(BGM:Doomsday(Moon Dwellers))
ディアナ――貴方たちを殺させはしない…父上、母上、太祖ローザ、そしてエロールよ…この身の消えゆく命の焔に最後の力を与えてください…もう私の全てを喪ってもいい…彼らをお守り下さい!――
(彼女の残りLP 1/18)
しかしディアナのやせ衰え、弱り切った肉体には、
もうそれを支えきれるだけの精気/法力は残されているのであろうか…?
「うっ、うぅ…」
彼女はもう、刻一刻と全身から精気が失われ、肌がかさついてくるのを実感しながら、
立ち続ける事がやっとの状態で術法を紡いでいた。
ああ、姫騎士の鍛えられた筋肉が、たおやかな体脂肪が次第に落ちていく…まるで削られていくかのように…
代わりに、あばらや鎖骨、腰骨といった骨格が柔肌の下に徐々に浮かび上がっていく…。
林檎ほどの大きさに残されたふたつの胸の膨らみが、
かろうじて女性らしさをとどめているが、その乳房の付け根すら萎(しお)れかかっている。
いわゆる“スキニー”の体型。
茶髪と化した頭髪も今度は頭頂部を中心にじわじわと白髪に侵食されており、
もはやかっての豊満なプロポーションもプラチナブロンドの輝きも見る影も無い。
さらに彼女の美貌も、心なしか頬がこけ、やつれ始めているようだ(ダグ○ムのヒロイン達みたいな感じ)。
しかし、それでもなお、彼女自身の快感にうねうね蠢く蜜壺のスリットから溢れ出て、垂れ流されて
ねっとりと糸を引く、高粘度の愛液の量はさらに増え、途切れることなく下へと滴っていく…それはサルーインの呪縛がディアナの身体になおも性的快感を与え、最後に残された精気をも根こそぎ吸いつくし、奪いつくそうとしている証なのだ…!
これでは彼女の柔肌が全ての潤いを失い、無残な皺(しわ)が刻まれるまで、長く見積もってもあと1時間ももつまい。
いやそれすらも、彼女が何もせず、ただ官能に身を震わせて迫り来る死を待っていた場合の数値だ。強大な禁術を触媒も無しで駆使する行為は、確実にディアナの寿命を
がりがりと削って逝くのが自分でも分かっていた。
カタストロフは近い…そのときが来れば姫騎士の
生命力の枯渇はもはや取り返しがつかない。
その姿は干からびた木乃伊(ミイラ)のような老婆と化してしまうだろう。
この体で術法などを行い続けられるのは奇跡と言えた。
「はあ…はぁ…はあ…はぁ…」
(ああっ、壊れる、壊れてゆく…、私の聖堂が…こ、このままでは枯れる、
枯れてしまう…!)
ゴゴゴゴ…ぴしぴしっ、パキキッ!ガラガラ…!
彼女のコンディションを反映している聖堂の荒廃ぶりもひどく、4隅を護る尖塔をすべて失った本殿は、ほとんど半壊状態にあり、全壊となるのも時間の問題だ。
敷地を貫く幅約7メートルの石畳の参道もところどころ陥没し、その周辺には瓦礫と石ころが散らばっている有様。
参道を挟んで立ち並ぶ高さ約5メートルほどの列柱も、まともな形を残した物は全体の2割ほどで、あとの物は崩れたり倒れたりして無残な印象を晒している…。
ディアナ(ああっ、だめぇ、もう、アァ、私の、精気、もうほとんど、残ってないっ……そ、それでも…)
「はあはぁ…ぜえぜぇ…!…今にも尽きそうなわたしの命だけど…邪神(あなた)なんかに捧げてやるほど安くはないわ…!!!」
もはやディアナの肉体は、生命維持の限界に達していたが、それでも彼女は美しかった。
その時、姫騎士の心に、威厳のある声が響いてきた。
――諦めてはいけない。最後の力の一滴まで振り絞るのです。乙女よ!――
(この身は予言者の戒めを破り、淫蕩の快楽に溺れた。そして生贄にささげられ身も心も凌辱されて穢され、命の糸が切れかけているこんな私でも…)
「ああエロールよ…こんな私でもまだ乙女と呼んでくださるのですか…!」
その時、彼女の体内に、外から強大な力が注ぎ込まれてきた。死に瀕した女騎士の肢体から、今までに倍する輝きが放たれる…太陽の如く光り輝く全裸の女人…!!
「爆発を…止めなければ…これが私の命…!命最後の術法よ…!」
戦士たちが光の球に包まれ、上方へ昇って行くのが見える。ディアナはやつれた顔に喜びの色を浮かべた。「神よ、感謝します!!」(ひょっとして、私も助かるかも)だがその直後、彼女の体内…その奥底から…
シュウウゥ…アアアァァァァ~!!!
…ディアナの耳朶を打つそれは姫騎士自身の身体があげる断末魔の叫び…彼女の儚い希望が砕け散る音…!
(BGM:運命〜さだめ〜(サガフロンティア))
「う、ううぅ……かはっ、あ……あぁぁあっ…!」(そんな…やはり、これが
私への運命(むくい)…)すっかり力を使い果たし、精根尽きた女騎士の肢体からフッ、と
まばゆい輝きが失せ、力なく絶望のうめき声を発しながら彼女は地面にゆっくりと、
両ひざをつき、力なくくずおれていった。
ディアナ――か…涸れた…私の体の中の泉が涸れた…私の命のしずくが…――外から
注がれた大いなる神の力は、決して姫騎士の誨淫(はいとく)を許し、その肢体を
うるおすものでは無かったのだと、ディアナは解した…。
ガラガラーンゴンゴーン…!! ガラガラーンゴンゴーン…!!
〈剣の女王〉の聖なる肉体の滅びを嘆く哀しげな弔鐘が、ディアナ自身の脳裏に鳴り響く...
全身に満ちた熱気、そして両乳房と胎内からこみあげてくる快感が急速に薄れ、強い脱力感と寒気が襲ってきた…
うつぶせに倒れて、ピクピクと震える女体を不可逆の、致命的な変化が蝕んでいくのがわかる…。
かろうじて残っていたディアナの赤毛が完全に白髪になって逝く…
彼女の目じりや口の両脇、さらに喉元・両乳房の付け根などには深いしわが生まれ、
肌から最後の張りが喪われて逝く…
母乳を染み出させていた二つの乳房も、その流れが枯れ、乳首が黒ずみ、双丘も急速に萎びて逝く…。
今まで濃厚な愛液にまみれ、開き、ぬめぬめと快楽に蠢いていた姫騎士の女陰が、
もはや淫蜜の分泌が止まり、粘膜が乾き、干からびて逝く…。
子宮や卵巣のピンク色の柔らかな粘膜が、一子のいのちも宿さずして急速に湿り気を失い、黒ずみ、内部(なか)に残された卵子達が壊死して逝くのがディアナには深い哀しみと共に実感できた…。
そしてディアナの心の内奥にある大きな聖堂は生きているように左右に激しく揺れた。
耐えきれずに、派手な轟音を立てながら力尽きたように―そう、これは彼女の体がついに
力尽きた証なのだ―土台から崩れ落ちていった。
さらに、参道の列柱がグラグラと揺れると、次々に倒れていった。
ああ、ディアナの精気が――太祖ローザ達先達から受け継ぎ、永年彼女の体内に蓄えられてきた精気が――ついに尽き果てるときが来たのだ…姫騎士自身が覚悟し、かつ恐れていた枯渇の時が…!
(彼女の残りLP ついに0/18に…)
ディアナの脳裏に父母の、フラーマの、アルベルトの、そしてあの女闘士の哀しげな顔が走馬灯のように…
――親から授かったこの体が…強く美しい〈剣の女王〉である私の体が体質を受け継がせる子も成さずして無惨に枯れ朽ちて逝く…ごめんなさい、みんな…でも、少しだけ嬉しい…やっと…あの時のあなたと同じになれた…少しだけ、救われた…――
(BGM:マジックキングダム)
息が苦しいので、体勢を仰向けに変えた。それさえも今の自分にとってはひと苦労だった。
さ、寒い…
だるい…
無性に喉が渇く…
誰か、早く来て…
ひとりぼっちで…逝くのはいや…
「み…水…水を…」
乾ききったこの体が、末期の水を求めている…。
……爆発が収まったのち、ついに最後の力をも使い果たし、
荒れ地に力無く、精も根も尽き果てた肢体を横たえ、死を待つ彼女のもとに、
誰かが歩み寄ってきた。
そして、彼女の肢体を優しく抱きかかえ、唇を重ねた。
清らかな水がディアナの渇ききった喉に流れ込んでくる…
(アルベルト…)