前回の囚われの忍と連続投稿しております。
ちなみに組織のボスはリゼロのレグルスをイメージして書きました。
また、活動報告のリクエスト募集を続けてますので、皆さんのリクエストをお待ちしております。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=252692&uid=99940
ゆきかぜと凜子先輩と契約してから、俺は牢獄を出て、二人から聞いた場所へと急いだ。
別の建物だけど、いかにも厳重そうな設備だった。
「…あの二人の言うことが本当なら、この奥にその転生悪魔が」
「おい、そこのお前っ、お前が金色の契約者、だよな?」
「…っ!」
後ろを振り返ると、この組織のボスらしきやつが立っていた。
いや、ここに来る途中、皆にやられたのかかなりボロボロで立ってるのもやっとだった。
だがその目は憎悪に満ちていた。
「お前のせいで、僕の能力の継続性が消されてしまったんだ!
どうしてくれるんだ、せっかく僕が精魂込めて集めた奴隷と嫁たちを…!」
「奴隷と嫁たち?
もしかして、あの牢獄に閉じ込めてたやつらのことか!」
「牢獄?
ちがうね、あれば僕にとっての愛の巣なんだっ!
運命の嫁たちをそこへ連れていって僕の能力の継続性の足しにしてたんだよ?
ほら、僕はこれでも無欲だけど、数少ない財産の管理とか苦手でね、それを管理するのが妻の役割なんだよ。
それを根こそぎ奪い取ろうだなんてひどいこと考えるよよくそれで生きてこれたね可哀想に、きっと淋しくも卑しい人生を送ってきたに違いない、だけどそれとこれとは別なんだわかるかい?
君たちのやってることは泥棒なんだよ、僕に対する権利の侵害なんだよそんなことも知らずにやってくるほど君たちは愚かなのかい?
いや愚かだねはっきりとわかるよこんな無欲な僕の貴重な財産を奪い取ろうとするんだそんなの耐えきれない、それは無欲な僕に対する侮辱でもあるからね」
「いや誘拐してる時点でダメだろあと話無駄に長いんだよせめて分かりやすく言えよ!?
しかもその言葉全部そっちに跳ね返ってんのに気付けよこの人でなし!!
もうブーメランが大乱舞してるんだよ!」
「ブーメラン?
君は何を言ってるんだ?
生憎と僕はブーメランを使う趣味じゃないんだよ、ね!!」
男が腕を振った瞬間、俺の中でティファの予言の能力が発動した。
詰まるところ、すぐにしゃがまないと俺の胴体が真っ二つになるということだった。
それ故反射的にしゃがむと見えなかったが、何か見えない刃が恐ろしい速度で上を通りすぎた。
しかも壁に当たってるだけでガリガリと粉塵を撒き散らしてる。
…やべぇ、あんなの食らったら一溜まりもねぇよ!
…っ、おいおい冗談だろ!?
「く…っ!」
しゃがんだ状態で地面に転がると、先ほどまで俺がいた場所がまるで散弾銃で撃たれたかのように抉れていた。
危ねぇ、今ティファの能力で先読みしてなかったら今頃俺はお陀仏だったろうな!
…というかこいつ、さっきから何を飛ばしてるんだ?
さっきのあれは見えなかった、けど一瞬だけあいつが腕を振っていた。
それに、今さっき床を抉ったこれ、もしかして何かの破片!?
「おいおい、避けてくれるなよ?
僕は君たちと違って避ける必要もないんだし、何をしたって無駄なんだからさ?」
「その割にはボロボロじゃねぇかよ?」
「さっきも言ったろ?
これはお前たちのせいでこうなったんだ。
おかげで僕は僕の能力を一瞬しか使えない。
その責任、取ってよ?
無欲な僕の唯一の利点だったんだからさ」
「一瞬?
はっ、そうかい…」
そう言えばさっき俺たちのせいで能力の継続性がなくなったって話だったもんな。
こいつの能力、いまだによくわからないけど、そういうことなら!
俺はすかさずシャルちゃんの能力で粒子を操って圧縮し、そこからさらにういちゃんの能力でさらに圧縮し、ラムの風の能力も付与させてぶっぱなした。
「…っ!?
この程度、一瞬で!」
「おらぉ、連続攻撃だぁ!!
チェストぉ!!」
「がっ、そんなっ!!
この僕が、この僕がぁああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
俺の攻撃を一瞬だけ無傷に防いだが、かなり広範囲ということもそうだし連続で撃ち込んでたから、そのまま直撃して吹き飛んだ。
「ぐっゴフッ!?
はぁはぁ…、お前っ、お前らっ、ふざけるなよぉ…!」
「もうやめとけ!
どのみち、ここに色んな人たちがここに来る。
それにここに来る前からボロボロだったんだ、それ以上は死ぬぞ!」
「…っ、どいつもこいつも…、僕の邪魔ばかりしやがってっ!!
らぁあ!!」
「っ!?」
ボロボロで血塗れだった男はその執念からか、瀕死の体を無理やり動かして、能力を使って一気に俺の横を通り過ぎた。
「えっ、あの方角ってまさか!
…マズイっ!!」
あの男が向かった先は転生悪魔が捕まってる所だ。
何をするかわからないが、早く急ごう!
焦る気持ちで、男を追いかけるのであった。
やっと追い付いたと思ったらすでに重そうな鉄の扉がひしゃげていて、扉として機能しておらず、入れるようになっていた。
だがその奥から二人の口論する声が聞こえてきた。
「あいつ、この奥にいるのか?
それに、このもう一人の声は、転生悪魔なのか?」
声を聞く限りでは女性、いや少女のそれだ。
そうして奥へと向かうと、一人の少女にあの男が情けなくすがり付いていた。
その少女は、まるで昔の中国の姫が着るようなドレスを着ていた。
「なぜだなぜだ!?
なぜ君は僕の疑似心臓を受け入れてくれない!?
他のやつは皆連れ出された、君さえ受け入れてくれれば、僕は再び永遠を生きる王へと返り咲けるんだ!!」
「いやですっ、何度来られようと、あなたのような外道に与することなどありえませんっ!!」
「くっ、この役立たずっ!!
この期に及んでまだ頑なに…!!
せっかく美人で僕と運命で結ばれているというのに!!」
「くっ!!」
「…っ、おいやめろ!」
男が少女の髪を無理やり引っ張り掴み掛かり、少女は苦悶の声をあげる。
俺はそんな少女を助けようと駆け寄った時、少女と目があった。
その時だった。
「…天子様?」
「えっ?」
えっ、天子様?
…えと、天子様って、昔の日本とか中国の皇帝や天皇の呼び名、だよな?
まさか、あの男のこと?
「はぁ!?
何を寝惚けたことを言っているんだ!?
君の旦那は僕だろ、君は僕だけを…!!」
…なわけねぇか!
と思ってると、少女は髪を掴む男の手を振り払うように握り締め、髪と手から青い炎が噴き上がり、それが男を燃やした。
燃やされる顔は驚愕と恐怖に歪み、そして人間を捨てた獣のような断末魔を上げて、黒焦げになって倒れた。
ピクピクと痙攣していることから、まだ生きてるようだった。
その事を気にせず、また動きにくそうな服も気にせず、まるで愛しい想い人と再会できたかのように涙を流しながら、少女は俺に駆け寄ってくる。
「天子様っ、天子様…っ!」
「えっえっ!?
ちょっと待って!?」
この子さっきから俺のこと天子様と呼んでるけど人違いだよな!?
そう思って後ろを振り返るも誰もいない。
…嘘でしょ?
やがて少女は俺に抱き着き、俺は受け身が取れないまま倒れ込んでしまった。
「…っ、痛てて!
おい、大丈夫か!?」
「天子様っ、天子様ぁ…!
ユゥは、ユゥはとても会いとうございましたっ」
「えっ、えぇ…」
ダメだ、話が通じねぇ!
とりあえず、会長たちが来るまで、この状態は続いたのだった。
結論から言うと、千年も続いた組織は完全に壊滅した。
男はかろうじて生きていたが、能力が厄介だったので、契約書ごと封印されてるので何もすることはできない。
そもそも、男の能力の継続性が失われたこと時点で、もうほとんどが投降したという。
それで、あの後で調べてもらったけど、あの男の能力は、何でも自身と自身の触れた物の時間を止めるというものだという。
発動してる間はどんな攻撃も通じず、触れてる物も時間が止まってるのでこの世の空気抵抗や重力、物理や慣性の法則すら無視した攻撃ができるという。
…何そのチート能力、怖っ!?
んで、だけどこの能力使ってる間は自分の心臓も止まってしまうから一瞬で使えないという。
だけど、自身の領土内に誘拐した人たちに能力を補助するための疑似心臓を与えることで、その継続性を維持してきたという。
…本当に何そのチート能力、エグっ!?
まぁ、俺たちが牢獄に来て、それで俺が凜子先輩とゆきかぜと契約したことで、二人を起点に牢獄が俺の領土みたいになったから、疑似心臓も無効化されてしまい、能力の継続性は失われて、それまで善戦してたけどそれが原因でボコ殴りされあんなにボロボロになっていたんだという。
ちなみにさっきのあの子もそれに入るんじゃないかって話だけど、どうやら凄まじい力で抵抗して、疑似心臓を受け入れなかったそうだ。
それで、その子はというと、今会長たちから話を聞いて、調べてもらっている所だ。
…その少女の正体が、まさかのあの人だとは、この時思いもしなかった。
FGOで出して欲しいキャラ
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イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
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アビゲイル・ウィリアムズ
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葛飾北斎
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