※この作品はR-18です。

管理局贔屓の情報屋   作:トクメイデス

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006 高町ヴィヴィオとの関係

 情報屋程、コミュニケーション能力が鍛えられる仕事はないと、俺は考えている。

 営業職もまたコミュ力が必要かもしれないが……売り込む対象の条件を絞るなり、相手を徹底的に調べるなりしておけば、まだ対応可能だ。接客もまた然り、手持ちの情報と決められた手順を繰り返すだけで事足りる。

 つまり情報屋は、言うなれば『新規開拓』が主な仕事だ。

 顧客は固定であっても、依頼された情報源を探る為には、常に初見の相手と会話を行わなければならない。おまけに、一歩間違えば即生命を奪われてしまうのだ。ほんの一時でも気を緩めることは許されず、マニュアル抜きなので常時臨機応変に動かなければならなかった。

 しかし、かといって……これはないと言いたい。

「どうしてこうなった……」

 陽光照らす青空が投影された巨大ドーム内。屋内プールにあるビーチチェアに寝そべりながら、海岸を模した波のプールに視線を向ける。

「ほらいくで~」

「きゃ~っ!」

 そこには俺の連れが二人、波打ち際の水辺でボール遊びをしている光景が広がっていた。

 

 

 

 話は前日にまで遡る。

 正式にプロポーズする前に、一度はやての家族である夜天の守護騎士達と会談の機会を設けようとしたのだが……古巣である時空管理局は不運にも、繁忙期に近い状態となっているらしい。要するに、局員の大半が仕事に追われているのだ。

 そんな中、代休で暇なはやてにせがまれるまま、屋内プールへとデートをしに行くことになったのは別に構わない。こちらもフェイトに情報を売り、丁度仕事が終わったばかりだ。資金的にも余裕があるので、むしろ俺の方が楽しみにしていたと言ってもいい。

 と、いうのに……問題は、その楽しみにしていたデートの前日に起きた。

 仕事終わりのはやてが家に来たかと思えば、何故かその後ろにはフェイトと高町がいた。

「どうした、浮気調査か?」

 というのは、さすがに冗談だった。

 ハラオウン総督やスクライア司書長の人柄は知っているので、最初から疑いもしなかった。おまけに相手が相手なので、そんなことをすれば十中八九、いや確実に『スターライトブレイカー』が飛んでくる。むしろフェイトに恋人ができたから、相手の素行調査を依頼される可能性の方が高い位だ。

「そういう自分こそ、浮気しているからそんな冗談が出るんじゃないの?」

「残念、該当するのはランスターの妹に稽古を付けた件位だ」

 そもそも女なんて、本命一人いれば事足りると思うのだが……世の浮気者共は、相方に満足できなかったのだろうか?

「まあ、冗談はええやろ。お茶淹れるから待っとってな~」

 そして勝手知ったる台所へと入って行くはやて。

 とりあえずフェイトと高町を、普段はやてが占領している反対側のソファに座らせた俺は、向かい合った状態で腰掛け、訪問の理由を聞くことにした。

「……で、今日はどうしたよ?」

「ちょっとお兄ちゃんにお願いがあって……」

「私は反対なんだけど……」

 妹よ、せめて話を固めてからお願いに来なさい。

 そう高町を一瞥してから妹の方を見ると、当のフェイトは苦笑いをしながら、用件を告げた。

「お兄ちゃんはヴィヴィオのこと、もちろん知ってるよね?」

「ヴィヴィオ? ……ああ、お前等の娘か」

 俺は直接関わったことがないので、思い出すのに少し手間取ってしまった。

 ヴィヴィオこと高町ヴィヴィオとは、元は身元不明の少女で、フェイトと高町がそれぞれ後見人と保護責任者となり、今では二人の娘として生活している。

 たしか正式には、高町の養子だったか?

「その娘がどうしたよ? 彼氏ができたとか?」

「そしたら即、相手に『スターライトブレイカー』なの」

 予感的中……外れてくれても良かったのに。というか子供にも容赦ないなこいつ、変態おじさんならまだいいが。

「せめて会話のワンクッションは入れてやれよ……で?」

 とりあえず、俺は話を促させた。

「その娘がどうしたよ?」

「実は……」

 そしてグダグダ言うフェイトだが要するに、この一言に尽きる。

 

 

 

「私達の仕事が忙しくて、他に頼れる人もいないから……明日一日、ヴィヴィオを預かってくれない?」

 

 

 

 ……なんて、誰に聞かせるでもない要点を頭の中で考えている場合ではない。

「…………はやて」

「私はええよ~」

 俺はよくねえんだよ、とお茶の入ったカップを配るはやてに対して、内心で愚痴った。

 ただでさえ守護騎士連中にどう挨拶するか迷ってるってのに、何余計な仕事増やしてくれてるんだこの恋人様は。

 ……なんて、愚痴ってても仕方がないか。

「で、いつまでだ……?」

「夕方には迎えに行けると思うから、それまでお願い」

 となると……俺、ロリコンの趣味なんてないんだけどなぁ。

「明日のプールデートに連れていく。精々遊び相手になってやるさ」

「ざまぁ、なの」

 そして俺の肩ははやてが、高町の肩はフェイトが抑え込んできた。

 予想通りだってか? やれやれ……って顔を振るな、二人して。

 

 

 

 そんな感じで今朝方、ヴィヴィオ嬢を連れたはやてを拾ってから、俺の車で直接屋内プールのあるレジャードームへと向かい、現在に至るというわけだ。

 本当、誰に説明しているのやら……だ。

「あれ、遊ばへんの?」

「おじさん?」

「……お兄さん、だ」

 さて、現実逃避はここまでにしよう。

 ストライプ柄のビキニ姿をしたはやての傍に寄り、おじさん呼びしてきたピンクワンピース姿をした小娘の頭をぐりぐりと撫でてから、俺は近くの売店を指差した。

「いい頃合いだ。そろそろ飯にしよう」

「もちろん奢ってくれるんやろ? お、じ、さん♪」

「お前……夜覚えとけよ」

 また強姦したろか、と思ったものの……どうあがいても和姦にしかならないか、と俺は早々に諦めた。

 

 

 

 はやて達を飲食エリアの適当な席に座らせた俺は、頼まれた料理を買いに売店へと一人、足を運んでいた。とはいえ、ヴィヴィオ嬢はともかく……恋人の方は気付いていたらしい。

「……で、何の用だ?」

「あれ、分かっちゃった?」

「はやても気付いていたみたいだぞ?」

 どこからレシピを仕入れたのやら、第97管理外世界製焼きそばの屋台に並んでいると、すぐに後ろへと並んできた人間が居る。そして俺が話し掛けると、あっさりと認めてきたのだ。だからちょっとした嫌がらせに、はやても気付いたことを告げてやると……微妙にへこんだ空気が流れてきたような気がした。

「せめてシャオリー位の気配遮断は覚えておくんだな……ジェノス」

 俺は振り向き、左肩付近にⅦの刺青を入れた長身の海パン男こと、元部下のジェノスにそう告げた。

「いやあんた、求めるレベル高くない? よりにもよって変装術の達人レベルって……」

「ランスターの妹の方が、腕は良かったぞ。魔力の抑え方は、まだ甘かったけどな」

「そりゃ、将来有望なこって」

 そこまで混んでなかったから、話している間に俺達の順番が来てしまった。一先ず焼きそばを購入してから、人気のない屋台の陰へと隠れる。

「待ち伏せ任務だったんだけど、思ったより早く片付いてさ。せっかくだから昼飯でも買って帰ろうとしたら、あんたを見かけたんで声掛けただけだよ」

「だったらこう言ってやるよ……油断し過ぎだ」

 俺達の後ろを、何人かのチンピラがついてきていた。

 大方、ジェノス達の標的の関係者、ってところだろう。

「それで、結局何で俺を巻き込んだんだ?」

「それがこいつ等……おたくの恋人やってる特別捜査官見て、関係者だと勘違いしたみたいでさ」

「何してくれてんだよ、お前等……」

 デバイスは肌身離さず持っているものの、だからといって常に戦いたいわけでもないのに……後で焼きそば代以外にも請求しよう。

「……向こうは?」

「そっちはさっき噂したシャオリーが。と、言っても……全員こっちに来たみたいだけどね」

「要するに……いつも通りか」

 俺達はそれぞれ、デバイスの『疑似装飾銃・ハーディス』と『鋼線付グローブ・エクセリオン』を展開し……手短に片付けた。

『俺達の出番はっ!?』

『モブは黙ってろっ!』

 この程度なら、わざわざ俺が囮になる必要もないだろうと愚痴りながら戦ってやると、ジェノスは段々とげんなりしだしていた。

 まあ、野郎を立てる趣味は持ち合わせていないので、知ったこっちゃないのだが。

 

 

 

「……おお、思っとったより早かったな~」

「そこまで混んでなかったよ……その飲み物は?」

「綺麗なお兄さんから貰いました~」

 ……シャオリーだな。あいつ、顔だけはいいから。

「で、そのお兄さんは?」

「さっき帰ったで~『連れから呼ばれまして』って言い残して」

 まあ……もう大丈夫なら、それでいっか。

「じゃ、飯食うか」

 そして食事後は、滅茶苦茶遊びました。

 

 

 

 そして迎えに来たフェイト達にヴィヴィオ嬢を引き渡し、残業で未だに管理局にいる高町に対して盛大に『ざまぁ』と叫びたくなる気持ちを抑えながら、俺ははやてと共に、家へと帰って来ていた。

「ホテルでも良かったな……狭い」

「ええやん、もう出掛ける気せえへんし~……」

 自宅の狭い浴槽に二人して浸かりながら、俺達はぽけ~、としていた。

 本来ならばプールデートの後ホテルに寄り、再び水着を着てはやてとR指定の予定だったのだが、ヴィヴィオ嬢を送り届ける関係で、断念することになったのだ。

 なまじ、管理局の地上本部に近い位置に住むものじゃないな……本当に。

「しかし、子供って……面倒だな」

「の、割りには楽しそうやったで? 自分」

「ほっとけ……」

 ジェノス達と遭遇するトラブルはあったものの、それ以外は普通に楽しんでいたのは事実なだけに、まともに反論することができなかった。

 本当……面倒な奴を選んだ俺には、呆れてものも言えない。

「子供が出来たら……あんな感じなのかな?」

「私らの子供やったら、もっとやんちゃやろうけどなぁ……」

 ……否定できない。ヴィヴィオ嬢は、高町の娘とは思えない位に礼儀正しかったし。血が絡めばさらに似る可能性が出てくる。

 多分あの娘は、フェイトに似たんだろう。さすがは俺の妹だ。

「ところではやて、実は今回の件建前にして強姦しようと考えていたんだが……」

「やらへんの~……」

「……少しは拒否れ。いや、それとは別に拒否しているものが今回の本題だ」

「なんやね~ん……」

 そして俺は、ある意味では禁断の一言をはやてに告げた。

 

 

 

「お前……俺にフェラとか、してくれたことないよな?」

 

 

 

「…………」

「…………」

 はやてが俺の股間の紳士様を咥えたことがない。

 それを指摘しただけで、シャワー室内には重い空気が流れだした。

「…………私に拒否権は?」

「コブ付きデートになった時、俺に拒否権はあったか?」

「そういや、あらへんかったな…………」

 慌てて浴槽から出て逃げ出そうとするはやての身体を抱きしめ、程よくある胸の先端を指先で弄びながら、何故嫌がるのかを無理矢理聞き出すことにした。

「で、理由は?」

「……笑わへん?」

「話次第」

 そりゃ、聞いてみないことには、答えられないからな。

「実はな……ちょっと前から練習しとってん。バナナとか、バイブ買ったりとかして」

「……え、バイブとか売ってるの?」

「そこはまぁふっ、……通販で、な」

 はやての乳首を指で弾きながら、俺は内心で『うわぁ……』と思ってしまった。女に性欲があるなんて、昔は都市伝説だと思ってた程だしな。

「でも、それがどうしたよ」

「いやぁ……ほら、フェラって、結局は排泄器官を口に入れる言うことやろ?」

「分かった。もういい、聞きたくない」

 要するに『汚いから咥えたくない』か、『思わず噛み切ってしまう』かのどちらかが、理由だろう。

 せめて前者であれ、後者だったら笑いどころか性欲も出ねえよ。血の気が引くわ。

「まあ……はやてが濡れやすいからか、俺もあまりクンニとかはしたことないしな。お互い様か」

「クンニした日はキスせえへんしなぁ~」

 ……そういえばそうだった。

「とりあえず……今日はなしにして、普通にセックスするか?」

「でもいつかはやりたいねんよな……飽きられても嫌やし」

 最後は小さく呟かれた言葉だが、俺は耳聡く聞き逃さなかった。

「飽きるんなら、最初から娶ろうなんてしねえよ」

「ならえ……、ちょっ!? 何するん!?」

 何って……はやての腰を掴んでから穴に棒を刺しただけなんだが。

「……ああもうっ! こうなったらすぐ射精させたるっ!」

「やってみろこのエロ狸っ!」

「たっ、狸ちゃ、う、わぁ……!?!?」

 この後滅茶苦茶セックスした。具体的に言うと、腰の動きだけでアヘ顔させる位に。

 ……そして翌日、腰を痛めた俺は、はやてに散々(患部への指圧により)虐められる結果に終わってしまったのが今回のオチ。

 

 

 

 ある日の、管理局の地上本部にて。

「これを……私に、ですか?」

「そう。お兄ちゃん……この子の持ち主も、それを望んでいるの」

 出勤と同時に、フェイトに呼び出されたティアナは、突然渡されたあるものに、困惑を隠せないでいる。

「でも、これって……」

「『処分しないなら、あいつの予備か練習道具にでもしておけ』、だって。使うかどうかはティアナに任せるよ」

 それは、とても重いデバイスだった。物理的にも……心情的にも。

「ちなみにお兄ちゃんの古巣からも、『OK』だって言ってたよ。それどころか、これも送られてきたんだ」

「これは……カートリッジ、ですか?」

 カートリッジ。デバイスに装填して一時的な魔力増強を図る為に必要な、車で言うニトロのような物だ。しかしそれは、ティアナが知るカートリッジよりも数倍の大きさと、珍しい輝きを備えている。

「『とっておき』、なんだって。もし使うのなら慎重にね」

「は、はい……」

(重い……)

 恨む気持ちはない、と言えば嘘にはなるが……少なくとも、普段から憎しみを向けているわけではない。それでも、今回ばかりは恨み節の一つでもぶつけたくなってしまう。

(どうしよう……本当に)

 

 

 

『装飾銃・ハーディス』

 

 

 

 ……ティアナが持つには、色々な意味で重すぎるデバイスだった。

 

 

 




高町ヴィヴィオとの関係:どう足掻いても子供でしかない

かつての主人公のデバイス:『装飾銃・ハーディス』(元ネタ:『BLACK CAT』)

約一年振りです。皆様、健康面にはどうかお気を付け下さい。
物語に関しましては、とうとう重要な伏線である『装飾銃・ハーディス』こと、主人公が昔使っていたデバイスが出てきましたが、出番は未だに未定です。物語の結末は決まっているのですが、それまでの話はどうしようかと考えている最中でして……何にせよ、年1回定期更新の方針はそのまま残しますので、思い出した時にでもまた、読んでいただければ幸いです。
では、またの機会に。

【参考までに】主人公の名前で希望があればご協力願います。

  • 今まで通り、名前は伏せたままにする
  • オリジナルで名前を考える
  • トレイン=ハートネット
  • 別のキャラクター名【なのはから参考に】
  • 別のキャラクター名【黒猫から参考に】
  • 別のキャラクター名【その他から参考に】
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