※この作品はR-18です。

346プロダクション、性欲処理課   作:日々是性欲

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評価感想ありがとうございます。
(1/2:ニュージェネ三人の描写を追加)




第二話、明るい短髪少女

「んんっ! も、もう少し、はあっ、あぐっ! お、抑えてくれっ……んんッ!? 駄目だ、それ、は、ダメだとっ……うぐっ」

 

 必死に喘ぎ声を抑える女が口元に手を当てるも、止まらない男が腰を動かして一突きする度に、嬉しさを隠しきれない女の嬌声が漏れる。

 止めようとする言葉とは裏腹に、男のピストン運動に合わせるように、女も腰を振っている。

 

「あっ、うっ、うっ……嫌っ、それは……おっ、おっ、おほっ……っ! お、おかしくなってしまっ、ううっ、んあっ、止めっ……うっ」

 

 男が腰を打ち付ける途中で、円を描くように「の」の字を描いた。性器と性器が擦れ合う刺激の波の中で、突然、不意に与えられた、膣内を掻き乱し押し広げようとする感覚。ゴリっ、ゴリっ、グリっ……壁を突き破るような硬い肉棒の感触に、女の口からは下品な喘ぎ声が吐き出すように漏れる。

 十数回に一度、前後運動の間に挟まれるその動きで、美城専務の意識は肉欲……女としての悦びに侵食されていく。高圧的な印象を与え、交渉を優位に進めるための口調は、快楽に溺れる、甘えた女に変わる。引き締まった頑強な足腰も、言うことを聞かず、力が抜け震えていた。

 男が腰を動かす度、股……下腹から背筋、頭まで突き抜ける快楽は身体から自由を奪い、目の前の男にもたれ掛かるので精一杯になる。殆ど、背中に回された男の腕の力だけで立っている状態だった。

 

「はぁっ、あっ、私……わたし、ああっ、変、ああっ、ヘン、になる……っ! もっとっ、オカシクしてっ……!」

 

 美城専務……女の声の、望みに応えるように男は強く、勢いよく腰を動かし続ける。崩れ落ちそうになる女を、下から突き上げるようにして支える。膣の奥、行き止まりのように肉棒の侵入を防いでいた口は、女の全体重が乗った突き込みに陥落し、本能の欲するまま受け入れようと開こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 人通りの多い正面の門からではなく、勝手口のように設置されている小さな通用門を通って、古泉真司は346プロの敷地内へ入っていた。

 先日受けた面接の後、真司には採用が決定した事を伝えるメールが届き、そこには入社式代わりに現場への紹介がある事と、その日時が書かれていたのだ。

 

 再び迷ってしまう可能性を考え、知らされていた時刻よりもかなり早くに着いた真司は、相当の時間の余裕が有るため、迷惑にならないよう真っ直ぐ建物には向かわず、少し開けた場所に置かれたベンチに腰掛けていた。

 

(ここで少し時間を潰して、それから指定された建物へ出向こう……)

 

 暖かな春の陽光を全身に浴び、和やかな空間で緊張の糸が弛んだ真司は、流れるゆっくりとした時間を満喫しながら、微睡んでいた。

 キレイに管理された植物を眺めていると、心がやすらぐのを感じた真司の口からは、自然と独り言が漏れていた。

 

「……色々うまく行き過ぎて、信じられないな」

「夢見気分で働いてもらうのは困るが」

「うわ!?」

 

 背後から突然掛けられた声に振り返ると、黒色の高級そうなスーツをバッチリと着込み、姿勢良く立ちながら真司を見下ろす美城専務が居た。真司は思わずベンチから立ち上がり、姿勢を正す。

 

「時間には随分早い……君の業務で問題になることはないが、社会人としてマナー違反になる事は覚えておくべきだ」

「あ、はい。気をつけます」

 

 真司の返答を聞き、満足気に頷いた美城専務はそこで、思い出したように脇に持っていたファイルを真司へ手渡した。

 

「予定より早くなってしまったが、渡して置く。君が担当することになるアイドル達のプロフィールだ。読んでおいてくれ」

「はぁ、ありがとうございます、分かりました」

 

 手渡されたファイルを開くと、履歴書のような書式の書類が多く挟まっていた。彼女たちの詳細なプロフィールから、備考欄には美城専務からの所見まで印刷されている。

 考えるだけでもゾッとするような作業量だろう、自分の為にここまでしてくれた事を、真司は嬉しく思った。

 

「これ……凄いですね。本当にありがとうございます」

「礼をする必要はない。仕事を円滑に進める為だ」

 

 尊敬の念を込めた真司の感謝に言葉に、冷静に澄まし顔でそう返した美城専務は、何でもないと強調し顔を背けた。

 

(あれ、目が合わない)

 

「でも、これってすごく時間がかかったんじゃないんですか? その、なにか御礼をさせてください」

 

 顔を合わせようと、回り込んだ真司の反対側へ、すばやく体の向きを変えた美城専務は、やはり真司には顔を見せないような向きで返す。

 

「私が掛けた労力の分、君がよい働きをする事が礼になる。……それより、君には部屋が用意されている。本来なら他の課へ紹介を終えてから案内するつもりだったが、問題ないだろう。第一芸能課のすぐ横の部屋だ。自由に使ってくれ」

 

 少し早口でそう言い切った美城専務は、要件は終わったとばかりにツカツカと歩き出し、その場を立ち去ろうとした。

 

「あ、ちょっと待って下さい!」

「……何だ」

 

 しつこいぞ、そう言わんばかりに不機嫌な色の籠もった声で美城専務が尋ねる。振り返らず、怒りのオーラを出す美城専務に気圧されながら、真司は切り出した。

 

「あの、第一芸能課って何処ですか?」

「…………はぁ……。付いてこい」

 

 あからさまに肩を落としながら、長いため息をついた美城専務が、ぶっきらぼうにそう言った。

 

 

 

「雇われてすぐだからしょうがないが、なるべく早く、何処に何が有るのか覚えておけ」

「……はい」

 

 美城専務に案内され、所属する部署に与えられた部屋に来た真司は、先ずその与えられた部屋の大きさに驚き、次に置かれた机が一つしか無いことに驚いた。

 面接を受けた人数が少なかった事から、元々人数の少ない部署であるとは予想していた真司は、自分一人という想像以上の人員の少なさに、美城専務へ理由を尋ねる。

 

「今年度から新設した部署なので、所属しているのは君だけだ。……君の裁量で仕事はこなしてもらって構わないが、この部署は私が主導して立ち上げられている。君が起こした問題の尻拭いは私がすることになる。気をつけてくれ」

 

 美城専務の、その返答から真司は面接官を彼女一人で行っていた理由を察する。

 

(反対を押し切ったから、協力者が少ないのか……)

 

 男性アイドルへ、事務所が自由になるような女性を充てがう事で、監督外の不祥事を抑制するという考えは想像に難くない。

 実際のところ、あり得ないのかも知れないが、週刊誌等の過剰なゴシップ追求に対抗するには、有効な手となり得る気がしていた。

 同性で、人一倍性欲の強い真司は、実際に問題を起こしたことが有るため、その存在意義は確かに理解している。

 

 実際に、961プロにはそういった仕事を行うために雇われた女性社員が存在し、真司にも付くことになっていたのだが、彼はそれよりも先に事務員へその触手を伸ばしていたため、伝えられずに放任されていた。

 まさか自分たちが求められると思われていなかった事務員が、真司に喜んで応じた理由の一つは、真司のその態度が彼女たちの女を刺激していたからなのだが、真司は知らない。

 

「それじゃあ、美城専務は私の直属の上司、ということになるんですか?」

「……そうだな。君は一部署のトップとなる。業務の関係上でも、他の者に聞きにくいことが有るだろう。分からないことがあったら私に聞いてくれ」

 

(専務にまで直接か。忙しくないのか? いや、恐らく彼女以外にこの部署の味方が居ないってことだろう。差詰め、彼女の独断で作られたってとこだろうな)

 

 少し言いづらそうに、顔をしかめながら返した美城専務の反応を見て、真司は浮かれてばかりいられないことを自覚する。味方が美城専務だけという状況を、取り敢えず改善しなければならない、当初真司が考えていたよりも、真剣に働かなければならないようだ。

 美城専務は、突然黙り込んで何かを考えている真司を訝しげに見つめる。

 

「どうした……? ……私では不満か?」

「ちっ、違います! えっと……」

 

(ぐっ……しまった。考えていたことをそのまま伝えるわけにもいかないし、何か良い言い訳は……)

 

「その、美城専務って、かなり……扇情的な格好ですよね」

「…………はぁ……」

 

(あれ……?)

 

 真司にとっては、単に胸元のかなり開いたブラウスを指摘しただけだったつもりだが、彼はそれが346プロで禁句であることを知らない。勤務している社員はおろか、アイドルや清掃員まで一度はその考えが頭をよぎったことはあるが、社会的な常識がある彼らは決して口にだすことはなかった。

 美城専務は長い溜息をつく。真司の、性的な面での道徳観念の低さは、彼女自身もよく知っていたからだ。だからといって、上司に向けたスケベな発言を容認する訳ではないが。

 

「……君が性に奔放なのは知っている。意欲的に仕事へ取り組んでくれると言うなら、文句はないが……。アイドル達に無理やり、恐怖を感じさせるようなことは決してしないでくれ。もし君が耐えきれないなら……そうだな、私が処理をしよう。君はアイドルのケアを担当し、私が君のケアをする」

 

 そう言って、真司の目の前で屈んだ美城専務は、おもむろに真司の股間を弄りだす。

 

「えっ、うわ……っ」

 

 チャックを下ろし、そこから手を突っ込んだ美城専務は、無造作に真司のペニスを掴んで引きずり出した。突然外気に曝され、ひんやりした美城専務の手で掴まれているペニスは、与えられた刺激によって瞬く間に充血し、腫れ上がり血管の浮き出た、硬い肉の棒へと変貌する。

 膝立ちで、腰へ縋り付いた美城専務は、眼の前にそそり立つ真司の肉棒へ、そっと顔を近づける。

 ほっ……と温かい吐息が美城専務の口から漏れ出ると、掛けられた肉棒は喜んでいるかのビクンッと大きく跳ね上がった。

 

「ううっ……」

 

 長く、キレイな十本の指を器用に肉棒へ絡ませ、ゆっくりと扱き始めると、絞り出されるようにして亀頭の先端から、分泌された我慢汁が迸る出て、美城専務の手を汚した。

 溢れ出る我慢汁で、ヌルヌルと滑りが良くなったのを皮切りに、前後の扱きを速めていった美城専務は、気持ちの良さに思わず腰を引いた真司の、遠ざかる肉棒を顔で追いかけ、一口で先を覆う。

 

 温かく、柔らかい口内の感触に、ネットリとした絡みつく唾液、敏感なカリや裏筋を舌先でチロチロと玩ばれ、更に速さを増す手コキに、耐えられなくなった真司は、尿道から吸い出すように口をすぼめた美城専務へ、思い切り精を放った。

 

 ビュクビュクと、脈打つ肉棒を、ストローのように強烈に吸い上げる美城専務の顔は歪み、真司はたまらない征服感を得ていた。吐き出され口内を蹂躙する精液を、苦しげに飲み込んだ美城専務は、澄ました顔に戻り口元を拭う。そして、懐から出したポケットティッシュを真司へ手渡すと、何事もなかったかのように、スッと立ち上がった。

 急な落差で混乱しながらも、真司は取り合えず差し出されたティッシュを受け取り、股間の汁気を拭き取っていた。

 

「……ふぅ、紹介の前に一度抜いておけば、君も少しは冷静になっただろう」

 

 あくまで処理で、そこに特別の感情は籠もっていない。そう言いたげな美城専務の言葉に、真司は微妙な敗北感を覚える。それと同時に、眼の前の強気な女の、淫らに悶える姿を自分が知っているという事実に、沸々と湧き上がるような優越感も味わっていた。

 346プロという大企業、その建物の中で必死に働いている者がいる中、自分は与えられた広い部屋で、地位のある美女を足下へ傅かせて、口で奉仕をさせている。

 そんな状況に、著しい興奮を覚えた真司は、一度鎮められたはずの性欲が、再び滾るのを感じ、己の肉棒を再び硬くした。

 

「美城専務……」

「な、何だ……? 一体……ッ!」

 

 性欲を漲らせた真司の怪しい声色にあてられ、先程までの態度とは打って変わって、しおらしい美城専務の様子に、昂ぶった真司は勢いのまま美城専務を壁際へ追い込んだ。

 

「……我慢できません……!」

「……はっ、なっ……! ……落ち着け、古泉……っ」

 

 美城専務は、壁へ押し付けられて呼吸を乱しながら、真司の熱り立つ肉棒を見つめる。少しの間考え込んだ後、諦めたように視線をそらしたのを、同意を得られたと考えた真司は、勢いよく美城専務を抱きとめ、滾る劣情を熟れた身体に思い切り叩きつけていった。

 

 

 

 

 

 

「島村卯月ですっ! よろしくおねがいしますね!」

「本田未央っ、15歳! 未央ちゃんって呼んでよっ!」

「……渋谷凛。あんまり、仲良くする気はないから」

 

「えっと……古泉真司です。新設された課の、新採用なので……至らないことも多々あると思いますが、宜しくおねがいします」

「丁寧にありがとうございます、彼女たちのプロデューサーをしている武内です。……宜しくお願いします」

 

 島村卯月、そう名乗った女の子は長い栗色の髪を下ろして背中に流していて、一房頭の斜め後ろから結んで垂らしている。純粋そうな、弾けるような笑顔を真司に向けていた。

 本田未央は活発そうな短髪の少女で、制服の上に着ている明るいパーカーは彼女の性格をよく表していた。腰の部分で折られて短くなっているスカートから、伸びている健康的な色の脚が眩しい。

 はっきりとした彼女の意思が感じられる、強気な声の渋谷凛は艷やかな黒髪を指で弄りながら、キッと睨むように目線を真司に向けている。冷ややかな目線は、決して他者に媚びない彼女そのものだと言える。

 

 そんな三人組の美少女の自己紹介を眼の前で受け、男……それもアイドルオタクなら失神してしまうほど幸福な状況に有るにもかかわらず、真司は引きつった笑みを浮かべていた。

 

「渋谷。好き嫌いは結構だが、仕事に個人の感情は持ち込まないほうがいい」

「……アンタに言われたくない」

「わーっ! ダメだよしぶりん! どうどうっ!」

 

(な、何でこんなに仲が悪いのか……)

 

 互いに睨み合い、一触即発な雰囲気を醸し出す渋谷凛と美城専務は、どちらも譲る気は無いようで目線を合わせたまま口を開かなくなった。

 

「あ、あの……すいません、凛ちゃん気が立ってるみたいで……あっ、でもっ、普段はとっても優しいんですよっ! この間も、卯月には朱い花が似合うからってプレゼントを……」

「ちょっ、ちょっと! 何言ってるの卯月っ」

「あ、あれっ……?」

 

 場を和ませようと卯月が話し出すも、凛にとっては知られたくない内容だったため慌てて止められ、話の着地点を見失った卯月は困ったように、話題を探して周囲を見回していた。

 

「も〜、駄目だなしまむーはー。初対面の人と話す時、いちばん大事なのは親しみを持てるように、あだ名を付けること! この未央ちゃんが真司さんに、考えてしんぜよう。う〜ん……そうだな〜、シンシンとかっ!」

「ほ、本田さん。その、いきなり愛称で呼ぶのは失礼になってしまうかも知れないので……」

「えーっ! いいと思ったのにっ」

 

 そんな卯月の前へ、身を乗り出して話し始めた未央は、笑顔で真司にニックネームを付けようと提案する。彼女が考えたあだ名は、取り敢えず課長待遇として扱われる真司に対して、失礼に当たると考えた武内プロデューサーによって却下されるも、真司は彼女が全く諦めて事を、目を見て察する。美城専務や武内プロデューサーが居なくなれば、すぐに真司の事をあだ名で呼び始めるだろう。

 

「……ふん。くだらん。君が理想とするアイドルとはこんな、何処にでも居るようなアイドルなのか?」

「……それはっ! 違います。彼女たちには唯一無二の個性があります! 専務の求める冷徹で、氷のようなアイドルではありません……ッ!」

 

(専務は、つい攻撃的になってしまう人なんだな……)

 

 真司が気がつけば口論を始めていた美城専務は、武内プロデューサーとの論争に決着を付けるまで退けないようで、ヒートアップした二人はいつの間にか席を離れ、第二ラウンドへ突入していた。

 居るだけで話がこじれてしまう美城専務が居なくなったのをいいことに、真司は目の前の三人へいくつか気になっていたことを尋ねてみた。

 

「あー、えっと……三人は新しく出来た部署が何をするところか、もう説明を受けてるんだっけ」

「……っ!」

「あ、あああっ! ええっと、その……あ、アイドルの子たちがゴシップを起こさないように、その……て、手助けしてくれるって聞きましたっ!」

 

 真司の質問を聞き、言いたい事を理解したのか鋭い目で真司を睨みつける凛。その態度を誤魔化すように、卯月が慌てて間に割って入り簡単に聞かされていた事を話した。

 少し言いづらそうにしている様子から、ある程度のところまでは内容が伝わっていることを理解した真司は、早速三人へ本題を切り出す。

 

「分かってるなら話が早い。君たち三人にちょっと部屋まで来て欲しいんだ」

「……は? アンタも専務なんかの話を真に受けてるの? アタシはやだ、絶対」

 

(な、なんて冷たい目をするんだ……こいつ)

 

 絶対零度の眼差しに若干怯みながらも、真司は誤解を解くために話を続ける。

 

「いや、来てもらうって言っても、何ていうかな……説明するのが難しいんだけど……兎に角、そう言う事はするつもりは無いってことで。」

 

(美城専務が強引に推し進めたこの事業は、現場と……アイドル達と軋轢を生んでいる。取り敢えず、話をして渋谷さん達に理解して貰わないことには、先へ進めない)

 

 少し手伝ってもらうことはあるけど、基本的に談笑してもらうだけで構わないと真司が伝えると、不安げにしていた卯月が表情を明るくした。それを見た凛は、胡散臭そうなものを見る目ではあるものの、誠意は伝わっているようで少し真司に対する警戒を解く。元から二人とは異なり、あまり抵抗を顕にしていなかった未央は、既に乗り気で真司を急かしていた。

 

「シンシンはじょーむと違って悪い人じゃないと信じてたよっ! ほらほらっ、早く案内しないとせっかちな未央ちゃんの気が変わっちゃうぞっ?」

「し、シンシンは止めてほしいかな……」

「えーっ、もしかしてシンシンってば冗談通じない系男子? 武内属だったのか〜」

「ふふっ、未央ちゃん。プロデューサーさんに悪いですよっ」

 

 急に眉を顰め、しかめっ面を未央がしたかと思えば、その表情のまま何やら低い声で……笑顔です……と口にする。それを見て、卯月だけでなく凛まで、不意を突かれたように吹き出していた。

 

(本田未央はムードメーカー気質なのか。彼女にこの課が悪どいものじゃないってことを広めてもらったら、美城専務の信用回復にも繋がる筈だ)

 

「はははっ……本田さんは面白いね。……っと、着いた。ここが目的地の……」

「せ、せいよっ……」

 

 朝に美城専務から案内されてきた時には付けられていなかった、部署の名称が彫られたプレートを前で三人が立ち竦む。真司自身も、その余りにストレートな名称に、自分が所属しているのにも関わらずそこそこ引いていた。

 

(こうして文字で見ると最低最悪に感じるな……)

 

 何となく嫌な予感を覚えながら、ドアを開けて部屋の中へ入る。真司が少し前に見た部屋と、殆ど変わらない部屋の状態に一先ず安堵し……座っていた椅子から腰を上げ、ツカツカと歩いて近づいてくる美城専務を見て、自分の目を疑った。

 真司の考えでは、まだ武内プロデューサーと熱いアイドル談義を交わしているはずの美城専務が、先回りして部屋の中に居たのだ。驚くのと同時に、また何か、自分の想定外の事が起きているのだろうと考え、悪い予感が早速的中してしまったのを嘆く。

 

「三人で来たか……てっきり渋谷は来ないと思っていたが」

「私はっ……この変な男に卯月と未央がなにかされないか、心配になっただけ」

 

 仕方のないことではあるが、全く発言の信用がない事に真司が落ち込む。凛に敵視されている原因になっている美城専務は、その事を知ってか知らずか爆弾発言を口にした。

 

「古泉、その三人はニュージェネレーションズとしてユニットで活動している。誰か一人でも恋愛沙汰にならないよう、しっかりと働いて欲しい。……それと、朝に言い忘れていたが、この部屋と隣の部屋は元々一つの部屋だがパーテーションで簡易的に区切られている。隣の部屋が、君の実質的な仕事場になるだろう。……私は君を信用しているが、一応君の働きぶりを見るためにカメラを設置しておいた。君の仕事ぶりが直接、私に伝わるようになっている。頑張ってくれ」

 

 しっかりと働くように、その言葉で三人は自分たちの身体を抱えるようにして守り、カメラという発言で忙しなく部屋の中を見回していた。それを気にした様子もなく、美城専務は要件は済ませたとでも言うように、無言で部屋を出ていってしまう。残された三人……四人は、一体部屋の何処にカメラが付けられているのか、必死に探し回った。

 

 

 

「ほ、ほら……お茶でも飲んで落ち着いて」

 

 果たして、四人が見つけたカメラは一台だった。それも今いる部屋ではなく、仕切りによって作られた隣の部屋。三人が横になったとしても更に余裕のあるほどの、巨大なベッドを含んで、部屋全体を見下ろすように設置されたカメラは、物自体が少ない殺風景な部屋の中で、かなりの存在感を発している。壁で遮られていると言っても、四人は気も漫ろだった。

 

「何から話そうか、えっと……最初は話して分かってもらおうと思ってね。この部署は、みんなが思ってるように強制的なものじゃなくて、アイドルの子たちには拒む権利があるって事を」

 

(美城専務はあの調子じゃ認めないだろうが、それでも社内でこの部署の評判が上がってくれば、考え直すはず)

 

「でも、カメラで監視されてたら、真司さんがお仕事してないのバレちゃいます……」

 

 明らかに先程よりも暗い声色で、卯月がそう呟く。痛い所、まさに核心を突かれ、真司は黙り込む。考えていた計画が、いきなり暗礁に乗り上げてしまい、お先真っ暗と言える。沈んでいた空気が更に暗く、話しづらくなっていった。

 元々来るのが乗り気で無かった凛に至っては、一言も話さずただお茶をすすり続けている。見かねた未央のかました、渾身の……笑顔です……にも反応を示さない。

 

「し、しぶりん……」

 

 自信を持っていた一発ギャグの空振りに、ガックリと肩を落とした未央は、失意の中でお茶をすすり……突如、解決策を閃く。

 

「コレだっ! 演技すれば良いんだよっ! 二人でベッド居て、一方が上から覆いかぶさってたら、上にあるカメラからはどうなってるかわからないしっ……えへへ、未央ちゃん天才かも?」

 

 未央の語る勢いで呆気に取られていた三人は、言っていた事を頭の中で想像して……何となく上手くいくんじゃないかと思い始めていた。確認していたカメラの位置と角度だったら、上下に重なってしまえば見えるのは確かに背中だけになる。

 得意げに自画自賛する未央は、自身の考えた、天才的でかつ独創的なアイデアの、ただ一つの欠点を口にした。

 

「で、誰がやるの?」

 

 グイッ。卯月と凛が勢いよく、声に出してしまった未央へ顔を向ける。言い出しっぺの法則。人類普遍の真理は、この場においても絶対であった。

 

 

 

 

 

「んっ……それじゃ丸見えだからっ……シンシンはもうちょっと左に……そうっ」

 

 もぞもぞと、真司の胸の下で動きながら未央が指示を出す。真司は言われた通りに、位置を調整して動きを止めた。

 

「へへっ、コレでカメラからは分からないはず……二人でも出来る、完全犯罪かんせいっ……ここでシンシンと暫くお話してれば、し、シちゃっ……」

「恥ずかしいんだったら、言わなくても」

「……と、兎に角バレないって事っ!」

 

 真司は、自分の体の下でソワソワして落ち着きが無い様子の少女を見て、本当にカメラの向こうにいる美城専務を騙せているのか不安に思った。

 ベッドで両手両膝を付き、四つん這いに近いような体勢で体の下に空間を作っている。その中から、真司の肩越しに未央がカメラとの位置関係を確認して、大丈夫だと判断した未央は顔を引っ込め、隠れるように体を丸めていた。

 

(確かにカメラの映像だけだったら騙せると思うけど……)

 

 真司は、未央の作戦を開始してからずっと、気になっていた事を未央に打ち明ける。

 

「本田さん、その……」

「えっ、シンシン水臭いよ? 未央ちゃんって呼んでっ」

「未央……ちゃん、悪いんだけどもう一つ、頼まないといけないかも知れない」

 

 やけに真剣な表情と深刻そうな口調でそう話す真司に、キョトンとした顔を向ける未央は、取り敢えず空気が悪くならないように明るく振る舞った。

 

「うんっ? 良いけど、天才アイドル未央ちゃんの依頼料は高いよ〜っ」

「……分かった、自分に出来ることなら何でも差し出すよ」

「ええっ!? み、未央ちゃんを高く勝ってくれるのは嬉しいけど、何でもはちょっと言いすぎじゃあ……」

 

(346プロで俺に与えられてる権限なんて、大した事無いから大丈夫だろう)

 

 何でもと聞いて、一体何を要求されると思ったのか途端にモジモジし始める未央は、茹でダコのように真っ赤になっていた。その様子を見て、対価に要求するものを考えているんだろうと、見当外れな当たりを付けながら、真司は気にせず本題を切り出した。

 

「重要な事なんだ。……もう一つ演技をしてもらいたい」

「え……演技? ……な、な〜んだっ! てっきり未央ちゃんは、その……悪いお兄さんになったシンシンに、美味しく食べられちゃったりするのかとっ……」

 

 未央は少しホッとしたような、気の抜けた表情になって早口で考えていたことまで話し出す。自分に言い聞かせるように、あり得ないことだけど、と呟いた。

 

「えっと……カメラをもう一回ちゃんと見てくれる?」

「……それだけ?」

「いや、話すのに必要なんだ」

 

 未央は、拍子抜けしながら真司の言う通り顔を動かし、肩口から再びカメラを見た。

 

「見たら、上の方に付いてる、こっちに向けられた棒があるのが分かる?」

 

 そこまで言われて、未央は真司の言わんとしていることを理解した。未央の言った方法で見かけは騙せるが、何時までもおしゃべりをしているだけでは、直に美城専務へバレてしまうということを。

 

「え、演技って……」

「少しだけ、協力して貰いたい」

「…………」

 

(無理、か。……後で、失敗したって美城専務に謝りに行くか……)

 

 考え込んでしまった未央の様子に、断られるのを覚悟してこの後の身の振り方を考える。二人きりであれば、最低だと言われても自分の為に未央へ迫るのだが、口封じが完璧ではなく隣の部屋に居る二人に伝わってしまえば、美城専務に叱責を受けないにしても社内に居場所がなくなることはほぼ確実であった。

 

 協力してもらうことを諦めて、若干疲れ始めてきた腕を引っ込めようとした時、もう一度未央が確認するように声を発する。

 

「……私が協力しなかったら、シンシンはクビになるの……?」

「えっ、どうかな……。美城専務はああ見えて意外と優しいから、怒られたとしても即刻解雇ってことは無いんじゃあ――――」

「……分かった。やるっ、この未央ちゃんが頼まれてあげようっ! 未来の大女優を捕まえたんだから、大船に乗ったつもりで任せていいよ」

 

 クビという言葉で以前の出来事を思い出し、若干顔をしかめた真司を見て、未央は覚悟を決めたようにうなずき、そう宣言した。

 

「ほ、本当に?」

「うんっ……ただ、ちょ〜っと恥ずかしいからさ、目をつぶってて欲しいんだけど……」

「……分かった」

 

 あくまで軽い口調で話し続ける未央の指示に、真司は素直に従う。

 

(……興奮してるのか?)

 

 目を閉じて周囲が見えなくなると、やけに物音が気になってしまうようになる。それまでは意識していなかった呼吸音でさえ、真司の耳にははっきりと聞こえてきていた。

 

「そ、それじゃあ……絶対に目は開けないでねっ……」

 

 再び真司へ念を押した未央は、彼が目を開けていないのを確認して、スカートの中へ右腕を突っ込んだ。

 

(んっ?)

 

 それまで聞こえていたシーツと制服の衣擦れの音と異なる、ブラウスとスカート地の擦れる乾いた音に違和感を覚える真司。一体何を……そう口を挟もうと思っていた真司は、吐息の成分を多く含んだ、未央の艷やかな嬌声を聞き、瞬時に固まってしまった。

 

「んっ……はぁ、はっ……んっく……はんっ……」

 

 あえて発している、演技した声というよりも、より余裕のない漏れ出てしまう、悦びを感じさせる喘ぎ声が真司の耳を打った。とても小さく、ただの呼吸だと思えるほど小さかった声は、次第に頻度と音量を増し、より大胆になっていく。

 

「はぁっ……ん……おっ……うぅん……あっ、はんっ……あっ!? っぎ、もちぃ……か、感じてる、よぉっ……あっ、ふれちゃうっ……」

 

 陰核を中心に、細かく親指で刺激を与えていた未央は、与えられた刺激に反応して愛液を垂れ流す秘所に、関節を軽く曲げた中指を一気に押し込んだ。壁を押し広げ、上部を擦る指が、丁度陰核の裏の当たり、彼女の最も感度の高い部位を強く抉る。

 腰から脳まで、走り抜けた快感に一際大きく声を上げ、蕩けそうな感覚を口に出していた。止め処なく垂れ流された汁が、可愛らしい黄色のパンティーを変色させる。

 

「お゛っ!……ふっ、あっ、私、こうふんしてるっ、きもちぃッ、えっちな、事がっ……もっと、はぁッ……!」

 

(うぉ!?)

 

 強い刺激に、思わず腰を浮かせた未央は、覆いかぶさるようになっている真司の、図らずしも股間に向かって、そのままグリグリと押し付ける。快楽でまともに考えられていないのか、腰を持ち上げ全身を弓のように反りかえす。

 仰け反りによって真司の方へ突き出されたあごでは、開きっぱなしの口から流れ出たよだれが淫らに光った。

 

「おっ、おっ、おほっ、ほっ、お゛っぉ……うッ、くっーーーッ」

 

 真司へこすり付けるように押し当てていた腰を、支えていた足に力を入れ一瞬硬直する未央。同時に呼吸も止め、苦しそうな声を上げた後……程なくして、電池が切れたように全身の力を抜いた。

 

「はぁーーーっ、ふぅ……はっ、はぁ……えっと、もう目、開けていいよっ」

 

(……うわっ、エロっ……)

 

 言われたとおり、閉じていた目を開いた真司が最初に見たものは、頬を紅潮させ、トロンとした瞳で自分を見上げる未央だった。締りのなく開いた唇は、じっとりと濡れそぼっていて、てらてらと妖しく輝いている。

 

「ごめんっ、未央ちゃん……ッ!」

「えっ?……んむっ!?んっ、んんーッ!ん、んんん、んっ!」

 

 真司は衝動的に未央の唇を奪った。大きく首を傾け、十字のように口を合わせると、すぐに反対側へ首を傾け唇を重ねる。押しつぶされて、優しく沈み込む唇を啄むように、何度も何度も味わっていると、未央が下から真司の顔を掴み、自分の顔から引き離した。

 

(マズイっ……って)

 

 うまく呼吸できなかったのか、荒い息を必死に整えようとする未央は、心ここにあらずといった表情で、目の焦点があっていない。

 突然されたことに混乱してるのかと思い、すぐに謝ろうとする真司の口を、有無を言わせぬ速さで未央の手が塞いだ。

 

「あ、あのさ……シンシンは、エッチな事をするために、雇われたんだよね……?」

 

 はぁーっ、はぁーっ……。真剣な、鬼気迫る表情の未央に対して、口をふさがれた真司は、コクコクと頷いて肯定する。

 

「だったらさ、シンシンは私にしなきゃ駄目なんだよ、やっぱり……。……すっごく、エッチな気分にさせたんだから……」

 

 未央は空いている右手を、真司の股間へ伸ばす。

 

「すっごく、大っきくなってるじゃん……。苦しいでしょ……?だから……、ね?」

 

 真司は、真っ直ぐ未央を見つめ縦に大きく頷くと、ゆっくりと身体を重ね合わせた。




展開が気に入らず何度も書き直した結果、エロ小説らしいトンデモ展開に落ち着きました。
まぁでも、エッチなお兄さんとベッドに居たらオナニーの1つや2つしたくもなりますよね。

ニュージェネの3人以外は、特に展開も考えてないので行き当たりばったりになりますが、またよろしくおねがいします。

次回→1/3 15:00予定
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