サルーイン――しぶとい娘よ、どこにそのような力が残っていたのだ…ならば、このまま弟の眼に無残な姿を晒して枯れ死ぬがよい!――
体力の限界を迎えつつあるディアナの眼の下にうっすらと隈が、額に珠のような汗が浮かび、眠るように
静謐(せいひつ)だった貌にも、今や官能さえ感じさせる苦悶が顔色に表れている。瑞々しい肌の潤いを
まだ保っていても、艶やかで美しいプラチナブロンドの髪がじょじょに赤茶けた髪と化してゆく…。
(彼女の残りLP 7/18)
ディアナ――お願いアルベルト…み、見ないでください――
アルベルトの視野に、その身に疲弊の証を刻まれていくディアナの姿と重なって、各所にひびが走り、崩れかけてなお美しく厳かな聖堂のイメージが浮かんだ。聖堂の四隅を護る残された3本の尖塔のうち、後ろ2本の塔が、がらがらと崩れていく…。
アルベルト「姉さん、貴女は…」
それは、ディアナがローザ達過去の〈女王〉から受け継いだ多大な精気も、次第に限界に達しつつあることを如実に表している…!
取り込まれた女騎士が自らの全生命力を使い果たすのは時間の問題であった。
聖戦士たちも、ディアナが命の焔を燃やしつくそうとしていることに気づいていた。
ディアナ(襲い来る目まいに耐え、よろめく肢体を気力で抑えながら)――はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…!父上母上、アンナ…みんな、もう少しだけ私を待っててください…!――
(彼女の残りLP 5/18)
少しでも気を抜けば崩れ落ちそうな肢体を必死に意志の力で支えながら、ディアナは上気に汗の流れる身体に荒い息遣いを繰り返しながら、自らの命を削りゆく術法を続ける。
ディアナ(もう、残りが3分の1を切った…今倒れたら、全てが終わる…持ちこたえてください、私の身体よ…!)
なおかつ彼女は生き残った戦士たちの心にテレパシーで語りかけてくる。
ディアナ――アルベルト。見ての通り私の身体はもう、わずかな生命力しかなく、いずれにせよもうすぐ命の焔が燃え尽きるわ。私はあなた達の未来をあきらめたくはない。私の望みは邪神と共に命長らえることではない。世界(マルディアス)のためにこの残り少ない命を使うこと。サルーインは人々の邪気を、淫欲をエネルギーにしています。私自身覚悟もできています。姉を思う余り、世界を滅ぼしてはなりません。私を気にせずとどめを!――
クローディアは涙ぐんだ。「そんな…」まだ彼女を救出できるかもしれないのに、
ディアナ自身がその未練を否定し、叱咤したのだ。
ディアナ(もはやすっかり茶髪と化した頭を横に振って)――思い出して。あなたたちは世界を守るためにここにいるのです…うっ、くぅっ……ごほッ……!――
アルベルト「姉さん!」
左手を口の前に添えて咳き込むディアナ。その手のひらには吐血の跡が…!
――はぁ…はぁ…このままでは私…私の体は…もう限界のようだわ…まもなくこの姿を保て…なく……――
最後の生命力を燃やす女騎士の髪は更に色素を失い、赤茶けた髪に一筋、二筋…と白髪が混じる…
肉体の疲弊が進行するにつれ目の下の隈がより黒ずみを増す…
精気の枯渇が迫るにつれて、薔薇の花びらのようだった唇が、姫騎士の柔肌の血色が悪くなり潤(うるお)いも衰え、かさつき始める…
死が近づく証の様に、優美だった肢体が輝きを放ちながらもやつれ、わき腹にあばら骨が徐々に浮かびだす…
そして、ディアナの身体が滅びの力に蝕まれて逝く兆候なのか、彼女の母性の象徴たる形よく膨らんだ美乳も、張りを失い、徐々に縮みつつあった(Dカップ級がCカップへ)…
軋みを上げて開きかけた冥府への門から漏れた瘴気を浴びたのか、神殿の最後の尖塔(右前方)がついに崩れ落ちる…
彼女の裸身の美しさも、次第に損なわれつつあるのだ…。
(彼女の残りLP 2/18!!)
ディアナ(眼をカッと見開いて)“早く!! 私を愛しているのなら、見苦しい姿を晒してしまう前に、決着を!!”
アルベルト「姉さんの犠牲を無駄にしてはいけない…全員のパワーを合わせるんだ!!」
残りの7人の戦士「おう!!」
残された8人の、そしてディスティニ―ストーンの力がアルベルトに結集し、
彼の身を太陽の如く眩く輝かせる。それは神であるサルーインをして、恐怖させるに足る力であった。
サルーイン「人間が、エロールの眷属ごときが、我にこのようなことが…!?」
アルベルト「眷属?そうかもしれない。しかし、僕たちは人間だ。毎日、笑って泣いて生きている。
その人間の生活を守ってみせる。そのためにも、サルーイン、お前を永久に封印する!!」
ドドオオ!!
アルベルトの放つ最後の一撃が、巨大なビームとなって、サルーインの巨体を崩壊させていく!!
サルーイン「…オオ…オ…バカな…こんな事が…お前たちも道…づ…れだ…!」
ディアナ――貴方たちを殺させはしない…父上、母上、太祖ローザ、そしてエロールよ…この身の消えゆく命の焔に最後の力を与えてください…もう私の全てを喪ってもいい…彼らをお守り下さい!――
閃光が輝き、そしてイスマスの地底空洞は、その上の城ごと大崩壊した…!