高山流水さん、いつも誤字訂正ありがとうございます。
年末の日常は強敵ですね。久しぶりに帰ったのなら、尚更。
おかげで時間がまったく取れない。
「清隆くんが、兄さんに……つぅ……学校に感知されずに連絡出きると聞いて……証明させようとした……いいえ、違うわ。半信半疑だったけど、兄さんと話せるなら話したくて、繋げて、もらったのよ」
予想通り隠して会話する選択肢を選んだ鈴音は、拷問じみた腹痛に襲われながら死力を尽くして平素の、否、兄が在校時にしていた敬語ではなく普通の妹が兄に向ける口調で言い切ると涙を流した。
今日、初めての涙。
『この鬼畜、兄さんと連絡出来る手段があるのを黙っているならまだしも、この状況で繋げるなんて、後で覚えてなさいよ』
美貌を歪め、歓喜と怒りと恥辱と哀愁に満ちた涙を流した。
あまりにも滾らせる涙目の鈴音の顔に
『お前に話したら意味がないだろう』
と、眼を細めてかえす。
『そう、これは、復讐なのね。あの時の、一之瀬さんと櫛田さんの三人であなたを追い詰めた部屋の一件の復讐……なんてことをするのよ……この非道、鬼畜──』
ありとあらゆる罵詈雑言で埋めつくした瞳で睨み付けながら口パクで懸命に意思を伝えてくる鈴音には悪いが、少し前の完敗の復讐なわけがない。
確かに、あの一件で女の面を全面に出されてしまうと抗いようがないことを学んだが、江戸の敵を長崎で討つような真似はしない。意味がないからだ。
これは、ただ純粋にしたいからしていることだ。
後から殴られるだろうが、愛液を垂れ流す鈴音の秘所とどこか明るい顔色、何よりも殺意まで込められていない眼差しを見ればこの行為を(ギリギリ)受け入れてくれていることが分かる。
それに、『兄と話させている間に浣腸したい』だとか『兄と話させてやるから浣腸させろ』とかの『~したい。~させろ。後で覚えてなさい』と言うのは、所詮は願望であり弱者の遠吠えでしかない。無駄に相手を警戒させるだけの意味の無いことだ。
浣腸の苦痛と羞恥を味わわせつつ兄と話す歓喜に満ちた鈴音を見るのならば、こうするしかなかった。
ただ、それだけのことなのだ。
『表面上の理由は理解したわ。後で、フライパンでそのおかしい思考の頭を殴って正常にさせる。で、本音は?』
最近、普段の無表情ではある程度とはいえ思考を読まれてしまうな。困ったものだ。
……本音は、鈴音を兄と連絡させて喜ばせてやりたくとも、今の鈴音なら浣腸でもして追い詰めなければ、兄と繋げた途端に兄公認のお墨付きを得た上で周知を図って外堀を埋めるという確信があり。五股かけている今、それに抵抗する術が見つから無いためについた男の嘘と卑劣なのだが。
そんなことを明かせるわけがなく、心の中の別の棚に上げて鍵を閉めてしまっておく。
『無表情になっていないで答えなさい。本音は?』
心の別の棚の中を知られれば、
何時も以上に表情を変えなければ、流石の鈴音もオレの意図が読めない。
『普段通りの表情に戻して本音を出しなさい。可愛げが無いわよ』
命じる視線に無言で首を振ると、ギロリと音を立てて睨み付けてくる。とても、恐い。が今の内心を知られるわけにはいかないので、鉄面皮で通す。
さらに睨んでくる。
鉄面皮。
そんなやり取りをしているとトイレに学の声が響く。
「そうか、清隆くんか……それに、懐かしい口調だ。別れたとき、大丈夫だと確信していたから、ひょっとしてと期待していたが、昔に、いや、ただの妹の頃に戻ってくれたんだな。いいや、すまない。俺のせいで拗らせたのだから、こんな言い方は違うな」
「いいえ、違わないわ。戻れたのよ。兄さんのせいで、大分遠回りしたけどね」
「そうか。そういう風に言えるようになったんだな」
感慨深げに感動を噛み締めたせいで若干口調が覚束無い兄の声に、睨み付けたまま喜びと感動を混ぜ合わせた声を出す器用な妹。
どちらともなく言葉を途切れさせ、ただの兄と妹として笑って会話する自分たちを想い合い。二人の間で流れる心地よい沈黙の時間を味わう。
ギュル、ぎゅるるるるる。
心地よい時間が異音によって消える。
「っ!!??」
ゾワッと、鈴音の白磁の肌が粟立つ。
ビクッと、緊縛されたせいで何時も以上に出るところが出た裸体が可哀想なくらい揺れ。
ギシリと、空気を凝固させるような目で睨み付けられた。
……死の香りを嗅いだ。
想定どおりとはいえ、やはり愚行だった。学に連絡して兄妹で話させるならば、鈴音に外堀を埋められるのを覚悟する。否、鈴音だけと付き合うところまで状況が動いた場合のみ連絡すべきだったな。と思ってももう遅い。
一瞬、後でフライパンで殴られることを覚悟したが、すぐに違う流れに切り替えた。
「季節外れの雷か? そっちは天気が悪いようだが雷まで鳴るとは、よほど荒れているんだな」
学の疑問に、答えて答えてと視線で語る鈴音を無視して、携帯端末を持ち上げ鈴音に向けた。
学の声を聞いてある確信にたどり着いた。ならば切り替えた流れに沿うために鈴音をさらに責めるべきだ。まるで妊婦のように膨れ上がった腹に向ける。
ぎゅるるるるる
「そ、そうよ。ちょっと、天気が荒れていて」
自らの腹の鳴る音を兄には聞かせまいと、縄が食い込んだ裸体に脂汗をたらしながら顔面蒼白で歯を食い縛って、平静な声を出す鈴音。オレに散々縛ら上げられた経験から痛みが走っても緊縛された体を動かさないことも含めて健気なものだ。
「そうか、なら良い。しかし、付き合ったのなら清隆の能力を知る機会など幾らでもあっただろう。貴重な機会を使って証明しなくても良かったんじゃないか?」
「付き合っているからこそよ。兄さん」
「ん? ああ、そうか。清隆の秘密主義は相変わらずか」
「ええ、相変わらずよ。プレゼントとか言いながらこんなことが出来るとは明かすけど、それだけなのよ。何が出来て何が出来ないのか、一つ一つこちらから調べないと、さっぱり分からないわ。
分かるのは目的達成の手段として、それが必要かつ合理的なら何でも肯定するドライさがあって、その目的の核心を他人には明かさないことだけ。
だから、ある程度目的が一緒ではないとクラス争いではあまり使えないのよ。パッと見だと協力的に見える分、高円寺くんよりたちが悪い困った人。端的に言って可愛くない人だわ」
「なるほど、相変わらずだな。まあ、清隆の目的が何処にあるにしろ、しばらく話せないと覚悟していたお前と話せることは素直に喜んでおこう」
「私もよ兄さん……もちろん、次があるんでしょうね?」
もちろんに底知れない圧を入れて、脂汗を流しながらこちらに聞いてくる鈴音。
拷問のような腹痛と便意に兄と話せる歓びに身を浸しているのに、呼吸するがごとく自然と、どれほど自分がオレを理解していることをアピールしながら兄の言葉を補強して、外堀を埋めるように付き合っていることを事実とする手腕に少し戦慄する。
どうやら、もう一本、それもキツいのが必要のようだ。
「努力するが、さっきも言った通り技術的に困難だ。個人技は瞬間的には組織を上回るが、あくまで瞬間的にだ。だから、次は何時になるか分からない。全てが上手く行っても二ヶ月はかかる。最悪の場合、これが最初で最後の連絡になると覚悟しておいてくれ」
保冷剤と注射器をタオルで一緒に巻き付けながら答える。
「ね、これだけのことを、学校の穴を突いて二ヶ月後にはリスク無く連絡できるかもしれない、なんてとんでもないことを、当たり前のように抑揚の無い声で言うのよ。この可愛げの無さ、相変わらずでしょう」
「ハハッ、そうだな……しかし、お前がここまで成長するとはな。これも、清隆のお陰か」
オレをクラス争いではあまり使えないと評したことから、鈴音が他者に強くそして優しいリーダーをしているのを理解できたことも喜ばしいが。
敬愛の対象の兄に、卒業まで会えないはずの兄と、電話出来たのに寂しさのあまり縋り付きも寄りかかりもせず、遠慮なくただの妹として振る舞う鈴音の在り方にこそ、
「き、清隆くんのお陰? 確かに、最近は表情が少しは出るようになったけど、この無表情冷徹女たらしの無節操のお陰のはずが無いじゃない。確かに、思い返してみれば、色々手助けしてくれて背中を支えてくれたから、自分の内面を見て変わることが出来たこともあったわよ。でも、それは、少し、いえ、かなり、いえ、殆どしか関係無くて……最近は、優しいところが出てきたし、私のことを、き、綺麗とか平気で恥ずかしいことを連呼するようになったけど、そんな当たり前のことを連呼されて嬉しいわけはないわ。冷徹非道でたまに信じられないほど優しくて頼りになる彼に言われて喜んだり、胸が高鳴ったり……緊張して、恥ずかしがったりなんてするはずがないじゃない。こんな可愛げのない人のお陰で私が変わることなんて有るはずが無いのよ。
そうよ。この無節操非道鬼畜冷徹鉄面皮女たらし男に絆されるなんて……あるわけないわ。わかるでしょう、兄さん」
「そうか……お前がそんなに拗らせたのは俺のせいだ。すまないな清隆」
半オクターブ高い声の早口で猛然と捲し立てる何処から突っ込めば良いのか迷う妹の拗らせっぷりに、本気で謝ってくる兄。
いや、正直なところ、今やっていることの非道さからすれば、こういう反応を示す方が一人の少女としては不味いと思うんだが。下地があったとはいえ、何と言うか染まったなと感慨深く思う。
「どうして清隆くんに謝るの。謝るのなら私にでしょう?」
「……ああ、そうだな。本当にすまない、鈴音、清隆」
兄の謝罪の対象に、オレの名前が入っていることに納得いかずに言い募ろうとする鈴音を遮り答える。
「気にするな、最近それが楽しく思えてきた」
自分を変えてくれたのはオレのお陰だと早口で言ってしまう鈴音の有り様は、とても可愛いらしくて弄りたくなり弄ってしまう。今のようにたまにやり過ぎてしまうのが、困ったものだ。そして、とても愉しい。
「成る程、お前たちはお前たちらしく巧くいっているようだな。安心した」
「清隆くんに言われて、どうして兄さんが安心できるのか疑義を呈したいのだけど」
「気にするな。で、二ヵ月後には連絡できるのか?」
「でm」
ギュル、ぎゅるるぐぎゅるぎゅぐるぎゅる
「~~~~!! ……っ!!??」
話を変えようとする兄を追及しようとした妹の腹から、一際大きな音が響いた。グリセリンの薬効が浸透仕切ったのだ。
猛烈な便意がもたらすあまりの苦痛に、僅かに血を滲ませるほど唇を噛んで耐える鈴音の目に信じられない光景が写り、驚愕に眼を見開き固まる。
「一応言っておくが、二ヶ月後に確実に連絡できる訳ではない。どうしてもリスクが有るからな」
体中の汗腺という汗腺から汗を流しているかのように汗だくに成りながら固まった鈴音の間を埋める為に言葉を紡ぐと、学が真剣な声で話してきた。
「リスクか……清隆」
「何だ?」
「お前が自らの能力を隠していた一因はリスクを負わないためだと、俺は理解している。なのに、何故今リスクを犯す?」
答えが分かっていても、妹の為にあえて聞く兄心に端的に応える。
「鈴音の為だ」
「……良い答えだ。俺にとってはこれ以上ない答えだ。良い方向にお前も成長したな」
感慨深く吐息をつく学。
オレの即答に偽りはない。
万感の涙を流した鈴音とこういう関係になったからこそ何とかしてやりたいと思い、兄と連絡させるためにリスクを甘受したことも。
脂汗と涙と涎を垂らしながら便意を必死に堪える鈴音の姿に情欲を抱き、兄と話させることでさらに追い詰めていくことも。
オレの中では何の問題もなく両立する。
「そ、そうね。驚くほど、か、変わったわ」
ポリバケツに入った残りのグリセリン浣腸液を、保冷剤をタオルで巻き付けた注射器に入れるオレの姿を見ながら、鈴音は兄と同じく一聴して感動したような震えた声を出す。
今オレが抱いている思いを正確に理解したから出た、感動と怒りと羞恥と絶望と制止に満ちた声に、学は気付いているのだろうか。まあ、どちらでも構わないな。
「そうか、そうだろうな」
ゆっくりと満たんに容れた冷えたグリセリン浣腸液を再度鈴音の尻に再度近づけながら、そう呟く。
「あっ、あなっ」
鈴音の普段のなだらかな腹とは違い、1Lもの液体が注ぎ込まれ見た目にわかるほど少し膨れ上がった腹には、もう冷やしたグリセリン浣腸液を入れられる余裕などなく。あまりの事に声に出してしまいかける鈴音の目の前に、端末の画面をかざす。
『兄にバレるぞ』
「~~~~~!!??」
爛熟した林檎のように顔を朱に染めて唇を食い破りかね無いほど噛み締める鈴音の尻穴に、再度注射器の先端が刺し込まれた。
「うっ……ぁ……ふあぅぅ……っ! ……っ!!」
中身が漏れないように懸命に閉めていた括約筋を無理やり押し広げられ、鈴音の口から奇妙な声が漏れる。
冷たい先端から注ぎ込まれる冷やされたグリセリン浣腸液の挿入感に、鈴音の顔がぐんっと仰け反った。
刺激に大陰唇が開き、だらだらと愛液が股間を伝って便器の中に垂れ落ち水音を奏でる。
「何だ、今の音は?」
『どう説明するんだ?』
兄の言葉に被せるようにかざした端末の画面を読み取った鈴音が、顔を仰け反らせたまま悔しそうにオレを睨む。
「な、何でもないわ……その、す、水道が」
「水道?」
「だ、台所の水道が、か、雷で、変になってぇ……っ! し、シンクが、み、水、水浸しに……あ……ぅぅぅっ……あっ……く、くぅっ……! は、はいって……はいって、く……る……」
兄との会話に気を取られている鈴音に身構える余裕を与えることなく、注射器のポンプを押し込んだ。
ジュルルルルーッ。凄まじい薬液の奔流が腸内にほとばしる。
「あっ……は、入ってくる……あぁあぁぁぁっ……うぅっ……んぐ……んぅぅぅっ……ぅぅぅっ……」
冷たく冷やされたグリセリン浣腸液が与える内臓に突き刺さるような刺激に、鈴音が仰け反った顔を振りたくって、悲鳴を歯で食いしばりそれに耐える。が、キリキリと腸がきしむ刺し込むような痛みと共に突き上げてくる便意が、食いしばった歯から悲鳴を出すのを止めさせてくれない。
「んはぅっ……くはぁっぅぅぅっ……う、ぐっぅぅっ……うぅうぅぅぅぅっ……くふんっ……ぁぁぁぁっ」
最後の一滴まで、オレは注射器の中身を鈴音の中に流し込んだ。
鈴音の尻穴から注射器を引き抜く。
きゅぽん
抑えが抜かれた尻に鳥肌が立ち、冷え切った浣腸液を追加された鈴音の声にならない悲鳴が空気を切り裂く。
「っ~~~~~~~!!!!」
抑えがなくなり、外へと飛び出そうとする2Lの液体を目を見開き歯を食いしばった必死の形相で押し留める。
きゅううと尻穴に向けて周りの筋肉が全て集められるように締め付けられ、発達途上の縦に丸みを帯びた向き卵のような尻がぶるぶる震えながらえくぼを作り、総身からドッと冷たい脂汗を滲み出させながら、なんとか流出を食い止める。
だが、薬液で燃え盛る生理的な欲求が意志の力でねじ伏せられるはずが無かった。
それも2L、ほぼ妊娠九ヶ月の浣腸液、一般的な量の16倍以上を入れられ今にも弾けそうな勢いで腹が膨らんでいるのだ。
腹の膨張感と便意に口を小さく開いて喘ぐ鈴音が、こらえようとすればするほど便意は高まっていき、少しでも尻穴から力が抜けれてしまえばあっけなく崩壊するに違いない。
ぐごきゅぐきゅぐごきゅぐごきゅ
「~~~~~っ!!」
腹部が大きな音を立てる度に、今までの人生で初めて味わう猛烈な腹痛に身を震わせる。
このままでは、人前で漏らすという乙女には耐えられないことをしてしまう。それも
「どうした鈴音? 何が入ってくるんだ? シンクがどうなった?」
何度か小さい方を見られたオレだけでなく、敬愛し親愛な兄に聞かせてしまうなど鈴音に出来るはずがない。
決死の表情になり、声音だけ平静を装う。
「ううん、なんでもないわ。し、シンクは、今、清隆くんが、やってくれているから、大丈夫よ」
「そうか」
「ええ、に、兄さんは最近どうなの?」
「そうだな。お前に報告しておきたいことがある」
「な、何、か、しら?」
「橘を覚えているか」
「ええ、に、兄さんの生徒会で、しょ、書記だった……た……たち、橘先輩よね」
「そうだ。その橘と、茜と付き合っている。お前が卒業した時、一緒に正門の前で待っているからその時に会わせる。その時を楽しみにしていてくれ」
「そ、そうなの、おめでとう兄さん、た、楽しみに、たのしみにっ……待ってるわ」
凄絶な便意と兄との会話に夢中な鈴音は気付かないが、この時間が無いときに態々『紹介する相手』。
その上で、学の言い様と橘の性格を鑑みると、かなり後のことまで想定して付き合っている仲のようだ。
「まだ二人の時間を大切にしたいから、後3年は子供は作る気はありません」そんな橘の声が聞こえた気がした。
「ああ、ありがとう。お前もおめでとう。で、どうだ」
「ど、どうだっ、て?」
「鈴音、お前は今、幸せか」
「え? そ、そうね、私h」
ぴゅー
ごろごろごろごろぎゅるぎゅる
「~~~~っ」
兄と会話を弾ませたせいで、押し止めるのが精一杯だった尻穴から、一瞬だけ力が抜ける。
少しでも尻穴から力が抜けてしまえばあっけなく崩壊しそうだった尻穴から力が抜けてしまい、尻穴から液体が噴水のように飛び出し、そのまま流れ出ようとするのを決死の覚悟で締め付けて押し留める。
「ひどい雷だな。新しく水音がしたが、シンク以外にも何処か漏れているのか」
「ええ、そうね。ひどい雷、ね。ど、どこも、も、漏れていないわ」
全身を脂汗でぐっしょりと濡らし呼吸を絶え絶えにした鈴音には、もう余力は残っていない。次力が抜けたときが終わりだ。
それを甘受するはずがなく、なんとかしなさいと視線で語る鈴音に大きく頷き、ゆっくりとアナルプラグを手に持ち端末の画面に文字を打ち込んで見せる。
『蓋してやろうか』
「~~~~~~~!!??」
壮絶なまなざしで画面とオレの顔と先っぽがやや尖った細型の半透明な物体を睨み付ける鈴音だが、駆け巡る便意と膨張感に腹どころか全身がびくびくと震える表情には、余裕の欠片も無い。
こくり、と頷いた。
「そ、そうね。幸せで、じゅ、順調だと思うわ。一つを除けばだけど」
「清隆の奴がお前を順調にさせてくれないか。ハハッ、良い事だ」
「そ、そうなの。あまり──」
二人の会話を聞きながら真っ白な尻肉の間でひくりひくりと蠢く尻の穴を見つめる。色素沈着がほとんど無く、放射線状に広がる皺まで美しい形の尻穴。
そこを見ながら、自作のアナルプラグにたっぷりとローションを塗りたくる。
「ひっ」
「どうした?」
「な、何でも無いわ。じ、実は──」
視線に可虐の色を滲ませながら固く窄まった尻穴の周辺にローションを塗ると、鈴音が悲鳴を上げて話を変えていく。『早く塞いで』と恥らう余裕さえなく必死に口パクをする鈴音には、弄る時間さえないことに残念半分興奮半分の衝動を覚える。
ローションでテカテカと光るか細く震える尻穴へ、ローション塗れにしたアナルプラグを近づける。
みちっ、ぐっ、ぐぐぐぐぐっと音を立てて、硬く引き窄められた尻穴をアナルプラグが貫いた。
「ひっ、んんっ、ぐうっうぅ……!」
今まで指しか入れられてなかった排泄器官の肛門にアナルプラグを捻じ込まれた羞恥と汚辱に、鈴音は全身を震わせて苦悶の声を上げる。
「ひんっ……ぁ……ぅ……は、はぁっ……!」
「前振り無しでため息とは、恋煩いか?」
「ち、違うわよっ」
「ハハッ怒るな怒るな」
が、
限界以上に窄め続けたせいで、括約筋はおろか、むっちりした内ももにさえ筋肉の線を浮かび上がるほど酷使した尻穴を塞がれ、思わず安堵の吐息が漏れてしまう。
それを兄にからかわれ反発する鈴音の横顔と声は、年齢以上に幼く感じさせる。
そんな妹の声に楽しそうに笑う兄の声を聞きながら、優しい思いを感じつつアナルプラグに空気ポンプを取り付ける。
「ひぐぅぅうううぅうっ……!! あぁああ!!!」
腹の中で卵形に膨らんでいくアナルプラグに、鈴音が驚愕と苦痛の声をあげる。
通常時の形では便意を堪えるために硬く窄まった尻穴を無理に捻じ込むと、間違いなく裂ける。それをさけるための一工夫だったが、教えられていない鈴音には奇襲でしかなく、あまりの痛みと圧迫感と被虐感に悶絶する。
「う、うそ……うそ、よね……は、はいっ……ふ、ふくらんっ……うぐっ……ぐぅう……!!」
腸内を圧迫感された尻穴が、その括約筋が異物を押し出そうと限界までに緩まり、ひくひくと収縮を繰り返すが、そうさせないための形状をしたアナルプラグは、容赦なく収縮するたびに奥へ更に奥へと埋没した。
「あ、ぁあっ……あうっ……うっ、ぅうぅっぅ……ぅあっ……」
食いしばった奥歯から漏れる鈴音の呻き声を聞きながら手を離しても、アナルプラグは抜ける様子はない。半透明のアナルプラグは、蓋のある根元まで完全に潜り込み、尻穴の栓となった。
ぐご、ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
「あ、ぁあっ……あ゛ぐっ……ぐっ、ぐはっ……はぁっ、ん、んぐっ……!」
そして、アナルプラグで出口を塞がれたといっても強烈な便意が収まるはずがない。否、出口が塞がったことを感じ取った堀北鈴音という少女を構築する本能が、排便への欲求に屈して理性を破壊するごとく排便への要求を突き上げてくる。
追い詰められた理性が便意を抑え込もうとして、鈴音は息みとともに全身をこわばらせ、ギュッと肛門を休めていた括約筋引き窄める。
その行為が、肛門から直腸に掠めるほど深く埋め込まれたアナルプラグを食い締めてしまい、異物を肛門に捻じ込まれた恥辱と被虐を際立たせる。
「ん……んんんっ……あ、ああっ……」
胎内から湧き立つ熱い衝動に、遂に鈴音が兄の前で口を開き嬌声を上げようとする瞬間
ピッ、と終わりを示す電子音が鳴る。
「盛り上がっている所で悪いが、そろそろ時間だ」
「そうか……またな鈴音。話せて良かった」
「え、ええ、兄さん、私もよ。き、清隆君の尻を叩くから、なるべく早く、また話しましょう。話したいことがたくさんあるの」
「俺もだ。頼んだぞ清隆」
「努力しよう。オレもあんたと話したいからな」
「そうか……ではな」
「ええ、兄さん、また」
苦痛に苛まれていても、やはり兄との会話は別格だったのだろう。柔らかな笑顔を浮かべ、バレなかったことに何処か安堵したように鈴音が別れの挨拶をかわした瞬間
「ああ、そうだ。鈴音、清隆、これは、兄でもなく先輩でもなく。一人の人生の先達として言わせてもらうが」
意識の隙間を縫うように、厳しい色を宿した学の声が響く。
「性欲に滾って色々試したくなる年頃とはいえ、俺を出汁にしてアブノーマルなプレイに盛り上がるな。少しは良識と常識を弁えて品位を保て」
「ぇ? ……」
「その通りだな。すまなかった」
呆然とした妹の声とオレの謝罪の声に、厳しい色を宿していた学の声が笑みを含んだものに変わる。
「今回だけはお前たちの仲の良さの証として受け取る。だが、忘れるな。今回だけだ」
「肝に命じておく」
「……ぇっ? ……」
「そうか、ならば良い。またな、鈴音、清隆」
きっかり30秒で妹に止めを刺した兄の言葉が終わると同時に、ピーと長い電子音が響く。
「切れたな……逆探はされていないな。安心しろ、学校にはバレていない」
「……」
ぎゅるるるるる
パソコンを確認して安心させるために声をかけても微動だにせず、笑顔のまま腹を鳴らす鈴音。
「やはり、学には浣腸プレイがバレていたな」
「…………」
「しかし、流石だな。言うタイミングを心得ている」
「…………ぇっ?」
「このままだと次会う時か連絡がついた時には大変だな」
あのシスコン、鈴音が浣腸されて便意を堪えているのを隠そうと必死で健気に会話しているのを承知の上であの言葉運びか。
明らかに便意をこらえる音がなった時に雷ととぼけた瞬間に確信していたが、即興でこれとは、熟練の業さえ感じさせてくれる。
在校中の鈴音(とオレ)への態度で理解していたが、今確信した。学はサディスト。しかもドがつくレベルのようだ。ならば、本人も言っていたように、鈴音との仲が拗れた大きな原因は学にあるし、鈴音がサディズム行為を受け入れる下地が整っていたわけだ。
橘は苦労しているかもしれないなと、完全な他人事として考えながら自分にとってはどうかと考える。
……考えるまでもない、学(鬼畜兄)とは色々な意味で良い仲を築けそうだ。
それが分かっただけでも、鈴音に浣腸した上で学に繋げ選択肢と言う名前のボールを投げた甲斐があった。
予定通り鈴音もオレが股をかけているとは言わず、学の怒りを買わなかった。
では、楽しむか。
堀北兄って絶対ドSだと確信しています。妹に対する態度と何より綾小路に対する態度がドSのそれ(笑)
もう一話書いた後、一之瀬です。
次は年を越した後になると思います。
皆様、よいお年を。