寝取り寝取らせ、寝取り寝取られ 作:ベーシックハッピー
「ゆ、優美子っ! そろそろ……っ!」
「うん、いいよ! 隼人ぉ!」
「ぐっ!」
一番奥へと本能に従うように腰を突き入れる。それに優美子が応えるように足を絡めてくる。強い快感と脱力感。それを感じつつ俺は優美子からゆっくり腰を引き抜いた。ゴムにはたっぷりと俺の精液が溜まっている。ゴムを外して簡単に結んでゴミ箱へ。もうこの流れも慣れてきたな。
「ありがとう優美子。先にシャワーを使っていいから」
「ん。じゃ、そうさせてもらうね」
こちらへティッシュを手渡す優美子へ礼と共にそう伝えると、笑みを返してベッドから降りた。その背中を見送り、俺は小さくため息を吐く。何となくだが、優美子と上手くいってない気がするのだ。互いに初体験だった時は無我夢中で分からなかったが、それから何度か肌を重ねる内に気付いた事がある。
「今日も俺だけ多くイカされてる」
最後も優美子は感じてる振りをしてくれたんじゃないかと思う。こんな発想になるのは、やはり優美子が比企谷と一切の関わりを絶ったからかもしれない。少なくても俺の見える場所では完全に。比企谷にそれとなく聞いたら……。
―――お前に変な心配させたくないんだろ。ほら、トラウマ再発させるかもしれないし。
と、そんな答えが返ってきた。俺もそうかもしれないと思って納得したが、どこか引っかかる部分はある。あの日は本当にお互いに感じ合い、また求め合った気がするのに、今は俺だけが優美子を求めているような感覚なのだ。勿論気のせいだと思うし、優美子は俺だけしか男付き合いはしていない。戸部達といる事はあっても、俺なしで出かける事さえしないぐらいだ。優美子は俺を想ってくれている。
「……ダメだ。こんな事を考えると本当に昔に戻るぞ」
自分へ言い聞かせながら頭を横に振る。と、そこで聞こえてくる水音。そうだ。優美子と一緒にシャワーを浴びよう。きっと優美子は驚くだろうけど許してくれるはずだ。たまにはそういう事じゃない触れ合いも必要だしな。
そう思って俺はバスルームへ向かう。静かにドアを開けて中へ入ると、優美子の整った体が見える。あれが俺だけのものなんて、それだけで幸せになれる。
「ん? 隼人?」
「うん、一緒に浴びようかなって」
「もう、隼人もこういう時は子供みたい。エッチなのはダメだから、そこは気を付けて?」
「分かってる。そういうのはベッドだけ、だろ?」
「ん」
優美子の背中を優しく抱きしめる。それに優美子は嬉しそうな顔を返してくれる。ああ、やっぱり勘違いだよな。そう思い直し、俺は優美子とキスをする。舌を絡めたいけど、優美子にダメと言われた以上それは出来ないので断念した。
こうしてこの日も終わる。優美子を家へ送り届け、一人家路を行く。と、そんな時だった。
「メール? ……いろはか」
最近俺へアプローチを続ける後輩からのメール。その内容に俺は大きく頭を悩ませる事になった。
―――葉山先輩、お願いがあります。一度だけでいいので私を抱いてください。思い出だけでいいんです。私、三浦先輩には勝てませんから。
どうして俺と優美子の事を。そう思うものの、こういう事に関して女性の勘は恐ろしい程働くのかもしれないと、そう思ってメールを閉じる。優美子へ相談するべきかもしれない。
いや、ダメだ。そこで優美子が一度だけならいいと言って来たら、俺はどこかで彼女を信じられなくなる。だが、いろはの気持ちは分からなくもない。しかし、断るべきだ。そう思って返信を送ろうと思った時、またメールを受信する。相手はいろは。
―――葉山先輩が抱いてくれないなら、三浦先輩とお付き合いしてるって周りに言いふらします。本気です。だからいい返事待ってます。
完全に先手を取られた。いや、どちらにせよ俺に打つ手はない。未だに俺は優美子との付き合いを数人にしか話していない。
結衣と姫菜は気付かれるだろうから話をした。それと、戸部には教えたが大岡達には言っていない。グループ全員へ教えるべきと思ったのだが、あのチェーンメールの件もあって、どうしてもあの二人を信じきれないと判断したためだ。
「……俺はどうしたらいいんだ」
優美子に相談は出来ない。すれば答えは分かり切ってる。でも、そうしたら優美子があの時の雪乃ちゃんみたいにされる。なら受けるしか。でも、それは優美子への裏切りになる。そこでまた振動するスマホ。いろはかと思って見てみると、そこには違う人物の名。
「比企谷……?」
着信は比企谷だった。あの一件以来ほとんど連絡していなかったが、どうしてこのタイミングで。そう思いつつ電話に出た。
『葉山、悪い。止められなかった』
「……いろはの事か。そうか、やっぱり君に相談してたんだな」
『ああ。それであいつは前々から三浦との事を疑ってたらしい。俺はまだ関係は持ってないと言ったんだが、なら揺さぶりをかけるって』
その瞬間、俺は自分の浅はかさを呪った。成程、関係ないなら即答しているはずか。してやられた。そう思いながら比企谷へ相談してみる事にした。
「比企谷、また君に頼るのは心苦しいが」
『一色の件だな。何を言ってきた』
「話が早くて助かるよ。一度でいいから抱いてくれと。抱かないと俺達の関係を周りへ言いふらすそうだ」
『…………三浦へ相談しろ。お前にすればトラウマ再発ものかもしれんが、今のお前らなら乗り越えられるだろ』
比企谷の声はとても苦しそうだった。分かっているんだろう。彼もかつて女性の悪意を経験しているに違いない。それでも優美子と俺を思って、そして信じているからこそこう言っているのだ。同じ女性を愛した者として。
「分かってるんだ。それでも怖いんだよ、比企谷。優美子まで雪乃ちゃんと同じになったらと、そう思うとさ」
『葉山……』
「優美子の性格は知っているだろ? 確実に毅然とした態度でいろはへ立ち向かうさ。そして学校中に俺達の事は知れ渡る。でも、優美子が思っているよりも女子の陰湿さは恐ろしい。優美子も知らない訳じゃないだろうけど、自分がその標的にされた事はないはずだ。だからこそ」
『…………分かった。なら、考えがある』
「比企谷?」
『一色が秘密をばらされたくなければ抱いてくれと言ってきたなら、こっちも相手の秘密を握ればいい』
比企谷の声はとても冷静だった。いや、きっとそうであろうとしてるのだろう。おそらくは優美子のために。でも、俺としてもそれでいいと思う。だけど、いろはの秘密を握るなんてどうやって。そう思った時、俺にも比企谷の考えが分かった。
「動画、か」
『さすが葉山だ。ああ、行為を撮影しろ。一色に気付かれないようにな』
「……出来るだろうか」
『出来る出来ないじゃない。三浦を守るためだ。やれ』
有無を言わせぬ迫力だった。たしかに俺が鬼にならないと優美子を守れない。もうあの時のような事は嫌だ。そう思って俺は決心した。比企谷に礼を告げ、通話を終える。ふと後ろを振り返った。
―――優美子、俺、今度は間違えないから。
「これでいいか」
葉山との通話を終え、俺は一応の達成感を感じていた。いろはの奴が葉山へ送ったメールは知らない。だが、送った事だけは知っている。何せ目の前でやったのだから。今、いろははご褒美として俺のチンポをフェラしている。葉山との通話中、熱っぽくフェラをしたのは褒めて欲しいからだろうな。
「いろは、よくやった。お前、やっぱりすごい奴だ」
「ジュルッ……いえ、先輩の方こそ凄いです。だって、今ので私は嘘吐けなくなりましたもん」
「何だよ。嘘吐くつもりだったのか?」
「吐けたらってぐらいですけどね。まぁ、今の聞いてると葉山先輩って意外とヘタレなんですね。女子の怖さは私も分かりますけど、進学校の総武で何か発覚したら将来に響くんであまり派手な事出来ませんよ」
そう言い切ると俺のチンポへ舌を這わす。その光景に俺も興奮し、よりチンポが反り返る。すると、いろはは嬉しそうに笑う。本当に女は怖いな、葉山。少し前まで恋する乙女だった奴が、今では平気でかつての想い人を陥れようとするんだ。しかも、男のチンポを美味そうに舐めながら。
「いろは、ゴムつけてくれ」
「はぁい」
「分かってるな。ちゃんと抱かれてこい」
「ん~……っぷは。はい、分かってます。だからぁ」
「ああ、たっぷり抱いてやる。今も、その後もな」
俺の言葉に嬉しそうな笑みを浮かべいろはは股を開く。濡れに濡れたマンコへチンポをあてがう。ああ、最高だ。寝取り切った後でも興奮出来る。何故なら、こいつはこれっぽっちも葉山を想っていないのに想っている振りが出来るのだ。俺だけに可愛がられたくて他の男へ股を開く。例え葉山に抱かれていても、その最中も俺の事ばかり考えているのだから。
「あんっ、先輩のオチンポ硬いです。そんなにヘタレ先輩を苦しめたいんですか?」
「違うな。俺はあいつに苦しんで欲しいんじゃない。ただ俺が楽しむためにそうなってしまうだけだ」
「本当に先輩って酷いですよね。んっ、さっきだって三浦先輩を理由に私を抱かせようとしましたし」
「元はと言えばあいつがさっさと周囲へ見せつけないのがいけないんだ。きっと三浦もそれを望んでるだろうし」
「ですです。今もヘタレ先輩を好きな女子、多いですよ。ま、三浦先輩が実質彼女みたいに見えるんで遠巻きに見るぐらいが精一杯ですけどぉ」
三浦が彼女。その言葉が妙に気に入らずいろはの口を塞ぐ。そしてそのまま腰を激しく打ち付け始めた。
いろはを抱きながら思う。やはり俺はあの女を忘れる事が出来ないらしい。初めての女だからだけではない。今の俺にとって理想とも言うべき存在だからだろう。
だが、俺は忘れていない。葉山よりも俺の方がチンポが立派である事を。最低な男だが、故に安心していろはを抱かせられるのだ。
「ああっ! 先輩っ、激しいですっ! これぇ、好きぃ!」
「そうかよっ! なら、壊れるぐらいしてやるっ!」
「ああんっ! いい、いいよぉ! 先輩チンポ気持ちいいっ! 私ぃ、もう先輩専用マンコですっ!」
「くっ、いろはっ! 舌出せっ!」
伸ばされた舌へ俺も舌を絡めつつ、最後の仕上げとばかりに腰を打ち付ける。腰へ絡み付くいろはの足。ああ、堪らない。俺のためだけに尽くす可愛い女。俺に愛されるためなら他の男とも寝られるのだ。こんな愛しい奴がいるものか。
今の俺にとって、いろはは得難い存在だ。三浦が理想ならいろはは完璧だ。こいつとなら上手く付き合っていける。そう思いながら俺は込み上げる射精感を解き放つ。
「出すぞっ! 出すぞぉ!」
「はいっ! 出してくださいっ! 私で気持ち良くなってくださいっ!」
「いろはぁぁぁぁっ!!」
「せんぱぁぁぁぁぁいっ!!」
一番奥へゴムを突き破るようにチンポを打ち付ける。いろはのマンコが締め付け、俺はとてつもない解放感と気怠さを覚えた。少し落ち着いてからいろはの顔にかかった髪を優しく払う。それにいろはが嬉しそうに笑みを返した。
「悪い。ちょっと激しくし過ぎた。いろはが求めてくれたのが嬉しくてな」
「ふふっ、先輩って優しいですよね。終わった後、こういう事するとポイント高いですよ」
「そうか。なら、これはどうなんだろうな」
「ん……最高です。優しいキスに甘い言葉。エッチの後に女の子が望むものトップスリーです」
「俺はお前が喜んでくれればそれでいい。そろそろ抜くぞ」
「んぅ……やっぱりちょっと寂しいですね。先輩の温もりがお腹からなくなるの」
本当にいろはは可愛い。俺がこうならなければきっと一生大切にしただろう。だが、歪んでしまった俺ではこんなセリフも嬉しさは感じるものの、そこまでで終わってしまうのだ。愛おしさが込み上げるでもなく、照れるでもない。ただ、中々嬉しい事を言うなと、それまでだ。
「ね、先輩。ヘタレ先輩とエッチしたら、その録画した動画はどうするんです?」
「さてな。いっそ三浦へ送りつけてやるか?」
「わぁ鬼畜。それをきっかけに三浦先輩を寝取るつもりですか?」
「…………あいつは寝取れねーよ」
「先輩?」
いろはの言葉に思い出されるホテルでの一言。そう、優美子を寝取れるとしたらそれは葉山が手放した時。しかも、そこで俺が寝取るためにしなければいけない事はただ一つ。傷付いたあいつを迎えに行く。ただそれだけでいい。そういう意味では優美子はとっくに寝取られているのだ。そう思い、俺はゴムをゴミ箱へ捨てた。
「いろは、葉山には俺の事をこれでもかとアピールしてこい」
「……先輩の方がエッチ上手とかですか?」
「それでもいい。とにかく、事実を言ってやれ。例えばチンポが小さいとか、いくのが早いとか。葉山の精神へダメージ与えてこい」
「三浦先輩がそれを癒すと思いますけど?」
「それでいいんだ。上手くすれば、それが一番のダメージになる」
我ながら下衆だな。そう思うも止めるつもりはない。きっとこれをこういうのだろう。因果応報と。ただ、違うとすれば意識して歪めようとする俺と、意図せず歪めてしまった葉山となるが。だから、そのうち俺へも何らかの罰が降るのだろう。願わくば、それを受けるのは俺だけで済むようにしてほしいもんだ。