新たな力によってカテレアを倒した火月の背後から魔力弾が放たれるも火月はそれを避ける。
「………………………………何のつもりだ? 白龍皇」
敵である魔術師ではなくて明らかな敵意を持って攻撃してきたヴァーリを見据える。
「流石だ。まさかカテレアを倒してしまうとは思いもしなかった…………………いや、俺自身、君の実力を甘くみていたと言うべきか。とにかく今回のテロに加担してよかった。君のような強者と出会えたのだから」
その発言に火月だけではない。全員が驚く。
今回のテロによる襲撃の裏切り者はヴァーリだった。
「……………この状況で反旗か、ヴァーリ」
「そうだよ、アザゼル。こちらの方が面白そうなんだ」
白龍皇の裏切りにアザゼルは自嘲し、ヴァーリは旧校舎から姿を現した一誠に告げる。
「俺の本名はヴァーリ。――――――ヴァーリ・ルシファーだ」
ヴァーリは先代の魔王ルシファーの血を引く者。旧魔王の孫である父と人間との間に生まれた混血児。半分人間だから偶然にも
「嘘よ………。そんな……………」
その真実にリアスは驚愕するもアザゼルが肯定した。
「事実だ。もし、冗談のような存在がいるとしたら、こいつのことさ。俺が知っているなかでも過去現在、おそらく未来永劫においても最強の白龍皇になる」
ヴァーリの背中から光の翼と共に悪魔の翼が幾重にも生える。
「なぁ、兵藤一誠。運命とは残酷だと思わないか? 俺のように魔王プラス伝説のドラゴンみたいな思いつく限りの最強の存在がいる反面、そちらのようにただの人間に伝説のドラゴンが憑く場合もある。いくらなんでもこの偶然は残酷だと思うよ。ライバル同士のドラゴン
ヴァーリはライバルである一誠の事を調べた。その結果ただごく普通の男子高校生だった一誠を知って落胆よりも笑いがでた。
「正直、彼が俺のライバルだったら俺も心から嬉しいのだが、ああそうだ。こういう設定はどうだろうか? キミは復讐者になるんだ! 俺が君の両親を殺そう。そうすれば、キミの身の上が少しはおもしろいものになる。親を俺のような貴重な存在に殺されれば晴れて重厚な運命に身を委ねるとは思わないか? うん、そうしよう。どうせ、キミの両親は今後も普通に暮らし普通に老いて、普通に死んでいく。そんなつまらない人生よりも俺の話した設定の方が華やかだ! な?」
「殺すぞ、この野郎」
ぼそりと一誠はそう口にする。
ヴァーリの勝手な都合で自分をここまで大事に育ててくれた両親を殺される。それにより、一誠は怒りを露にする。
「てめえなんぞに俺の親を殺されてたまるかよォォォォォォォォォッッ!!」
『Welsh Dragon Over Booster!!!!』
一誠の怒りに呼応して赤い鎧を纏う。
赤龍帝と白龍皇。二人の戦いが始まるなか、火月はリアスの傍に降りる。
「リアス姫」
「ええ、わかってるわ」
真剣な顔で頷くリアスは理解している。今の二人のオーラは限界を超えている。近づくだけで焼き死ぬということぐらい。
リアス達にできることは一誠が勝つことを信じるだけ。
基本スペックが違い過ぎる二人の差。それでも一誠は馬鹿を貫き通してヴァーリに一撃当てた。その一撃には
鎧は修復されて戦いは継続されるなか、一誠はヴァーリの白龍皇の宝玉を手に取って白龍皇の力を取り込んだ。
馬鹿を貫いた結果、相反する白龍皇の力も手に入れた一誠。
そんな一誠にヴァーリは本気を出した。
『Half Dimension!』
宝玉の音声と共にまぶゆいオーラに包まれたヴァーリが眼下に広がる木々に手を向けると、木々が一瞬で半分の太さになってしまう。
「赤龍帝、兵藤一誠。おまえにもわかりやすく説明してやろう」
と、アザゼルはいやらしい笑みと共にとんでもないことを口にする。
「あの能力は周囲のものをすべて半分にしていく。つまり白龍皇が本気になったら、アーシア・アルジェントを含めた女性全員のバストも半分になる」
「………………………………」
それを聞いた一誠は一拍空け。
「ふざけんなァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!」
一誠のドラゴンの力が爆発的に跳ね上がった。
「もう、イッセーたら…………………」
「あらあら」
「イッセーくん………………」
「………………最低です」
ギャスパーを除いたグレモリー眷属は呆れ、それでも一誠らしいと頭を悩ませる。
「にゃはは♪ 赤龍帝ちん面白いにゃ」
「う~~~ん、お姉さんも半分にされたら困っちゃう」
「うん、それでこそイッセーだ」
「え、え~~と…………」
『ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!』
それぞれの反応を示す。特にアルドは大笑い。
女性陣のおっぱいを守る為に爆発的に跳ね上がった力でヴァーリを圧倒する。
それでも嬉々として笑うヴァーリは不吉な言葉を口にする時、ヴァーリの仲間である孫悟空の子孫である美猴が現れてヴァーリと共にこの場から去って行った。
それから戦闘後の後処理と対テロ対策を思案するなかでこれだけは確定した。
和平は結ばれてそれを『駒王協定』と称されるようになった。
後日―――
アザゼルはオカルト研究部の顧問となってグレモリー眷属と火月たちの
赤龍帝である一誠と祐斗の聖魔剣のことについて話が終えるとアザゼルの視線は朱乃に向けられる。
「まだ俺らが――――いや、バラキエルが憎いか?」
「許すつもりはありません。母はあのヒトのせいで死んだのですから」
「朱乃、それと火月。おまえらが悪魔に降ったとき、あいつは何も言わなかったよ」
「当然でしょうね。あのヒトが私たちに何か言える立場であるはずがありません」
「そういう意味じゃねぇさ。いや、まあ俺がおまえら親子の間に入るのも野暮か」
「あれを父だと思いません! あのヒトのせいで火月は…………ッ!」
「姉さま」
それ以上はいい、と朱乃に声を投げる火月。
アザゼルもそれ以上は何も言わなかった。
これからも色々なことが起こりそうな予感を抱きながらオカルト研究部は夏休みを迎える。