授業参観当日。
火月のクラスでもクラスメイトの親が入って自分の子供達の勉強する姿を見に来る。
自分の子供達の勉強する姿を楽しそうに見る親や恥ずかしそうに授業を受けるクラスメイトたちに火月は小さく息を吐く。
自分の親は、父親はここには来れない。それぐらい重々承知している。
今の自分は悪魔側で堕天使であるバラキエルは当然堕天使側。いくら親子であってここは堕天使が踏み入れてはいけない領域だ。
この気持ちは姉である朱乃も同じ。いつものように授業を受ける。
すると―――
不意に教室が騒がしくなった。
殆どのそれこそ教師でさえも後ろに視線を向けている。
なんだろう? そう思って後ろに振り返る。
そこには自分の眷属である黒歌とジャンヌ。それからビデオカメラを持っているサーゼクスとその父親であるジオティクスまで自分がいる教室にやってきた。
黒歌とジャンヌは火月に向けて小さく手を振るう。
そしてクラス全員の視線が火月に向けられる。その視線は「お前の親戚か!?」と訴えているのが手に取るようにわかる。
無理もない。黒歌もジャンヌも超がつく美女美少女でサーゼクスとジオティクスも超がつくイケメンだ。その知り合いなら誰だって気になるだろう。
そこに
「火月、来てあげたにゃ♪」
「お姉さんたちに勉強しているところを見せてね」
二人が笑みを見せながらそんな言葉を投げてくる。
――ああ、これは絶対に後で色々言われるな。
それを確信した。
その後も後ろから見守られながら授業を受けることに恥ずかしくもあったけど、それ以上に嬉しくもあった。
いいヒトたちに恵まれている。そう思えた。
そして授業終了後。火月はクラスメイトからの質問責めを回避する為にダッシュで教室を出ていく。
「ふぅ…………」
「あら、火月じゃない。貴方も飲み物を買いに?」
「あ、部長に姉さま…………いや、ちょっと逃げてきまして………………………」
「「?」」
火月の言葉に首を傾げる二人。でも、少しは喉が渇いたので一緒に飲み物を買いに自販機のところに行くと偶然にも一誠たちとも出会った。
そして一誠はどういうことか、紙粘土で作られたアーシアの像を持っていた。
謎なことに一誠の授業は英語で紙粘土を使ったそうだ。どういうこと?
とにかく一誠作のアーシア像は非常によくできていたのは確かだ。
そこへ祐斗まで現れると。
「何やら魔女っ子が撮影会をしていると聞いたもので、ちょっと見に行こうかなと思いまして」
祐斗の返答に一誠とリアスは顔を見合わせながら首を傾げる。
「まさか………………………」
それとは別に火月は嫌の予感しながらその場所まで辿り着くと。
カシャカシャ!
フラッシュがたかれ、カメラを持つ男子生徒たちが廊下の一角で何かを撮影していた。
人垣をなんとかくぐり抜けて例の魔女っ子を目視する。
その魔女っ子の恰好は『魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブ』の魔法少女、アニメキャラのコスプレをしたコスプレ美少女。
スティックを片手に器用に回しながら恍惚に満ちた笑みで撮影されている美少女を見て火月は駆け出してそのコスプレ美少女を抱きかかえてその場から離れて行く。
「火月!?」
突然の行動に驚きを隠せれないリアスや一誠たちはただ啞然とするしかなかった。
「えっと、どうしたのでしょうか……………………?」
「さ、さぁ………………………」
ただ疑問だけが残るグレモリー眷属はただその場に残された。
「はぁ、はぁ………………………」
人気のない場所までコスプレ美少女を抱きかかえて逃走してきた火月はコスプレ美少女を離して問い詰める。
「こんなところで何をなさっておられるのですか? セラフォルーさま」
「おひさ~☆ 元気にしてた? 火月くん」
かわいらしくポージングするコスプレ美少女の正体は四大魔王の一人であるセラフォルー・レヴィアタンそのヒトだ。
そしてこの学園の生徒会長であり、シトリー家次期当主であるソーナ・シトリーの姉でもある。
「聞いてよ、火月くん。ソーナちゃんたら酷いのよ。今日のこと、黙っていたんだから! もう! お姉ちゃん、ショックで天界に攻め込もうとしちゃったんだから☆」
「そんなことで戦争を引き起こさないでください! それと例え来るのならそれに似合う服装で来てください」
「えー、だって、これが私の正装だもん☆」
「世間一般の、学園に入っても恥ずかしくない衣装でお願いします」
聞く耳も持たない魔王様に肩を落とす。
「もう、服装に関しては諦めますが……………一応お尋ねしますよ? 下着は身に付けていますか?」
その質問は異性にする質問でもなければ、したとしても誰もが「してる」と答える質問なのにセラフォルーは恍惚に満ちた笑みで首を横に振った。
「着けてません☆」
「………………………………下着ぐらい穿いてください」
「え~、だって、見られている快感がすっごく気持ちいいんだもん☆」
ここでもう一度彼女について語ろう。
このお方は四大魔王の一人であるセラフォルー・レヴィアタン。魔王に就く前はセラフォルー・シトリーであるソーナの姉でもある。
妹を溺愛しているシスコンであり、見られている事に性的興奮を覚える露出狂である。
その性癖を知っているのは姫島火月だけ。というか、火月がきっかけにセラフォルーはそういう性癖に目覚めてしまったのだ。
それは数年前に遡る。
リアスの御付きとして姉と共にシトリー領に遊びに行ったことがある。その時、ソーナと魔王の仕事が休みで実家に帰っていたセラフォルーと出会った。
出会いはよく覚えている。
「可愛い!」と叫んで姉と一緒に抱きしめられた。
魔王とは思えないぐらいに軽いというかフレンドリーなセラフォルーの存在にどう対処すればいいのかわからなかったが、とりあえず粗相がないようにだけ振る舞った。
それからリアス、朱乃、ソーナと共に部屋で遊んでいる途中で火月はトイレに向かったが、広く慣れていない屋敷に迷子になってとりあえず適当な部屋の扉を開けた。
そこには着替え中だったのか、下着姿のセラフォルーがそこにいた。
咄嗟に扉を閉めた。そして頭を抱えた。
魔王相手になんてことを!? と内心で叫び、着替えが終わったセラフォルーに土下座して謝った。
軽く許してくれたことに安堵し、トイレの場所を聞いて今度こそトイレに向かう。
この時はまだ知らなかった。
これがセラフォルーの内に秘められた性癖を覚醒させてしまったことに。
それからも会う度にセラフォルーは火月に向けて下着を見せたり、露出が多い服を着たり、アニメキャラのコスプレをしてその下に下着を身に付けないようになってしまった。
あの一件から見られる、ということに性的興奮を知ったセラフォルー。
人間界に来てからしばらく会わずだったが、まだ治っていないのは予想していなかった。
むしろ悪化している気がする………………。
「先程の撮影でスカートの下が撮られでもしたら―――」
「大丈夫☆ ちゃんとカメラには写さない様にちょちょいと細工しておいたから☆」
ピースサインを横向きでチョキするセラフォルーは火月に身を寄せて耳元で囁く。
「私の全部を見ていいのは火月くんだけだよ♪」
微笑みながらそう囁かれて少し距離を取るセラフォルーは頬を赤くしながら言う。
「だから見て。私の恥ずかしいところも…………んっ」
火月の前で自慰を始める魔王少女。
自らの手で胸を触り、スカートをたくし上げて秘部を露にする。
「はぁ……………あっ、ン…………」
自慰と共に口から漏れ出る喘ぎ声。いくら人気のない場所とはいえど誰かが通るかもしれない場所で自慰を始めるセラフォルーは火月に見られながら興奮を覚える。
魔王としての職務をしながらも露出をしていた。下着をつけなかったり、気付かれない様にスカートをたくし上げたりとしていたけど、今はそれ以上に興奮する。
自分の新たな性癖を目覚めさせた火月の目の前で
自分の姿に息を荒げ、凝視され、股間が膨れ上がっている火月にセラフォルーは自分の姿に興奮していることに嬉しくて火月のズボンに手を伸ばす。
「セ、セラフォルーさま…………………ッ!」
「大丈夫。私がすっきりさせてあげるから。あム」
ズボンから陰茎を取り出して口に咥えながら自慰をするセラフォルー。口の中に広がる男性の性器の味。熱くて固い感触が熱した鉄でも口に入れているようだ。
「ジュル、ちゅぷ……………んっ、クチュ……………ヂュル」
火月の陰茎を口で奉仕しながら秘部を弄るセラフォルーは目線を上に向ける。自分を見下ろして気持ちよさそうにしている火月の目線にセラフォルーはゾクゾクした。
「……ンッ、ヂュル、ジュル、チュル………………はぁ………………好きな時に出していいからね☆」
そう告げて再び口の中に陰茎を含ませる。
火月に見られ、誰かに見られているかもしれない場所で性的興奮を高めていくセラフォルーの口腔に突然の射精。
「んぐ、ゴク、ンンッ……」
口いっぱいに広がる精液を溢さない様にするも量が多すぎて飲み込んでしまう。だけど、少しは口の中に残して顔を上げて口を開ける。
「ひて(見て)」
セラフォルーの口の中に自分がつい今しがた出した精液がある。それを見せつけると火月に見られながら飲み込んでいく。
「ゴク、ん……………はぁ、ごちそうさま」
自分の精液を呑み込んだセラフォルーの反応にどう返せばいいのか悩む。
だけど本人は満足そうに立ち上がって恰好を魔法少女のコスプレから品性ある恰好になる。
「それじゃ、ソーナちゃんに会ってくるね♪」
そう言って駆け出す魔王様。
これからどうなるのやら、と悩む火月に予鈴が鳴った。
火月は慌てて教室に向かう。