一万文字超。
ゆっくりと下りてくる少女の秘唇。
そこを抉じ開けるように、張り詰め、膨張しきった男性器が身を埋めていく。
「は、ぁぁ――」
痛みから両目を閉じたイリナが、口を開いて吐息と共に声を出した。
今まで試した事がないくらいに大きく歪に、無垢な女性器が広がっていく。
一人でスるのとは全然違った。熱い。痛い。何より苦しい。意図せずとも下腹に益々力が篭り、そのせいで、膣の入り口はより狭くなるように締め付けられて、更に陰茎が入り辛くなっていく。
少女が思い描いていた素敵な初体験、などというものは此処には無い。
棒の根元を片手で掴み、もう片方で、己の性器を入れ易いように弄り回した。
痛みと熱と、互いの肉の蠢く感触に、取り返しの付かない変化を受け入れる未知への恐怖。
混じり合った感情のまま彼女は強引に腰を捻って、少年のモノを己の中へと捻じ込んだ。
「じょん、ん……っ」
赤いものが垂れ落ちる。
たった一筋、わざわざ目を向けなければ分からない程度の少量だけの、それが紫藤イリナの純潔の証だ。押し開くような痛みに重ねて、僅かながら、道を拓いた喪失感が、彼女の中で生じて消える。
仰向けとなった少年の腰に跨る少女。未だ処女膜を破ったばかりで入りきらずに、余った陰茎の長さの分だけ、イリナの腰が彼の身体から浮いている。
貫かれた痛みと、好いた相手と繋がった達成感から、目蓋が開く。
見下ろした先の少年も、彼女の事を見上げていた。
何も言わずに視線が絡む。それを、先に振り切ったのはイリナの方だ。
もっと奥へ、もっと深く。肉付きの良い、しかし引き締まった少女の奥へと突き立ったモノ、それを全て収めるために腰を揺すって誘い込む。閉じきっていた処女の膣肉が、少し進む度に捕食するように蠢いて、肉棒に絡み、逃走を阻むかのように締め付けた。
少年の側が固過ぎる肉の歓迎に眉根を寄せて、それでも、つい数秒前まで純潔を護っていた新鮮な膣からの刺激は、男の本能を掻き立てる。
ほとんど濡れていない紫藤イリナの内側が、彼女自身には痛みばかりを与えながらも、呑み込んだ雄の象徴には積極的に絡んで波打つ。それによって、限界まで勃起した男性器が後の射精に備えて先走るものを吐き出して、内側の潤滑に追加する。
上がる体温と苦痛から、僅かずつ汗が滲み出す。その間にも、徐々に陰茎が女陰の奥へと姿を消して、やがてほとんど入りきった。
じりじりと痛む接合部と、少年の腹部に突いた片手で、身体を支える。
ふつふつと吐き出す呼吸ばかりが強く零れて、落ちた少女の汗が、組み敷いた彼の上へと一つ二つと小さく不規則に降り注いだ。
ジョン、と彼の名前を呼びかける。
「ごめんね……」
俯いたまま、影になった彼女の顔はほとんど見えない。繋がる二人は騎乗位の体勢、部屋の照明が眩しくて、背中から光を受けて人型の影となったイリナの姿は、どこか非現実的なものに見えた。
ぎゅ、と少女の中の肉が締まる。
思わず呻いた少年は、僅かな痛みと同時に、紛れも無い快楽を覚えて唇を噛んだ。
「好きよ。すき。ジョン、じょん、わた、しっ」
少女が腰を揺すり出す。肉棒の表面にはろくに濡れていない膣肉が吸い付き、上下運動の引き抜く動きは、中の桃色を融け合ったように引っ張り出した。その痛みを誤魔化すように、イリナは更に力を入れる。
そしてまた、腰の動きで奥へと押し込む。音が鳴りそうなほどの、勢いで。
一度手淫で出した分の滑りはあるが、それでは足りない。僅かに混じった処女の出血も潤滑としては不足が過ぎて、動かす度に少女の側へと未知の痛みを与え続ける。
しかし彼女はそれでも良かった。繋がったという事実さえあれば、苦痛も何も、どうでも良いのだ。
「だいて。抱き締めてっ。わたしの、なかに! 出してっ!!」
泣きながらイリナが腰を振る。あの子よりも激しくシたいと懇願している。
酷く苦しそうな顔をした少年が、何度も躊躇いながら手を伸ばすと、少女の頭を抱え込んだ。
――抱き締められた。
それを理解した少女の動きが加速する。もはや感じる痛みなど無いも同然。上半身だけを押し付けるように抱き締め合って、浅ましささえ感じる動きで、浮かせた尻を彼の股間に叩き付けては引き抜いて、上下に何度も何度も振った。
下半身だけの交合。貪るようにしゃぶり付く、膣肉の動き。
ぱつぱつと五月蝿い音が鳴る。
僅かずつ量を増していく汁気を飛ばしながら、女の心が男のソレを犯し続けた。
ひきつけを起こしたように少年が震える。
射精の予感に、彼の思考が溶けていく。
上から強く叩き付けると、ほぼ無意識ながら、下から細かく腰を揺すった。彼が自分との行為に応えてくれている、その事実に歓喜したイリナが、より強く激しく己の膣内を波立たせる。搾り取るために、絡め取るように。ようやく ぬめり始めた肉が蠢く。
強く、強く互いを抱き締めた。
少年の抱擁は力が入り過ぎ、イリナの細腰を締め上げる。
少女の抱擁はただ身を寄せるだけの気弱なもので、だがだからこそ、彼の力強さが嬉しかった。例えそこに心が足りずも。
出る。でる、でる、でる。うわ言のように彼が言い、出して欲しいと彼女が叫ぶ。
張り詰めたものが弾けるような、圧倒的な開放感と共に。
少年の精が、大切な友人の、性器の内側を染め上げた。
□
――そしてジョンは引き篭もった。至極当然の結果である。
ついでにイリナも引き篭もった。事が終わって冷静になると色々思うところがあったらしい。
とはいえ、時既に遅し。尊敬する異性の友人に逆レイプされた少年は、アーシアにもイリナにも合わせる顔が無くなったと思い込み、紫藤イリナ容疑者(1×)が先の被害者に対し弁解と謝罪の機会を得られるのは、これより数日後の事となる。
「――というわけで。理由は定かではないんですけど、今ジョン君は僕の所に居ます」
ジョンの新たな寄生先、木場祐斗がそう言った。
聞かされたリアスは何と返せば良いのか分からない。ジョン・オーリッシュの恋人、という事になっているアーシアから彼が家出したと聞かされて、行方を捜してみれば、己が眷属の元に居るという。
マンションの隣室、直線距離にして僅か数メートルのプチ家出だ。ツッコミに困る。
「わた、わたしがっ、私がジョンさんの気持ちを無視したから……っ!」
めそめそと泣くアーシアの頭を、リアスがその豊かな胸元に迎え入れる。
先に相手の気持ちを無視したのはジョンの方だが、涙を流す少女にとって順番自体は問題ではない。ただ単純に、今、離れ離れになっている事が悲しかった。その責任を、己自身に押し付けている。
部屋主である木場に許可を貰えばすぐにでも再会できる距離に居るが、引き篭もった当人は、今は誰にも会いたくないと言う。
表層だけを知り得たリアスとしては、友人であるアーシアの味方をしたい。今すぐ怒鳴り込んで、首根っこ引っ掴んで彼女の目の前に連れて来てあげたかった。
自分のおっぱいに埋もれて泣いている可愛い友人の事を思うたび、短気なリアスの怒りの
こんなに可愛い恋人を泣かせておいて、自身は素知らぬ顔で他の男の部屋に引き篭もるとは、男の風上にも置けない奴だ。そんな輩は決して許せん、ライザーの刑に処さねばならない――。
かつてフェニックス相手に行われた残虐ファイトの記憶が、リアスの脳裏に蘇る。
スーパー聖水による大量の放水攻撃を受け、喉を焼かれてゴボゴボ言いつつリタイア宣言も出来ぬまま、審判の手によって退場させられていった『兵士』の双子。
聖なるクレイモア地雷に引っ掛かり、汚い高音で泣き叫びながら時と共に衰弱していき、やがて蝋燭の火が消えるようにリタイアしていった『戦車』。
模造聖釘で校舎の壁面に打ち付けられた上で、部長の処女を護るためだッ、と片腕を代価に擬似禁手化した赤龍帝に延々と私刑を受ける『王』。
自分達のやった事だが、思い出すだけで背筋が震える。出自はどうあれ同じ悪魔だ、聖具によって消滅するかのように強制退場していく姿を、明日は我が身と思えてしまう。
――ジョン・オーリッシュを敵に回してはならない。
割と箱入り育ちなリアス・グレモリーは、教会の戦士の持つ本当の恐ろしさを、彼によって学ばされた。より正確には、彼の提供する『祝福』済みの超強力聖具によってだ。
その重みは、表層をなぞるだけだった座学知識の比ではない。ライザーを筆頭とするフェニックス眷属の尊い犠牲は、今もリアスの中に刻み込まれている。
教会の戦士は、ヤバイ。
やはり物事は話し合いによって解決するべきだろう。刹那で日和った紅髪の悪魔は、事の方針を穏便な方向へと凄く強引に切り替えた。
好きな人と結婚したい、などという乙女な理由で先のヤバイ行為を一通り実践した己の功罪を脇に置き、気を取り直したリアスは、すすり泣くアーシアの頭を撫でながら言葉を放った。
「何にせよ、まずは状況の把握からね。他人が無思慮に状況を掻き回すのは下策よ!」
最初の己の思考を棚に上げ、かしこいリアスさまは珍しく行動よりも情報収集を優先した。
号令を受けたグレモリー眷族が各々頷き、一組の恋人達のために役に立たない奮闘を開始する。――そう、役に立たない。立たなかった。先に結果を述べるなら、彼女等の頑張りは身を結ばないまま無駄に終わる。
木場の部屋に引き篭もったレイプ被害者ジョン・オーリッシュ。
彼が新たな拠点となした押入れの奥から顔を出すのは、この時より数日の後、此処駒王学園で行われた三大勢力間の会談の最中。
反三大陣営テロリスト集団『禍の団』の襲撃と、ほぼ同時刻の事だった。
□
「そうか。イリナがなあ……」
紫藤イリナが処女を捨てた日より、数日の後。
木場祐斗の住居、其処にある和室の押入れの前。
綺麗で落ち着く色合いをした高そうな襖にその背を預け、元教会の戦士ゼノヴィアが、持って来た見舞いの品を自分でもぐもぐしながら呟いた。
彼女の背後、襖で遮られた押入れの奥。
逆レイプ被害者ジョン・オーリッシュが、真っ暗闇の中で蹲ったまま、数年来の友人に対して己の気持ちを吐き出していた。
教会から追放を言い渡されて絶望した事。
偶然見かけた魔女を襲って、欲望を吐き出した事。
堕天使の組織に属したが、何故か分からないが我慢出来なくて離反した事。
悪魔との契約と、それからの平穏な日々の事。
アーシアとの爛れた行為と、再会したゼノヴィア達の事。
イリナにレイプされた事。
イリナに好きだと言われた事。
どうすれば良いのか分からなくなって、一人で逃げ出し、今はこうして木場の部屋で厄介になっている事。
全部、全部吐き出した。そうしなければ、耐えられなかったからだ。
「……そういえば私も好きだと言われたな」
――まずいな、このままではイリナにレイプされてしまうぞ。
ゼノヴィアは冗談とも本気とも付かない口調で呟き、手元のナッツ類を噛み砕いた。
まず間違い無く杞憂であるが、「イリナに迫られたらどうしようか、……いや、問題無いのか???」などと大真面目に考えている。
先の一件でジョンはショックを受けていた。心が傷付き、揺れていた。
イリナに告白された事もそうだが、それ以上に、尊敬する大切な友人に、強姦などという汚い真似をさせてしまった事実に対して、だ。
アーシアに好きだと言って、好きと言われて。友人二人と再会出来て、仲直りして。
彼は全てが満たされていた。もう何も、これ以上は要らないと、本気で思っていたのに。
イリナはそれでは嫌だと言った。好きだから抱いて欲しいと、そう言った。
苦しい。悲しい。胸が痛い。
自分の何がいけなかったのか、少年には分からない。
どうしたら良い、と涙混じりに吐き出した。
それは誰かに届く事など望んでいない、ただの弱音で、独り言だ。
しかし、此処にはそれを耳聡く聞き付けてくれる友が居る。ジョンとイリナの二人が大好きな、頭の良い脳筋が居たのだ。
ばさりと襖を抉じ開けて、仁王立ちするゼノヴィアが、ジョンに向かってこう言った。
「ジョン。セックス、しよう」
□
いや゛――ッ!! と声変わり済みの少年の声が悲鳴を上げた。
ゼノヴィアとて乙女だ。引き篭もりを、相手の住まいから無理に引っ張り出すような無粋はしない。布団の敷かれた押入れの中へ、当たり前のように乗り込んだ。
己の聖域に侵入者を許してしまったジョンは、逃げるように後退り、すぐさま押入れの壁に打ち当たる。物理的な意味で退くに退けない状況下で、それでも逃走を諦めきれず、壁に背を押し付けて距離を取る。
そうして稼いだ僅か数センチの猶予を、押入れの中に入り込んで襖を中から閉めたゴリラが、我が物顎で占領していた。圧倒的である。勝負にならない。
ひぃ、と悲鳴を上げて目蓋を閉じる。
蘇るのは逆レイプの記憶。
抵抗しようにも出来ない相手。友人という距離感に満足出来ない、物欲しそうな雌の顔。彼の身体をまさぐる少女の両手。揺れる乳房、跳ねる尻肉、柔らかな唇の感触。アーシアに対する罪悪感。止め処ない肉の快楽と、捕食される、恐怖。
身体が震える。見知った相手が、紫藤イリナが、違う何かに変わったかのような変貌だった。
ゼノヴィアの顔を見る事が出来ない。怖いのだ。彼女までイリナと同じになっていたのなら、と。
「ジョン、もっと単純に考えるんだ」
ふわりと優しく抱き締められた。
鼻腔に届くのは少女の香り。少しだけ汗ばんだ、かつて身近な距離に居た友人の匂いだ。
目蓋を開けられないまま、それでも少しだけ、強張った全身が楽になる。
耳元で、変わらぬ声音でゼノヴィアが言う。
「セックスは好きな相手とするものなのだろう。私はキミが好きだ。――キミはどうだ?」
単純に。という言葉が頭の中で木霊する。
そうなると、答えなんて決まっている。考えるまでも無い事だ。
「……好きだ」
「そうだろう。……ふふっ、これで相思相愛だな」
嬉しそうに返すゼノヴィアの耳は少しだけ赤くなっていたが、この押入れの中の暗がりで、胸元に抱き締められた彼からは彼女の様子なんて分からなかった。
「あの娘、アーシアの事が好きなんだろうが。それで良いさ。それでも、私はキミが好きだぞ」
何か良い事を言っている気もするが、まず間違い無く、どこか論点がズレている。
恋愛事とは、そこまで単純で、分かり易く、なによりも都合の良いものではないのだ。
が、此処に居るのはジョンとゼノヴィアの二人だけ。
お互い恋というものを理解せず、好きと嫌いの、大まかに二種類の基準で世界を見ている子供同士だ。歪な二人、だけだった。
頭を使う方の子供であるジョンにしても、今は心が弱りきっていて逃げ場が無い。怖いものの見えなくなった暗闇の中で、信頼する友人に抱き締められて、温かなものに包まれていれば、常の七面倒な小理屈なんて簡単に何処かに行ってしまう。
「私はキミが好きだ。そして、キミも私が大好きだ。――ほら、何も問題は無いじゃないか」
互いに好き合っているのなら、もう、それだけで充分だろう。
さり気なく彼の気持ちにのみ「大」を付けて言い切ったゼノヴィアは、思考の鈍った彼とは違い、本当に本気でそう思っている。
好きな相手が沢山居て何が悪い。好きならばセックスするのは当然ではないのか、と。教会譲りの偏った知識と野生的なメスの本能で判断し、それを実践しようと身を寄せていた。
「ジョン、セックスしよう」
先程と同じ言葉を、先程よりもずっと優しい声音で繰り返す。
ゼノヴィアの思考なんて単純だ。本当の本当に、シンプルだ。
セックスによって得た傷は、セックスで癒す。
彼女は友人二人が大好きなので、彼等が避け合う状況を解決したかった。
弱りきっている今のジョンには言わないが、イリナだって先の一件で引き篭もったまま、布団に潜って水も食事もゼノヴィア頼りの要介護状態。これではいけない、とゴリラは思った。
彼のトラウマにその原因を上塗りするような、酷く強引な解決法だ。単純思考な彼女が考えているほど、心の傷というのは、容易く乗り越えられるものではない。
だが、二人のためなら一肌どころか幾らだって頑張るつもりのゼノヴィアである。
自分だって処女のくせに。怖いのなら、怖くなくなるまで付き合うからと。彼の話を全て聞いた上で、それを当たり前に受け入れていた。追放も窃盗も、強姦未遂も、今に至るまでの全てを知って、それでもゼノヴィアは変わらない。
聞いた上でも好きな気持ちが変わらなかったから、別にいいかと納得していた。
実に簡単な話だ。――彼女は彼が好きだった。
それは一切混じり気の無い、赤ん坊のように素直な気持ちだ。
だから弱りきった少年は、まるで縋るように少女の身体を抱き締めた。
□
「んっ。結構、こそばゆいな」
暗がりの中で露出した乳房を、少年が舌で舐めしゃぶる。
衣服を捲り上げて腹部から胸元までを露出したゼノヴィアは、ろくに見えない視界の中で、彼に己の身体を差し出していた。処女なので遣り方も分からないから好きにして欲しい、とそれだけを言って。
が、これが意外と恥ずかしい。
倫理観も性知識も恋愛観も言い訳不能なくらいにガバガバだったが、ゼノヴィアだって女の子だ。いざ事に及べば、恥じ入る気持ちも少々あった。だからと言って、やめる気なんて全く無いが。
乙女な自分を再発見した少女の胸元、少年が甘えるように乳房に吸い付く。
彼女の乳房に両手で触れて、小さめの乳首を唇で咥える。舌で舐って軽く弾いた。強く啜れば何故か落ち着く、安堵する。
大きく、丸い、真っ白な果実。少女の胸元に抱き留められて乳を吸う。構図だけなら赤子のそれだが、少年の股間は当たり前のように女を求めて勃起していた。
怖い怖いと怯えていたのに、いざ事に及べば身体は素直だ。気持ちだって、頭の中に先のゼノヴィアの言葉が反響していてそればかり。好きだ、と何の衒いも無く言われた事が、どうやら自覚している以上に嬉しかったらしい。弱った心に付け込むような、実に見事な手際であった。やった少女は無自覚だが。
ゼノヴィア、と胸を舐めながら名前を呼んだ。
それを耳にし ぴくりと震える、常の態度とはどこか異なる少女の姿。
股間が滾る。心が燃える。身を乗り出して、襖の合わせ目から僅かに漏れ出る明かりを頼りに、彼女の顔へと己のそれを近づけた。
薄っすらと見える、彼女の視線。金色の瞳が真っ直ぐに、彼の顔へと向けられている。
身を乗り出して、薄く開いた唇を寄せれば、少女の方もまた応えて動く。
がちり。
「いたいぞ、ジョン。……へたくそ」
目算が狂ったのは恐らく、キスに慣れていないゼノヴィアの方だ。
暗いと言っても、少年の側は百では足りない数の口付けを経験している。今更失敗などするわけが無い。そう言い返してもう一度、覆い被さるように顔を寄せた。
しかし、少女の側はその言い訳が気に食わなかったらしい。
手を伸ばして襟元を掴むと、少年の顔を己の方へとかなり強引に引き寄せる。
がつり、かつりと何度もぶつかる。ぶつかる度に、彼の顔のどこかしらに柔らかなものが触れてきた。やがて伸ばされた少女の口が頬に当たり、鼻の頭を舐め、何度も何度も失敗し、流石にこれはわざとだな、と理解した辺りで、――微笑みながら少年の唇を奪い取っていく。
篭るような吐息が、互い相手の方から漏れ聞こえてくる。
キスをしながら手を伸ばし、彼が彼女の胸を揉む。軽く触れるように撫でて、乳房の曲線をなぞりながら、時に先端の突起を弾き、もう片方の手で脇腹から腰元、臀部にまで愛撫の手を伸ばして動く。弄ぶ動きをゼノヴィアの側も受け入れて、勝手気ままに触って愉しむ。
唇を離せば吐息が零れて、もう一度、僅かな明かりで金色の視線を垣間見る。
既に股間のモノは張り詰めていた。肉付きの良い女の尻を揉みながら、ゼノヴィアの股間に己の形を知らせるように、軽く幾度か擦り付ける。
二人の人間が身を潜めるには些か狭い、押入れの中。ガタゴトと音を立てながら下を脱ぐ。
つるりとした少女の下腹部に己のモノを軽く乗せ、ここで一拍息を吐く。
「今更だが」
ゼノヴィアが、暗がりでよく見えない陰茎を見下ろし、ぽつりと言った。
「少し恥ずかしいな、これは」
今更言うのか。
脚を広げた彼女の腰元、軽く立ち上がった姿勢のままで、少年が小さく吹き出した。
彼女としては最初から割と恥ずかしかったのに、それを察する様子も見えない彼へと向けた、ちょっとした気遣いの要求だったのだが。この様子では通じなかったようだ。
股間同士を軽く触れさせながら、もう一度顔を寄せてキスをする。
今度は、失敗しなかった。
陰茎に手を添え、互いの腰の位置を調整する。手が足りないと見るや、少女の側もまた、己の秘所を指で広げて迎え入れる態勢を整えた。
ずくり、と入る。
すぐさま気付くが、湿り気が足りない。少年が片手の指を立て、ゼノヴィアの口の中を優しく まさぐると、そこから掬い上げた二人分の混じった唾液を、繋がった部位や己の性器に塗りたくり、出来るだけ痛みがないようにと気を使う。
それを見て、ゼノヴィアの片手も彼へと伸びた。
己が今されたように、少年の口内を好き放題に弄り回して舌を揉めば、刺激を受けて彼の唾液が分泌される。掻き出すようにそれを掬えば、今度は彼女がぬめりを施す。
塗って広げて、腰を振る。少しずつ、動きが滑らかになっていく。
その途中で破れた処女膜から多めの赤が追加され、更に動きが加速した。痛みは、余り無い。
少年の側が強くなり過ぎないように腰を振って、手を伸ばして乳房を揉んだ。
丸みを帯びた形を引っ張って、指先が先端の乳首を弄る。狭苦しい暗がりの中でも、掴んでいない方の乳房が跳ねるのを確かに見て取り、視覚からの刺激に興奮が更に増していく。
陰茎が膣の内側で舐め上げられる。
見知った他の二人よりもずっと強い締め付けと、それ以上に複雑な動き。引き抜く動きに ざらざらと動く襞の刺激が気持ち良く、すぐさま打ち付け奥へと潜る。
少女が両腕を伸ばすと、少年の首を抱きすくめるようにキスをした。
前後運動の最中で唇同士が僅かに離れ、垂れた唾液が少女の臍辺りで溜まりを作る。ソレは揺れる女体の上から零れ落ち、その内の僅か少量だけが、二人の繋がる部分へ流れた。
射精が近い。少年の側の動きが、速く、細かく変わっていく。
出そうだ、と言えば少女の側が両脚を伸ばして彼の腰を絡め取る。ぐるぐると蠢く膣内の動きも、まるで搾り取るようなものへと変わった。
このままだと、出る。彼女の内側に射精する。
「ふふっ」
このままでは妊娠するな、となぜか得意気に笑うゴリラ。
今、彼女に何らかの恐ろしい企みがある、なんて事は当然無い。
ちょっとした戯れ、男に対する からかいだ。妊娠の重みも出産の苦痛も、彼女は何にも分かっていない。
セックスなのだから子供が出来ても当然だ、とは考えてはいるが、避妊をする事に否やは無かった。別に、彼に対して子供を作って縛り付けたり、嫌がらせをしたりの意図など無い。人によっては割と恐ろしい脅しになるが、ゼノヴィアは子供のじゃれ合い程度の意識で口にしている。
一方、言われたジョンは両目を見開き呟いた。
「しまった。イリナやアーシアとスる時、避妊した事が無い……!」
ジョン・オーリッシュは戦慄した。
このままでは妊娠してしまう。――アーシアが。あと、可能性は比較的低いが、イリナも。
今更になって、そこに気付いた。本当に今更だった。
「――は???」
ゼノヴィアが短く、重低音で訊き返す。凄く不機嫌そうな顔だった。
色々と足りない部分はあっても、彼女とて年頃の、立派な乙女だ。行為の最中にこんな事を言われて何も感じないほど、女を捨ててはいなかった。女というのは心がどれだけ幼くとも女なのだ。
均整の取れた美しい少女の両脚に、ゴリラの如き力が篭る。
少年の腰をがっちり固定し、下半身の動きに伴い、膣内の動きもどこか淫らに変化する。不意の刺激に陰茎がびくりと大きく震え、それさえも膣の愛撫に押さえ込まれた。
ゼノ助!? と驚く彼が言う。が、対する彼女は不敵に笑って言葉を続けた。
「子供は五人くらいが良いな。――パパ?」
完全に、臍を曲げた子供の顔だ。
別に今の彼女は子供が欲しいわけでも結婚願望があるわけでもないが、ただ単純に、先の発言で乙女心が傷付いたので、報復のために口にする。
既にして充分な愛液を溜め込んでいる膣内が、一際激しく動き出す。
女の肉が、舐めて、絞って、吸い付いた。言葉や精神が年齢不相応に未成熟でも、肉体だけは一際強く、彼女の性を主張していた。
少年が喘いで、僅か数日の引き篭もり期間で溜まりに溜まった精液を噴き出す。
性の快楽に突き動かされて、二人が互いに抱き締めあった。まさしく、番い合う男女そのものの姿で。その間にも、少女の内側ではありったけの熱が吐き出され続け、膣と子宮を泳ぎ出す。
やがて重なり合ったまま、敷かれた布団の上で一つになって横たわる。
汗ばんだ素肌が触れ合って張り付く、たわわに実ったゼノヴィアの乳房が胸板で潰され、美味しそうに撓みながらも彼の体重を受け止めた。
二人っきりの狭苦しい暗がりの中で、しばし呼吸の音だけが響いて聞こえる。
三大勢力のトップ陣が会談を行う、二日ほど前の出来事だった。
木場「家に帰ったらジョン君に貸してる和室から変な臭いがする……」
ゼノヴィアは剛毛か無毛の二択なイメージだったのですが、ケツ毛ボーボーなメスゴリラ系ヒロイン(ガチ)を待ちわびている方がどれ程いらっしゃるか不明なので善意のパイパンと相成りました。
主人公がぐだぐだ悩む展開は面倒臭いので、彼個人に関してはさっさと吹っ切れる予定です。
次話こそ駒王会談(参加するとは言ってない)。