原作の独白で親でなく保護者と呼んでいる櫛田さんに闇を見ました。
「あっ、あっ……え」
気怠げな声と共に櫛田は目覚めた。気だるさの残る身体を起こすようにして、周りを見回そうとする。
「きゃっ……え、私……」
動かそうとしても自分の身体が動かないことに呆然として、自分の身体を見上げる。
「いっ、いやぁ!」
見上げて秘所を直視し、自分の格好を思い出して櫛田は悲鳴をあげた。自分のもっとも恥ずかしい場所を見せている姿を隠そうとするが、拘束されたままの身体はまったく動かない。
「一時間くらい寝ていたな。おはよう櫛田」
「あ、綾小路くん、あんたっ……あっ」
怒りと羞恥で顔を背ける櫛田の身体を拘束したまま抱き上げる。柔らかな櫛田の身体を抱き寄せて、顔を唇に近づける。
「ちょっと、待って、私まだ」
櫛田は腕を動かそうとしてピクリと身体を震わせた。
「駄目、こんな格好……身体がさわれないのは嫌、ほどいて……」
「櫛田」
呼びかけさらに唇を近づけると、求めるように頬を染め目を閉じ顔を上向きにする。
「最低、だよ……綾小路……くん」
薄紅色の唇を覆うように唇を重ねて、触れ合う唇と唇。柑橘系の香水と汗と櫛田本来の微かに甘い体臭が混じった櫛田の匂いがふわりと広がる。
「ちゅ、ちゅ……んっ、んんっ」
唇を突き出し唇をついばむ……真似をするようにぎこちなくオレの唇をついばんできた。
二度三度とついばむ側を変えると櫛田の唇から強張りが抜けてきた
「ん……んむっ……ふんっ……んっ」
口内に舌を差し入れる。答えようとおずおずと舌を伸ばして絡めようとするが、知識だけで慣れていないのだろう鼻息が荒く舌の絡め方が分かっていない。仕方なく一度舌をほどいて歯の裏の歯茎を愛撫する。
「あっ……んっ、ちゅ……」
一度落ち着かせた後、舌の舌先だけチロチロと絡める。
自身が慣れていないことを自覚したのだろう、櫛田は舌の力を抜きこちらに任せた。
「ちゅむっ、はぷ、ふぅっ、んっ……」
舌先からゆっくりと柔らかくぬめる舌を覆うようにして吸い込むように櫛田の舌を愛撫する。
「ちゅっ、んむっ……んはっ」
完全に脱力した櫛田の乳房が胸板に潰される。二つの大きな丸い形の柔らかさを胸板で感じる
櫛田の舌をオレの舌でこそぎ上書きするように愛撫して、唾液を櫛田の口の中に送り込む。
「ん、んむっ、んくっ、こくっ……ぷはぁ」
蕩けたような眼差しでこちらを見ながら、呼吸を整える。
「な、慣れてるんだね。キスってこんな感じなんだ。皆嘘つきか知ったかぶって、全然違うよ」
「誰に聞いたかは知らないがこんなもんだ。息苦しかったりしたのか?」
「ううん。そうじゃないけど、ファーストキスだったから、駄目だね聞いただけじゃ……」
自分が何を言っているのか認識したらしく、顔をさらに羞恥に染める
「……私のファーストキスは高いからね。レアなんだから本当に……こんな格好で、奪われるなんて想像もしてなかったけど」
耳まで赤く染めて視線を逸らした櫛田を見ながら、これからさらにレアなものを貰うことを思い出す。
「……でも、ちょっと意外だったかな」
「何がだ」
「綾小路くんがちゃんとキスしてくれたのが、正直あのまま犯されるんじゃないかって恐くて仕方なかったんだよ」
「……まさか」
「何か今考えなかった?」
「いいや」
鈴音に修正されていなければ情欲のまま襲い掛かっていただろう、疑わしく思う櫛田を誤魔化すために掴んだ太腿を強く握った。油の乗った柔らかな腿がオレの手の形に沈む。
「あ、痛い……そろそろ、これ解いて……もう、私が処女だって、確認したんだからいいよね?」
「駄目だ」
「え?……なんで?あ、あんた、まさか」
疑問は一瞬、太陽も凍らせそうな目付きで睨んでくる
再びベッドにまんぐり返しの姿勢をとらせる。
「このまま犯すつもりじゃないでしょうね!この鬼畜!……ぁ」
再度の恥ずかしい姿勢に、羞恥に耐えながら櫛田は抗議するように叫ぶが、自分の秘所も同時に見てしまい、すぐに恥ずかしそうに視線を逸らした。
「このまま犯すのも有りか……キスで濡れているしな、櫛田」
櫛田の頭を掴んで自身の秘所に目を向けさせる。明かりの下かすかに濡れた秘裂は、僅かな愛液の分だけ膨らむように開いて雫をたらしている。
オレの様子と、自らの秘所の様子に本気で犯されると思った櫛田は、オレの腕を震わせるほどに怯えた
「……酷いよ……そんなことしたら、一生恨むよ。そんなの、もう、レイプだよ。レイプ、は嫌だ……」
湿った声で最後に「誰よりも綾小路くんには」と唇を動かす櫛田に興奮してしまう。自分がサドとは思っていなかった。
「悪い、冗談だ」
「……バカ。本当に恐いんだから、縛られて身動きできないって」
「もう少ししたらほどくつもりだ……キスで濡れているのは、冗談じゃないがな」
恐怖によってか被虐の快楽かまた一筋愛液が流れ落ちるのを見ながら嬲るように言う。
羞恥に震える櫛田。
「……だって、あんなに優しくキスされたら」
「そうか」
言葉と同時に指を割れ目に沿って柔らかく擦りあげると、くちゅとかすかな水音を立てる。そのまま触れるか触れないかくらいの力で大陰唇外側を撫でる
「ひっ……あっ、んぅっ、うそっ、ふぁっ、あっ」
手を鉤状にして間接の部分で、恥丘から秘裂までぐりぐりとマッサージするように愛撫して、身体に快楽を響かせるように与える。
「はっ、んっ、あっ、自分で、するよりっ、んあぁっ」
凹凸のほとんどない秘裂の縁を指先でほじるように優しくゆっくり撫で上げる。櫛田の下半身に雷が走ったように震え、腰全体が痙攣する。
「それなりに弄っているが、まだまだ青いな」
「ひっ、ひぃぃぃ、ど、どうして……」
皮の上から陰核を軽く優しく撫でて秘裂をツボを押えてぐりぐりと愛撫すると、櫛田が自分で弄るより遥かな快感が下半身で爆発して嬌声を上げる。
「あ、綾小路くん、あんた、今まで何人っ、泣かせてっ」
「知りたいのか?」
「――っ、ううんっ。比べないで、堀北とも、はんっ、誰とも、私だけみて」
「セックスしているときに、他の女を浮かべるほど最低じゃない。お前もわざわざ口に出すな、お互いに興ざめだ」
「だって、こんなにっ、あふっ、んっ、いれないでっ」
秘裂に指を入れ蠢く肉壁をソフトタッチで愛撫する刺激に、櫛田は唇を噛み声を出さないようにする。
「我慢せずに、声を出していいんだぞ。部屋の防音は確りしているからな。そろそろ、気持ちよくなってきただろ?」
「うっ、ふぅぅっ……こんな風に縛られてっ、女の子が、あっ、気持ちよくなる、わけっ、あっ」
トロンと発情した顔で涎を垂らしながら、言ってくる。
縛られようが情がある相手と性行為したならば気持ちよくなるのは当たり前なのだが、櫛田の中での女の子像は違うらしい。
「……分かったよ櫛田」
「えっ……そう、やっと、分かったんだね。すぐに解――ひいっっ!」
秘裂を開いてピンク色の膣壁をなぞり小陰唇をくすぐる。顎をあげて白い喉を見せながらよがり啼く。
「もう少しと言ったな。縛ったままでイかせてからほどく」
「バ、バカ、ひっ、このバカ、私は、あんっ、普通に、抱き合って欲し……」
どうやら櫛田は理解していないらしい。櫛田の頭を掴んで目を合わせる
「処女を縛ったままイかせる機会なんてそうそう無いだろう?オレも初めての経験なんだ。やってみたい」
何を言われたのか解らず一瞬櫛田は凝固して爆発した。
「こ、この変態、ド変態、ふざけないでよっ!ほどっけぇ」
「嫌なのか、櫛田?」
「当然だよ!こんなことされて受け入れる女の子なんていない!」
「そうでもないぞ」
そういいながら上の階を見上げるように天井を見る。しばし訝しげにこちらを見た後の櫛田の反応は劇的だった。
「……う、そ、嘘でしょ、え、堀北って…………あ、ああ……そ、そういえば、綾小路くん、前、袋にこのテープと棒買って……ロープも、堀北、あいつ、受け入れてるの?縛られるの……ううん、自分で縛ってって、ねだってるんだ……堀北……あの売女……あいつ、清純そうな面して、とんだ変態だったんだ……男誘惑するぐらいお手の物じゃない……騙されてたっ」
驚愕呆然羞恥焦燥怒気、ありとあらゆる感情の百面相を見せた後、櫛田は納得した。まだ縛っていない鈴音が聞いたら間違いなくオレを殺しに来るだろう。ただ天井を見上げたら勝手に櫛田が納得しただけなのだが間違いなく通じない。
鈴音を二三日中に縛って虐める必要が出来てしまった、楽しみだ。
鈴音との情事を心待ちにしている自分に驚く、こんな風に何かを楽しみにしていたことなんて無かった。
決然とした意思を宿した眼差しを、他の女のことを考えていた最低なオレに向けてくる櫛田。
「……綾小路くん」
「なんだ」
「……処女を縛ってイかせたこと無いって本当?」
「ああ」
「……堀北って処女だった――ううん、答えてくれないよね……いいよ」
「何がだ」
答えがわかっていてもあえて問う。櫛田の口から決定的な言葉を言わせたくて
「……私を、縛ったままイかせて、私のおっぱいと、おまんこと、クリトリスを可愛がって、たくさん……イかせて、お願い…」
羞恥に顔を真っ赤にして身体を震わせながら、確りと言い切った。鈴音ならこれくらいやると櫛田の顔に書いている。櫛田の中で鈴音はどんな淫乱になっているのだろうか、二人の意識のギャップを責めるために、何時か櫛田と鈴音の三人でしようと決意しながら責める。
「櫛田。おねだりしているうちに感じたのか?愛液が垂れてきたぞ」
つぅーと櫛田の腹を伝っていく愛液を指差す
「そ、そんな、こと」
「正直に認めないとイかせないぞ」
意地悪く言いながら櫛田の秘所を息で吹く、また一筋垂れていく。
「処女の癖に、縛られて絶頂させてくれなんて、はしたなくおねだりして、感じるような女の子なんだろ?櫛田は」
「ぅぅ……っ!」
流石にこれは認められないのか、イヤイヤと首を振って顔を背けようとしたので恥毛を軽く摘まむ、痛みにはねる櫛田の身体。
「警告だ櫛田、以後オレが許可するまでまんこから目を逸らしたら毛を抜く。量から見て10回位でつるつるになるな」
「や、やだ」
「なら見ろ……おや、また溢れてきたな。毛を摘まれて痛いのが気持ちいいんだな。櫛田は」
「ち、違う」
「なら、処女の癖に、縛られて絶頂させてくれなんてはしたなくおねだりして、感じるような女の子なのか。いや、見ているだけで溢れてくるなこれは」
涙を一杯に目に溜めてフルフルと震える櫛田の腹に手を置く、じわじわと手のひらに溜まっていく愛液を櫛田に見せ付ける。
「櫛田、おねだりして痛くて見られるのがのが気持ちよかったのか、ちゃんと言うんだ」
「…………はい……」
「ふぅー」
失望したように大きなため息を吐きながら櫛田の恥毛に触れる、「ひいっ」と小さく悲鳴をあげる櫛田をさらに虐めたくなる。
「はい、だけなのか」
「……わ、私は、しょ、処女の癖に、縛られて絶頂させてくれなんてはしたなくおねだりして、毛を摘まれる痛みと、綾小路くんに見られて、気持ちよくなる、お、女の子……です」
言葉使いがなぜかものすごく丁寧になっている。
あれだけの人間を虜にした下に、こんな可愛らしい姿があったとは愉しくなる
承認欲求を満足させるために、よく出来たと髪を撫でてやる、満足げな吐息を漏らす櫛田を見ているうちに我慢が出来なくなった。
「よく言った、イかせてやる」
「……うん。はぁっ、あっ、あああっ、そこはっ!」
指で開いた秘所の中を指先を震わせるようにして撫で回す。まだまだ開発されていない膣壁を痛めつけないように優しく愛撫する。開いた片方の手でブラジャーをずらす。
「きゃっ」
「綺麗だな」
「……ふふっ、そうでしょ、あっ」
弾けるようにブラジャーから解放され揺れる乳房。
高校生としては十分に大きく乳輪も大きめだ。
仰向けに近い体勢でも形崩れせずに張りのある美しさを保ち先端を尖らせている。
五本の指を乳房に食い込ませて、優しくやわやわと揉む。
「学校の奴で櫛田の裸見たいと思ってる奴どれだけ居るんだろうな」
「うっ、エロい目で見てくる、はぅ、奴らたくさん、いたけど、くぅ、綾小路くん、以外に見せないからね……んっ」
「ああ、オレにだけ見せておけ」
オレの思う通りに柔らかさと張りを併せ持つ乳房が震えながら形を変えて、指の間でピンク色の乳首がピンとそそり立っていく
「乳首、硬くなってるな」
「あっ、ああっ、ひっ、ひぃぃんっ!」
じっくりと乳房の縁から根本から頂上に向かって揉み解し、突き出た乳首の先端を指の腹で潰すようにすると、顔を仰け反らせて軽く絶頂した。
「う、そ、私、こんなのっ、だめっ」
「気持ちいいのか?」
「う、うん……ここまですごいの、初めてっ、ああっ、んっ」
もう片方の乳房を愛撫し始めると同時に秘所の愛撫を再開する。上と下同時の刺激に耐えられないというように頭を振る。
「うっ、うぁんっ、うんっ……」
焦らずに胸と秘所を交互に、あるいは同時にせめて、櫛田の未発達な感覚を育てながらじっくりと追い上げていく。何分も嬲る。
「ひゃぅんっ、いいっ、んんぁっ!私っ!」
まだ尖りきっていない櫛田の乳首を摘み徐々に隆起させて、充血して敏感になったところを普段隠れている根本から刺激していく。痺れたように身体を震わせ櫛田の汗が飛び散り、櫛田本来の微かに甘い体臭が混じった匂いが漂う。
「気持ちいいのか、櫛田」
口角を上げて少女の顔を覗き込む。櫛田が切なげに眉を顰めて頷くのを見て、乳房に吸い付き勃起しきった乳首を思い切り吸引する。
「んあううぁっ!……乳首っ、吸っちゃあ、はぁぅんっ!」
部屋に響く嬌声をあげる少女を一本の指で秘所の粘膜を刺激しながら、もう一つの手で紅い肉芽の皮を剥いて陰核を露出したあと被せて撫でるように愛撫する。
「あひぃぃっ……そこは、何でぇ、信じられないっ、はぅぅっ!」
「何が信じられないんだ?」
「あっ、私がしても、敏感で、痛いのにっ、あひっっんっ!何で、綾小路くんっっっ!」
性感が発達していない場合、敏感な部分は直接弄るよりも薄皮を隔ててソフトに愛撫しなければ快感を感じない。櫛田は直接触って刺激が強すぎて敬遠していたのだろう。
そんな櫛田に目を合わせて頭を軽く撫でてやる
「お前の身体のことは、オレのほうが良くわかるんだ。このままオレに委ねろ」
「んっ……うんっ……ひぁっ、わかったよ、私の、身体は、綾小路くんのモノなんだから、好きにして」
一呼吸置いて櫛田は顔を赤らめる。秘所の膣奥からとろみのある汁が漏れ出し、快楽に目覚め始めた膣が膣口を呼吸するようにぱくぱくと開き閉まる。
乳首を甘噛みしながら、秘所にいれた指を大陰唇内部の凹凸をなぞるように撫でる。
何分も続けると、顔から汗をしたらせ唇から涎をたらしながら櫛田がねだってくる。
「そろそろ、イかせて、こんなにじっくりされて……もう……狂っちゃいそうだから」
「わかった」
皮ごと肉芽を摘んで軽く捻るようにこね回す。小指のさき位に充血した櫛田の肉芽は、愛液で表面をぬめらせオレの指の間でひくひくとわななく。
圧倒的な快感で、櫛田が目を見開き瞳を充血させる。
「あ、あひぃぃーっ、……だめ、だめ……私っ、もう駄目っ!」
拘束された身体を大きく震わせる。秘所の蠢きはさらに盛んになり蜜をしたらせる。汗の臭いのほかに発情した女のツンとした匂いが櫛田からより濃く漂う。
「いいぞ。駄目になれ、櫛田」
拘束された不自由な身体で、待ちきれないとばかりにたおやかな腰を揺する櫛田の乳房の根本を掴み頂点へと手をやりながら、秘所に口を持っていく。
「イっていいぞ櫛田」
充血して紅くなった乳首を潰れるかと思うかの強さで潰して、歯で肉芽の根本を軽く甘噛みして先端までこそぐ
「あっ、あああっ、あひぃぃーっ……」
櫛田の目の中で無数の幻が瞬いているかのように瞳の中が揺れる
「いっ、いくっ!イクッ!……あっああーっ……駄目っ、も、漏れちゃっ!」
言葉が終わらないうちに膣口から透明なしぶきが勢いよくほとばしりオレの顔を打つ。
「潮吹きか」
「見ないでよっ!は、恥ずかしいーっ……」
「起きたか、櫛田」
「うぅぅ……はぁ……はぁぁ、あ、綾小路くん」
顔のありとあらゆる所から体液を漏らして、夢と現の境をさまよっていた櫛田は目を覚ますと手を何かを求めるように蠢かせるが動かない。
唇をかんで不満げな顔をする。
「あっさ、触りたい、触りたいのっ、あっ、ああっ」
「なにをだ?」
「女の子の、お願いを察しないから……綾小路くんは綾小路くんなんだよ」
「……そうだな」
「あっ、そうやって、んっ、女の子を弄って、誤魔化すのって……ひっん、最低」
「知らなかったのか」
「知ってたし、今日思い知った。女の子をこんな風に縛って酷いことする最低な奴だって……あっ」
櫛田の緊縛を解いていく。強張った身体を伸ばし荒い呼吸で、揺れる乳房や腰が目を楽しませる。
オレに手を一度伸ばして途中で止めてさ迷わせながら、拗ねたような切ない顔で櫛田が話し始める。
「……ありがとうなんて言わないから」
「ああ……そうだ、下着は大丈夫か?」
絶頂の余韻で動けない櫛田の代わりに、身体に残っていた下着を剥ぎ取ってやると顔をしかめた。
「下着は駄目だね、伸びきっちゃってる。あ~あ、これお気に入りだったんだよ」
「弁償する、何ポイントだったか教えてくれ」
「……今度、下着売り場で一緒に買ってくれたら許してあげる」
「わかった」
女性下着売り場に行くのはハードルが高いが仕方ない、オレの返答に櫛田は機嫌を良くしオレの腕に手を置くと、自分の身体を確認し始めた。
「跡になってるじゃない。どうするのこれ、一生残ったら責任取ってもらうからね」
「心配するな、残らない」
「本当かな?」
「なんならマッサージして血行良くしてやるが?」
「……目つきが厭らしいから止めておくね」
「あれだけ厭らしいことしたのにか?」
無言で蹴られた。荒れた呼吸で会話といいよくやるものだ。
櫛田の体調も落ち着いたので、タオルを渡し水分補給と同時に避妊薬を飲んでもらった。
そろそろオレのズボンを降ろしてもらうことにする。
櫛田が要求に頷いて了承してくれたので、櫛田に腕をとられたままベッドから降りる。
「まって、その前に」
櫛田がオレの首の後ろに両手を回して抱きついてきた。
「抱きしめて、私を。今度はしっかり」
船上では抱きしめなかった少女の背中に手を回して、お互い裸で抱き合う。
心地よさそうに、ここが自分の場所だと主張するように、櫛田がオレの胸で頭を擦る
「もし、もし、あの時綾小路くんがこうしてくれたら、裏切らなかったよ。星空の下でこんな風にしてくれたら、そんなこと忘れた……きっとね」
「かもな」
強く抱きしめながら肯定するが、それは無いと思った。この学校の知人の中で、彼女ほど過去に縛られている少女はいない。
鈴音のことをあれだけ悪し様に言っているが、鈴音という少女そのものは櫛田はそこまで嫌っていない。いや、どちらかといえば相性がいいだろう。
だが、鈴音は櫛田にとって形をした『過去』だ。
過去、櫛田はクラス崩壊を起こした。
櫛田と鈴音の情報源しかないが、30人以上の人間に囲まれ一斉に怒鳴られ罵られ物を攻撃され始めた。
あのとき真実をバラして身を護らなければ櫛田はただでは済まなかっただろう。だからオレは櫛田が悪いとは思わない。
櫛田にとって本当の試練はその後だっただろう、身近な人間全てが櫛田を異質なものとしてみたはずだ。学校だけではなく、隣近所、親戚……おそらく親ですらも、何年も一緒に居た理想的な娘が数十人を壊してのけたのだ。
今まで善良でありすぎたがゆえに内面の闇を実物よりはるかに多く感じて、恐れ遠ざけただろう。
今日櫛田が真っ先にオレの部屋に来ていなければ、オレに曝け出さなければ、本気で壊す必要があると判断し、オレは櫛田の耳にこう入れるように状況を動かすつもりだった。
『違う止めてよさみしいよなんでどうして私はお父さんお母さん皆信じて違うそんなつもりじゃ信じて捨てないで追い払わないで苦しい恐いモノじゃない止めて嫌だ止めて嫌だ止めて止めて止めて私を私は私は私を―――そんな目で見ないで』
十中八九これだけでも壊せただろうが、
鈴音を見るたびに、櫛田は恐怖を感じていたはずだ。鈴音という形をした周囲全てから断絶した過去。
櫛田は鈴音を退学させれば恐怖から解放されると考えていたのだろうが、例え退学させても櫛田は安心できなかったに違いない。
人気者となり他人の秘密を得ても、過去を覚えている限りどこか満たされない渇望を抱き続けただろう。
櫛田に必要なのは彼女そのものをリセットするか、誰かに表と裏を知った上で泰然と受け入れられ、素の彼女の居場所になってもらうかだ。
今、オレの肯定に安堵して抱きつく力を増した櫛田は恐怖から開放されたように見える、いや少なくとも軽減されている。誰かの秘密を知っても渇いていくだけで得られなかった安堵を、オレから得ている。
見えないように口角を上げる。
追い詰めてぼろぼろにした後助けて、拘束して嬲りオレに触れられない恐怖を味わせた意味があった。触れたかったものに触れ受け入れられた今、櫛田の感じる安らぎはどれほどのものか。この安らぎがある限り櫛田はオレのモノになった。
「ふわぁ……」
背中から腰までのなめらかで柔らかな未だ未成熟なラインを撫でる。満ち足りた吐息を櫛田が漏らす。
壊した時は、意識があるままでは手に入らなかった。この身体をモノに出来てよかったと、雄としての喜びに耽る。
「綾小路くんは暖かいね」
「そうか?」
「うん、そうだよ」
誰かに受け入れられている喜びに、いつもとは違いはにかむ様に笑う櫛田を見てそろそろ我慢できなくなってきた。
冷酷な人間は、根のところで他人を維持管理する存在としてみるから何股でもかけられる。
他人を道具としてみている綾小路くんはやれそうで恐い、相手が遊びで済む相手ならですけど