしているアース。
「最終兵器だな…たしかに」
そういえば、運営から緊急情報がメールで来ていたな。ハードで濃厚なモード時には、紙おむつ、もしくは紙パンツ着用をオススメするとか。どんだけ、破壊的な刺激なんだ?
「紙パンツは必須だよ、ツヴァイ」
はぁ?アース、お前…試したんかい…苦笑いしっぱなしのアース。
「でもね、すっきりしたよ。身体の疲れが取れた気がするんだ。全身の筋肉を弛緩された感じだな」
◇
雑談まがいな会話をしていると、ミリーが来た。
「ツヴァイ、紙パンツは必須よ~」
ミリー…お前もか…
「布団が全損だよ~お気に入りだったのに~」
最終兵器の破壊力はすごいみたいだ。ゲームの方は、ミリーが来たので、平原でカウント数を上げていくことが出来た。
「やっているね~♪」
平原戦をしていると、エフとハイレグビキニ姿の女性がやってきた。俺達は、戦域から離脱していく。
「後方は気にするな。僕達で始末するから」
後方で凄まじい爆音がしている。振り返ると、有り得ないような魔法が叩き込まれていた。
「なんだ?あの魔法は?」
「彼女は賢者のマスターなんだよ♪」
見知らぬ女性は賢者のマスター?ハイレグビキニ姿なのに?
「ツヴァイ、見た目で判断すると、このゲームはクリア出来ないよ♪」
それはそうだけど…
「彼女の名前はヴィヴィ。僕のリアル彼女だよ」
「「えっ!」」
俺達3名が驚きの声を上げた。リアル彼女?
「ヴィヴィでぇ~す♪」
ポースを取っているし。エフの彼女にしては軽すぎるだろ?
「え、え、え、え~…ヒロく…じゃなくて、ファントムって彼女がいたの?」
ミリーの動揺が激しい。
「あれ?紹介しなかったけ?」
首を激しく横に振るミリー。
「あぁ、あの時の宴会にいなかったのかぁ…けっこう、頻繁にゲームはしているよ。こいつ、暇人だから」
「でへへへ♪」
その姿、動作が賢者マスターにまるで見えない…
「なぁ、エフ、何で、賢者マスターなのにハイレグビキニなんだ?」
「あぁ、これね。レアアイテムの不思議なビキニだ。装着していると、魔法の消費が無い。どんなに凶暴な魔法を使っても、魔力の消費が無いんだよ」
おい、凶暴すぎるレアアイテムだな…
「どうすれば、手に入るんだ?」
「アース、探すのもクエスト内だよ。懇意にして貰っているから、言って置くけど、男性は装着が出来ないからね。もし、アースかツヴァイが手に入れたら、ミリー様に差し上げてくださいね♪」
そうなるよな。レアアイテムだと…
「どこまで完成したんだい?」
「ラストバトルステージを、手直ししている段階だよ。アルファーテスターから怒号が飛んでいてね、手直し中なんだよ」
おい、チームドエスから怒号が飛ぶって、どんだけのドエスステージなんだ?
「あっ、そうそう、アース。スパイスの値段がうなぎ上りするかもしれない。乳鉢でスパイスを作れるようにしておくと良い」
「うん?それは、ラストステージでは買いだめする感じで無いと、ダメなのか?」
「まぁ、詳しくは話せないけど…最後の街を出ると、当分街らしき場所が無いからね」
「で、ここに来た目的は?」
俺はエフに質問した。
「5つ目の試練なんだけど…たぶん、ここよりもハードだよ。それを伝えたくてね」
ここよりも?
「もう少しヒントを出しておくよ。ミリー様に免じてね♪」
ミリーは、ヴィヴィという女性を睨むように見ている。しかし、ヴィヴィは、気にしていないようだ。リアル彼女としての余裕の表れだろうか。
「敵はモンスターだけでは無い。これがヒントだよ♪」
え?どういう意味だ?
「あっ、ミリー様はカウントアップ終わっているじゃん。ツヴァイ、1日借りるよ♪」
借りる?あっ、3人で立ち去っていってしまった。ミリーはエフの腕に抱きつくようにして…
「どう思う?」
アースに訊いてみる。ミリーがいないので、今日はこれ以上は無理だし。
「5番目の敵か?最終兵器以外だよな?」
「たぶん…」
いや、その可能性は否定は出来ないけど。
「そうだとすると、1つ気になる物があるんだ。こんなに頑張ってプレイしているのに、溜まらない物が有るだろ?大抵のゲームだと、捨てるくらいに溜まるのに、このゲームではそれを得ることが、大変だしね」
なんだ?他のゲームでは溜めやすい物?レベル?いや、このゲームはレベルはランクアップと共に1に戻るから違うな…なんだ?
「何だい?」
「お金だよ…モンスターのドロップ品を売っても、大金に化ける事は無い。スキルを鍛えて、高額な物にしないとダメだし。かといって、同じ物を売り続けるには変動相場制は敵だからね。そう考えると、次の試練は何かを買うだろうな。それも高額な商品だよ」
あ…そうだな。俺達にはお金の蓄えは無い。宿に泊まるお金が稼げれば、どうにかなるゲームだし。お金を貯めるって発想は無かった。
「まぁ、行って確認するか、ミリーの情報しだいだな。どの位必要なのか。もし、そういう試練だと、3つ目の鉱山で稼ぐ他無いだろう。他に高額に化ける材料は手にしていないし」
アースの読みが正解の場合、次に控える試練は、強敵で間違いは無い。
---ミリー---
街境に、手の平認証システムがあった。手の平をスキャンすると、ランクアップをして、レベルが1に戻った。で、5番目の街に入った。このゲームを始めて以来、一番賑わっている街に思えた。
「ミリー様、街には用は無いよ」
手を引かれて、どこかに連れて行かれる。街から出ると、段々畑のような場所に出た。段々畑には家が2軒並ぶように建っているだけだ。
「右側は僕の家、左がヴィヴィ達の家だよ」
家?ここには家を持てるの?えっ?まさか、5つ目の試練って…家か?エフの家に連れて行かれた。そこには、バサ姉とマヤ以外の者がいた。
「僕のハーレム屋敷だよ♪」
えっ…私は抱き抱えられて、ベッドルームらしき場所に連れて行かれた。そして、ベッドに落とされた。
「さぁ、愉しもう♪」
魔法使いのローブを脱がされて、全裸にされた。
「どういうこと?」
全裸のエフが覆い被さってきた。
「交わりの許可が出ていない相手に、した場合の反応を見るテストだよ」
身体を合わせても、交われない。お互いに性器がないし…胸を舐められても、揉まれても、何も感じない。
「うん、ここまでは想定通りだ。次に、お互いに許可をした場合だ」
エフが何かを操作すると、無かったはずの性器が現れて、交わり合うことが出来た。えっ?感じる…Aアダプタを付けていないに。
「うん?あっちだって、Aアダプタ無しで感じただろ?忘れたのか?」
うん…忘れていた。そうだった。えっ?じゃ、Aアダプタの意味は?
「いや、アレを装着してやれば、より鮮明な刺激になるよ。ただ、戦闘の合間とかにしたい場合とか、いちいちログアウトしていたら興醒めだろ?」
あぁ、そうだよね。
「あぁ…いいょ…もっと、突いて…」
「たぶん、もっと突いても、こんな刺激だよ。Aアダプタという最終兵器を使い込んじゃうとね」
そういうことだね…
「ねぇ、ヴィヴィさんって、本当にリアル彼女?」
「え?している最中にその話題?まぁ、リアル彼女ではあるが…身体を合わせるなら美里さんっていう女性の方が良い♪」
えっ?耳が熱くなる感じがする。
「彼女と交わっても、安眠した事無いし。虐めがいも無いし…」
「じゃぁ、なんで、付き合っているの?」
「まぁ、教え子に手を出した弱みっていうか」
はにかみながら言う彼…教え子?
「うん、家庭教師していたんだ。彼女の大学受験の時にね…」
家庭教師と教え子…なんてそそるシチュエーションなんだ。
「だろ?それだけの関係だよ。僕なんかより、良い物件を見つければ、捨てて行くだろうしね♪」
「私とは?」
「ミリーさんは僕にとっての私なんだろう?」
彼の言葉にはっとした。時空を飛んだ時に言われた言葉…
「だから、好きにする♪」
意識が戻るとログアウトしていた。