「あっ、火月」
「リアス姫、それに姉さま」
グレモリー家の廊下を歩いているところで偶然にもリアスと姉である朱乃の遭遇すると同時にリアスが火月に抱き着いてきた。
「……………火月の匂い」
ちょっとばかり変態染みた発言をするリアスに敢えて指摘せず軽く背中をポンポンと叩く。その二人を少し離れた場所からニコニコスマイルで見ている朱乃だが、勘違いしないで欲しい。あれは笑っているけど笑っていない笑みだ。
「火月、それはなにかしら?」
「ああ、これですか?」
リアスは火月が持っている箱のようなものを注視すると火月は中身を見せる。
「お酒……………?」
火月が二人に見せたのは一本のワイン。送り主はセラフォルーだ。
「先ほどセラフォルーさまから魔法陣を介して送ってくださったんです。なんでも酒の席に恥をかかない様に今の内に慣れておいた方がいいと。それと一緒に飲もうとも仰っていました」
「セラフォルーさまがねぇ………………………」
「あらあら、火月ったら魔王さまにまで…………」
何か勘繰るような疑わしい視線を火月に向ける二人だが、火月は話を進める。
「まぁ、せっかくセラフォルーさまのご厚意を無下にはできないから少し飲んで感想でも言おうと思いまして」
「それなら私も付き合うわ」
「では私も」
「はいはい……………」
そこに否定も拒否も許されないのはわかっていた。
火月は二人と共に部屋に戻って早速ワインを開けてグラスに注ぐ。
「貰っておいて今さらですが、未成年がワインなんて飲んでもいいんですか?」
「時と場合に寄るわね」
「そうですわね。まぁ、一杯だけでしたら問題はないでしょう」
まだ高校生である自分達がワインを飲むことに些か複雑な心境だが、ここで飲まない訳にはいかない。三人がグラスに注がれたワインを飲む。
「あら、意外といけるわね」
「ええ、とても滑らかで飲みやすいですわ」
リアスと朱乃は好評。流石はセラフォルーが送ってくれたワイン。味も保証付きだった。
「火月はどう―――――」
「姉しゃまぁぁぁあああああああああっっ!!」
――かしら? と声をかけようとしたリアスだったが、その前に火月が朱乃に抱き着いた。
普段では絶対見せないような小さい子供のような無垢で陽気な笑みと共に。
「姉しゃま、しゅき……………ひっく」
「あらあら」
大きい子供に抱き着かれる朱乃は嬉しそうに笑みを浮かばせながら弟の頭を撫でる。
「火月、酔っているの?」
「酔ってにゃいよ、ひっく」
「酔っているのね………………………」
グラス一杯で完全に酔っ払いと化している火月に小さく息を漏らす。
「姉しゃま、もっとなでて………………………」
「はいはい、うふふ」
自分に甘えてくる弟に存分に甘やかしてあげる朱乃。
「まさか火月がここまでお酒に弱いなんて………………………」
たった一杯で酔ってしまうとは。それも酔った時の状態が完全にお姉ちゃん大好きっ子だ。元々シスコンだったのは知ってはいるけれど酔うとその枷は外れて存分に姉に甘えている。
普段は気が利いて頼りになる火月も酔うとただの甘えん坊の弟だ。
「そういえばあのヒトも………………………」
今の火月を見て朱乃は幼い頃の時を思い出す。
まだあの家に住んでいた頃、酔い潰れている父の姿を見たことがある。
酒に弱いのは遺伝なのだろう。
「ん~姉しゃまのおっぱいやわらかい~」
何度も胸に顔を埋める弟に朱乃はそんなことを記憶の端の追い払う。
今は可愛い弟を愛でる方が優先だ。普段は決してさせてくれない甘え方を今の内に堪能しないで何時堪能すればいい。
「火月。ほら、私のおっぱいも柔らかいわよ?」
リアスも朱乃のように火月を甘やかそうと声をかけるも、火月は一度リアス、ではなくリアスのおっぱいを見て首を横に振る。
「やー、姉しゃまのほうがいい」
「あらあら。ごめんなさいね、リアス」
「うぬぬぬ………………!」
勝ち誇った笑みを浮かべる朱乃に悔しそうに唸るリアスだが、リアスはその場で服を脱いでブラを取り払った。
「ほら、火月。私のところにきてくれたらこの胸を好きにしていいわよ?」
ぷるん、と揺れるおっぱいに火月は反応する。
「ほんと………………?」
「ええ、触ってもいいし吸ってもいいわよ」
「じゃ、いくー!」
リアスの胸に飛び込む火月を抱きとめるリアス。火月は早速、リアスの乳首を吸う。
「んあっ、んっ、ふふ、おっきい赤ちゃんね」
官能的な甘え声を出すリアスは自分の胸に夢中になっている火月に微笑む。
「よしよし、いっぱい吸いなさい」
母性本能を擽られて甘やかすリアス。すると今度は朱乃が服を脱いだ。
「火月。いっぱい甘やかしてあげますわ」
優しい声音で誘う朱乃に火月は朱乃の胸に戻る。
「姉しゃま………………………」
「うふふ」
赤ちゃんのように乳首を吸う弟の姿に微笑む朱乃だがリアスは不機嫌そうに頬を膨らませる。
「朱乃ばかりずるいわ! 私にももっと火月を可愛がらせなさい!」
「やーですわ。火月は私とリアス、どちらがいいですか?」
「んん~~~~?」
朱乃とリアスのおっぱいを交互に見比べる火月は首を傾げながら言う。
「二人いっしょはだめ?」
その一言に二人は妥協した。
二人の胸に挟まれながら揉んだり舐めたり吸ったりする火月を見て。
「朱乃」
「ええ、リアス」
二人は互いに協定を結んだ。今後は交代で火月と二人っきりで甘やかすという協定が。
「それにしても酔うとこんなにも甘えん坊になるなんてね」
「恐らく今まで溜め込んでいたせいもあるのでしょう。火月は幼い頃から私や母に自分から甘えてくるなんてことはありませんでしたから」
「本当はこういう風に甘えたかったのを我慢していたのね」
「そうでしょうね」
元々甘えることを控えていた。そしてあの事件をきっかけに火月は強くなることを何よりも優先した。だからこれはそれまでの分も踏まえて甘えたいという欲求が酒の力で爆発したのだろう。
「これからはこうして甘やかしてあげましょう」
「ええ、そうですわね」
二人で火月の頭を撫でる。すると火月はいつの間にか眠っていた。
満足したのだろう。二人は火月を抱えてベッドまで運び、一緒に横になる。
「ってどうして朱乃も一緒に寝ているのよ?」
「あらあら、いいではありませんか。私だって弟と一緒に寝たいですわ」
火月を挟むように横にある二人。そのまま火月の腕に引っ付きながら眠りについた。
それから数時間後、火月は目を覚まして悶えていた。
酔って幼い子供のように甘えて二人のおっぱいを好きにした自分をしっかりと覚えている。
「俺は何を………………………」
後に酒に酔った火月の姿を弟モードと名称された。