ジャンヌと邪ンヌに板挟みされながら死ぬほど愛されている話 作:KeI77777
ほんの少し前のこと。
世界は突如滅んだ。
いや、正確には、文明社会が崩壊し、
北斗の〇や、Fall Out Bo〇みたいな世界になったというのが、
正しいだろう。
かくいう、俺もそんな世界で生きている凡人の一人だ。
彼女もいない、金もない、勤め先は月100時間超えのサービス残業が当たり前の、
ブラック企業。
毎日、上司からは理不尽なことで怒られ、暴力も振られる毎日。
だが、そんな状況よりは、こんな終末世界のほうが救いである。
---俺はそんな中、近くのコンビニやスーパーから持てるだけの非常食や、
保存食を物色して、家に持ち帰ってきた。
道中、漫画やアニメでしか見たことのない怪物がうようよとしていたが、
必死に息をひそめて存在感を薄くし、見つからないように移動した。
帰るときには怪物の死体が道中にばらまかれており、
思わず口元を抑えた。
そんなギリギリの生活を迎えていたところ、
ついに破綻の兆しが見えた。
----裏通りの道を歩いていたところ、運悪く悪魔や妖怪に見つかってしまい、
わき腹を爪で引き裂かれてしまった。
体から力が抜け、どしゃりとアスファルトの地面に体を投げ出す。
頭は打たずに済んだ。だが、切られた個所から出血が収まらない。
口元で鉄の味がする。手で唇を触れると、血がついていた。
(・・・・ああ、死ぬ、のか・・・。)
何も、何もわからずにこんなところで死ぬなんてお笑い種ではないか。
まともな人生を歩んだことがない、一生だったのに?
まだ、彼女ができたこともない童貞なのに?
(・・・・いやだ。)
鬼が大きな口を開けて、俺を飲み込もうとするのが見えた。
(いやだ。---いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだぁっ!!!!)
眼前に迫りくる、死の恐怖がそうさせたのか、
俺は心の中で人知れずそう叫んでいた。
(死にたくないっ!!死にたくないっっ!!!誰かっ!!誰か助けてくれっ!!)
その祈りの声は誰にも届かず、無情にも、
死の脅威はゆっくりと迫ってくる。
(・・・・何でもするっ!!何だって捧げるっ!!だからっ!!だからっ!!!)
---神様でも、悪魔様でもいい!!俺を助けてくれぇっ!!!
俺のそんな心の叫びがどこかに、何かに届いたのか。
辺りを閃光と、炎が包む。
倒れている俺を円で囲むように、炎と光の壁が出来上がった。
「・・・・え・・・?」
光と炎が消えると、あれほど恐ろしかった物の怪や、悪魔たちが跡形もなく、
消えているのが見えた。
「・・・え・・?・・・え・・え・・?」
何が起きたのかはわからない。
ただ、助かったということだけはわかった。
「・・・・・ふふふ。」
「・・・・・あはは。」
カツン、とこちらに近づいてくる足音が二つ。
子供のように無邪気な笑い声を浮かべながら、誰かが寄ってくる。
痛む体に顔をゆがめつつも、上を見上げる。
「・・・なんでもするのですね?」
「・・・なんでもするのよね?」
「・・・・・は・・・?」
彼女たちの顔を見て、ありえないという考えがまず浮かんだ。
だって、そうだろう。
その姿は、その顔は・・・。
「・・あ・・・。」
「あっ・・。だ、大丈夫ですか?!」
「ちょ、ちょっと!?しっかりしなさい!!」
大量に血を流しすぎたからか、くらりと意識が暗転し、
ばたりと倒れ伏す。
意識がゆっくりと失われていく中、
彼女たちの泣きそうな声が聴こえてきた。
◆
「・・・・・・・・・・夢か。」
目を開けると、そこは見慣れた天井だった。
いつも俺が過ごしている自宅の真っ白な天井。
はあ、とため息を漏らす。
いくら、あのキャラが好きだからって、夢の中にまで出てくるとは。
妄想もたいがいにするべきだ。
とりあえず日課のあいさつをしておく。
---ベッドのすぐ横に並べられている、プレミア価格で競り落とした、
FGOのジャンヌと邪ンヌ(ジャンヌのオルタ)のフィギアのほうを向く。
「・・・・あれっ!?」
目をこしこし、と手で拭って、もう一度見やる。
「・・・ないっ!?」
いつもそこに飾っていたはずなのに、二人のフィギアが消えていた。
落っこちているのだろうかと思い、ベッドの下や周辺を探すも、
やはりない。
両腕で頭を抱えて、うなだれる。
(・・・・ああああ・・・!!俺のボーナスを使って手に入れた、
二人のフィギアがあああああ・・・!!!)
福本漫画に出てきそうなぐにゃりかたをしながら、
ぐねぐねと体をくねらせる。
そうして数分間うめいていると、ガチャリ、とドアが開いた。
「・・・・マスター?」
「・・・・マスターちゃん?」
「・・・・へ?」
なぜ、ドアが開いた?いや、だれが入ってきた?
いや、この耳が心地よくなる坂本真〇ボイスは・・・・!!
がばり、と顔を上げて入ってきた人物たちを見る。
「・・・・・マスター!!」
「・・・・・マスターちゃん!!」
「うおっ!!」
ルパンもびっくりのダイブをしてきた二人。
ふにゅり、と柔らかなモノが顔に押し当てられ、息が苦しくなる。
それと同時に、自分が今、とんでもなく幸せな状況にあることを自覚する。
(お、お、お、おっぱいーーーー!!!?)
「あんっ♡はあはあっ♡無事でっ♡んっ♡よかったぁ♡あああっ・・・♡
ですぅっ・・・♡」
「あっ♡あっ♡あっ♡だめっ♡マスターちゃんっ♡ああんっ♡」
---ジャンヌと邪ンヌのコスプレをした超絶美人二人にパフパフされているなんて、
いったい誰が信じられようか。
しばらく、彼女たちの肉布団で包み込まれるのだった。
◆
「さ、先ほどは失礼しました・・・。」
「・・・・・ふ、ふんっ。・・・ご、ごめんね・・・。」
「あ、いや。大丈夫です。・・・むしろ、うれしかったというか・・・。」
ひとしきり彼女たちにもみくちゃにされて、
落ち着いたのでリビングで話を聴くことに。
「・・・・あの、君たちは・・・?」
「・・・申し遅れました。わがなは、ジャンヌ・ダルク。
・・・あなたの妻です。」
「私はこのあーぱーの妹、ジャンヌ・オルタ、通称邪ンヌよ。
・・・・あと、あんたの妻、だから。」
「・・・・・・・・。」
えー、という声も出ない。
頭の中をぐるぐると駆け巡る疑惑の数々。
(・・・冷静に考えたら、コスプレして、人んちに押しかけてきて、
あなたの妻ですって言ってるんだよな?・・・やばい、電波系か・・。
メンヘラは勘弁・・・。)
いきなり拒絶したら、何をされるかわからないので、
まずは相手のことを聴くことにした。
「あ、あー。そうですかぁ・・・。・・・あの、どうして私の家に?」
「?何を言ってらっしゃるのですか?」
「もともと、ここは私たちの家じゃない。」
「・・・・・??・・・???」
彼女たちが言っている意味が何も理解できず、
手を額に当てて、考える。
(は?え?何?どういうことなん?・・・え?マジモン?
話通じない系?)
怖くなってきたので、会話を切り上げることにした。
「あ。ああ。そうですか。」
「・・・・いつも、私たちで抜いているではないですか。」
「そ、そうよ!!今更ヤりすてなんて、絶対に許さないんだからねっ!!」
「」
・・・・・・・・・・え?
ちらり、と彼女たちのほうを見る。
確かに、俺はFGOのジャンヌと邪ンヌが大好きだ。
嫁と言っても過言ではない。
しかし、それは二次元の話であって。
「・・・まだ、わからないのですか?マスター?」
「・・・はあ。まったく、しょうがないわねー。」
「え?・・・あ。」
いつの間にか近くに来ていた二人にぐいっと体を引っ張られ、
ソファーに押し倒される。
その瞳は黒くよどんでおり、爛々と輝いている。
「・・・ふふふ。まさか、自分の伴侶のことを忘れるなんて、
これは、お仕置きが必要ですね・・・♡ああ、仕方のないことです・・・♡
ええ、まったく・・・♡」
「ふふふ・・・♡あんた、ドMでしょ?♡・・・今日は、寝かさないから覚悟しなさい・・・♡」
嬉しそうで、愉しそうなそんな彼女たちの笑顔が、やけに印象的だった。
リクエストを50分で書いたぞ、オラァッ()
腕がいたひ・・・・。
まあ、長い付き合いの相手だから特別にだ。
・・・他意はない。
・・・ないから()
KEY(ドM)