最後の方を書いてから、ここまで行くのにどうすれば良いのか考え始めて書いてみようかと決めたのが、この二次創作の始まりでした。
半年以上かかるとは思いませんでした(遠い目)
ぱたん……
耳に残るドアが閉まる残響を聞きながら座り込みたくなる衝動をこらえる。
鈴音と桔梗が去る前に食らった一撃で精神的疲弊の極致にいるが、俯いた一之瀬の相手こそを優先すべきだ。
くい、と一之瀬の手を引っ張ってベッドに座るように頷いた。
「あっ」
そっと座らせた横に、音を立てずに腰を下ろす。
ブラウスにフレアスカートの一之瀬は身じろぎせず、きゅと膝の上で手を握り締めた。
「あっ」
俯いた一之瀬の頬に触れる。
「あ、綾小路、くん……っ──」
こちらを見上げ自分の腕をきゅっと掴むと体をこちらに預けてきた。
「考えが止まらないんだ」
手を頬から離さず抱きしめもせずに黙って聞く。
「一年後に話すっていったのに、今話すんだとか。堀北さんと桔梗ちゃんと軽井沢さん、どうしようとか。もっと早く告白してれば良かったのにとか。三股とかどうなってるのとか……色々なことが、考えると、止まらなくって……」
当たり前だが、オレがほとんどを占めている。
「幸せな気持ちとムカついた気持ちが溢れそうになって……怖くなるんだ」
「なら、少し、話をしてみるか」
「お話?綾小路くんと?」
「ああ、何でもいい。いろいろな話をしないか?今頭の中を占めていること以外の話を」
「……どういうこと?」
疑いの色を瞳に宿す。今現在一之瀬の頭の中を占めている男の後ろめたさを隠すのではないかと語る視線を受け止めて返す。
「三股かけたことを誤魔化すつもりはない。今から四股目をかけることも」
「……最低だからね」
「わかってるよ……。少し、オレのことを聞いてくれないか」
「綾小路くんのこと?」
「ああ、昔、アメリカへ行ったときなんだがな……」
疑い深げにしていた一之瀬だが、いつしか話に没頭していく。
頃合良しと見て、くいと一之瀬の手を引いてベッドに横になるように頷く。
「あっ……いや、その」
「怖いか?」
「こわ……怖がってはいないよ?ただ……」
反射的に身を捩り俯く一之瀬を、再度くいとベッドに横になるように頷き誘う。静かに一之瀬が横になる。
オレも静かに、一之瀬と並んでベッドの上に横たわった。
「両親とな……」
不安げにしていた一之瀬だが、静かに話しの続きを語り始めるうちに緊張が解けていく。
ふわり、と柔らかな匂いが鼻を擽る。自然と一之瀬が近寄ってきたのだ。
「にゃ、にゃはは」
困ったように笑う一之瀬と目を合わせ、何も言わず肩に腕を伸ばす。
「ふあっ、ひゃっ……!?」
体温が伝わるように身体を密着させ、離さないように腕に力を込める。
「考えは落ち着いたか?」
「ゃ……ぃ、いやぁ……その……こんな風にされたら、初めてだし、あんまり、逆に、落ち着かな……」
しどろもどろする一之瀬からは暗い様子が少し消えた。
「でも、話し合うことはできるだろう」
「そ、それはね、うん」
「俯いていると気分も落ち込む。顔を上げて、今度は、一之瀬の話を聞かせてくれ」
「うん……その、ね。私、昔ね……」
そのまま、柔らかな抱きしめながら一之瀬の話に相槌を打ち続けると、一之瀬の憂いは薄くなりいつも以上に素敵な笑顔になっていったが。
「あ……その、何か当たってる」
「……すまん。正直に言わせてもらうと昂ぶって仕方ない」
生理現象とはいえ柔らかな体に反応した下半身が一之瀬の腹を圧してしまっている。
硬直する一之瀬の体をさらに強く抱きしめ耳元で囁く。
「いいか?」
「にゃ……あ、あはは、その……綾小路くんがどうしてもっていうならだけど、その……ね。ほら」
ビクッと体を震わせ怯えの表情を見せるが逃げはしない、このまま押しても押し切れるだろう。が、一手打っておくか。
心の中で南雲に詫びる。
「すまないな、これじゃ南雲と一緒だ」
「あっ」
そっと離れる綾小路君の言葉に、すとんと心に落ちるものがあった。
南雲先輩──あの人の目当ては私の……身体だったんだと。
吐き気がするほどの嫌悪感が私を襲う。あの人ではなく私に対しての嫌悪感。
裏切り者のあの人に対しての尊敬と感謝の念は全く薄れない。
それでも、それはやってはいけないことだ。お金──ポイントでそんなことをしてはいけない、という良識からでもある。
それ以上に、好きでもない人とそういうことをしたら私は私でなくなる。心の底から笑えることはもうないだろう。
だから、今離れてくれた綾小路君に感謝しないと、彼は一度あの人と同じことをしようとしたけど辞めてくれたんだ。
あんなに熱く想いを告白してくれた上に、落ち着かせてくれるために同じベッドで寝転んでお話してくれて、あそこを、その、堅くしても……無防備な私のことを想ってくれたんだ。
──だから、今日は帰ろう。帰って頭を冷やして冷静にならないと……
……何で私、綾小路くんの腕、私の肩に伸ばした腕、掴んでるの?
「一之瀬?」
綾小路君が不思議そうに言ってくる。
不思議だよね。私を大切に想ってくれたから、辞めたのに私が掴んだりして可笑しいよね。
謝って手を離して身体も綾小路君から離さないと……暖かい綾小路君の身体から
「いいよ」
「ん?」
にゃ?
「綾小路君なら……いいよ」
にゃぁぁぁぁ────!!?
何言ってるの、何言ってるの私!?
内心パニックになりながら、私の口からは自分の言葉とは思えないような、艶のある言葉が出てくる。
「今日の桔梗ちゃんや堀北さんみたいに、出かけたり……デートしてくれるんだよね。なら……私、綾小路君に抱いて欲しい」
私こんなに色気がある口調で話せたんだ。そんな馬鹿なことを考えないと、私の内心はパニック一色になる。
何で、綾小路くん、私の身体が欲しいって言ってたのに。割と最低な事言ってたのに。
「南雲と同じことをしているんだ。一之瀬にとって嫌な思い出だろう。あの流れで身体を求めるなんて、殴られても仕方ないような非道なことをしている」
「あの人とは違うよ……綾小路くんならイヤじゃない」
何で私は頭を綾小路くんの胸に預けてるのかなー。
そんなことしようなんて少しも……少し、いや、とても、したかったし、今凄く幸せだけどね。
綾小路くんが私の身体を目当てにしてくれて嬉しいし幸せ。
「ううん……綾小路くんじゃなきゃ、やだ。綾小路くん以外に抱かれたくない。だから、セックス、して欲しい……綾小路くんの、女に、して」
拝啓お母さん元気ですか。あなたの娘、私、一之瀬帆波は素直な自分でいられたと思っています。
でも、少し素直すぎたような気がします。せっかくなんで、綾小路くんの前であれだけ醜態さらしてどうすれば良いか、アドバイスが欲しいなあと娘は思ってたり。
まぶたの裏のお母さんが、嬉しそうに親指を立てている気がする。「今日はお赤飯ねー。奇妙なことをするのは年頃なら良くあるわね。でも、その男の子なら、受け止める器あるわ。だから、気にする必要ないわよ突撃しなさい」とか言ってる。
お赤飯は勿体無いような気がするけど、ありがとう。変なことしたの、良くあるなら仕方ないね。気にしないことにする。ありがとうお母さん。
「だから、お願いできないかな」
「今からか」
「うん。今じゃないと臆病な私は尻込みしちゃう」
濡れ場っていうのかな、女の人がこんな声出すときのこと。本当に、声が濡れているみたいに聞こえるんだよ。お姉ちゃん初めて聞いて驚いてるよ。
聞き覚えがある声だよね。私の声なんだ。ビックリしたでしょ。
まぶたの裏の妹はGOサインを出してる。
全くまた変なドラマ見たのかな。夜更かししないようにそれとなく注意しないと。
「わかった」
「あっ」
綾小路君にまた抱き締められて。頭を撫でられる、
男の人ってこんなにたくましいんだ。硬くてバネのある筋肉や骨格から、私とは何もかも違う。
朧気な記憶のお父さんのことを少し思い出した。
……あ、私綾小路君のこと、好きなんだ。
「あ……」
脈絡無く理解した。今好きな人の腕の中に居るんだ。
パニックになって視線を綾小路くんの顔から逸らして身じろぎする。
それだけしか出来ない、身を引いて綾小路君の腕から出ようとしたのに出来ない。完全に身体が硬直している。
だって好きな人に抱き締められて居るから
私……私……
綾小路君のことが好きなんだ。
ううん、ずっと前から……好きだったんだ。
「にゃー」
頭の中がボーッとする。初めての経験──いや、綾小路君のこと考えるとよくこうなってたよね、私。
うわー、皆変に思って無かったよね。
股かけられてもいいなんて、馬鹿なこと言うわけだよね。他の人なら耐えられないけど、綾小路君なら嬉しい。
だって私が好きな人に、私を好きでいてくれる人に抱かれるんだから
「うわぁ」
好き!好き!好き!?
誰が、私一之瀬帆波が
誰を、綾小路清隆君を
綾小路君のことを考えるだけで鼓動が速くなる。
呼吸が早くなって、頭をさらに預ける。暖かくて弾力があって硬い安心できるところに
……あれ、私何処に頭を?
……気持ちいいから良いか
「あー、一之瀬」
安心できて気持ちいいところから、何か優しくてたまらないずっと聞いていたい「音」がするけど、今は私の想いを、ようやく気付いた想いを考えよう。
「ふわぁ」
初恋だよ、私。今まであの人素敵だなとか格好いいなとか思ったことあるけど、こんな気持ちは初めて。
恋は盲目とか、のぼせるとか、正気を失うとか、聞いていたけど本当なんだ。
一体何時から意識してたのかな。額を暖かく弾力のある硬いところに擦り付けながら、綾小路君とのことを思い出す。
最初は、冷静沈着な頭の切れる少し恐い人だと思っていた。佐倉さんと千尋ちゃんのことがあって、悪人ではないと思ったし年上のような人で安心感があったから交流は楽しかった。
その認識が変わったのは、あの一件だった。
部屋に籠っていた私の下に、毎日通い続けてくれていた
皆元気付けたり心配してくれるのは嬉しかったけど、申し訳なくて……少し苦痛だった。
でも、綾小路くんだけは違った。扉の前に座ってただそこに居て、私を受け入れてくれていた。
誰かがそこに居てくれるというだけで安心できた、何時もの私を見失わないでいれたのに。
あの後、お礼に──ううん、今なら分かる好きな人に初めてチョコを渡したときに
「もしも自分を見失いそうになったら、またオレに声をかければいい。その時は──そうだな。話を聞くくらいならオレにも出来る筈だ」
綾小路くんは、そんな口約束を守ってくれた。
ううん。話を聞くだけじゃなくて、私が困った時や弱くなった時心の拠り所になってくれた。へ、部屋に連れ込んで私を立ち直らせてくれたこともあった。
ほ、他にも、他にも……ほか、にも……
「にゃー」
ぷしゅーと顔から火が出そう。
反則だ。私にあんな風に言って頼らせて甘えさせてくれた人、今まで居なかった。
皆私を頼ってくれた人ばかりで、お母さんも私なら大丈夫って言ってくれるのが、誇らしかった。
……でも、本当はね。私も誰かに頼りたかった。甘えたかったんだよ。
ずっと、ずっと、欲しくてたまらなくて、諦めてたことを綾小路くんはくれたんだ。
うわぁ、うわぁぁぁあ
「すーはー……すー……はー……うわぁ、落ち着くー」
大きく息を吸って目を瞑ると全身の力が抜けて暖かいものにもたれ掛かる。
誰かに言われなくても私の心がそうすべきと訴えることをすると、こんなにも落ち着いて甘えた声が出る。
「スンスンスンスン」
匂いを嗅ぐと、女の子には出せないこんなにも力強い匂いが……──何か他の女の子の匂いがする。ムッとした。
「すりすりすりすり」
暖かいものに顔から髪、髪から胸、胸から上半身を擦り付ける。上書き上書き。
「一之瀬、聞こえているか一之瀬?」
暖かい音がまた聞こえてきたよ。
聞きながら私の中に潜り込もう。
あ、そうだ。私、クラスのリーダーだから、他クラスの人と付き合うの支障あるから、他のクラスの人と付き合うのってどうすればいいのか情報集めてたんだよね。思い返せば、聞いた皆ニヤニヤしてたなあ。
それで、綾小路くんとも色々話して、色々聞いて、好きな人のこと少しずつ知るのが楽しくて幸せで。
……よ、夜、綾小路くんのこと考えて、その、敏感な所、初めて弄って、電流が走って、びっくりしちゃって、次の日、綾小路くんの顔、見れなかった時とかあって、でも幸せで、一年後胸を張って会えるようにしようとして……
──で、そうこうしているうちに同じクラスの堀北さんと桔梗ちゃんと軽井沢さんにかっさわれたんだよね
ボフボフボフボフ
「一之瀬、鳩尾に、頭突きは、痛いんだが」
つい、暖かくて幸せなものに八つ当たりしちゃった。
「はぁ、はぁ、はぁっ」
……落ち着こう。
体勢を変えて、全身で暖かいものに抱きつく。
少し前屈で、腕を相手の首に回して、自分の胸を相手の胸に思い切り押しつけて、首筋に頭を。
「すがりついてるみたいだね」
ううん。すがりついてる。私が家族以外に初めて見つけた信頼できる人にすがりついてる。
堀北さんや桔梗ちゃんに罵られたように、すがり付いてる。
そんな自分が、嫌で、愛おしい。
「あの時出来なかったけど、したかったんだよ」
さっき綾小路くんが言った南雲先輩──あの人に付き合えって言われた時。尊敬はしていても好きでもない人に付き合えって言われた時。
あの時私は笑っていたけど
本当は──泣きたかった。泣き声で話をする訳にはいかなかったし、皆のために何で私だけがって思いたくなかったから耐えてたけど泣きたかった。
「あの時と同じだったんだよ。私」
万引きした時と同じ闇に飲まれてた。Bクラスの皆私が好きじゃない人と付き合おうとしてるのに呑気に笑ってとか、本当は私のこと好きじゃないのに私と付き合おうとしないでください南雲先輩とか、考えるだけでおぞましいことを思って潰されそうだった。
「ずるいよ」
そんな時に綾小路君は助けてくれた。
話ぐらいは聞くって言われてたのに、話をしようとしなかった──ううん、好きな人に知られるのが恐くて隠そうとした臆病な私を。
夜遅く訪ねた時、あの人と付き合う条件を話したとき、真剣に相手をしてくれたのに、助けて欲しいって言えなくて、もう綾小路君に頼れないと勝手に諦めた私を。
「なのに」
もう駄目だって思ってた。私が私じゃなくなるって諦めたときにメールしてくれのが、付き合ったら自分から別れるなんて言い出したくなかった綾小路くんだった。
あの時、こんな風にすがり付いて思いっきり抱き締めて欲しかったことが、綾小路君は解らないのが。
「本当にずるくて……大好き」
うん。私は綾小路くんが大好き。付き合いたい。
でも、付き合うなら好きな人同士でないと意味がない。片方からだと意味がない。
でも、綾小路くんは私が好きなんだから良いよね。好きになってもらおう。
もっと、私のことを好きに──
ポフッ
「え?」
どうしようか考える私の頭に置かれた温もりが、総身を巡り理性を取り戻す。
「手?」
そう、手だ。その先に視線を向けて目に映す。
「綾小路くんの、手?」
「ああ、俺の手だ」
「………………にゃ?」
そのまま、優しく撫でられていく内にだんだん今の状況を理解していく
「ふぇっ」
ここには、私と綾小路くんしか居ない。
で、私は綾小路くんに、だ、抱きついていて
な、なら、なら、その……
私が今まで頬を擦り付けたり、全身で匂いを擦り付けたり、頭突きし続けたのは──綾小路くん?
好きな人の綾小路くん?
あれ、それじゃ、今まで、私は、好きな人に……
「ふ、あああああぁぁぁあ!!??」
あまりの自分の醜態に絶叫する。
頭の中がこんがらがって言葉にならない、早くしないと綾小路くんに誤解される。これ以上の醜態を見せられない。
で、で も、どうしよう、どうしたら……
「ぴあっ!?」
いきなり、綾小路くんに強くお尻を掴まれて痛みに声をあげる。
「痛いか」
「……っううん。痛くないよ。ちょっと驚いただけ」
「そうか」
綾小路にお尻を掴んでもらってるんだ。と思うと掴まれている部分から熱くなってる。
そっちが気づかれてないか不安だよ。
「今からするが、何かして欲しいことがあるか?」
「あ、その、どうすればいいか分からないから、全部任せてもいいかな。私を綾小路くんの好きにして」
さっきまでの醜態をスルーしてくれる綾小路くんに甘え、想いをのせて呟く。
「わかった。そうさせてもらうが、オレからもひとつある」
「え、何かな」
お尻を掴んでから気付いたのかな。やっぱり私の体、変なのかな。堀北さんや櫛田さんみたいに魅力的じゃないのかな。
不安に駆られる私に綾小路君は
「我が儘になれ」
────え?
私の何処か抑えていた蓋を開けた。
「あの、それって」
「今みたいに痛みを押し殺して笑顔で流すなと言っているんだ」
「え……いや……」
私、そんな……
「一之瀬、お前は善良だ。相手に対して善意の行動を計算することなく出来ている。皮肉で言っていない。お前のあり方には敬意を抱いている」
それはわかる。綾小路くんからは負の気配が一切しない。淡々と話す言葉が私に刻み込まれている。
「でも、少し疲れるときがあるだろう」
「っ──」
「普段はそれでいいだろう。でも、今からオレとお前はそういう関係になる」
「あ……うん」
改めて言われると……正直、怖い。
「なら、一息つけてみたらどうだ。オレとこうしているときくらいは、痛いときは痛い嫌なときは嫌だと自分が思ったことをオレに訴えればいい」
駄目だよ。だって、そんなことしたら、お母さん大変で、妹も甘えたいのに甘えられなくなっちゃう。
それに、クラスのリーダーとしてリーダーの態度をしないと……
でも、今私の傍にいるのは、綾小路くん。
信頼できて、今から、そういう関係になる人
なら、甘えていいのかな。
「……いいの……そんなことしても」
「ああ、大丈夫だ。例え全部叶えられなくても、必ず聞いて受けとめる」
「……迷惑……だよ、きっと」
情けないくらいに声が震える。
「あ……」
綾小路君は私の手をとってやさしく握り締めてくれた。不安な空気が消える。
「オレにも実利がある」
「え?」
「自分を押さえ付けている相手を抱いてもつまらないからな。せっかくセックスするんだ。楽しませてくれ」
「あ、あはは……うん……私、は──誰かを頼って甘えても……良かった、のかな……」
「困ったらこうやって手を繋ぎに来い。オレの手ぐらいなら、いつだって一之瀬のために空けておく」
震える私の言葉を、綾小路くんは当たり前のことのように受け入れてくれた。
自分を頼って甘えてもいいと。
「っ……」
思い切り綾小路くんの胸に顔を埋める。今まで誰かに言って貰いたかったこと。好きな人に言って貰えた。それが嬉しくて涙が止まらない。
「私っ……お姉ちゃんで、お母さん大変でっ……お父さんいなくて……っ!しっかりしなきゃ、って、心配かけちゃだめだって、近所の人もみんな優しくてっ……万引きしても……皆っやさしく……っ!だから、失敗しちゃだめだって……皆仲良くしてなきゃ駄目だって……そのために……頑張らないとって……お母さんと妹がっ……て!」
「そうか」
どこまでも優しく綾小路君は許して受け止めてくれた。
「うぁぁっ~~~っ、ぅ、うぅぅ、うぅぅぅうぅぅうぁぁ~~~~……っ!」
ぽんぽんと背中が優しく撫でられる。私が、妹にしてあげたように……何時か、お母さんが私にはする必要なくなったように。
ずっと昔、朧げな思い出の中で、きっと、お父さんが、してくれたように。
「うあ、うあああ~~~っ!」
ぽんぽんぽんぽん
優しい鼓動と同じリズムで撫でられ、涙があふれてあふれて止まらない。ぎゅっと、綾小路くんのもう片方の手を胸元で抱きしめる。
ぽんぽんぽんぽん
涙が止まるまで綾小路くんはそうしてくれた。
「なら、早速わがまま言うね」
「ああ」
「いきなりお尻掴まないで、痛いし恥ずかしい」
最初がお尻鷲掴みなんて許さないよ私。結構ムッときてるんだから。
「男の人に抱き締められるの初めてなんだよ私。いやらしいところ触らないで、普通に抱き締めて」
「わかった」
そのまま、綾小路くんは私の腰に手をまわして抱き締めてくれた。
包まれる暖かさに目を閉じてしまう。
「それはそれとして」
「何」
蕩けきった声で答える。綾小路の暖かさ優しさが心地いい。
「全部任されたんだ。お前をオレの好きにさせてもらう」
にゃ? あれ、綾小路くんの声がなんか……あれ?
「とりあえず、ストリップしてもらおうか」
「すとりっぷ」
にゃ?にゃ? ちらりと目をあげて綾小路くんと目を合わせる。
──食べられる。
目を合わせた途端に走った直感の電流に、きゅううと心臓だけじゃなく全身が音を立てる。
「オレの目の前で自分で服を脱げ」
「え?」
にゃ──ぁ!?
え?何、服、脱ぐ、何で、いきなり、え、そんなの無理。
「好きにしていいんだろう。痛いとか嫌だといくらでも言ってくれ。オレが好きにするだけだ。脱げ」
「え?え?……ま、まって、……その、まだ早いよ」
そう、まだ早い。まずデートしたりしてから、キス、したりしてからそういうこと、その……
「ぴあっ!?」
──ぎゅっと強く抱きしめられ、耳元に綾小路君の呼吸が聞こえる。
「一之瀬、今から俺達何をするかわかってるか?」
「え、その、せ、セックス……です」
「一般的にセックスするときはどういう格好だ」
「は、裸?……え?」
「ああ、だから、とりあえず脱いでくれ」
脱ぐって、え、下着も?下着になるには服脱がなくちゃいけなくて、服脱げば下着姿になって
……下着姿?し、下着姿!?
「にゃ──!?!?」
わ、わたし、今、下着上下違う。しかも安いの!大きいサイズで動きやすいのを組み合わせたから、色も柄も違う野暮ったい奴!
それを見せるの!?堀北さんと桔梗ちゃんの綺麗で艶やかな下着姿を見た綾小路くんに?
無理、絶対無理。
「あ、あの、綾小路くん、その、あの──」
そ、そう、そうだよ。綾小路くんに買ってもらった下着がある。あの下着なら見せられる。
──そんな私の声は、綾小路くんの指で唇をなぞられて止まる。
暖かくて硬い指先でなぞられると心臓が破裂しそうで、顔が熱くなって
……抵抗、出来ない。
「まず、脱いでからだ。話はその後にしてくれ」
綾小路くんこんな風な目で見てくれるんだ。情熱的というか獣、いや、失礼だよ。いや、でも、そんな恥ずかしいこと、でも、セックスって、裸で、いやでもでも
ぐるぐる頭の中が回って沸騰しそう。
そんな私を綾小路くんは一声で断ち切った。
「脱げ、帆波」
──初めて名前、呼ばれた。
確信した。
綾小路くん、絶対悪い人だ。
こんな時に、初めて名前呼ばれたら私が抵抗なんか出来ないって、知ってるんだ。
頭が冷えたんじゃなくてさらに熱くなって湯だったまま答える。
「は、はい、脱ぐ、ね」
帆波は甘えるのが下手だ。
何でも頑張って出来てしまう彼女の欠点だろう。誰かに頼られることには慣れていても頼ることには慣れていない。
万引きも、他者に甘えられず爆発してしまったのが一面だろう。彼女なら誰にでも金を借りられたのに出来なかった。
彼女が渇望していても、得られず諦めてしまったものが無かったからだ。
──許可。
甘えて良い許可。
それがなかった。
故に、今、それを与えた。
(そうしたら、もう少し順調に行くと思っていたんだがな)
林檎のように紅潮し絶えずぷるぷると震える帆波を、ベッドに座って見ながら一人ごちる。
震える指を何度もブラウスの第一ボタンに引っ掛けてはこちらをちらりと見て、ぐるんっ!と体ごと背ける。で、少しもじもじしてまたこちらを見て、ぐるんと俊敏に体を戻す。
あまりに俊敏な挙動で、発育の良い体がぶるんと震え、翻ったスカートからムッチリとした白い太もも近くまで露になるのは、これでこれで見ごたえはあるが、ストリップにはなっていない。
「どうした?まさか冷やかしで、抱いて欲しいだのセックスしてだの言ったわけじゃないだろう」
「…………」
自分の発言で斬りかかられ、帆波は愕然として言葉を失う。
縋る色の視線に、情欲の色を乗せて絡み合わせ責めて返す。
「発育が良いな。バストサイズはどのくらいあるんだ帆波?かなり大きそうだ……九十は超えて、カップはF辺りか」
いきなりの言葉責めに、一之瀬はりんごのようだった顔をさらに紅く染め俯いてブラウスのボタンを弄繰り回す。
「あ、あのっ……ちょっと……ちょっと待って、わ、私、そんなの、答えられないっ」
「答えなくて構わない」
「え?いいの」
「脱いだ後、この手で確かめるからな」
「にゃ、にゃぁっ」
両手で自分の体をかばうように抱きしめながら、俯き今にも泣き出しそうな表情で呻く。
人気の美少女の追い詰められた風情に、ゾクリとする色気を感じる。
おずおずと顔を起こし再度絡む視線、無言のまま会話を交わす。
艶やかな長い髪がひと筋、指先に垂れ落ち、それをぎゅっと握り締める。
踏ん切りをつけるために、はあっと鉛のように重いと息をひとつ吐き出すと、再度ブラウスのボタンに手をかける。
「……っ」
ゆっくりと、ためらいがちにボタンをはずしていく。
ひとつ、ふたつ
だんだんはだけていくブラウスから、薄い茶色のストラップと官能的な谷間が覗き始め
「や、やっぱり……駄目っ」
ぎゅっと目を瞑り、体をかき抱く。決意や踏ん切りなどは羞恥で蹴り飛ばされてしまった。
「はぁっ」
思わずため息が漏れた。失望されたのかとビクリと一之瀬の体が震える。
……これは、無理だな。
流石に飛ばしすぎたと心の中で悔いながら立ち上がる。
入学してから、その美貌とスタイルと内面に惹かれていた少女をモノに出来るとタガが外れていた。
どう考えても未経験な少女には酷だった。反省しなくてはな。
(いや、あれこれ考えるのは後にしよう)
今は、俯き体を振るわせ続ける一之瀬を慰め立ち直させるのを優先──
「ぉ……」
「?」
声をかけようとしたオレの動きを被せるように、一之瀬のつぶやき声が響いた。
そして、これが、この日一番の驚きの始まりだった。
好意を持った相手の腐れ外道としか言えない所業が明らかになったストレス、南雲と朝比奈によるアドバイスの感謝、鈴音と桔梗との諍いに対する反発、今まで積み重ねたオレに対する信頼、最初からいきなりストリップなどさせられている羞恥、ため息によって綾小路に失望されたのかという不安──
それらが、綾小路に与えられた『甘えて良い許可』と一之瀬帆波の中で混ざり合い激烈な反応を産んだ。
「ぉ――お、おにいちゃん!」
「は?」
「帆波が脱ぐの見て!」
絶叫とともに、すぽんと、あれだけ手間取っていたブラウスが抜き取られた。
豊乳だからだろう、薄い茶色のフルカップですっぽりと乳房を覆っている。健康的にふっくらと締まった腹としっかりとした括れも目に写り、たまらない思いを抱くべきだが今のオレは欲情を忘却している。
「………………」
あまりの発言に沈黙しか出来ない。
今、何て言った?
「や、やったっ!?やったよ!おにい……ちゃん」
そんなオレを余所に、達成感に薄い茶色のブラに包まれた巨乳を弾ませながら飛び上がり、満面の笑みを向けていた帆波が固まった。
ピクリとも動かない。
「……ぁ」
徐々に自分の言葉が浸透してくると、帆波の顔が真っ赤に染まる。
「い、いや、これは、その……」
『ギギギ』と壊れたロボットのような動きで視界にオレを入れる。
「何だ?帆波」
できる限り優しく微笑ましいものを見る目で慣れない微笑(畜生)を浮かべる。
一瞬の底知れない静寂、釣られるように引きつった笑顔、驚愕、愕然、憤怒、悲哀、哀泣、ありとあらゆる感情に表情を変え
──帆波は絶叫した。
「ち、ち、ち、違うんだよ!?あ、綾小路くんは落ち着いて頼りになって、冷たくてっ優しいからっ!?その、そう、年上みたいで……う、ううん、同級生だってちゃんと分かってるよ。けどね……ただ、私、余り甘えること知らなくて、甘えられたらなあって、それが綾小路くんなら素敵だなあって!?……だ、だから、お兄ちゃんって呼びたくなって……いやでも、でもぅ、綾小路くんの気持ちとか都合とか考えなくて」
下着姿に構う余裕さえ無く、ブンブンと手を振りながら泣き声でまくし立てる帆波だが、支離滅裂で何が言いたいのかわからない。分かるのは完全にテンパっているだけだ。
「ああ、そうだな。わかってるぞ帆波」
「にゃ、にゃあ、あぁぁぁぁああぁぁぁぁっ!!??」
というわけで慈愛に満ちた肯定を与え、ちょっと苛めてみる。
耐えきれずに、しゃがみこんで頭を抱えてぶるぶると震えだす。限界を超えた羞恥の灼熱で一之瀬が焼き尽くされる。
肉付きのいい体でそんなことをやられて、股間と心にぞくぞくとした熱を宿しながら考える。
甘えてくると想定していたが、まさか「お兄ちゃん」と呼んでくるとは思ってなかった。
(取り繕う余裕もないな。無くなったのはオレが止めを刺したからだが……さて、どうするか)
取り返しがつかない醜態に、泣きわめく帆波を何処か冷めた目で見つめながら、その意味を考える。
感情を揺り動かされていないわけではない。帆波の悲痛で愛らしい姿を見ているうちに抱き締めたくなっている。
だが、常に多角的、相対的に働く頭脳は冷徹な思考を止めはしない。
帆波の狂態は何を意味するのか?
決まりきっている。
このまま行けば、肉体成長が著しい同級生の女子に「お兄ちゃん」と呼ばれながらセックスすることになるかもしれない。
ため息をつきたくなる。
(ありえないだろう、それ)
なんて非常識で悪徳と背徳に塗られた道だろうか、まともな人間ならどんな風に思うのかは明らかだ。ならばどうするか明白だ。
「見ないでぇぇぇえええ!?こんな私をそんな優しい目で見ないでぇぇぇぇええ!?お願い、おにいちゃ……にゃ?……にゃ!?にゃぁぁああああああ!?」
ごく自然に「お兄ちゃん」呼びをしかけ、限界を振り飛ばした羞恥に泣き叫ぶ帆波の声に聞き惚れながら、優しい(鬼畜)目付きでその姿を見る。
真っ赤に染まったまだ幼さが残る整った顔立ちと豊満な肉体。改めて下着姿になったからこそ優れた容姿が際立つ。挙げ句、内面まで優れている少女。
パニックに陥っていてもそれは変わらない、いやさらに際立って魅力的に魅せてくれる稀な存在。
こんな存在の狂態を静めればどれ程の愉悦と至福を得られるだろうか。
オレならば、いやオレだからこそ、パニックに陥った帆波を冷静に出来る。そんなところに位置していると認識するだけで沸き上がる思いがある。
ならばどうするか。
改めて帆波を見る。
両手で服越しにわしづかみにした尻は、成熟した見た目とは裏腹に脂が乗り気っておらず引き締まって硬くむき卵のように滑らかで、成人女性の柔らかな脂肪とは明らかな違いがあった。背丈や体重は同じでも、骨格が未発達なため全体的には細身と受け止められる。
端的に、青い果実と評するべきだろう。
胸板で味わった、男の目を引く九十センチを超える重みのありそうな乳房も、大きくともまだ蒼く硬い芯があり少女特有の強すぎる張りを保っていた。蒸気した首筋から肩にかけてのラインも色っぽさよりも清らかさしかない。
腹は運動を好むため締っているが、筋肉が過度に出ていない滑らかな少女のライン。健康的に日焼けするところは焼けて白いところは白いコントラストがたまらない。
手足は長く、そして筋肉によって引き締まっており、その上を柔らかい脂肪が覆っている。
そんな体つきで蹲りながらイヤイヤと頭を振られると、あちこちが健康的に揺れて目と心と下半身を楽しませてくれる。
……こんな子を「お兄ちゃん」と呼ばれながら味わう非常識を取るか、冷静さを取り戻させて味わう常識を取るのか。
……迷う必要などないな。
非常識とは普通やらないからこそ非常識と呼ぶのだから。
「帆波」
優しい声をかけるとびくっと震えてくれる。たまらんなこれ。
ぽんっと頭に手を置く。
「構わないぞ」
「……ぇ?」
涙目のまま恐る恐る見上げてくる。
「構わないといったんだ」
「か、構わないって」
「おにい「い、言わないでぇ!?」オレのことを、そういう風に呼んで構わないといったんだ」
同級生に「お兄ちゃん」などと呼ばれながら初物を味わえる機会がこれからの人生であるとは思えん。ならば、オレの選択など決まっている。
「……い、いいの?へ、変じゃ」
「確かに変かもしれない。でもな」
非常識をとる。
半月前ならリスク回避を優先した可能性もあるが、踏み出した今は違う。四股かけて同級生にお兄ちゃんと呼ばれる屑になろう。
「ああ言えば、脱いでも恥ずかしくないんだろう」
「う、うん……あっ?」
下着姿を男の目に晒したままだと気付いて、慌てて体に腕を巻きつけながら問うてくる。
「……うん、恥ずかしいけど我慢できる……でも、良いの?お兄、ちゃん、なんて……呼んでも?」
「構わない」
頷き許可を与えると、顔を紅く染め涙を浮かべた帆波が安堵に顔をほころばせる。
うん。少なくとも、挿入するまでは呼ばれていたい。
「帆波がオレをお兄ちゃんと呼ぶことで、恥ずかしさが抑えられるのなら、オレも耐える」
帆波と違って耐えるのは恥ずかしさでなく、心と体から競り上がってくる熱い衝動にだが。
「ほ、本当?本当に、良いの?」
「多少は恥ずかしいが耐えられない訳じゃない。出来れば速めに慣れて欲しくはあるが」
後々正気に戻ったとしても、恥ずかしさにのたうつのは帆波だけだ。オレにダメージはない。
「そ、そっか……なら、その、お願い、します」
「ああ、とりあえず慣れるためにもう一度呼んでみないか」
「えっと……お、お兄、ちゃん」
「何だ帆波」
間髪入れずに返すことで受け入れられた喜びに帆波の顔が綻び、ぱああっ!と破顔し、童女のような笑みを浮かべる。
「お、お兄ちゃん」
「ああ、何だ帆波」
肉感的な下着姿を腕で抱くように隠す同い年の少女に、お兄ちゃんと呼ばれる度にこの背筋を撫でる背徳的な快楽。
こんな感覚があったんだな。
「お兄ちゃん、よ、よろしくねっ」
「ああ……ちょっといいか」
「え?……や、やっぱり……だ、駄目なの、お兄ちゃん」
少し押し止めた途端、満面の笑みから涙目鼻声に急降下する帆波にゾクゾクと背筋を震わせる。
「いや、呼ばれることは問題じゃない。ただな」
「ただ?」
「お兄ちゃんだと、アクセントが血縁者のそれだから、少し背徳的すぎると思わないか?」
「そ、そっか、確かに……今から、その、するんだし、ね……なら、お義兄ちゃん、とか」
何て切り返しをしてくるんだよ、こいつは。
「顔を可愛く真っ赤にした帆波が耐えられるのなら、それでいい……いや、良くないな。もう少し、お前が恥ずかしくないようにしてくれ」
オレが耐えられない。流石に処女相手だから少しは優しくしなければならないのに出来なくなってしまう。
「じゃ、じゃあ……おにいちゃん」
舌足らずな子供が、近所のお兄さんを呼ぶように言ってきた。
幼い子供ならともなく、しっかりした性格で豊満なスタイルの帆波がやると酷い。凄いのではなく酷い。
──新しい世界の扉が自分の中で開かれた音が響くくらいに酷い。
「ど、どうかな……おにいちゃん、は?」
性格から素だと分かっていても、期待するように上目遣い・潤んだ瞳・艶やかな声でおどおどした態度をする帆波は狙っていると思えてしまう。
まあ、どうでも良いか。
「それで頼む」
この全身を走る、快楽と衝動に比べればどうでも良い。
おにいちゃんプレイか。新しい世界を楽しく学べそうだ。
大歓迎だ。
「……普段は、普通に名前で読んでくれよ」
「勿論だよ。任せて、おにいちゃん」
ぺかーとした幼い笑みを浮かべる帆波は、放っておいたら人前で呼びそうだ。追々、釘を刺しておく必要があるな。
……巧くやらねば。
次回更新はかなり先になる予定です。
ところで、甘やかすのとS気強いのだとどっちがいいですかね