---鬼門大樹---
この世界で感じた違和感を確かめる為、祖父の元へ。
「この世界がおかしいって?よく気づいたなぁ、大樹」
はぁ、祖父も気づいていた。
「たぶん、その違和感の原因が、僕達にとってのラスボスだよ」
違和感の原因?
「違う側面から考えてみろ。英雄になる為に必要な物は?」
「ラスボスですよね?」
「そうだ。で、そのラスボスがいない時は、どうすれば英雄になれるんだ?」
あぁ、ここって、平和な分、ラスボスが不在なのか?あっ!だから祖父ちゃんが…
「正解だ。そのラスボスの好みは?」
「女体ですよね?あっ!」
「まぁ、そんな感じだよ。でも原因はそこでは無い」
そこでは無い?はて?
「だって、僕は売られたケンカしか買わない。要するに攻めなきゃ、問題は無いんだよ。それだと英雄は育たないだろ?」
あぁ、攻めた時点で終わりますよね。全力で撃退するし。英雄って、男が多いし。
「その通りだ。故に僕がラスボスでは都合が悪いんだよ」
なんか、嫌な方向に向かいそうだ。
「それは祖父ちゃん以外のラスボスを用意しているってことですか?」
「うん、そういうことだよ。英雄の支援者達がねぇ。例えば、ヘルメスとか、ヘルメスとか、ヘルメスがねぇ」
黒幕はヘルメス様ですか…この世界、終わっていそうな気がする。
「ところがだ。問題が生じた。英雄になるはずのベルが、この街に辿り着いていないんだよ」
あぁ、そう言えば、見ていないし、噂を聞いてもいない。
「では、ベルはどこに行ったんでしょうか?」
「まさか、ラスボス化?」
「外れだ。介入時期が早すぎたんだよ」
そこか…問題は…
「なので、介入時期をずらす必要があるんだよ」
振り出しに戻るのか…
「正解です!」
◇
次の瞬間、僕はオラリオの街の外にいた。また、一からやり直しか…アイズさんに出逢えるかな?普通のクールビューティーなアイズさんがいいなぁ。
門を潜ると、知り合いが待っていた。
「大樹、久しぶりだな」
イッセーさんこと兵藤一誠さんとヴァーリさんのコンビである。
「お久しぶりです。ここにいらっしゃるってことは、入るべきファミリアは決定済みってことですか?」
「あぁ、ファルコンさん達も来ている」
連れて行かれたのは、アストレア・ファミリアであった。これって、介入時期が更に早まっているのでは?
「アストレア様、彼を眷属にして貰えますか?」
「えぇ、喜んで」
この街の女神様にしては、穏やかな女神様に見える。
「私が団長のアリーゼだ。で、彼女が副団長のリューだ。頼むぞ」
男勝りの女性アリーゼ。リューさんは僕の知っているリューさんより大人しそうである。
「後の団員は、俺達と、ファルコンさん、アイリスさん、フレイさん、ジムさんだよ」
なんか、最強な布陣な気がする。
---シュウ---
来る日も来る日も鍋を振っている気がする。
「シュウ、Aランチを2つ追加だ」
「ミア…遊びに行っていいか?」
「はぁ?稼ぎ時に何を言っているんだ?」
「ダメか…」
アストレア・ファミリアが無くならないシナリオを進んでいる。このシナリオの難点は、リューはシルに拾われないことだ。それに伴い、クロエ達もここに流れ着くことは無い。なので、僕が働き手になることにした。まぁ、クロエ、ルノアは、スカウトしてくればいいだろうな。
「シュウ!Aランチを5だ」
「はいよ~」
身分的には、ミアとフレイアには事情を話し、ウラノスの処に所属はしている。
「シュウ!Bランチを3だ」
「ミア、ランチの種類は1つにしようぜ」
「はぁ?選択肢があった方が、客が入るんだよ!!」
あぁ、面倒だ…
---鬼門大樹---
アリーゼさんとリューさんが潜る時、僕はポーター兼ヒーラーである。
「ヒーラーなのにガントレットかぁ~」
「自分の身を護るのは、最後は自分ですからね」
う~ん、目がリューさんに行ってしまう。
「なぁ、リューばかり見ずに、私の勇姿も見ろよな!」
スタイルはリューさんの方が好みです。って、魔物が現れた。ミノタンだ。ステーキ肉が群で襲って来た。
「大樹、頼む!」
数が多すぎたようで、僕も戦闘に参加した。脇に逃げたヤツらを光の矢で仕留めていく。で、戦闘が終われば、『強奪』でドロップ品と魔石を回収していく。
「大樹は便利だな」
「まぁ、何でも出来ないとね」
えぇ、下っ端ですから、何でも屋ですよね。
---シュウ---
黒猫と黒拳をスカウトし、ミアに引き渡した。ミアの素性を知っている為、大人しく従う二人。
「ナンパ師ですか?」
って、シルに言われた。
「スカウトだよ。あの二人に手は出していないよ」
「私に出しますか?」
あどけない顔の少女。背伸びしたい年頃かな?
「あと3年だな」
「むっ!子供扱いですか!」
「シル、本当に喰われるから、挑発をするな!」
って、ミア。
「喰われてもいいですよ、シュウになら」
「はぁ~、ミア。ちょっと出るわ」
「夜の稼ぎ時までに帰って来いよ!」
「努力する」
◇
奴隷商を見て回る。全然、減らないなぁ、奴隷は…って、一人の奴隷少女に目が釘付けである。なんで、ここにいるんだ?
「おい!彼女を買う」
「毎度」
首に金属の首輪をされ、全裸でオリの中にいる金髪の少女。
「まだ、出来る年齢では無いので、調教はしてないぜ。まぁ、見るだけとか、調教の練習用だ」
金を払い、少女をオリから解放した。僕を怖がる少女。優しく抱き締め、頭を優しく撫でて上げた。あの時のように…
「あ…」
少女の目から涙が零れていく。奴隷商で、彼女に合う服を買い、首輪を外し、部屋に持ち帰った。部屋は豊饒の女主人の3階である。
「こんな幼い少女が売っていたのか…」
ミアに渡そうとすると、俺に抱き付き離れない少女。
「シュウ…今日は仕事しないでいいよ。その子の傍にいてやれ」
「ちょっと、この子を風呂に入れてくるよ」
「あぁ、わかった」
少女を抱いて、アストレア・ファミリアのホームに向かった。
---鬼門大樹---
なんで、彼女が奴隷に…ショックである。憧れていた少女は奴隷に身を落としていた。
「ヴァーリ、大樹のフォローを頼む。アイリスは、この少女を風呂に入れて欲しい」
「「了解!」」
僕はヴァーリさんと部屋に入った。
「どうして…」
「何かが遭ったんだろうね。たぶん、団長もショックだと思う」
「こんなケースって、今まで、有りましたか?」
「遭遇したことは無い。アストレア・ファミリアが存続する弊害なのかも」
その場合、リューさんは冒険者を引退しない、アリーゼさんは死なない。その副作用がこれなのか?どうして?
「彼女は強くなる。今まで以上にね」
「そうか…リューさんもシルさんも、今まで以上に強くなるから、彼女もそういう環境で育つ為に…」
「なるほど…一理あるわね」
そうなると、あの姉妹もか?僕の予感は的中し、あの姉妹も祖父が買ってきた。
三人の少女達が祖父に纏わり付いている。でも嫌な顔をしない祖父。ロリコンなのか?
「違うって」
違うらしい。
「どうするかな。ヴァーリ、お前が育てるか?母親体験も悪くないだろ?」
「イヤ、シュウの傍にいる」
「私も」
「私だって!」
困った顔になる祖父。
「今更、母親の経験はいりません。実子が立派なのに…」
えっ、ヴァーリさんって子供がいるの?クールビュティー系で憧れていたのだが。
「大樹、ヴァーリとするなよ!近親相姦になるからな」
うん?今、祖父は重大なことをサラッと言わなかったか?
「どういう意味?」
「なんの話だ?」
おとぼけか?
「近親相姦ってどういう意味だよ!」
「お前、そんなことも理解出来ないのか?」
「まるで、ヴァーリさんが、僕の母親みたいなことを言わないでよ」
「うん?お前に言わなかったっけ?」
「何を?」
なんか、地雷を踏んだ気分だ。
「お前はイッセーとヴァーリの間で受精したんだぞ」
「はぁ?」
「あぁ、僕は用を想い出したから、帰るねぇ」
少女3名と共に転移していった祖父。おい…聞いていないぞ!
「あぁ、伝えてなかったのね。大樹の視線が妙だったから、薄々そうじゃないかと思っていたけど…」
って、ヴァーリさん。いや、母さん?
「大樹、今更両親ぶるつもりは無い。今まで通りでいいぞ」
って、イッセーさん。いや、父さんになるのか…
---シュウ---
そう言えば、大樹に伝えてなかったなぁ。ヴァーリ達には伝えたから、安心仕切っていたよ。と、自分の部屋に逃げ帰った。
「ねぇ、今日は剣の鍛錬はしないの?」
アイズに訊かれた。
「いや、もうすぐ仕事の時間だ。そうだな、明日の朝にするか」
アイズ、ティオネ、ティオナはウェイトレス衣装に着替えていく。シルの配下でウェイトレス見習い3人組である。この3人を狩った奴らは、事情を訊いた後、始末した。
アマゾネス姉妹は偶然だったが、アイズにはヘルメスの影が蠢いていた。なので、フレイヤ・ファミリアに入団させてある。これで、ヘルメスでも迂闊に手は出せないだろう。
ベート、レフィーヤはロキの処に入ったようだ。
「シュウ、聞いている?」
「いや、聞いていないよ」
シルがなんか話していたようだ。
「どこの女を妄想していたの?いい?私達4人を花嫁にしなさいね!」
はぁ?なんで?
「出来ない女とはしない」
「だから、出来る年齢になったらよ。今、決断はしなくてもいいのよ」
シルは僕には素で接してくる。営業用スマイルと言葉遣いが魅力なのに、僕には一切向けてこない。
「出来る女だと、誰がいるの?」
「うーん…フレイヤとイシュタルとフレイヤくらいかな」
「ふーん、あの女神かぁ。なら、問題は無いわね」
決めつけられても…まぁ、最悪、同化吸収して撤退かな。って、言うか3人娘をお風呂に入れているので、この3人の裸に欲情しないんですが…
4人がフロアに降りていった。俺も厨房に行かないと、ミアが叫びそうだな。
---鬼門大樹---
サプライズ過ぎるサプライズ…イッセーさんとヴァーリさんが…
「この歳になるまで、お前気づかなかったのか?」
アリーゼさんが唖然としている。頷く僕。
「さすが鬼畜な祖父だな。あのドロップアウトは無いよな」
あれは無いだろう…あれは…イッセーさんとヴァーリさんが苦笑いしている。
「俺達は知っていたんだよ。お前が産まれた時に、出産祝いを貰ったから」
って…なんで、僕には言わないんだ?大事なことだろ?3回ほど復唱しても良いくらいだ。
「ファルコンさん達も知っていたんですか?」
「あぁ、たぶん、知らなかったのは大樹だけで無いか?」
鬼…あの祖父は鬼すぎる…
「まぁ、実質、お前の父親は団長だよ。そこまで、育てたのは団長なんだし」
「私なんか、大樹を出産した後で、実の娘だったって、言われたのよ」
って、ヴァーリさん。それは、僕以上にショックだっただろう。
「まぁ、私の場合は、団長に負い目があったから、問題は少ないけどね」
ヴァーリさん…今更、母さんって言いにくいし、ヴァーリさん呼びするけど、祖父の娘さんの魂を貰い、生き延びたそうだ。僕の知らない叔母さんの魂ってことだ。
『私はヴァーリと共にいるわよ、大樹。初めまして、ガイラ・グレモリー・鬼門です。よろしくね』
脳裏に、ガイラさんの姿と声が再生された。
「よろしくお願いします」
「じゃ、あの鬼畜の3世代が、この世界にいるってこと?」
アリーゼさんの言葉に頷く僕達。
「ヴァーリは鬼畜の能力は受け継いでいないの?」
「いません。隔世遺伝で、大樹が受け継いでします」
受け継いだのは、僕だけらしい。なので、ヨハネ姓が僕の正式なファミリーネームらしい。
「それよりも、奴隷商人の動きが活発化していますよね」
って、アイリスさん。
「そうなのよね。取り締まりを強化しすぎると、取り締まった団員が奴隷にされるらしいし、面倒な事案よね」
たぶん、取り締まるのでは無く、根絶するのが一番なのだろう。
---シュウ---
年寄り扱いされているが、まだまだ若い女体。僕的には刺しているだけで気持ちが良いのだが、彼女の行為は激しい。普段の姿から想像が出来ないくらいである。
「もっと、力強く…突いて…お願い…」
ファミリア内のストレスからか、強めの刺激がお好きなようだ。
「シュウ…もっと…」
「腰が抜けるぞ、リヴェリア。程々にしろよ」
「だけど…たまにしか会えないし…」
僕の上で跳ねている高貴なハイエルフ様。とは言うが、僕は交わることが好きなのでなく、拷問とか陵辱が好きなだけなのだ。エムの女体は、手応えが無いのが欠点か?
行為が終わり、二人でシャワーを浴び、別々に連れ込み宿を出て行く。ここはイシュタルの宿のVIPルームである。連れ込み宿から出たことを分からなくする為、出入り口が、歓楽街から離れた場所にあったりする。
リヴェリアからの情報。近々、ロキ・ファミリアが潜るらしい。いない間の警戒を強めるかな。