ワタシが指揮官のことが好きだと自覚したのはつい最近のことだった。人見知りなワタシにも優しく声をかけてくれるあの人に、気がつけばその姿を目で追っていてその行動と仕草を監視するように眺めていた。
でもワタシはその気持ちに正直になれなくて、声をかけてくれる指揮官に近寄らないでと言ってしまったり、本当は頭を撫でて欲しいのにどうしてこっちを見ているのなんてワタシが言えた義理じゃないことを言い放ったりしてしまう。
本当は面と向かって仲良くしたいのに、一緒にご飯を食べたりして、他愛のないお話をしたりして。
できることなら、指揮官にとって大切な存在でいたい。手を繋いでお散歩したり、キスをしたり……その先も、指揮官としたい。
「ふぁ、あっ……んっ……んぅっ」
今日も一人のベッドで寂しく、女の子の部分に手を伸ばしてあの人のことを思いながら自分自身を慰める。きっといつかはこの中に指揮官のモノを受け入れることができるのだと信じながら、これはその準備なのだとワタシ自身に言い訳をする。伝える勇気なんてこれっぽっちもないのに。
「は、んんっ……しきか、あっ、しきかぁんっ」
妄りがましく指揮官の名前を呼びながら手の動きを早める。あの人はどんな風にワタシとえっちしてくれるんだろう。いつものようにワタシをひとりの女の子として優しく受け入れてくれるのだろうか。
男の人はみんなケダモノだとどこかで聞いたことがある。人間である以上、子孫を残す上では仕方がないことかもしれないけれど、だとしたら指揮官も例外じゃないのかもしれない。
ワタシのことをそういう目で見てくれるとしたらどんな風にしてくれるんだろう。指揮官とは体格に差があるし、ワタシことなんてすっぽりと覆えそうだ。押し倒されたワタシは指揮官の下で組み伏せられて、温かく見守ってくれたその目は獲物を見る目に変えて、自身の性欲処理のためにワタシの体を使ってくれるのかな。
あの人とのキスはどんな味がするのだろう。あんまり大きくない胸でも喜んでくれるだろうか。ワタシのここは、きちんと指揮官を受け入れることができるのだろうか。なるべくならそっちのサイズは控えめでいてほしい。
でも、指揮官になら壊されてもいいかもしれない。
「はぁっ あ、ああァ────!!」
挿れている指を少し曲げて気持ちのいい部分に当てるとより強い信号が体に響き、弓なりになって絶頂する。その快感は少しずつ収まっていき、それが落ち着くとそのままワタシのAIがスリープモードに移行した。
▽
気がつくとワタシは自分の部屋ではなくて指揮官の部屋にいた。ふわふわとした視界と思考から、これは夢なのだと判断する。
夢、だというのに指揮官の匂いには妙にリアリティがあって、まるで本当に指揮官のところにいるみたい。
充分にこの空気を堪能したところでゆっくりとベッドに近づく。彼は仰向けになって目元を片腕で隠すように深く眠っていた。やっぱり日々の仕事の疲れが溜まっていたのかな。どちらにしても、ワタシにとっては好都合だった。
──夢の中くらい、指揮官のこと好きにしても……いいよね?
ワタシは指揮官のズボンに手をかける。なかなか脱ぎづらかったのは、大きく膨らんでいる彼のモノのせいだった。これは性的興奮によるものではなくて生殖機能を維持するための夜間勃起。そのせいで大きくなった男の人のモノを間近で見てしまって、ワタシの下腹部のモジュールが疼いた。
……下腹部に違和感を感じたので確かめてみたら違和感どころの話じゃなかった。スーツの下がねとねとと潤っている。ちょっと恥ずかしいけれど、これも全部夢だもの。
ワタシは指揮官の腰の上を跨いでそこからゆっくりと腰を下ろし、彼の裏筋にワタシの割れ目をスーツ越しに押し当てる。
「ひゃわぁっ!?」
予想以上に熱のこもっていた指揮官のモノに体を震わせる。違う、驚いている場合じゃない。ワタシはそのまま腰を前の方に動かす。
「ぁ、あっ……」
期待に濡らしていたせいでいやらしい音を立てながら滑ってしまい変な声が漏れてしまう。そしてそのまま後ろに動かす。裏筋のぷっくりとした部分が敏感なところを刺激して複雑な快楽信号が送られる。
気持ちいい。ひとりでするよりもこんなに気持ちいいなんて。これは夢だから? それとも、実際に同じことをしても同じくらいに気持ちいいのかな。
くちゅくちゅと恥ずかしい音を立てながらワタシは腰を前後に動かす。動かすたびに指揮官のモノはワタシの粘液に塗れてよりスムーズに滑る。くりくりと擦れる感覚がたまらない。彼の熱が愛おしい。これがスーツ越しじゃなくて直接だったら、もっと気持ちいいのかな……?
ワタシは擦り付けたい欲を抑えてなんとか腰を持ち上げて、スーツのハイレグカットをずらした。くちゅりとした粘ついた水音と濡れたスーツの感触に息を漏らす。そしてそのままさっきみたいに腰を下ろすと、指揮官の熱が直に当たって背筋に電撃が走る。
「ひぃっ あ、ぅ……!」
あちこちが弾けるような感覚に襲われて視界がすぱーくしているかのようだ。こんな気持ちいいことを知ってしまったら戻れなくなってしまいそう。これが夢なら覚めてほしくない。でも、もし覚めるならその前に……
再度腰を上げて指揮官のそそり立ったモノを掴んで上に向けて固定する。
(これをワタシのなかに挿れたら……ど、どうなっちゃうんだろう……?)
指揮官のモノは太くて大きい。こっちの体格を考えてもちゃんと収まるのかなんてわからない。けれども、それでもこの体は熱を帯びて割れ目からはよだれのようにとろりと粘液を零してその真下にあるモノを濡らしている。
(……よし)
ゆっくりと腰を下ろすとなかなか間隔が掴めなくて、予想よりも早くワタシの割れ目に当たってしまう。
「ひきゃあっ! ────あッ……?」
それにびっくりしてバランスを崩してしまい指揮官のモノが勢いよく入ってきて、ワタシの奥まで叩き込んできた。
「あ、ああぁぁっ!? ぐひ、ぃいっ ぎっ!?」
仰け反って溢れ出る声を両手で抑え込んだ。
普通の女の子だったら痛いどころの騒ぎじゃなかったのかもしれない。でも、この体は人形そのもので、遅れて与えられたものは訳のわからないくらいの刺激だった。視界を何度も真っ白にさせながらこの身に起きたことをなんとか処理していく。
……流石に指揮官も起きちゃったかな。
指揮官の顔を見てみると目元は相変わらず隠れているけれども、口元は耐えるように食いしばっていた。ああ、これ夢なんだよね。こんなにされても起きないものね。
ワタシはそのことに安堵してゆっくりと腰を前後に動かした。動くたびに指じゃ当たらないところにまで当たって、それがまた気持ちよくて。ぎこちなかった腰の動きが回数を重ねることに円滑になっていく。
指揮官の上で下腹部の疼きのままに快感を貪っていくうちに、指揮官のモノが膨らむのを感じた。
もしかして、ワタシのなかに出してくれるのかな……?
ワタシはそれを促すために腰の動きを前後から上下に変えて指揮官のモノを扱く。限界が近いのかビクンビクンとワタシのなかでモノが跳ね上がる。
「はあっ んっ ん あぁっ んうぅっ!! ……ぁ」
我慢できずに先に絶頂してキュッとモノを締め上げるとおなかの中にあたたかいものがびゅくびゅくとはじけるのを感じ、それがワタシのなかに大事な子種を注いでいるのだとわかって顔がはしたなく緩んでしまう。
もう夢から覚めたくない。永遠にこの快感を味わっていたい。ワタシは指揮官の方を見る。彼は息を荒くしているものの、起きる気配はなかった。つい、にやりと笑ってしまう。
「指揮官、だいすきです。……あいしてます」
きっとこの先も伝わることのない言葉を零す。
だから……そう、だから。
「……もう一回、しちゃいますね?」
そうしてワタシはまた、彼の上で腰を揺らし始めるのだった。