バイゼルハイムにて、予言者の観た悪夢
(BGM:夢魔 Nightmare)
「あああっ!なんてむごい…ひどすぎるわ!!」
自身の叫びで、予言者フラーマは目覚めた。
ディアナの艶めかしくも痛ましい姿態が、美しい聖堂がひび割れ、次第に崩れ逝く
無残な有様が、フラーマの脳裏に焼き付いている。
――あの様子ではあとディアナはいつまでサルーインを抑えていられるだろうか……。彼女の命の灯火がしだいに弱っていくのが私にはわかるわ。ああ! 誰か早く何とかしなければっ…!――
そう思う。ディアナは邪神サルーインに捧げられている。邪神による淫ら極まりない
責め嬲りには人間の女は太刀打ちできない。声を聴けば、分る。女騎士は声も絶え絶え
になっている。それでも官能を、精気を引き出され、吸い取られる。死に瀕している
ように思える。
おねがい耐えてと、フラーマは胸中に念ずる。快楽を抑えて、押し殺すのです、と。
しかし、無駄な祈りであった。
耐え抑える事が叶わないのは、分る。凌辱者は人間ではない。邪神とはいえ、
神であるサルーインだ。ディアナの意志力でもいかんともなるまい。
邪神の完全復活――すなわち女騎士の命尽きるとき――まで聖戦士たちが
間に合わないかもしれない――その恐れがある。
(BGM:決戦!サルーイン -Final Battle with Saruin-)
邪神との戦いは、ディスティニーストーンを持った聖戦士たちの力をもってしても苛酷であった。戦闘の序盤で、ガラハドが、サルーインの眼から放たれた怪光線で焼き殺された。
ミリアム「ガラハドーッ!!」
グレイ「落ち着け! 心を乱すな、 つけ込まれる!! 奴を倒すことだけ考えろ!! 何のために俺たちはここまで来たんだ!!」
そしてそのミリアムもまた…
ミリアム「キャアアーッ」グレイ「ミリアム―ッ」激戦の中で散って行った。
しかし、多大な犠牲を払いながらも、聖戦士たちはよく結束して戦い、サルーインを一歩一歩追い詰めていった。しかし…
サルーインは語りかけた。「アルベルト」すると、サルーインの両手の間、彼の体内に眠るような静かな表情の
ディアナの裸身が浮かび上がった。「お前の姉はここにいるぞ」思わず動きを止める
アルベルト。
見かねたグレイは叫んだ。「アルベルト! 惑わされるな!!」
罠とわかっていても、ディアナを体内に宿したサルーインをこれ以上攻撃できない。その隙を付いて、サルーインは手からビームをアルベルトに向かってはなった。アルベルトは、死を覚悟した。すると…光の壁スターライトウォールが現れ、バシィッ!!という音と共にサルーインのビームを防いだ。その奇跡を起こしたのは、
なんとサルーインの体内で眠っているはずのディアナであった。その時、聖戦士たちは確かにその凛とした気高い声を聞いた。
――使うわ…残された私の命!!太祖ローザよ、代々の〈女王〉よ、貴女がたより授かったこの命数、我自ら使い果たす不徳を許し給え――
ディアナの裸身は残された力を振り絞ってまばゆく光り輝き、邪神の動きを止める。
それは、あたかもろうそくが燃え尽きる直前に、輝かしく燃え上がる姿のようであった。
当然、邪神の攻撃を止め、彼を呪縛するほどの術法の発動は彼女に膨大な消耗を要求する。
急速に消費される莫大な法力がすでに姫騎士に深い疲労感を感じさせている。今まで本気で発動させたことのない強大な禁忌の術式であった。万全のコンディションの時でさえ寿命を縮める危険がある、と警告されていたがゆえに。
ましてや彼女の力を高めていた光のダイヤモンドをアルベルトに託し、姫騎士自身は邪神による執拗で濃密な凌辱を受けて、多くの精気が喪われている。この肢体からだが何時いつまでもつのか自分でも分からなかった。ただ術を紡いでいるだけで、自分の体の奥底にあるものが、肌に浮き上がり、放出されていくのがわかる。
全身に熱気が満ちる、そして――
「ウッ…!」
ディアナの身体が、胎内から突き上げてきた、突然の快感にビクッと震えた。
ディアナの両乳首からまた母乳が染み出し、両乳房と、胎内から股間にかけて、
快美感が走り、おんなの秘貝が快楽に妖しく蠢(うごめ)き、濃厚な女蜜が滴り始めていた。
まるで閨(ねや)の交わりの時のように……。自分の身体に何が起こったか、ディアナは悟っていた。
ディアナの体内にとりついた邪神の呪縛は、姫騎士の子宮を内壁から愛撫し、
血液の中に溶け込んで彼女の小脳を刺激し、際限もなく快感を生み出す脳内麻薬エンドルフィンを分泌させている……。
けれどもその快楽に溺れた果てに、肉体の荒廃と無残な屍を晒す死が待っていることを
ディアナは気づいていた。
故に快楽の渦にのめりこめりそうになる度に、ディアナはアルベルトたちの姿を心に思いうかげて、肉体にとりついた魔と戦った。
彼女を屈服させるべく、邪神は姫騎士の感覚中枢をいたぶり続ける。
邪神による精気の吸引が、再び始まったのだ…!!