オラリオの朝は早い。ベル先輩と共に起床し、豊饒の女主人で弁当を買い、ダンジョンへと向かう毎日。この町の戦闘レベルは低そうだ。いや、今までの鍛錬がハードだったのかも知れない。
「大樹、すごいなぁ」
って、ベル先輩に褒められた。一人で、ゴブリンの群れを屠れたからだ。ナイフの二刀流…ゴブリン相手には丁度良い。ミノタウロスにははぐれメタルの剣が丁度良いみたいだ。
「おぉ、大樹じゃねぇか」
ベートさんと出会った。町で知り合い、意気投合した僕の兄貴的存在である。
「ベートさん、おはようございます」
「なぁ、18階まで行かないか?」
「一緒に行っていいんですか?」
「あぁ、弟分を育てるのはアニキ分の務めだよ」
「おい!他の子供を連れて行くのか?」
緑髪のハイエルフのリヴェリアさんがベートさんに苦言を伝えた。この世界の方々とは初対面だったけど、祖父のチームメンバーである並行世界の皆さんとは顔馴染むであり、地雷を踏まないようにしていたり。
「俺がメンドーをみる。それならいいだろ、なぁ、ババァ」
ベートさんはリヴェリアさんをババァ呼びする。まだ20代前半なのに…
「珍しいなぁ、お前が他の子供達の面倒をみるとは」
「俺の弟分だからな。それにコイツ、強ぇんだよ」
ベートさんには、イレギュラーのミノタンの倒すところを目撃されたことがあった。ベル先輩がヤバかったので、殲滅剣で一刀両断していた。殲滅剣で斬れない物は無い。そもそも斬るのではなく、存在をロストさせると言うか。チートな能力である。だけど、効かない相手もいる。祖父とか魔王リアスさんなど、僕よりも遥にレベルが上の戦士には、刃が立たないのだった。
「大樹、18階で初体験をさせてやる」
「なんですか?」
「女風呂の覗きだよ」
「おい!狂犬!子供に変なことを経験させるなよ」
黒髪のアマゾネスのティオナさんが、文句と言っているようだ。
「女風呂の覗きって、変なことなの?」
ティオナさんに訊いた。
「変なことだ。男は男風呂に入るんだよ」
「大丈夫だ。お前みたいな平板は見せねぇよ」
「狂犬…気にしていることを言うな!」
うん?何か来る。ベル先輩に合図を送った。得物を手にした僕達。
「何か来るのか?」
リヴェリアさんに訊かれ、コクリと頷いた僕。突然、壁から出た来た魔物に対し、瞬動術で懐に入り、初撃を与えた。
『サンダーボルト!』
ベル先輩が、僕の傷つけた箇所に雷撃を喰らわす。
二撃目、はぐれメタルの剣に持ち替え、鞭モードで傷口へ叩き込み、インパクトの瞬間に刃をのこぎり状にして、引いた。更に傷が抉れていく。もう少しか?
ベル先輩が、更に傷口を抉り、二人だけで、魔物を倒した。
「スゴい…連携プレイで、ゴライアスを倒したのか…」
銀髪の少女…剣姫アイズさんが呟いた。
「なぁ、言った通りだろ?コイツら、強ぇんだよ」
鼻高々なベートさん。
◇
初めて訪れた18階…町があった。洞窟内に町とは…
「宿は俺と同室だ」
って、ベートさんに連れて行かれる筈だったのだが…
「この子、貰うよ」
って、アイズさんに抱き締められていた。なんで?アイズさんって、ベル先輩狙いで無いの?
「どうしたんだ、アイズ」
「私の弟にする!」
「「はぁ?」」
「ベートにはベル君をあげる。一人で二人も弟なんて、ズルい」
「いや、弟では無く、弟分なんだが…」
ベートさんが動揺している。
「ベートに二人も面倒なんか見られないでしょ?だから、私が面倒みるの!」
頑固そうだ。
「おい、アイズ…落ち着けよ」
ティオナさんが間に入って、宥めている。が、僕はアイズさんにお持ち帰りされた。何故?アイズさんの部屋へ連れ込まれた僕。ティオナさんが同室のようだ。
「アイズ…どうしたんだ?」
心配そうに話し掛けるティオナさん。
「私はもっと上を目指したい。彼の強さの秘密を知りたいの」
僕の秘密?種族特性だろうな。祖父譲りのイレギュラー種族だし、知られた時点で、この世界での鍛錬は終わりを告げる、知られてはいけない秘密である。知られれば、僕はラスボス認定を受けてしまう可能性が大である。
「ねぇ、どこで鍛錬をして来たの?」
真剣な眼差しで見つめられて、問い詰められている。だけど、言えない。この世界では無い戦士養成学校だなんて…
「祖父に稽古つけてもらいました」
あながち嘘では無い。あの学校へ祖父に入学させられたし。
「大樹の祖父って、強いの?」
「強いですよ。勝てそうにないもの」
祖父に勝てる者って…いるのか?ラスボスをチンケな存在と言い切る祖父に…
「どこに行けば逢えるの?弟子入りしたい」
「どこにいるんでしょうね。風来坊だから…」
「武者修行しているのか?」
頷く僕。
「で、大樹の能力は何?」
まだ、訊いてくるのか…
「能力ですか?特には無いですよ」
「無い?そんなはずは無い」
ティオナさんは助け舟を出してくれそうもない。どうするかな?
《解 調教してしまいましょう》
ラファエルさんが、恐ろしい提案をしてきた。テクニックないのに…女体を知らないのに…
《告 いい機会です。女体を楽しんでください》
試す…どうする。脳裏にある呪文が浮かび、僕は禁断のエロ系スキルを発動した。
『対女性3連コンポ』
ティオナさん、アイズさんは『脱衣』され、『緊縛』され、『催淫』された。スゴい、一瞬で制圧しているし。蠢き、喘ぐ二人。この後、どうするんだ?
《解 まず胸の感触を確かめ、股間を研究し、最後に交わってみてください》
ラファエルさんからの指示を実行する。胸…柔らかい…肌もスベスベで、乳首が僕より大きいのは何故?
《解 咥える為です》
そうなのか。口で咥えて、舌で感触を確かめる。う~ん、徐々に固くなっていく乳首。僕のは自分では分からないので、ティオナさんに舐めて貰った。う~ん、大きくならない。
次に股間の研究。割れ目があり、中に穴がある。この穴は何?
《解 大樹の股間の竿を入れる穴です》
おぉ~、そうなのか。うん?割れ目の上部に乳首みたいなのがある。舐めて見た
「あぁぁぁぁ~」
腰がうごいているアイズさん。そして、小粒だったアレは、徐々に大きくなっていく。これが女体の神秘かぁ。そして、アイズさんと交わった。暖かい。アイズさんの腰の動きで生じた刺激で、僕の竿は大きくなっていく。すると、包み込まれるような刺激が感じられる様になった。更に大きく太くなる竿。
「あぁぁぁぁ…あっ!」
アイズさんの動きが止まった。彼女の全身の筋肉が緩み、顔は幸せそうに見える。アイズさんがから離れた。
「大樹…お願いだ。私にも…」
涙で瞳が潤んだティオナさん。アイズさんにしたことを、復習するように、してみた。その結果ティオナさんも幸せそうな表情で、果てて居る。
《告 誰かが来るとマズいです。元の姿に戻してください》
脳裏に浮かんだ『緊縛解放』『催淫解放』『着衣』を発動した。これでいいのかな?あぁ、僕も『着衣』しないと…
◇
宿の中庭で素振りをする。
「熱心だな」
フィンさんに声を掛けられた。
「えぇ、素振りを怠ると、咄嗟の時に動けませんから」
色々な体勢から、目がけた箇所へ、刃面を撃ち込む素振りである。短剣の場合、如何に相手の動きを封じ込めるかが勝負である。
「レベルはどのくらいなんだ?」
「レベルって?ベル先輩はレベル2だっけ…僕はわかりません」
「わからない?どうしてだ?」
「神様も初めてだって…表示が出ないそうです」
実際は、この地にいる神様よりも、僕の方が階位が上らしく、恩恵を受け付けない為らしい。ラファエルさんが言っていた。
「出ないだって…俺と勝負してくれないか?」
「いやです。殺したく無いから…」
たぶん、死んでしまう。いや、勝負って、相手を殺すまで行うはずだし。
「俺を殺す?自信過剰だな。これでも、俺はレベル6だよ」
槍を手にしたフィンさん。無力化させればいいのかな?槍の刃先へ雷撃を放ち、感電させて意識を狩り取った。これでいいか。素振りを再開する。
---フィン---
有り得ない。この俺が意識を一瞬で狩り取られた。大樹の動きが目で追えていないのか、どうやって、狩られたのかもわからない。意識が戻ると、地面に伏せていて、その脇で大樹は素振りを続けていた。こいつ…何者だ?レベルは俺と同等か、ソレ以上のはずだ。
「なんだ、ここにいたの、大樹」
ベートとベルがやって来た。
「アイズ達は?」
「あぁ、部屋で寝ていますよ」
寝ている?違う…意識を狩り取られたんだ。アイズ達の部屋へ向かうと、床に崩れるように倒れていたアイズとティオナ。
「おい!大丈夫か?」
「あれ?フィン…大樹は?」
「中庭で素振りをしているぞ。それより、お前達、どうしたんだ?」
考え込むアイズ。知らない間に意識を狩られたのだろう。ティオナは真っ赤な顔で俯いている。何か嬉しそうにも見えるけど…
「そうか、中庭か。弟君の素振りを見てくるか」
ティオナは立ち上がり、部屋を出て行った。
「どうして、倒れていたのかな?」
アイズは呆気に取られていた。
---代羽大樹---
ゴライアスって魔物のドロップ品を、ベートさんとベル先輩が売ってきてくれた。
「え?こんなに高く売れたの?」
「あぁ、そうだよ。これでガントレットが買えるな」
ヘファイストス商会で売っているガントレットが欲しいのだ。ナイフを収納出来るので、ナックルとナイフとの切り替えに便利なので。
「先輩は何を買うんですか?」
「もう一段良いナイフかな?」
先輩の得物はナイフ2振りであるが、1振りはヘスティアナイフと言う1点モノで、もう1振りは安物であった。
「で、女湯の覗きは?」
「もっと良い遊びをしてきたよ。なぁ、ベル」
先輩の顔が真っ赤になっていく。どうしたんだ?
「湯屋に行って、ベルに経験を積ませたんだよ」
「おい!狂犬よ、大樹は連れて行くなよ!」
って、ティオナさん。
「はぁ?」
「私とアイズの弟を、そんな場所に連れて行くなと行っているんだ」
湯屋ってなんだ?
《解 お金を払って、女性と交わる為の施設です。女性に縁の無い者達の憩いの場ですよ》
なるほど。僕には必要はないんだな。って、背中にティオナさんが抱き付き、ベートさんを牽制しているようだ。
「何を揉めているんだ?」
リヴェリアさんがやって来た。飯の時間だぞ!
どんな料理が出るんだ?
---リヴェリア---
食事の後の幹部会。私とフィン、ティオネが部屋に集まった。
「アイズとティオナとベートは?」
「弟争奪戦だって言ってましたよ」
って、ティオネ。う~ん…
「大樹は何者なんだ?」
フィンが呟くように言った。
「何か、遭ったのか?」
「大樹と勝負をしたんだが、気づいた時には意識を狩り取られていた」
「団長になんてことをするんだ、あのガキ!」
「ティオネ、怒るな。俺の方から申し込んだだよ。大樹の実力が知りたくて…」
フィンを倒したのか…レベル6の歴戦の猛者だぞ…
「フィンはどう思うのだ?」
「俺のレベルより上だ…アイズとティオナも、知らないうちに意識を狩られていた」
「何?」
アイズが付け入る隙を見せるとは思えない。
「まぁ、敵では無いのが救いではある。アイズ達がしつこかったのだろう。大樹は中庭で素振りをしていたよ」
それは私も確認している。何者だ…レベル2のベルを先輩呼びしているし。
「大樹に訊いたら、ヘスティア様がレベルを確認できなかったそうだ」
それは…考えられるのは…ヘスティア様よりも階位が上の存在である可能性だ。
「大樹の両親は、何者だ?」
「リヴェリアは何かに気づいたのか?」
「可能性の1つだよ」
幹部会を終え、風呂へ行くと、大樹がいた。何故、女湯に大樹が…
「ティオナ、男子を女湯に連れ込むなよ!」
ティオネが噛みついた。
「私じゃ無いよ。アイズだって…身体の洗いっこをするって…」
「あぁ、僕、出ます」
「出なくてもいいのよ。私の弟なんだからね」
って、アイズが抱きついている。異性にあんな態度を取るなんて…何があったんだ?まさか、魅了持ちか?
「リヴェリア、大樹は改宗出来ないのかな?」
改宗?それは、同じ部屋で寝るつもりでは無いのか?
「アイズさん、まだ3ヶ月だよ。改宗はまだ出来ないんだよ」
「そうか…私が改宗すれば…」
「待て!アイズ…落ち着け。客人として、たまに連れ込むのは、許してやる」
最大限の譲歩を知らせた。アイズに改宗されるのは、まずいからだ。
服を脱ぎ、洗い場で身体を洗い、湯船へ…大樹の傍に入った。
「大樹の両親は何者だ?」
「僕の両親?戦士だけど…」
戦士…そんなはずは無い…神は戦士になんかならない。
「祖父だけでなく両親も戦士なの?」
祖父も戦士なのか?
「うん、祖父に鍛え上げられたそうだよ。この前、初めて会ったよ」
初めて会った?離れて暮らしていたのか?どうして?
「じゃ、誰に育てられたんだ?」
ティオナが訊いてくれた。
「祖父に恩義がある方だよ。後、祖父の配下の人達だ」
配下?
「大樹の祖父は、団長なのか?」
「騎士団の団長だよ」
騎士団?まさか、ラキアか?この辺りで騎士団がいる勢力だと…
「なんて言うどこの騎士団だ?」
「祖父の姉の組織の騎士団です」
祖父の姉?ラキアでは無いのか?
「アイズさん、のぼせちゃうよ~」
「そうだね。出ようか」
アイズと大樹、そしてティオナが湯船から出て、脱衣所へと消えた。騎士団…どこの騎士団だ?