346プロダクション、性欲処理課 作:日々是性欲
「シンシン、居るー?」
返答を待たずにドアを開け放ち、その部屋の中に目的の人物が居ることを確認すると、未央は昨日まで部屋になかったソファーへと歩を進め、そこへ腰掛けた。
「おっとぉー、フッカフカだね! これは未央ちゃんが一肌脱いだ甲斐があるよ」
「はいはい、ありがとう……って、汗かいてるならシャワー浴びてきてくれよ。下ろしたてのソファーなんだぞ」
「えーっ、もう疲れて動けないっ!」
ぶつくさ文句を言いながら立ち上がり、隣室に備え付けられたシャワーへ向かう未央を見て、軽くため息をつきながら真司は目の前のモニターへ目線を移す。
(よくやってくれた、他に必要なものがあれば言えって……)
美城専務からのメールには、仕事を果たした真司への追加報酬としてソファーを与える旨が書かれていた。
元から部屋には簡素な長机と椅子が置かれていたため、真司はこれ以上は大丈夫ですと返したのだが、君ではなくアイドルの為でもあると押し切られ、今日の昼頃搬入されてきたのだ。
(昨日決めて今日には届いているなんて、どれだけ急がせたのか)
相変わらず強引で、かつアイドルに対して絶対的な信念を持っている、美城専務に対して、どう接すれば良いのかわからずに真司が悩んでいると、軽く汗を流してさっぱりとした様子の未央が隣の部屋から入ってくる。
「ふぅー、サッパリした! ……あっ、シンシンがエッチな目で私のことみてるっ」
髪から水を滴らせ、火照った身体から湯気を登らせる未央は、下着姿でバスタオルを羽織っただけである自身の格好を棚に上げ、非難するような口調で真司を指差した。
真司が思わず顔を背け、未央から目線を反らすと未央は悪戯っぽい笑みを浮かべながら、真司へ見せつけるように身体をくねらせて科を作る。
「おっ? 未央ちゃんのナイスバディーはシンシンをも魅了してしまったのか〜? 我ながら、なんて罪づくりなっ」
そんな未央の挑発に、簡単に乗せられてしまった気の短い真司は、座っていた椅子から勢いよく立ち上がり、未央の方へ近づく。
未央は、怒ったように自身に迫る真司へ驚きで目を丸くし……何かを期待するような熱い目線で、真司を見上げた。
「ね、ベッド行こ……?」
手を取り、甘い声で未央がねだると、興奮冷めやらぬといった表情の真司は頷き、未央の手を引いて部屋と部屋をつなぐドアを開けた。
「んん……んむっ……んっ、んんっ……」
軽く合わせるようなキスから、口をつけたままより深く深く、互いの口内を貪るような口吻へ変わっていき、唾液が交換される。
粘液をたっぷりと絡ませ、テラテラと光る二人の舌が、それぞれ意思をもった生き物のように絡みあった。より活発に動き、相手を締め上げる蛇のように纏わりついた真司の舌が、未央の口腔内を蹂躙する。
痺れたように動かなくなった未央を良いことに、真司は顔を盛んに動かし、様々な角度で未央の口を味わった。
「んっ……ふっ……ふぁ……んん……んむんっ……んん!」
慣れておらず、うまく呼吸の出来なくなった未央が耐えきれずに顔を離すと、二人の間を行き来していた唾液が混ざり合って、細い糸の橋が渡される。
真ん中から、自重に耐えきれずに沈み込んだ橋が切れると、未央は肩を上下しながら、荒い息を必死に整えようとしていた。
「はーっ、はーっ! はーっ……はーっ、すぅーっ、はーっ……」
頬を上気させ、瞼が下がりトロンした目で真司を見つめる未央。
真司によって快楽に意識を染め上げられた未央は、普段の明るく活発で、サッパリとした健康的な魅力を振りまく様子からは想像もできない、女としての妖艶な雰囲気を纏っていた。
どんな相手にも距離を詰めて親しみを持たれる少女が、誰にも見せたことのない、悦びの表情を顕にしている。
元気な歌声で皆を元気づけるアイドルが、抑えきれない肉欲に声を震わせ、真司を求めている。
「はーっ、はーっ…………はーっ……きゃっ!」
呼吸に合わせ上下する肩を、突然真司に掴まれた未央は驚きの声を上げるも、真司はそれを意に介せずにベッドに向かって未央を押し倒した。
「はーっ、はーっ……はーっ、はーっ、はーっ……? あっ……! んっ、やんっ」
落ち着きかけた呼吸を驚きによって乱し、激しくなった自らの心音を聞きながら、自身を見下ろす真司を不思議そうに未央が見つめる。
何も言わない真司は、手早く未央の乳房を掴み、その頂点に勃った小さな突起を手のひらで転がすように弄ぶ。
「んっ……やっ、はんっ、はっ、あっ……やぁ……」
コリコリと、真司が手のひらで乳首を押しつぶす度に、未央が首を振り小さく声を上げる。目を閉じて、与えられる快楽に意識を集中させている未央は、決して激しくは無く、面白い玩具を見つけた子供のように揉みしだき、柔らかな刺激しか与えてくれない真司に焦らされる。
「んっ……足りないっ……! もっと、やんっ……はっ、激しく……してよっ……んんっ……!」
「ううっ……」
軽く浮かせて緩慢な円運動を続けていた真司の片腕を、耐えられなくなった未央が掴み、自身の胸に思い切り押し付けた。痛みすら伴うような強烈な快感に、それだけで軽い絶頂を迎えてしまった未央は、秘所から垂れ流された愛液が線を残す股を、切なそうにすり合わせる。
十代の少女の柔肌が、熱り立つ肉棒を刺激して思わず呻き声を漏らす真司。ガチガチに硬くなった肉棒を未央の股間にあてがい、膣内へ侵入させようとするが、慌てて差し込まれた未央の腕によって防がれてしまう。
「嫌っ、こ、怖いよ……シンシン……?」
進路を遮る未央の手を掴み退かした真司を、怯えたような目で見上げる未央に対し、真司は押し付けた腰を浮かせ……溢れ出る粘液でグショグショの秘部へ手を差し込んだ。
左手で真っ赤に充血し、膨れ上がったいやらしい陰核の周りを押さえ、包皮から外部へ露出させる。剥き出しになったクリトリスへ右手の指を三本、人差し指中指薬指を合わせると、細かく左右に動かして勢いよく擦り始める。
「あっ……おお゛っ!? おかしくなるっ、それぇっ! はっ……! んんっ……」
周囲を抑えられ剥かれた陰核が外気に触れ、驚きの声を上げたすぐ後、指の腹で強烈に刺激され始めると、未央は発情した動物のように下品な喘ぎ声を上げ、快感に腰をガクガクと揺らした。
自身の手で行うよりも慣れた手付きで行われる陰部への刺激に、未央は止め処なく愛液を溢れさせながら、狂ったように身を捩る。
「はっ、あぅっ、っやぁ……! んんっ!? だ、だめっ……ッ! つ、つまんじゃぁ……っ!」
添えて擦っていた指で、勃ち上がった陰核を真司が指で挟むと、大きく身を震わせ未央が必死な声を出す。言葉とは裏腹に、真司の手が離れないようにキュッと閉じられた脚は、柔らかな太ももで真司の腕をギチギチと締め上げていた。
「やぁっ……! だめ、やっ! それぇ……っあ! おっ、ほっ、うっん……! やめっ……やっ、で……」
左右に首を振り身体を捻る未央へ、真司は押さえつけるように上体を倒す。張りのある未央の乳房が、心地よい反発を真司に与えるのを感じながら、身動きの取れなくなった未央に対し本腰を入れて、勃起した陰核をシュコシュコと扱き出した。
「ああああ、あっ、あああ……ああっ、あ、あ……あああああーッ!」
口を開け唾液を垂れ流したまま、目を見開いて獣のような喘ぎ声を上げる未央は、一際大きな声を出したかと思えば、全身を激しく振動させ……硬直させると真司の方を向いていた顔が、支えていた首の力を失って天井の方を向いた。
「あ、あ……あ…………」
意識をトリップさせ、小さな声を断続的に発するだけになった未央の股の間から、堰を切ったように尿が流れ出す。暖かな液体を手に浴びた真司は、何も言わなくなった未央と白いシーツに広がる染みを見比べ、小さくため息をついた。
(やりすぎた……か)
「あ……えっと、ご、ごめんねシンシン……じゃ、じゃあまたねっ……」
程なくして意識を取り戻した未央は、様々な汁でビショビショの身体をシャワーで洗い流して着替えると、真司の前で失禁してしまった事が恥ずかしかったのか、部屋に来たときよりも余所余所しい態度で出ていった。
(やってしまった……)
吐き出されずに、行き場を失い硬くなったままの股間の一物を見ながら、真司は再び大きなため息をつく。
ここ数日、積極的に誘ってくるようになった未央は、身体を重ねはするものの、恐怖心からか真司に挿入を許さず、真司はその度に悶々とした思いを抱えていた。真司としても、処女を失うことに抵抗のある未央の思いは理解でき、性欲の処理が仕事であって、彼女の純潔を散らすことは目的で無いことは理解していた。
家に帰り、真司を居候させている同居人を抱いても、真司のモヤモヤとした気持ちは晴れず、見かねた美城専務に絞り取られても、肉体的な面ではなく精神的な面で、鬱憤を溜め込んでいたのだ。
今日、いつものように真司を誘う未央の、レッスン後の汗と制汗剤の混じった、酸っぱくて甘い匂いでいつも以上に興奮していた真司は、再び良いところで真司の挿入を拒んだ未央に対し、タガが外れて無茶なことをしてしまった。
(せっかく未央ちゃんがこの部署の悪い噂を消そうと、奮闘してくれていたのに……)
――恩を仇で返すような仕打ちに、未央が腹を立ててしまわないだろうか。
そんな事を考えながら、真司が頭を悩ませること数十分。ベッドの処理をした後に、今後について頭を抱えていた真司の耳に、コンコンコンっと言う、軽いノックの音が飛び込んできた。
(忘れ物? いや、ノックはいつもならしないはずだし……だったら、常務に頼んでいたあれか?)
「は、はいどうぞ……?」
ノックもなしで扉を開け放つ未央ではなく、かと言ってノックの音が美城専務にしては軽い為、真司には来客の予想が全くつかなかった。
「あ、あの……失礼しますっ……!」
緊張した声色で、ゆっくりと扉を開け入ってきた女の子……島村卯月は、顔を赤くしながらゆっくりと真司の方へ歩いてきた。
「し、しまむー見てたの!?」
「うわわっ! ご、ごめんね未央ちゃんっ。覗くつもりはなかったんだけど……凛ちゃんが……」
事務所のある一室。二人きりになった未央に、卯月は先日の出来事について話していた。
「しぶりんも!?」
「ち、違くて……凛ちゃんも悪気は無かったんだけど……古泉さんに連れて行かれた未央ちゃんの、苦しそうな声が聞こえたから……」
見られていただけでなく、声までも聞かれていた事を知った未央の顔が羞恥で真っ赤に染まる。
「だ、大丈夫だよ未央ちゃん! その時の事も、最近レッスンが終わったら急いで帰っちゃう事も、皆には言ってないから!」
「ううっ! しまむーそれフォローになってないからっ!」
見られていて聞かれていただけじゃなく、何かと理由を付けて真司の部屋に訪ねていた事までも知られていたようで、未央は卯月の目線から逃れるように真っ赤な顔に手を当て伏せた。
「み、未央ちゃんも、そういう事に興味があるのはおかしくないと思うよ? そ、その……私だって……」
「え? し、しまむー!?」
我が耳を疑うような発言を聞き、驚きで伏せていた顔を勢いよく上げた未央は、目の前でモジモジしながら小さな声で話し始める卯月を注視していた。
「えっとぉ……そのぉ……」
「どういう事どういう事?」
歯切れの悪い卯月の様子にじれったさを感じながらも、未央は仲間を見つけた喜びで卯月に続きを迫る。
「わ、私も……その、未央ちゃんが気持ちよくなってたのを見てて……」
「うっ……。……それで?」
恐らく最初から一部始終を見ていたような口ぶりの卯月に、若干勢いを失いながら未央が話すように促す。
「お、おま……お腹がムズムズしてきてっ……」
「ほうほう? 下のほうが……?」
恥ずかしそうに下腹部を抑えて言う卯月に、未央が確認すると、小さく頷いた。
「しまむーっ! 私達仲間だよっ!!」
「ええっ!? 」
縮こまった卯月に、感極まった未央が飛びかかる。突然抱きとめられた卯月は目をグルグルさせ、困惑した様子で立ち竦でいた。
「安心しなよっ! この未央ちゃんが力になってあげようっ」
状況が飲み込めない卯月に、精一杯頼もしくなるよう力強く、未央はそう言い放った。
「ほうほう、それでしまむーは一人で帰ったんだ?」
「は、はいっ……気づいたら凛ちゃんが居なくなっていたので……」
「ふむふむ……しぶりんが何も言ってこないのは不思議ですな……」
実際にはない手元のメモ帳に何かを書き込みながら、芝居がかった口調で未央がそう呟く。卯月は、何やら普段の様子と変わってしまった未央に、意識せず敬語で話していた。
「なるほどぉ。で、しまむーはその後どうしたの? まさか、事務所のトイレで、一人でしちゃった……とか?」
「そ、そそそんなことしないですっ! その後は、一人で帰って……お母さんがおかえりって言ってくれたんですけど……急いで部屋に入ったら」
「おっぱじめちゃったと……う〜ん、しまむー。エロエロですなぁ……」
言わずとも分かると言った口調の未央が、しまむー性の目覚め、と呟きながらメモを取る仕草を真似する。
何を言っていたか聞こえていた卯月は、必死な形相で否定した。
「ち、違うんです! その、どうかしてたというかっ! ドキドキが止まらなくてっ、体が熱くて、エッチなことしか考えられなくて……」
「いやらしく手を動かした……と、しまむー。私達アイドルだから、あんまりなことはしちゃ駄目だよ?」
「わぁっ! ちがっ、違います! えっと、お、お股が気持ち悪かったからその……脱いだらスースーして」
自分の事を棚に上げて、親身な風を装った未央が注意をする。未央に言われる筋合いが無いことすら指摘できないほど、焦りながら卯月はとんでもないことを口走り始める。
「べ、べちょべちょしてたから、拭き取ろうと思って触ったら……すっごく熱くて……不思議と疼きが収まったんです……」
「想像だけで……そんなに……」
卯月の語り口から、惨状を想像して顔を赤くする未央は、生唾を飲みんだ。
「その日は、それで収まったんです……でも、次の日に未央ちゃんを見たら、何だかキュって……切なくて」
「ええっ! き、気づかなかった……」
中々目を合わせてくれなかった卯月の様子に、真司との事がバレていないかと危惧していた未央は、卯月がより凄いことになっている事を知る由も無かった。
「私、どうしちゃったんだろうと思って……悩んでたら、偶々凛ちゃんが古泉さんと話しているところが目に入って……そうしたら、前の日みたいにムズムズが酷くなってきちゃったんです」
「え!? ちょっと待って、その日って大事なテレビの仕事があったんだよね?」
卯月がソロで出演する番組の、収録があった事を未央は思い出す。卯月に前日のことを指摘されないかと、ソワソワしていた未央にとって、少し離れて時間が置けた為にありがたい仕事だったのだが、卯月はその大事な仕事にとんでもない状態で出ていた事を暴露した。
「は、はい……ちょっと挙動不審だったんですけど、緊張してるからだと思ってもらえて……すこし申し訳なかったので、トイレで……前の日みたいに……」
「えええっ!? ま、待って前の日みたいに? じゃあしまむーはアソコをビショビショにしながら収録してて、休憩中にオナニーまでしてたってこと!?」
驚愕で目を見開く未央に、訂正しようと慌てて口を開いた卯月は、言い方はともかく内容に間違いがないことに気づくと、発する言葉を失って口を閉じたり開いたりした。
「えぇ……っと、しまむーはエロエロすぎて、未央ちゃんじゃ力不足かもしれない……」
「そ、そんなぁ……」
ガックリと肩を落とした卯月に声をかけようとして、いい言葉が思い浮かばない未央は、話の続きを聞いていない事に思い至る。
「……あれ、しまむーが所構わず自慰をしてるのは置いといて、なんで最初に相談したいことがあるって私に言ったの?」
「置いとかないでっ……えっと……その、それは……」
敏腕女記者の演技を忘れて素直に疑問を口にした未央へ、卯月は言いづらそうに口をモゴモゴさせる。
嫌な予感を覚えた未央は、考えていた最低の憶測を軽い気持ちで口にした。
「どうしたどうしたしまむー。もしかして、もう手だけじゃ満足できないとか? あはは、流石のしまむーでもそんな訳ないかー!」
「……そうなんだ」
「えっ」
予想外の答えに驚く未央に対し、顔を見られないように伏せた卯月が絞り出すような声で答えた。
「う〜ん……ご、ごめんしまむー。力になれなくて」
「大丈夫、未央ちゃんのせいじゃないよ」
それから、ここ数日の乱れた性生活……自慰生活を未央に暴露した卯月は、未央に匙を投げられていた。
手で幾ら激しくシても冷めることのない火照りを、どうにか抑えようとした卯月は手に持っていたペンを秘所へ……。次の日には、ペンで満足できなくなり、指を三本……ジンジンと疼く膣の奥を掻き出すように、穴へ突っ込む。
とうとう抑えが聞かない卯月は、仕事中でもレッスン中でも、それこそ学校でも上の空で生活に支障を来していた。
濡れてしまったからと言って下着を履いていない事を、スカートを捲りあげながら未央に伝えた卯月は、深い溜め息をついた。
真司とあんな事をしていた未央でも、この股の奥、疼きを鎮める方法を知らないなら、自分は一生これと付き合っていかなければならないのだろうか。
そんな卯月の悲観した心の中を、何となく感じ取ったのだろうか、未央はかなりの葛藤の末、口を開いた。
「しまむー」
「なんですか? 未央ちゃん」
悩みながら、話したのは未央にとっても自己嫌悪したくなるほど、無責任な方法。
「シンシンに頼んだら、何とかしてくれるんじゃないかな」
他人に丸投げだった。
「な、なるほど……そんな事が」
「はいっ、私……このままだと駄目になってしまうんじゃないかと……」
心配そうな表情で、落ち込んだ様子を見せる卯月に対し、真司は何と声をかけるべきか迷っていた。
(何とかなるって言うのは、無責任だ……性欲処理を担当しているとはいえ、卯月ちゃんが言い出して来ない以上、俺に任せてなんて酷いセクハラじゃないか?)
「じ、自分の知り合いにさ。かなり性欲が強い子が居るんだけど……彼女の場合は、スポーツとかに打ち込んで発散してたから、卯月ちゃんもレッスンを頑張ってみるとか――」
「駄目なんです……集中が出来ないんです……」
「…………えっと……」
真司が捻り出した案は、却下されたばかりか更に卯月を落ち込ませる結果に終わり、場を気まずい沈黙が包んだ。
未央に逃げられていつもより若干慎重になっていた真司は、バイブにディルドと、おもちゃで解消する方法を提案しようとするも、そういった話題には不慣れそうな卯月の反応が予測できずに、結局押し黙っていた。
(そういえば……濡れてしまったベッドの代わりに、仮眠室に置かれてるベッドを運び込んできてもらうんだった)
「あのっ――」「そのっ――」
話しだそうとするタイミングが重なり、互いに譲りあう。真司としては、大したことない話なので、より深刻そうな表情の卯月の要件を先に聞きたいのだが、言いづらいのか中々話そうとしない。
なぜだか、今ここで先に話を聞かなければ、話が誤魔化されて有耶無耶になってしまうように思えて、真司はしつこく卯月から話すように促した。
緊急でもなんでもない、そちらからどうぞ。何度もそう言って聞かない真司に卯月が折れ、少し逡巡した後に、意を決したように立ち上がった。
「あ、あの……見てくださいっ!」
「……えっ……!?」
覚悟を決めた卯月が、自らのスカートを捲りあげる。突然の行動に困惑する真司の真司の頭は、目を向けたそこにあるはずのものが無かったことで、更に混迷を極めた。
履いてない。生え揃い始めた薄めの陰毛が、充血し膨れて熱くなった小陰唇が、膣から溢れ出た愛液が肌色の太ももを伝って行くのが、真司の目に飛び込んでくる。
「んっ……」
スカートを押さえていない片手を、陰部に添えて指で押し広げると、腫れぼったい小陰唇が引っ張られて、小さな尿道とぽっかり開いた膣口が見えた。
相当興奮しているのか、膣壁に血流が集まって膣が軽く盛り上がっている。挿入される肉棒を、きつく締め付ける肉厚の膣だった。
「お、奥が……ムズムズするんです……」
余っていた親指で、下腹をグリグリと押して場所を示す卯月は物欲しそうな目で、硬くなっている真司の一物を見つめる。
「調べたんです……い、入れると、女の子が一番……気持ちよくなれるモノ……」
固まったまま動けず、ゴクリと生唾を飲み込む真司に、少しずつ近づく卯月。
「奥で、ゴリゴリしてくださ――――」
「古泉、遅くなってすまない。……失礼する」
勢いだけ音が鳴るほど素早く、声のしたドアの方へ顔を向ける二人の視線の先には、美城専務が立っていた。
「……そうか、失礼したようだな。すまない。武内、君は先に戻っていてくれ。ご苦労だった」
「え……ですが……。いえ、分かりました」
部屋の中の様子を見て、何となく状況を察した様子の美城専務は、恐らくベッドを運ぶ手伝いをしていた武内プロデューサーへ声を掛ける。部屋の中の見えていない彼は、そんな美城専務の様子に一瞬訝しげな表情をするも、その言葉から大体の事情を察し、素直にその場を去った。
聞こえてきたプロデューサーの声に、我に返った卯月は急いでスカートを下ろす。真司は、卯月の話を遮ってでも伝えておくべきだったと今更ながらに後悔していた。
(というか、美城専務は武内プロデューサーと仲がいいのか悪いのか分からないな)
「持ってきたのは簡易ベッドだ。君たち二人でも十分に運べるだろう。私は失礼するから存分に続けるといい」
いつもより更に硬い物言いだが、何だか少し嬉しそうな声色の美城専務はすぐに立ち去ってしまう。
残された真司と卯月は、ヘンに落ち着いてしまった空気で、互いに黙り込んだ。
「ええと――」「えっと――」
「悪いけど、ベッド運ぶのだけ手伝ってもらえる?」
「は、はいっ!」
再び重なった声を掛けるタイミングに、さっそく先程の反省を活かした真司は、止まること無く自分の言おうとしていた要件を卯月に伝えた。
「よいしょ……ふぅ。卯月ちゃん、ありがとう」
「ああっいえそんな、大したことないですっ!」
簡易とはいえそこそこの重量があり、サイズもそれなりのものだったベッドの設置を終え、一息ついた真司は卯月に手伝ってもらったことを感謝していた。
気まずい状況で、未央のように部屋を出ていくのではないかと考えていた真司の予想を裏切り、卯月は二つ返事で手伝いを承諾した。部屋の中に運んでさえしまえば、未央との情事の跡が色濃く残る隣の部屋へは自分が運ぶと主張したのだが、卯月は頑として譲らずに結局二人で部屋の仲間で運び込んで居る。
むせ返るような男女の匂いは、数十分の換気で殆ど無くなったとはいえ、シーツを剥ぎ取っただけのマットレスからは、確かに残り香が感じられた。
「本当に助かった。……今度、お礼するよ」
興奮で正常な判断能力を失っていた先程の卯月の様子を思い出した真司は、早くこの部屋から出て、一旦帰ってから頭を落ち着けて貰おうと、卯月に帰るよう促した。
軽く頷いた卯月は、素直にドアへ向かって小走りで向かうと……ドアノブの鍵を捻り、ロックを掛ける。
「え……?」
静かな部屋に、聞き慣れない音が響く。
真司は、扉の前から動こうとしない卯月の後ろ姿を見て、以前美城専務が言っていた事を思い出していた。
(この部屋の中から鍵をかけると、数時間は開かなくなる……)
想像もしていなかった事態に慄く真司に向かって、卯月は振り返るとやけに据わった目で見つめていた。
「私、ここに来るまでに美城専務に相談したんです。この部署は専務が作った部署だから……」
そう言われて、真司は簡易ベッドの移動にやけに時間がかかっていた事を思い出す。この階層の、仮眠室に置かれているものなのに、人手が必要だったとはいえ数十分も掛かるようなはずではなかった。
相談を受けて、美城専務が仕組んだ流れだったのだろうか。いやに察しがよく、強引にその場を去った美城専務の真意に、ようやく真司は気づいていた。
「応援してくれたんですよ……? だから、恥ずかしかったけど頑張りました! お願いしますっ……」
緊張をしているのか、覚悟の決まった目から普通の女の子の恥じらう表情に戻り、頼み込んでくる卯月を今更拒む選択肢は、真司の考えにはなかった。
「あっ、ああっ……気持ちいいですっ……んっ」
着ていた制服を脱ぎ、裸になった卯月は運んできたベッドで横になり、真司の愛撫を受けていた。
「あ……んっ、あっ……ふっ、んんっ……はっ、んっ……そ、そこが……!」
既にこれ以上ないほど真っ赤になった秘所に、手を合わせて優しく押すと、キュッと脚を閉じて催促するように真司の腕を締め上げた。
「あっあっ、んっ……キモチぃ……ですっ……はぅ……んっ」
圧を加えるタイミングに合わせて、ピクっと全身を反応させ蕩けきった声を出す卯月は、目を閉じて与えられる刺激に集中している。
「ああ、んっ……早くぅ、お願い、しますっ……ここがっ、切ないですっ……」
下腹部に手を当てグイグイと押し込む卯月が、甘えた声で挿入をねだる。ずっとお預けを食らっていた真司の一物も、はち切れんばかりに反り返って自己主張をしていた。
「これが、入るぅ……? すごい、大きぃ……ですっ……それに、硬くて……えぐり出されちゃいますっ」
「くっ……うっ」
柔らかな手で肉棒を握ると、揉むように握っては離し握っては離しを繰り返し、溢れ出た我慢汁を親指で亀頭に塗り込む卯月。
予想していなかった強い刺激に、真司の肉棒がビクンッと大きく跳ねる。
「わぁっ……! あっ、おっきく……スゴイですっ……!」
これ以上大きくならないと思っていた肉棒が、もうひと回り、極悪な太さへ変わった。醜く浮かび上がった血管は、全身の血液が海綿体に集まり、膨れ上がっていることを示している。
「はぁっ……ッ! くっ、うっ……あっ」
つぷっ……亀頭が膣口に侵入し、卯月の膣内を押し広げる。体内への侵入者の、想像以上の圧迫感に卯月は苦悶の声を上げた。
「だ、大丈夫か……? ちょっとここで止め――」
「――だ、大丈夫ですっ! い、一気に入れてくださいっ」
「……わ、分かった。……力を抜いて、息を吐いて……」
素直に真司の指示に従った卯月に、なるべく痛みを与えないように一息で腰を押し込んでいく。
「はーっ、うっ……い、痛いっ……」
「落ち着いて、息を止めないで……そう、ゆっくり呼吸して」
痛みに顔を顰め、自身に覆い被さる真司に抱きついた卯月は、侵入した異物の存在を感じながら、言われた通りに深呼吸をしていた。
卯月が全身に入れていた力を、呼吸に合わせてゆっくりと開放した事を確認した真司は、背中に回ろうとしている手に応えるように、卯月を抱きすくめる。
「……くぅっ、うっ……あ、当たってます……」
二センチほど内部を進んで行き止まりになり、奥を小突かれたような感覚で卯月は声を漏らす。決して手が届かない、身体の奥の疼きで狂いかけていた卯月は、少し開いていた二人の隙間をより近づけ、中に取り込もうと真司の背中に回していた腕に力を込めた。
「んっ……あっ、はぁ……! あッいいっ……また、大っきくっ……」
押し付けられた胸に、痛がる卯月を見て少し抑えられていた真司の性欲が滾り始めると、再び力が入り卯月の中で肉棒が小さく跳ねた。
膣の最奥の壁を擦られた卯月は、快感に身を縮める。同時に、下腹に力が入ったことで腟内が蠕動して、突起だらけの壁で真司の肉棒を締め付けた。
「ああっ! これっ、いいっ……おっお゛っ、おっ、んんっ……はっ、あああっ」
上下左右に、腰を回しながら真司へ押し付ける卯月は、ずっと自分を苦しめていたムズムズの根源を容赦なく苛め抜き、生まれて初めての快楽に酔い痴れていた。
自分を貫く、重くて硬い、そして大きな棒の圧迫感に、息をつまらせながらより強い快感を求め、必死に下半身を押し付ける。
「あっ、あっ……あああっ、あああっ、くるっ、凄いのがっ! 来ちゃいますっ!」
「お、俺もっ……くっ……」
卯月が感じる度に、筋肉の収縮によって起こる膣壁の動きに、膣内で肉棒を扱かれているかのように錯覚するほど激しかった。
そして、押し寄せる最大級の快感の波に、真司の肉棒から搾り取ろうと卯月の膣が一際大きく、カリを膣奥で、根本を膣口で、きつく締め上げる。
「き、来ちゃうっ! だ、だめっ! ヘンっヘンになっちゃいますっ!!」
「うっ……出るっ――」
「――ああああああっ!!」
耐えられないほどの射精感の高まりに、真司は腰を突き出し、勢いよく精を放った。
「はぁ……はぁ……」
「ま、満足できた?」
真司は、付けていたコンドームを外し、萎み始めた己の一物を見ながら卯月へ声を掛ける。
未だ荒い息をつきながら、ベッドに倒れ込んでいる卯月は、その質問に答えなかった。
「あー、駄目か。まだ開かないな」
卯月が疲労から動けないのだと当たりを付けた真司は、返事を待たずに締められたドアの確認をしていた。
うんともすんとも言わず、一向に開く気配のない扉を見て、何時間で開く設定なのか聞いておけばちゃんと聞いておけばよかったと、真司は今更な事に頭を悩ませている。
「卯月ちゃん、まだ開かないからもう少し休んでいっていいよ」
横になったままの卯月に声をかける真司は、起き上がってベッドに腰掛けている卯月の後ろ姿を見た。
(あれ、意外と回復早いな……)
何も話さないその様子に、大方疲れ切っているのに無理して身体を起こしたのだろうと踏んだ真司は、卯月の隣に腰掛けようと側へ近づく。
「まだ横になっ――」
「――んんっ!」
ベッドの空いている横に腰掛け、卯月の方を向いて話しかけた真司の口を、柔らかいものが塞いだ。
驚きで目を白黒させる真司に、唇を離した卯月が告げる。
「べ、ベッドを運んだお礼を、今してくださいっ……!」
真司の返答を待たず、卯月は再び真司へ、今度は気の遠くなるほど長い口付けをした。
卯月は疼きでした。ダジャレじゃないです。
感想にすごく飢えてます。頑張って返すので、ぜひ残していってください。お願いします。
公開されるのが恥ずかしいという方は、評価に一言欄を付けておくので、話の出来などを教えて頂けると嬉しいです。
次の一万字を書く励みになります。