※この作品はR-18です。

人形艶話   作:あらいと

6 / 10
9A-91:そして今夜も、あなたを求める

 昼下がりの休憩室に一人の男が入る。この男はG&K社の社員であり、戦術人形たちの戦闘指揮をとる司令官でもあった。

 

 彼は午前の仕事がひと段落ついてこの部屋のソファに座って仮眠を取ろうとしていたところ、そのソファで先客を見つける。癖のある長髪の少女、G11と呼ばれる戦術人形は寝息を立てながら上を向いていた。

 

 指揮官はここに来る前にG11の同僚であるHK416が彼女のことを探していたことを思い出して起こそうと肩に手をかけると、G11は寝ぼけているのかふらっと指揮官の方に寄りかかって抱きつく。

 

 ふと、背後の方で視線を感じた。しかし振り向いてもガラス付きの室内ドアがあるくらいだった。

 彼はとりあえずそのことは向こうに置きつつG11を揺すって起こし、416が探していた旨を伝えておいた。

 

 G11が休憩室からいなくなった後、十分前後はソファに座って仮眠していたものの時折感じる視線が気になってなかなか休まらなかった。休憩室から出て次に彼は食堂に向かう。通路を歩いていると後ろから元気な声が彼を呼ぶ。

 

「やっほー! 指揮官これからお昼?」

 

 振り向いた先にはUMP9とその姉妹人形であるUMP45がそこにいた。指揮官が頷くと9が腕を引いてきた。

 

「なら一緒に食べよう! 今日は一緒にランチだ!」

「もう、9。指揮官が困ってるわよ〜?」

 

 ふふと笑う45は思い出したかのように声を上げて、9とで彼を挟みこむようにして歩きながら言った。

 

「そういえばG11を見つけてくれてありがとう指揮官〜。416ったら朝からそれでうるさくてうるさくてしょうがなかったんだから」

「でも今は見つかったG11を叱っててうるさくなってるんだけどね!」

 

 何時間コースかなーなどと9に合わせて軽口を叩き合いながら、三人は食堂に向かったのだった。

 

「……」

 

 通路の影から、一人の人形が顔を出す。

 今日の午前中から副官を務めていた9A-91は先程から指揮官の行動を監視していた。恋する乙女、恋は盲目といえば聞こえはいいもののやっていることはストーカーである。そして、彼女は表情を変えることなく見られていることに気がついていない三人の後ろ姿を見つめて──

 

「……!?」

 

 ──いや、ちがう。一人だけ気づいていた。並んで歩き、話し合いながらも視線を9A-91に向けている45が。45はいつもの笑みを濃くさせて、自身の腕と彼の腕と絡めた。

 

 彼女は気がついている上で、それを見せつけていたのだ。

 

 9A-91は表情を険しくさせながら通路の角に消えていった。

 

▽

 

 深夜。指揮官は自室でぐっすりと眠っている中で妙な重みを身体に感じた。ゆるゆるとまぶたを緩めるとぼやける視界の中で、自身の体と布団の間に何かいることに気がついた。

 

 驚いて声が出そうになったのをその人物は指揮官の唇に指を当てて押さえた。彼が動揺している中でその人物、9A-91は小さな笑みで言った。

 

「今騒いだら、丸聞こえになっちゃいますよ……?」

 

 どういうことかと目で訴えると彼女はこの部屋のドアの方を見た。ドアは半開きになっており、この静まり返った時間の中で大声でも出したら何事かと思われてしまうだろう。

 

 しかし、なぜ9A-91がこんなことを?

 

 彼がそう疑問に思っていると彼女の指先が唇をなぞらせる。

 

「あなたがいけないんですよ? あなたが私から目を逸らして、他の子のことばかり構ってしまうものから……妬いちゃいました」

 

 指先が離れ、9A-91は上体を起こして自身のネグリジェ風の衣装に手をかける。

 

「自分勝手だっていうのはわかってます。だけど、抑えられないんです。あなたともっと一緒にいたい。触れ合っていたい。できることなら愛し合いたい。だからこれは私のただのわがままなんです」

 

 目を細めて口の端を緩ませながらカチッとホックを外して前を開く。薄手のキャミソール越しにツンと尖った桃色の乳首と形のいい乳房が晒される。

 

 格好はともかく普段は大人しめな様子の彼女が、妖しげな笑みを浮かべながら娼婦じみた誘惑を仕掛けてくることに指揮官は胸を高鳴らせていた。

 

「私の身体、どうですか? ……ああ。今人が来ちゃったら、色々勘違いされちゃいますね? 私も見られちゃったら恥ずかしいので、どうか……秘密にさせてくださいね?」

 

 笑顔で遠回しに声を出すなと釘を刺すと彼女は上体を倒して指揮官にキスをする。

 

 ぬるりとした舌の感触がひどく生々しく官能的で、どうにか止めようとする気持ちとは裏腹に情欲が湧き上がってくるのを内側から感じていた。

 

 鼻から可愛らしい音が漏れ、それでも彼の舌と口内を9A-91は自らの口で嬲るのを決して止めない。舌を吸いながら胸を押し付けて男の興奮する燃料を投下していた。

 

 体が強張っている男の様子に9A-91は上手くいっていると確信しつつ、彼の手を掴んで自身の胸に押し当てた。

 

「私より大きい人なんていっぱいいますけど、私ならあなたがしたいと思っていること。喜んでいっぱいしてあげられ、ますよ? んぅっ……肌を滑らしたり、そのまま胸を揉んたり、挟んだり……指揮官が望むならこの身体、いっぱい使っていいんですよ?」

 

 9A-91は蛇のようにじわりじわりと詰め寄るように語りながら甘言を囁く。

 

 彼の体も、目の前の彼女は自分の思い通りに自由に致せる雌なのだと認識し始めたのか血液が一点に集まって仰角が上がっていくのを感じた。

 

「ふふ、おっきくなっちゃいましたね。いいんですよ? もっと一緒に、気持ちよくなりましょう?」

 

 彼女は膝立ちのままショーツのサイドにある紐を引っ張る。飾りではなかったそれはハラリと容易にほどけていく。

 

 彼がおもわず目を背けると彼女は悲しそうに呻く。

 

「あう……もっと私をみてください、指揮官……」

 

 それでも目を背け続ける指揮官に9A-91は不満そうに息を吐く。彼女は指揮官のズボンに手をかけて下着ごと下ろした。

 

 ぶるりと窮屈そうにしていた下着の中から、興奮のあまりに肉棒と言えるほどの大きさとなった陰茎が9A-91の眼前に晒される。彼は外気に晒されたことによる刺激に身体を震わせた。

 

 にへら、と彼女は期待に頬を緩ませる。これから彼と身体を一つにするのだと心を躍らせつつ、同じくさらけ出した女陰を切っ先に近づける。

 

 妄想と期待で昂ぶった女陰からは愛液と似たようなもので潤っていた。亀頭に膣口を押し当てながら擦るとキスをしているかのような水音が響く。

 

「はあっ、あつい……です。まるでキスしてる、みたいですよね? でも、これ以上挿れたら……大人のキスどころじゃないですよね?」

 

 指揮官はどうにかして彼女の蛮行から逃れようと身体を動かすと不安定だった9A-91の脚に当たってしまい、彼女はバランスを崩す。

 

「ふえっ────あ゙ッ……!?」

 

 そして自重でずぶずぶと陰茎を深く飲み込み、咄嗟に口元を抑え込んだ。指揮官も急な挿入と彼女が軽い絶頂を迎えたことによる締め付けに声が漏れそうになり、9A-91の様子も含めて状況にひやりとしたがすぐに落ち着いた。

 

 しかし考えてみれば声が漏れるリスクはなくなったわけではなく、またこうした弾みで彼女が大声を出してしまったら耐えた意味が無くなってしまう。

 

 かといって性交を止めようとすれば9A-91が脅したとおりに声を上げるかもしれない。この場を切り抜けるには彼女のフラストレーションをどうにかして解消するしかない。

 

 そう考えた彼は9A-91に提案した。

 

▽

 

「えっと、こうですか……? この姿勢だと丸見えで少し恥ずかしいです……」

 

 体勢を変えて9A-91を四つん這いにさせたアニマルポジションで致すことにした。

 

 言葉の通り恥ずかしそうにはしているが指揮官のしたいことをしてあげると言った手前もあってか彼女はあっさりと提案を受け入れてくれた。

 

「は……ぁっ、んっ、んんぅっ」

 

 彼はまだ少しキツめの9A-91の膣内で抽送を始める。彼女は圧迫感に苦しみながらも入り込んでくる男根の熱に雌を焦がしていた。

 

(指揮官の、ふといっ……♥ 私のおま×この中が拡がって、奥のほうコツコツって叩いてくるっ♥)

 

「はあぁっ! あ──んぐぅっ……!?」

 

 奥を突かれた衝撃に思わず大声を出しかけると指揮官は9A-91を組み敷いて、顔を枕に押し付けた。

 

 背後から打ち付けてくる腰の動きに合わせてくねらせながら、肉棒に膣襞を絡ませて締め付けている。

 

 何度か突き込んでいるうちに馴染んできたその膣内にそのまま腰を打ち付ける彼に9A-91は枕の中で喘ぎ声をこもらせる。

 

「ふむぅっ、んっ、むぐっ、んぅ……!」

 

(こんな、まるで指揮官に無理やりレイプされちゃってるみたいに、私犯されてる……♥ 指揮官が私のからだで気持ちよくなってくれてる♥ ……もっと、もっと犯してくださいっ♥ もっと私をみてください、指揮官♥)

 

 彼女は息をするのが苦しいスペースの中、突かれながらも枕の中で荒い呼吸を続ける。

 

「はぁっ、ふぅ、はあ、すぅっ」

 

(指揮官の枕、指揮官のにおいっ♥ こんなに濃いにおいを近くで嗅ぎながら、指揮官のおち×ちんで突かれてっ♥ 気持ちよすぎて頭おかしくなりそう……♥)

 

 情報量に耐えきれなくなったからだは軽い絶頂というバグにさらされて陰茎をきゅっきゅっと締め付ける。

 

 薄まる意識の中で9A-91はびくりと内側で痙攣が始まっているのを感じ取った。

 

「ふぅっ……!? むぅっ、んっ、ふっ」

 

(あ……おち×ちん、びくんびくんってしてるっ♥ 指揮官の赤ちゃんの素……私の中に出しちゃうのかな……?)

 

 彼女は指揮官の絶頂の気配を感じて頬が緩み、だらしなく口元がひらいてしまう。

 

 潤いすぎた膣から溢れ切っていた愛液が肉棒によって掻き混ぜられてひどく生々しい水音を立てており、それも両者の性的興奮の燃料となっていた。

 

 たんたんと打ち付けていた腰の動きが緩み、大きく引くとそのまま奥底に一突き叩き込んだ。

 

「おごっ……!? ────お……おっ……っ♡♡」

 

(す、すごっ♥ びゅーびゅー出てるっ♥ 指揮官のせーしっ♥ 私のおま×こにだされてるっっ♥♥)

 

 9A-91は一滴も残すまいと射精に合わせて膣を締め、精液を飲み下すように蠕動する。

 

 行き場を迷わせた手でシーツを掴みながらかくかくと腰を震わせていた彼女は肉棒を引き抜かれると糸が切れた操り人形のようにへたりと腰が下がった。

 

 枕から顔を離し、口の端からよだれを垂らして快楽による感涙でくしゃくしゃの顔のまま肩で息をする。

 

 多量の快楽によってトリップしていた9A-91の意識が現実に揺り戻される。彼女はのっそりとした動きで仰向けになって指揮官に向き直る。

 

「……ぁ、ありがとう、ございます……私のわがままを聞いてくれて、こんなにいっぱい出してもらってすごく幸せ……え?」

 

 まだ法悦から抜けきれていない表情のままでお礼を言っていた9A-91は視線を下に向けると真顔になった。

 

 人形とはいえほとんど女所帯であったせいで欲求不満だったのだろう彼の肉棒は、未だに根が張っているかのようにビンビンに勃っていた。指揮官は9A-91の両脚の間に自身の腰を入れる。

 

「あ、あの指揮か、むぐぅっ!?」

 

 彼の手が9A-91の口を塞ぎ、もう片方の手でぐずぐずに蕩け切った雌穴に向けて切っ先を固定する。

 

「んむーっ! んー!?」

 

(だ、だめ……! 今挿れられたら戻れなくな────)

 

 そんな彼女の心境と抵抗も虚しく、奥底まで突き抜かれて彼女の視界は明滅を繰り返したのだった。

 

▽

 

 翌朝。数時間前までの遠慮のない激しい行為が嘘のように指揮官と彼女はよそよそしく、仕事中顔を合わせるたびにお互いに顔を赤くして同時に目をそらす場面も何度かあった。

 

 しかし、ただ恥ずかしいという思いだけでないようで時折艶めかしい息遣いを漏らして物欲しげに唇をなぞっていたのだった。

 

 そして今夜も、彼の部屋に出入りする影がひとつ──

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