始まりは唐突に*
---亜衣---
御徒町にある喫茶店「ダイシー・カフェ」を訪れた。ここは、VRMMOの情報交換の場となっていた。カウンター席に座る。
海坊主のようなマスターのエギルが近づいてきた。
「どうしたんだ?浮かない顔だな、アイズ」
ここでは、アバター名で呼ぶのが慣わしであった。
「ねぇ、B面の噂は何か入っていない?」
「B面?都市伝説のか?特に無いなぁ」
顎を手の平で摩りながら、エギルが答えた。
「B面がどうかしたのか?」
「消えたお兄ちゃんが、そこにいるみたいなの…ねぇ、どうすれば行けるのかな?」
「消えたお兄ちゃん?一人っ子なのに、いたはずのお兄ちゃんか?」
私はスクショのコピーを見せた。スクショを見て、言葉を失うエギル。
「真ん中のは私だけど、こんな笑顔で、笑った記憶が無いんだよ」
「おい、これが撮られた場所は、どこだ?」
真顔でエギルが、訊いて来た。
「アルフガンの真実の鏡の間…神の杖の地下に有るらしいんだ」
「神の杖の地下?そんな場所が有るのか?」
「そこに、真実の鏡が有ると、言われているんだよ。社内情報だけどね…」
エギルは、私がアルフガンの製作会社に勤めていると知っている、数少ない友人の一人である。
「社外秘の情報かぁ。実は俺も、真実の鏡の噂は聞いている。でも在処が分からなかったんだ。そうか、あそこに地下があったのか」
エギルと話合った結果、私が社内でもう少し調べ、エギルの方も情報を集めてくれることになり、また後日、訪れる約束をした。
◇-
資料室で探し物をする。設定資料とかは、上司のあずささんが隠し持っているらしい。超極秘資料らしい。私が勤める以前から、社員による内部リークにより、リークが発覚する度に、ゲーム内容、マップ、敵の情報を何度も設定し直したそうだ。なので、リーク防止の為に隠し持っているらしい。これも社内の都市伝説ではあるけど。
『また、情報漏らし病が再発か?』
屈んで下の方を探していた私の脳裏に声が響き、何者かに、腰を掴まれて、前のめりの体勢になった。
「誰…あっ…いやっ…」
相手の正体を問い質す前に、下腹部には抵抗する気を削ぐような刺激がもたらされた。相手に身を委ねてしまう私。
『小学生の時から、エロVRの遣り過ぎだろ?身体が欲しているじゃん』
私を食している者の言うことは正しい。でも、小学生の時の事を知っている者は少ない。
「ファントム?」
『覚えていてくれたとは、光栄だな。お礼に、立てなくなるくらい、愉しんでやる♪』
◇
意識が戻ると、全裸で床に放置されていた。全身がガビガビである。あのヤロウ、溜まっていた物を総て放出して行ったのだろうか。私の衣服が捨ててある場所まで、歩こうと思い立ち上がろうとするのだが、腰が抜けたみたいで、立ち上がれずに藻掻いていた。話には聞いていたが、リアルでは連続でやり過ぎると、こうなるんだなって実感した。しかたなく、腕の力で這って行き、ようやく着衣した。
でも、ファントムが何で、ここにいるの?ここは、社員しか立ち入れない場所のはず…
疑問が頭を駆け巡る。カードキー付の社員証が無いと、重要な資料が保管されている、ここまで立ち入れない。なのに、ファルコンはここに来て、私を…
立ち上がれるようになり、シャワールームへと急いだ。ガビガビ感が気持ち悪さを醸し出していたから。この会社は徹夜組が多い為に、シャワールーム、大浴場、ランドリーなど、家に帰らずに、連泊を可能にする施設が併殺されていた。昔、5徹6徹は当たり前と言われた、伝説的なプログラマーがいた為に作られたそうだ。
シャワーで汚れを洗い落としていく。なんか、ほっとする。目を閉じ、シャワーを浴びていると、腰を掴まれて、上に持ち上げられている感じがして、下腹部に挿入感が生じた。
「誰?なんで?」
胸を両手で揉まれ、乳首を弄ばれていく。背後にいる者に刺さったまま、足の裏は床に着いていない。
「止めて…ねぇ…お願い…あぁ…ダメ…うぅん…あぁ~いい…」
抵抗していた私は、徐々に相手を受け入れてしまう。テクニックがうまいのか、身体が蕩けていく。
『なぁ、まだ調べるのか?そんなに行きたいか、バックディメンジョンにさぁ』
バックディメンジョン?何、それは…
『お前の兄と姉がいる世界だ。ただ来れば、この世界には戻れなくなるぞ、いいのか?』
お兄ちゃんに逢いたい…
『わかった…誘おう。お前達をな。後悔するなよ』
意識が戻ると、医務室にいた。シャワー室で倒れていたそうだ。
「大丈夫?」
上司のあずささんが、声を掛けてきた。
「はい…バックディメンジョンって、何ですか?」
私の問いに驚くあずささん。
「何でそれを…それには関わらないで…あなたまで消えちゃうと困るから…」
何かを知っているあずささん。私が再度、声を掛けようとすると、医務室を出て行ってしまった。
◇
翌日、出社すると、あずささんから、「極秘」の朱いスタンプが押された資料を手渡された。
「難しい理論よ。アルフガンに組み込まれている真実の鏡の正体とも言われているの」
資料に目を通すが良くわからない。特異点を用いて、本来の世界へと戻る方法的な事が書かれているのだが。
「本来の世界?」
「その理論を研究していた人によると、今いる世界が現実だという証明が出来ない以上、ここも一種の仮想世界の可能性があるというの。で、二つの特異点を合わせると、偏光レンズの様に、真実が見えるって。それが真実の鏡の正体というのだけど、確かめるのは、大変なのよ」
「神の杖の地下ですよね?」
「地上から神の杖に入った者は、真実の鏡の間には行けないの」
えっ?!他にルートが有るの?今プレイしている者は、たぶん全員地上から入った者ばかりだと思うけど。神の杖の周囲には街が展開しており、冒険の準備をするの最適だし。
「最後の街からクレーターに降りた者は、辿り着けない。クレーターの周囲にある森を抜けて、地下にあるダンジョンを攻略しないとダメなのよ」
それは初耳です…かれこれ10年以上プレイしていて、知らなかった事実…
「神隠しにあったメンバーは、正規ルートをテスト中に消えたの」
あっ…スクショにあった『チームアルファ』って、アルファーテスターで構成されたギルドだったもんな…いや、お兄ちゃんの『エフ騎士団』に吸収合併したんだっけ。
「消えたって、存在も?」
「う~ん…消えたメンバーの事は、記憶には有るのだけど、存在した証拠がまるで無いのよ。なので、記憶に残っている者は全員、困惑したの」
あずささんが苦しそうに答えた。お兄ちゃんと同じだ…
「ゲームプログラム上の話ですよね?」
「単なるゲームプログラムではないのよ、アルフガンは…たぶん、バックディメンジョンのテストもしていたのかもしれない。実際、医療関係のテストもしていたし。表向きはゲームだけど、B面…バックディメンジョンでは何をしているのか、知っている者はもういないし」
B面の事なのか…バックディメンジョンって…直訳だと、後ろの次元ってことだけど、なんだろうか?
◇
約束の日になり、再びエギルの店を訪ねた。
「おぉ、アイズ、待っていたぞ。俺の知り合いを紹介する。キリト、アスナ、リーファ、クライン、リズベット、シリカだ」
気の抜けた顔の青年、その彼の両側に立っている少女が四人と、社会人っぽい男性がいた。
うん?キリトって、確かSAOの生き残り…
「キリトって、あの英雄キリト?」
「英雄?鍍金された英雄で、単なる弱者ですよ。ははは」
青年は照れ笑いをした。
「で、アイズ。何か、わかったか?」
仕入れた情報を話した私。
「ヒロさんって、マッドサイエンティストだったかぁ…単なるドエスプレイヤーでなくて…」
キリトが呟くように言った。
「森を抜けるルートがあったのかぁ」
驚くような表情をしたアスナが言葉を漏らすように言う。
「そうか…だから、クリアした者が出ないのかもな。正解ルートは森の方だな」
そうだと思う。10年近くプレイしてクリア出来ないってことは、正解なルートで来ていない可能性はある。
「キリト君、マッドサイエンティストでは無いよ」
知っている声が聞こえた。
「えっ?ヒロさん…どうして、ここに?」
驚く顔のキリト。
「どうして?アイズに聞いていないのか?そこの口軽女にさぁ。そいつは秘密を漏らしたがる、どうしょうもない女だ。知り合いの妹だから、手出しはしなかったけどね」
ファントム…
「で、今日は、君達を招待しに来た。拒否は出来ない。真実のアルフガンを楽しんでくれ」
ファントムが、そう言い終わると、目の前が眩しくなり、意識が遠くへ…
◇
意識が戻ると、エギルとエギルに紹介された者達と共に、祠の中にいた。ここって、記憶にある。確か、始まりの街の祠だ。
祠を出ると、ファストの街が見えた。どうして?ヘッドギアを付けていなかったのに…
「アイズ…ここは?どぉわ~!」
エギルがファストの街を目にして、驚いている。
「なんで?ヘッドギアを装着していなかったのに…」
祠から出て来たキリトは、ウィンドウを開く動作をした。しかし…
「ウィンドウが開かない。ログアウトが出来ないのか。また、デスゲームか?」
「キリト君、ここはゲーム世界では無いからね。デスゲームとは心外だよ」
私達の目の前に、ファントムが現れた。
「ヒロさん、どういうことですか?」
「キリト君、僕はここではファントムと呼ばれているんだよ、忘れたのかい?で、ここは真実のアルフガンの世界だ。なのでデスゲームでは無い。で、現実なので、ゲームのようにウィンドウなんか開かない。セーブなんかも出来ない。ステイタスなんかも無い。死んだら…この場合は生き返らせる。何度もね。生き返りの場所は、最寄りの街の教会の霊安室だ。後、ご質問はあるかな?」
「ここから出られないの?」
リーファが尋ねた。
「この世界からか?出られるよ。最後の街の祠から、君達のいた世界へ戻れる。但し、君達がいた事実の無い世界になっているけどね。もう1つは神の杖の100階にある酒池肉林に辿り着ければ、部隊への入隊が認められて、僕が所属している騎士団に入団でき、勤務地に派遣される。その2つだけだ、この世界を抜け出す方法はね」
淡々と話すファントム。
「ここは何なの?」
アスナがキレ気味にきいた。
「ここは僕の所属している騎士団の、戦闘訓練施設アルフガンだよ。色々なシチュエーションを想定して、バトル舞台を設置してある。部隊メンバーは、余暇を利用して、ここで鍛錬をしているんだよ。あと、君達がしようとしている入団テストをする場でも有る」
「入団?そんなのは希望していねぇぞ!」
誰だっけ?このサラリーマンぽい人は…えぇっと…そうだ、クラインだ。
「希望?しだだろ?真実を知りたいと思い、真実の鏡の間に興味を抱いた者は、願書を出したのと同じだ。で、仕事が無い時、僕は5番目の街にある僕の家にいる。用がある時は訪ねて来てくれ。場所は、そこの口軽女が知っている。じゃあな~♪」
ファントムは、目の前から消えた。
「ど、どういうことだ…おい、アイズ!」
エギルが詰め寄ってきた。どういうことって、知らないよ~
「知らないって。分からないから、エギルに相談したんだよ」
「あっ…そうだったなぁ」
頭を抱えて、エギルが屈んだ。
「リアルで戦うってことだよな?俺はリアルで剣なんか握った事無いぞ」
クラインも凹んだ。
「ドエスにも、程があるだろうに…はぁ~」
アスナは溜息を吐き、落胆している。
「兎に角、最後の街に行こう…リアルで戦えるのは、キリトとリーファだけかな?」
キリトとリーファは義兄妹で、共に剣術をリアルで学んでいるそうだ。
「二人じゃ無理だよ。みんなにも剣術を学んで貰わないと」
キリトが声を掛けてきた。
「いざとなったら、アスナを献上かな…」
「いやよ!私はキリト君の女よ」
アスナはキリトの彼女らしい。
「でも、リーファやアイズは好みで無いだろうしなぁ」
アスナを供物として捧げたいエギル。それを拒否するアスナ。それは誰でも、拒否すると思う。
「あっ、無一文…」
リーファが現実的な、一番に解決しないといけない問題を提起した。
「ゲームと同じ展開…わかった。僕とリーファで、食事代と宿賃を稼ぐ…あっ、武器が無い…」
無一文だもの、武器なんか買えないし…その辺に落ちている棒や、木の枝を手にしたキリトとリーファ。
「取り敢えず、教会の霊安室前にいてくれ…自信がまるで無いし」
トボトボとダンジョンに向けて歩き出したキリト兄妹。
「残った者は、街を探索しよう。落ちている材料を拾い集めたり、武器が落ちていないかを探したり…」
エギルとクライン、私とアスナ、リズベットとシリカが組み、街へ繰り出した。街並はゲームとまるっきり同じだったので、迷子にはならないで済んだ。
「新顔だな。なぁ、遊ばないか?」
ナンパ?された。青髪の女性と黒髪の少女にだ…何で?
「あぁ~ゼノヴィアさん、駿河さん、ダメですよ。見回り中でしょ?すみません。この二人、両刀なんで…」
見るからに幼そうな少女が二人を諫めた。うん?両刀?それって…男でも女でも良いってこと?舐めるように私とアスナを見る女性二人。
「もぉ!力尽くで行きますよ!」
少女が剣を抜くと、青髪の女性も剣を抜く。
「面白い。手合わせをしようか♪」
「おい、そこの青髪!お前…あとでお仕置きな!」
いつの間にか、私の隣に現れた青年が青髪の女性に声を掛けた。
「おい、私は青髪と言う名前では無いと、いつも言っているだろ?お仕置き?望むところだ♪」
この人はエムなのか?お仕置きを望むって…
「赤と緑、どっちがいい?」
色を訊かれると、青髪の女性の顔から血の気が失せていく。
「おい、そのお仕置きか?それは拒否。ダメだって…お前、ドエスにも程があるだろが!」
「そうだよ。僕は性癖の破綻したドエスプレイヤーだもの。問題無い…って、君達は誰?」
へぇ?やっと、私とアスナに気がついた青年。
「ファントムに、ここへ飛ばされたんだ」
「あぁ、ブラウンの妹って、君かぁ」
ブラウン?
「あぁ、あの世界での名前は、神崎小太郎だっけかな」
あの世界の名前?お兄ちゃんって何者だ?
「ブラウンもブルームも、あっ、ブルームの名前は神崎莉愛だっけかな。その二人は、ファントムの配下の者だったんだけど、敵の罠に嵌まって、時空を彷徨っていたんだ。ファントムは精霊王で、ブラウンは地の精霊、ブルームは水の精霊だ。そうだ、あと、日比谷杏、小太郎の担任教師だったヤツ、あれはヴィヴィアンと言う湖の精霊で、ファントムの配下の者だよ」
え…お兄ちゃんとお姉ちゃんって…精霊だったの…
「逢いたいのか?5番目の街にいるぞ。今は静養中なので、出歩けないけど」
静養中?なんで…
「そっちの君、おいしそうだね♪」
えっ?私はスルー?
「あの…私を好きにして良いから…武器をください」
アスナが青年に取引を申し出た。え?好きにして良いって…
「彼氏が丸腰でダンジョンにか…それは死亡フラグ立っているな。わかった、その取引に乗ろう」
アスナと彼の二人の姿が消えた。
---アスナ---
「あっ…あぁ…いっぃ…もっと…」
あの青年に全身を鑑賞され、全身の臭いを嗅がれ…それだけで、準備が整ってしまった私の身体。彼が全身を舐めようとしたのを制止して、私から彼を求めた。
クチャ…クチャ…
私の股間からはいやらしい音が鳴っている。彼の指先で、私の貝は熟成されていく。私を可愛がってくれているので、両手の使えない彼に、私は抱きつき、胸を彼の胸板に押し付けたり、乳首を這わせたりして、彼の気を引こうとしている。
こんなことを彼、キリト君にすらしたことがない。キリト君には無いテクニックが豊富のようで、私の身体は彼を求め続ける。
「あぁ~ん…いきそう…ねぇ、入れて…お願い…します」
指だけで逝くのはもったいないので、入れて貰う。彼の肉棒は、私身体の中のヒダに吸い付き、更なる快楽をもたらしてくれた。
「あぁ~はぁ~…すごくいい…」
口元から流れ出す液体。顎を伝い、乳房に垂れていく。その刺激も新鮮だ。キリト君相手では、こんなに乱れたことは無いから。
彼の動き合わせて、乳房が上下に揺れる。乳首が彼の胸板を這えるように背中を逆エビに反り、乳首と胸板との距離を調整する。キリト君相手にここまでするかな…そんなことを考えてしまうけど、私の意識とは別に私の身体は、彼に気に入られようと必死である。
そして…
「あぅ…はぁ…はぁ…はぁ…」
達した。終わった後の荒い息づかい。そうだよね、凄い運動量だし。
「また、相手してくれるかな?」
彼に訊かれた。余韻を愉しんでいた私はゆっくりと頷いた。
「あと、約束の物だ。剣を6本用意した。いきなり重装備だと振れないだろうから、中級者未満の剣だ。3つ目の街くらいまでは、行けると思う」
「ありがとう…ねぇ、名前は…私はアスナ…」
「僕はシュウ…この世界の統治者だ。普段は他の赴任先にいることが多い。この世界だと酒池肉林と呼ばれている王宮にいる。まぁ、困っていたら、また来るよ。君達の行動はモニタリングしているからね♪」
◇
息を整えて、衣服を着衣して、剣を抱えて、宿を出た。みんな、どこにいるのかな?広場に差し掛かると、
「アスナ…大丈夫だったか?」
キリト君が近づいて来た。
「うん♪剣をゲットしてきたよ」
私の表情を見て驚くキリト君。なんで?
「乱暴されたんじゃないのか?」
「え?誰がそんなことを?優しい人だったよ。また、困っていたら、来てくれるって」
剣をリーファちゃん、キリト君に手渡した。
「これなら…行ける♪」
「パパ~!ママ~!」
遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ユイ…どうして?」
キリト君が声を掛けた。
「うんっとねぇ~団長が一緒に旅して来なさいって。私をこの世界で生きられるように、精霊として実体化してくれたんだよ」
キリト君に抱きつく、嬉しそうなユイ。
「団長って?」
「う~んっと…シュウさんって呼ばれていたよ」
私をかわいがってくれた人だ…
「この世界の統治者だって。その剣をくれた人だよ、キリト君」
「統治者?ファントムじゃないの?」
アイズさんが訊いてきた。
「違うわよ。シュウさんが統治者だよ。100階の酒池肉林っていう王宮にいるって」
「え?王宮の名前なのか…どんな趣味なんだ?」
エギルが呆れている。
「ハーレムかな」
クラインは違う方向を想像している。
「ハーレムでは無いでしょ。私を攫うことなどしないし」
「そうなると、ファントムの立ち位置はどうなんだろう?」
アイズはファントムさんのことが気になるようだった。
「ファントムさんは、私の上司だよ♪精霊は皆、ファントムさんのチームメンバーだし」
と、ユイ。
「まぁ、取り敢えず、宿代と飯代を稼ごう」
と、エギルが言い、ドロップ品を求めて、皆でダンジョンへと向かった。