※この作品はR-18です。

神器なき男4   作:もっち~!

28 / 48
この章のクロス作品
・最強の魔導士。ひざに矢をうけてしまったので田舎の衛兵になる
・ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。
・魔王様、リトライ!
・ありふれた職業で世界最強



田舎の衛兵
転移から始まる異世界生活


王子の部屋にはワナがあった。僕は異世界へ強制転移させられてしまったようだ。あの世界の賢者は、戦わずに排除の道を選んだようだ。愚かなことを…

 

で、ここはどこ状態である。爺ちゃんと念話が出来無い。経験上、時間軸を飛ばされたのだろう。探査した座標点からすると、第11宇宙のようだった。う~ん、ここに来ているチームはなかったはずだ。そうなると、見つかるまで、時間がかかりそうだな。

 

異世界に飛んで右も左も分からない場合は、冒険者ギルドを見つけて、冒険者登録するのが一番である。

 

◇

 

勇者パーティーに参加して、飛ばされた世界で、最強の魔神王と戦っていた。飛ばされてから数年が経つが、未だに僕は祖父ちゃん達に発見されていない。もしかすると、全員、散り散りに強制転移させられたのかもしれない。

 

異次元から攻め込んで来た魔神王を、異次元ゲート前で迎え撃っている。既に魔神王には、深手の傷を負わせているので、攻撃が小康状態になりつつある。だが、いつ復活するのかは、未定であるため、臨戦態勢を崩すこと無く、ザコを蹴散らしている。

 

「これでやっと帰れる。子供の誕生には間に合わなかったけどな」

 

勇者エリックの顔に笑みが浮かぶ。戦闘が終了していないのに、その態度は何かのフラグが立つ気がするんだけど…ちなみに、勇者の嫁は、このパーティーの元ヒーラーである。彼女はパーティーを出来ちゃった脱退し、今は僕がヒーラー兼盗賊をしているのだ。

 

現在のパーティーメンバーは、勇者エリック、戦士ゴラン、そしてヒーラー兼盗賊の僕の男3匹である。

 

「うちの子供もきっと大きくなっているんだろうな。俺の顔も忘れられているかもしれん」

 

戦士ゴランが苦笑いしながら呟いている。それって、フラグが立つと思う。勇者エリックが魔神王を異次元ゲートの中に押し込みと、ゲートが閉じていく。

 

「さて、そろそろ帰るか。この辛気臭い戦場ともおさらばだな」

 

まだ、とどめを刺していないぞ。僕だけ、臨戦態勢を解かない。二人が帰り支度を始めた途端、異次元ゲートが再度開き、無数の敵の気配を感じた。フラグは確実に立っていたようだ。

 

「まだ、戦うのか?勝負は着いただろうに」

 

呆然としている勇者。そんな彼に向かって僕は叫んだ。

 

「ここは僕に任せて先に行け!」

 

叫ぶと同時に瞬動術を使い、ゲートへと近づく。

 

「何を言うか、お前だけを残していけるかよ!」

 

ゲートに手を掛け、二人に言葉を投げた。

 

「僕には待ち人はいない。だから、心配する者はいないよ。じゃあな~」

 

僕の言葉に固まる二人。そんな彼らに背を向けて、僕は異次元ゲートを閉じた。一人になった僕は、きっと邪悪な顔付きになったかもしれない。彼らには見せられない僕の本来の戦闘スタイル。一人になれたことで、本来の戦い方が出来る。1000匹程度の魔族を、ほぼ瞬殺で殲滅をした。祖父ちゃんの騎士団の鍛錬の方が数段きつい程度の敵の戦力…

 

殲滅した直後、

 

『大樹、みっけ!』

 

漸く念話が届いた。異次元ゲートの通路部分は、次元の狭間である場合が多く、そこは祖父ちゃん配下の次元管理局が管理しているのだった。

 

『団長も飛ばされているから、もうしばらく、その世界にいてください』

 

やはり、祖父ちゃんも強制転移で排除されたようだった。まぁ、居場所をマークしてくれたので、心配せずに異世界ライフを楽しんで、救援を待つ事にする。あがいても、僕の力だけでは、現状脱出は難しいから。

 

◇

 

地上に戻ると、あの戦いから10年も経過していた。冒険者ギルドで新規登録して、新人冒険者として、クエストをこなしていく日々。真面目にクエストをこなしていくと、また勇者パーティーに配属されてしまったようだ。

 

今回の勇者パーティーは僕以外、みな女性であった。勇者クルスは15歳であるが、剣技もさることながら、運が異常に高い。それは、アクセルの街の冒険者カズマさん以上で、カンを頼りに、危なげない戦いを信条としている。だが、今回のラスボスである魔王により、怪我を負ってしまい、ヒーラーであるユリーナが治療中である。ユリーナのヒール能力は高い。その上クルスの回復スピードはチート並である。

 

そんな二人をガードしている僕と戦士のルカ。一人であったならば、僕一人で瞬殺出来る程度の相手であるが、この世界では勇者以外の者では、魔王は倒せないって思われているので、チートな僕は手を出せない。

 

「クルス、まだ?」

 

「大樹、大丈夫だよ~」

 

立ち上がるクルス。心配そうにユリーナがクルスを見つめている。まだ治療の途中のようだ。

 

「貴様だけは許さぬ!」

 

魔王は僕に狙いを定めたようで、右手から数十本の魔法の矢を飛ばしてきた。当たると痛そうだ。矢を交わしながら、瞬動術で魔王に駆け寄り、魔王と次元の狭間へ転移した。転移したことがバレないように、僕と魔王が爆死したエフェクト残像を残して。もう我慢の限界だった。こんなヤツ相手に痛い思いはしたくないから。次元の狭間に転移した頃には、魔王はミイラ化していた。スキルのドレインタッチで、魔王の総てをドレインしたからだ。

 

そんなミイラ化した魔王を粉々にしてから、地上へと転移した。また新人冒険者として、クエスト三昧だな。ワクワクしながら、冒険者ギルドへと向かう。新人冒険者のクエストが一番楽しいのだ。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。