---亜衣---
決して死ぬことの無い、地獄のような日々…怪我をすると痛みはリアルに感じてくる。ゲームのような生やさしい痛みでは済まない。なので、薬草程度で治らない大怪我を負うと、他のパーティーメンバーに殺して貰い、無傷の身体を得て、霊安室で甦る。
仲間を安楽死させるのは、心を荒ませていく。
「もうダメだ…」
クラインは根を上げていた。
「最後の街は遠いなぁ…最初の街を抜けられないんだから…」
エギルは遠くを見つめて言った。
「これってゲームじゃないの?ねぇ、お兄ちゃん」
リーファは兄であるキリトに訴えかけている。
「デスゲームよりつらいな…ここは本当にリアルなのか?」
キリトの彼女のアスナは、何かを考えてこんでいる。
「なぁ、アイズ…ここは真実なのか?」
エギルが私にきいてきた。
「バーチャル空間の可能性もあるよね。でも、証拠が無い。B面に気づいた人は、今までいた世界で、何かの証拠を見つけたみたいだけど」
「アッチの世界が、バーチャルである証拠か?何を見つけたんだ?」
みんなで考え込む。ファントムは何に気が付いたのだろうか?う~ん…
「ねぇ…みんな、聞いて…」
考えがまとまったのだろうか、アスナが私達に声を掛けてきた。
「どうしたんだ、アスナ」
キリトがアスナに声を掛けた。
「気が付いたことがあるの。みんなの意見を聞きたい。この世界にあって、あっちの世界に無い物に気づいた人はいる?」
この世界にあって、今までいた世界に無い物?なんだろう…
「愛する妻…じゃないよな…」
エギルがボケを噛まして、場を和まそうとするが、皆無言で考え込んでいた。
「たぶん、ヒロさんは、Aアダプタの濃厚なハードモードで、気づいたんだと思う」
アスナが気づいたことを伝えてきた。
Aアダプタとは、ゲーム『アルフガン』で使えるアダルトモードアダプタのことだ。ヘッドギアだけでも、性的刺激を感じるのだが、そのアダプタを付けることで、更にリアルな性的刺激を受けられるのだった。
このアダプタの最大な特徴は、ゲームにインしなくても、デモモード、通称072モードを装備して、自慰することが可能で、その場合10個のプログラムからシチュエーションと刺激の強さを選べた。濃厚なハードモードは最終兵器と呼ばれ、達した後、全身の筋肉を弛緩させられ、コリなどの疲れが完全に取れる反面、紙おむつ、紙パンツを装着していないと、大惨事を起こすことになるのだった。
「ねぇ、ヒロさんって?」
知らない名前が出て来たので、質問をした。
「うん?知らないのか?アイズ、お前の会社の伝説的なドエスゲームメーカーだぞ」
エギルが教えてくれた。あの5徹6徹は当たり前の人か…
「私が入社した時には、いなかったよ」
「そうだ…お前の入社前に消えたんだったな。神隠しにあったように消えたらしい。アルフガンを完成させて、後輩…お前の上司に総てを託した後、あのギルドメンバーは全員消えたんだ。ギルド名は『エフ騎士団』、お前の兄ちゃんと姉ちゃんがいたというギルドだよ」
あずささん以外が消えた話か…なんで、お兄ちゃんとお姉ちゃんも…
「彼らは…テストプレイ中に消えたそうだよ」
あずささんに聞いた話をした。
「噂では、真実の鏡をテスト中に、リアル世界から存在がロストしたらしい」
「その時にこの世界へ来たのかな?」
「で、アスナ、何に気づいたんだ?」
私の問いをスルーしてアスナに尋ねたキリト。
「全員…キリト君以外は全員、あのモードを使ったと思うけど…思い出してみて。固形物は出なかったでしょ?」
あ…前からしか液体は出ていなかった。そうだ、全身の筋肉が弛緩したら…
「あっ…そう言われれば…」
エギルが固まった。
「そのことに気づいて、思い出したの。病院で植物状態だったとき、尿管にチューブは入れられていなかったことを」
アスナはSAO事件の被害者で長い間、目覚めることなく寝続けていた経験がある。
「そうだ…そんな物は刺さっていなかった。だから、目覚めて直ぐに明日奈を探しに、病室を飛び出せたんだ」
目を見開いてキリトが呟いている。
「植物状態でも栄養や水分を与える為に点滴はする。点滴を受ければ、必ず排尿は起きる。でも…」
「あっ…そうだよ。長い時間、ALOをプレイしていて、トイレ休憩はしたこと無かった…」
リーファが声をあげた。そうだ。この世界ではトイレに行く。生理現象で、ごく自然な行為として。下手をすると、戦闘中に便意を…
「それがバーチャルである証拠なんじゃない?」
私も含めて、皆頷いた。そうだよね。今までいた世界では、気にならなかったけど、おかしいよ。
「正解だ。アスナ君」
えっ?突然、ファントムの声がした。皆、声の主を見た。
「ヒロさん…」
えっ?ファントムって、あの伝説的な人なのか…初めて知った私。
「キリト君、元気かい?」
私に向ける視線と違い、キリトとアスナに向ける視線は、お兄ちゃんへ向けていた時と同じに、暖かい眼差しから出ていた。
「元気は元気ですけど…安楽死させるのがつらいです」
心が荒んでいく原因を伝えたキリト。
「そうか…じゃ、上司に相談して、サポート要員を要請してみるよ」
「上司って?ヒロさんは何者なんですか?この世界は何なんですか?」
「上司か?ユイちゃんとアスナ君は知っているだろ?剣をプレゼントした人物だ。この世界の統治者と言えば良いのかな?実際はもっとエライけどね」
「エライ?あの人ってエライ人なんですか?」
アスナがファントムに喰い付いた。
「う~ん、僕の口からは、はっきりと言えない。正体をばらすと、お仕置きされるからね」
苦笑いをするファントム。
「シュウさんは、正体がバレるとマズいんですか?」
「う~ん…僕と同じでサプライズ好きだから、酒池肉林に辿り着いて、そこで訊いてあげて…一つ言えるのは人ではないよ」
「人では無い?」
「でも、ひとでなしではない。仲間を死なせないように努力する、優しい方だ。で、次の質問は、僕が何者かだっけ?僕は『精霊王』のファントム。シュウさん配下の騎士団の部隊の1つ、チーム精霊の隊長だよ」
「ヒロさんじゃないんですか?」
「水谷浩介は、あっちの世界での名前だ。僕の本名はファントム。精霊達の王だよ」
え~、ファントムは精霊王…お兄ちゃん達は部下なのか…
「敵の罠に嵌まって、あっちの世界に飛ばされたんだよ。記憶を消された状態でね」
敵?
「で、記憶を取り戻し、仲間と合流し、そして敵を倒して、この世界は平和になったんだよ。後は何だっけ…そうそう、この世界は何かだったね。この世界は、君達が産まれ育ったリアル世界の成れの果てだよ」
はぁい?私だけでなく皆も、理解不能であった。どういう意味だ?
「アルフガンの地形は覚えているだろ?10年もプレイしていたんだから。神の杖はクレーターのような場所の中心にあっただろ?あそこが爆心地だったんだ。山の手環状線の内側が、あのクレーターなんだよ」
「爆心地?どういうことですか」
アスナが質問をした。
「VRゲームが世界的に流行し、次にARゲームが世界的に流行した。徐々に人々は現実世界と仮想世界の区別が曖昧になっていったんだ。ある国のトップがね、仮想世界だと思って、カバンに入っているボタンを押したんだよ。現実世界では押せる機会が無いから。でも、そこは現実世界であり、その行為が引き金となり、核ミサイルの撃ち合いになり…その結果、この世界は廃墟になっていった」
え…あまりのことで声が出ない。皆も同じみたいだ。
「で、生き残った人々を救出して、生命維持装置に入れて、仮想世界に精神を送りこんで、安らかに眠ってもらおうと思ったんだけど、仮想世界でも悪い奴は生まれるんだなって、キリト君達には悪いことをした。すまない。直ぐに対処が出来ればよかったんだけど、人間同士の殺し合いを見物していたゲス野郎が乱入してね、僕達を罠に嵌めて仮想現実に閉じ込め、それで上司が気づくまで対処が出来なかったんだ。力不足ですまない」
「生命維持装置…本当の私はそこに?」
アスナが続けて質問をした。
「本当の君は君だよ。向こうの世界で、真実を探し始め、尚且つ生きたいという欲望の強い者は、始めの祠に実体を転移させているんだ。この世界で生きていけると思うから。この世界では前進しようとする者は、死んでも生き返り、歳も取らない。しかし、前進することを諦めた者は、死ぬと生き返らない。歳も取る。老衰死も有り得る。その場合、魂は天国へと誘う」
「前進するって、酒池肉林を目指すってことですか?」
「アスナ君、正解だ。理解が早くて助かるよ。じゃ、僕はシュウさんに掛け合って、サポート要員を送るようにする。キリト君、もう少し耐えてくれ」
ファントムの姿は消えた。
「現実…ここって現実なんだ…」
クラインが混乱していた。エギルとキリトが、暴れそうなクラインを抑え付けていた。
「あ、聞くのを忘れた…なんで、アバター姿なんだ?現実なのに…」
『それは、リアル体ではもう動けないから、サービスだよ♪』
あのシュウって男の声が、脳裏に響いた。
「あっ、そうか…生命維持装置に入っていないと、ダメな身体なんだものね。動ける身体はプレゼントしてくれたんだ」
アスナが呟いた。混乱するクライン以外、皆無言で、クラインが落ち着いた頃、部屋のドアがノックされた。ドアを開けると、男性と女性達が立っていた。
「父様から依頼があり、サポート要員として参りました、チームアリスです」
このチームがサポートしてくれるのか。部屋に入って貰った。
「初めまして。チームアリスの隊長のアリス・アガレス・鬼門です」
チームリーダの男性が自己紹介をした。
「お父様って?」
アスナが尋ねた。
「父様は、シュウ・ヨハネ・鬼門です。永遠の17歳で僕よりも年下に見えます」
「え?シュウさんって、子持ちなの?で、実際の年齢は?」
驚いているアスナ。17歳だと思ってやったのか?
「あぁ…実年齢は…言っても信じて貰えないと思いますが…」
困ったような表情のアリス。
「信じられない程、老けているの?」
アスナは、交わった相手の年齢が気になるのか、しつこく尋ねる。
「老けているって表現は、合わないですよ。たぶん、あなた方の想像の範疇に無い年齢ですし…ははは」
え?想像の範疇に無い?なんだ?それはそれで気になる。
「100歳超えているとか?」
頬をピクつかせながら、尋ねるアスナ。
「桁が違いすぎます」
笑顔のアリス。
「へ?桁が違う?そ、それは…現実的では…」
「ですから、人間の常識で考えられるようであれば、信じて貰えないと思います」
人間の常識?人間では無いってこと?まぁ、ファントムですら精霊って言っていたしな。
「降参です。お願いです。教えてください」
どうしても知りたいのか、アリスに頭を下げたアスナ。
「父様の年齢はうん千億年です」
「はぁい?」
固まる私達…理解の範疇から外れすぎだ…
「ちょっと…この星が出来て40数億年だよね?」
「そうですけど…父様はたくさんの星の誕生を見守る仕事をしていましたから」
「星の誕生を見守る?」
いやいや、たぶん皆付いていけない話になりつつある。でも、アスナだけは…
「そうです。知的生命体が生まれるまでの、40億年くらいを見守る仕事です」
「シュウさんって…」
「父様は、宇宙を統轄する絶対神です」
「か、み、さ、ま…」
「父様本人は否定して生きていますので、目の前で言わないでくださいね。凹みますから。どちらかと言うと、皆さんと対等な立場を望みますよ」
何?この人達…え~っと…
「皆さんとは、スクランブル指令が出るまで、行動を共にし、サポートしていきます。もう死ぬ苦しみは、僕達がいる限り与えませんよ」
「ねぇ、アリス君も神様なの?」
アスナは、どうでもいいことを質問している。そんなに気になるのか?浮気相手のことが…
「僕は違います。聖属性では無いですし。僕は闇の世界の王です。この世界では最強の部類になるので、僕はユイちゃんと同じ様にナビゲーション・ピクシー扱いで、イレギュラー事案以外、手を出せません」
闇の世界の王?
「え?ラスボス?」
「違いますよ。ラスボスになって、父様に殺されるのは嫌です」
苦笑いするアリス。
「で、チームメンバーを紹介します。拳士の羽川翼さんと神原駿河さん」
線の太い女性と線の細い女性を紹介された。
「剣士の戦場ヶ原ひたぎさんと川澄舞さん。魔法使い見習いの美坂香里さんと倉田佐祐理さん。妖術師の沢渡真琴さん、回復担当の月宮あゆさん、回復担当見習いの美坂栞さんです」
多すぎて、名前が覚えきれない…
「回復担当がいますから、怪我をしたら治せます。瀕死だと時間が掛かりますが、治せると思います。よろしくお願いします」
アリスとその配下の者達が頭を下げた。
「これだけいれば…戦力は充分かな…」
アスナ以外、話についていくのがやっとのようだ。
「あっ、そうそう、これを渡しておきます」
私以外、全員に何かが配られた。
「ファントムさんからAアダプタのプレゼントです。それぞれ専用ですから、取り替えないでくださいね♪」
って…私のは?
「アイズさんはいらないでしょ?ファントムさんを嫌いですよね?」
いや、それとこれとは…
「身分を偽って小学生で使うようなヤツには、渡せないってファントムさんが言ってましたよ」
あ~私の黒歴史をさらっと言いやがった~
「え?小学生で?あれって中学生以上だよね…身分証明書まで提出して、申請したもの…」
アスナが驚いたような目で、私を見ている。
「お前…ませガキすぎるだろ…」
エギルまで…
「ヒロさんと反りが合わない理由が分かったような…」
って、キリト…えぇ、ファントムとは反りが合わないわよ!
「父様からも伝言で、性的なストレスはそれで解放して、パーティー内で男女の諍いを起こさないでくださいって」
私のストレスは…あっ…あの駿河って女性、以前ナンパして来たような…私を舐めるように見ている。女性相手専門なのか…
「それでも足りない場合は、言ってください。ダメージの保証はできませんが、相手を紹介します♪」
いや、保証出来ないのは危険だよ~
「こないだの子だよね」
って、駿河が寄って来た。
「ふ~ん、コイツを調教していいのか」
ひたぎが寄って来た。えっ?調教って…アスナは?
「え?お前の相方か?あっちには手を出さない。シュウさんに調教されたくないからね」
って…アスナの立ち位置って…そういう位置なのか…私は二人に両腕を掴まれて、別室に…
◇
「なかなか、いやらし身体だな。少しの刺激でグショグショだよ」
あぁ…首に首輪を巻かれ、二人に調教されている。気持ち良い…貝合わせ…男相手では味わえない気持ち良さだ。ソレをして欲しくて、彼女達の言いなりにプレイをする私。
「舌使いは未熟だな。実戦経験が少ないのか?」
そうだよ…
「あの装置の中毒者だけあって、ここは責め甲斐があるよ」
貝を舐めたり、甘噛みしたり、吸ったり…枯れること無く、コンコンと湧き出る液体…
「すごいなぁ。もう意識が朦朧だろうに、まだ行けるのか…どんだけ好きなんだ?」
なんか酷い言い方をしている二人。でも正しい。好きだよ…性的刺激は…お兄ちゃんの次に…
そして、意識が遠くなっていく…
---アスナ---
アリス君に頼みごとをした。難しい顔をしているけど、了承してくれた。私は自分の部屋に戻り、待っていると待ち人が来てくれた。
「いいのか?彼氏としなさいよ」
って、私を諫めるシュウさん。
「あの…ですね…彼では物足りないって言うか…」
耳が熱い…キリト君は、こういう行為をあまりしない。ゲーム『アルフガン』でも、アダルトモードよりも戦闘が好きな部類だったし。なので、性的というか、女を愉しませるテクニックが未熟であった。
「で、僕で勉強をして、彼氏を調教か?」
まいったなぁって顔のシュウさん。
「私では不満ですか?」
「いや、不満ではない」
一瞬で全裸にされ、交わっていく私。
「もう、グジュグジュだよ。何を想像していたのかな?」
耳元で囁かれた。それだけの行為なのに、更にグジュグジュに…
「あっ…あ、あぁ~…舐めてください…啜ってください」
口の端からヨダレが流れていく。こんな短時間で乱れるとは…
「いい…もっと強く…うっ…もっと激しく…ゴクッ…」
口に溜まった唾液を一気に飲み込む。
「違った趣向を経験させてあげる」
って、身体が宙を舞っている。なんと、空中でプレイしている。夜風が肌を舐めて行く。それだけでも気持ち良い。私の身体は彼の肉棒だけで支えられている。彼が萎えたら、私は落下していくだろう。萎えないように、腰を振り、彼を悦ばせるように努力をする。乳首が固くなっていき、ツーンっと立っている。その先端を指の腹で刺激してくれる。それだけの刺激で乳房は張りつめて、血管が浮き出してきた。極度の興奮状態で、血流量が増加しているようだ。
「あ…いくぅ~…」
身体に電流が走った感じになり。身体の筋肉が弛緩していく。そんな私の身体を、優しく抱きしめてくれたシュウさん。そんな彼の背中には、月明かりに照らされた純白の翼が生えていた。
「綺麗…純白…」
「あっ、翼か。そうだ、今度洗ってくれる?自分では洗えないんだよ」
って、頷く私。そして、私の部屋に戻り、彼の翼に包まれて寝そべった。気持ちいい…羽毛の毛布って感じ。フカフカだよ。
「みんな、そうやって寝るから、汚れるのが早いんだ。普段は滝とか豪雨とかに打たれて汚れを流しているんだけど、コンディショナーとかで手入れをしたかったり」
はにかむ彼。
朝、目覚めると、彼はもういなかった。
---キリト---
今日はアスナの顔が晴れ晴れとしていた。Aアダプタの効果かな?
「何かいいことあった?」
「うん?何を言っているの?アリス君達が来てくれたでしょ?」
あぁ、そうだったね。信じられない話ばかりで、混乱したまま寝たから。
「キリト君は使ったの?」
「え?」
「はぁ~」
なぜ、溜息…
「キリト君以外と付き合う気は無いけど、女性の愉しませ方とか、研究する気は無いの?ただ、交わるだけだと猿と同じだよ、君は!」
あっ…それはそうかもしれない…アスナと一緒に居るだけで嬉しい僕。でも、それだけじゃダメなんだよね。もう一歩踏み出す勇気…VRなら出来たのに…
「じゃ、お兄ちゃん、私を練習台にして良いよ♪」
って、スグ…え?兄妹だよ…
「私はAアダプタで、お兄ちゃん攻略を研究しているし♪」
え…そんなモード…あっ、専用って言っていたのは、そういうこと?僕のAアダプタには、スグモードとアスナモードが入っているのか?
「キリト君、なんなら3人でする?」
アスナ…大胆な…
「そうだよ、お兄ちゃん。3人なら怖くないよ♪」
スグまで、そんな誘いを…あぁ、モンスター相手に戦う方が楽に思える僕であった。
少し経ってから起床したエギル、クラインの顔にも、昨日までの悲壮感は消えていた。エギルには奥様モード、クラインには彼女モードが入っていたそうで、彼女達との会話もできたそうだ。リズとシリカのには誰のモードが入っていたのだろうか?彼女達の顔もすっきりとしているし。
「ヒロさんも粋な事を…カミサンの意識とリンクさせてくれるなんて…俺も神の杖に行くよ。そこでカミサンもアバター化してもらい、神の杖のある街で、商売をしながら暮らしたい」
って、エギル。この世界専用のAアダプタには、ファントムさんに相談出来るモードも入っていたようだ。
神の杖にある酒池肉林で、救出した者達の生命維持装置をモニタリング、管理もしているそうだ。
「なんだよ、酒池肉林って、ハーレムじゃないのか…管制塔みたいなものらしい」
少し残念そうなクライン。しかし、やる気は昨日よりあるみたいだ。スグとアスナは違うやる気も出ているのが不安だけど。