セーラ達の待つ湖の畔へと向かう。あの女体像との会話は、セーラ、莉愛へも念話で転送してある。
『天使を邪神クラスにするって、余程むごい願いばかりをしたんですね』
って、セーラ。
『あぁ、そうだと思う。意外に天使ってタフで腹黒いもんだが、その心を折るって、この世界の人間は要注意し、観察をしていこう。で、あのアクって子はどうだ?』
この世界での鍵になりそうな存在である。出会いが意図的に感じるし。どっちサイドの者だろうか?
『片目が碧眼なのが気になります』
と、セーラ。魂の色は透明だしなぁ。普通の人間では無い気する。
「アク、祠を見つけたんだけど、あの祠は?」
セーラ達と合流して、アクに祠のことを訊いてみた。
「たぶん…願いの祠だと思います。そこで、座天使様に願いをすれば、叶うと言われています」
あの女体像は座天使なのか。そうなると悪魔を倒したのは智天使で、封印していたのは座天使か?長きに渡って、ロクでも無い願いを叶えすぎて、灰色になった為、封印する力が弱まったのだろうか。
「父様、今夜はどうしますか?」
セーラに訊かれた。
「あぁ、この近くに街とかあるかな?」
アクに訊いてみた。
「街だとヤホーの街がありますが、馬車で1日くらいです。僕の住んでいた村なら近くですけど…」
アクを生け贄に出した村かぁ。ロクでも無い人間揃いか?
「って、アクはどうするんだ?」
「一緒に旅をしたいです。村に戻りたくないです」
戻しても、ロクな目に遭わないだろうな。逃げてきた生け贄なんて、災厄の元だし。
「そうなると、野営は無理だな。どうするかな…」
『援軍を送ります』
ナヴィから念話が届いた。見つけてくれたみたいだ。目の前に転移陣が浮き上がり、馬車が現れた。
「探しましたよ」
御者台からヒナタとミトが降りて来て、馬車からはリアスが出てきた。このリアスは、セーラの専属メイドであるヒーラーリアスのようだ。
「セーラ様、大丈夫ですか?」
「リアス、様付けはしなくていいのよ。立場は対等だからね」
口調はきつめではあるが、優しくリアスを抱き締めるセーラ。
「ミト、この馬車は、別荘行きのドア付きか?」
「勿論だよ。シュウがやらかさないように、最善な仕様さ」
別荘とは次元の狭間にある僕の別荘のことである。異世界同士を繋ぐ通路になっている次元の狭間。そこにあれば、どこに飛ばされても利用出来る優れものである。温泉や僕の寝室がある為、主に連れ込み宿としての用途で利用する。
ミトは僕の屍姦専用の女体である。元勇者だけあってタフである。一方ヒナタも元勇者ではあるが、ミトほどのタフさは無いのが難点ではある。
「あのさぁ~、屍姦出来るかどうかで、タフさを語らないでくれるかな?」
ミトは僕に対して何でも言える間柄である。屍姦オーケーのエム体質だからだろうか?
「エムじゃないよ。これでもエスだと思っているんだからね」
はいはい…
◇
御者を元勇者コンビにまかせて、僕達は別荘へ向かった。
「馬車の中に大地があって…すごいです。奇跡みたいです」
アクが周囲を観察している。走り回りたいだろうに…。
「アク、ちょっとおいで」
「はい」
僕の傍に近寄って来たアク。彼女は右足を傷めていて、引き摺る様に歩いていた。
「右足を見せてみな」
「えっ…」
恥ずかそうに、僕へ右足を見せるアク。そんなアクの右足に手を翳し、『回復コンポ』を発動した。淡い緑色の光を纏い、しばらくすると光が霧散していった。
「その辺を走ってみな」
恐る恐る立ち上がり、足の感覚を確かめるアク。そして、一歩ずつ、足を交互に前へと踏み出して行った。
「スゴイです。痛くないです。シュウ様は天使様ですか?」
「あぁ、半分はなぁ」
元ハーフ天使であるから、間違いでは無い。
「そうなると、天使様の娘様が魔王様ですか?」
養女とは言え莉愛は娘で間違い無い。
「そういうことになるかな」
「父様、混乱するから、否定してあげるのも親切ですよ」
セーラが苦笑いしている。普通、天使から魔王は産まれ無い。
セーラ達にアクの面倒を頼み、一人馬車へ戻った。
「この先の展開はどうするの?」
ミトに訊かれた。
「呼ばれた理由が今一つ分からないんだよ。今回の相手は、面識がまるでないし」
魔王召喚だと言うが、なんで莉愛なんだ?もっと魔王らしいヤツがあの場にはいたはずだ。ミリムとかクルムとか、アインズもいたしなぁ。
「片隅に残った良心で、最強天使を呼んだのかもしれませんよ」
と、ヒナタ。ハーフではあるが、最凶な天使であるか。
「魔王信奉者を撃退すれば、帰れるのかな?それよりも、大樹は無事か?」
「ラファエルがナヴィに救援を呼んだそうだよ。あの軍師様は、最強の魔王コンビを指名したって」
ミトの頬がピクついている。それは、一歩間違えると、殲滅するのではないのか?ラファエルというのは、大樹の魂に寄り添う人工知能生命体のことであり、大樹の軍師と呼べる存在であるのだ。
「ラファエルが言うには、あのコンビの暴走を止められるのは大樹だけだってよ」
まぁ、あの二人は大樹に懐いていると思う。ここに来られても、僕のストレスのはけ口にはならないし、良い人選なのかな?あっ!そうなると、大樹の元へ遊びに行けるのか。転移の原因は莉愛だとすると…
「あまり、動かないようにしてくださいね。副団長は未だに行方不明なんですから」
ヒナタからの報告…ヤマトが行方不明?アイツも強制転移させられたのか?そうだとすると、闇属性狙いか?僕、大樹、ヤマトに共通する項目は、闇属性にして闇の世界の住人であることだ。種族的には共通項は少ないけど。
召喚にせよ転移にせよ、呼ばれた理由が問題だな。
エロパートはまだ先です(^^;
予定としては、ホワイト、クィーン、シア、ユリーナ辺りかな。