リアス・グレモリーの
少しずつクラスメイトとも馴染め、生活にも慣れてきて、悪魔の仕事もこなせるようになってきたアーシアは正直一誠よりも活躍している。
平穏な悪魔としての生活をするなかで一誠はリアスにしごかれている。
日々の基礎鍛錬として朝からスパルタなメニューをこなしている一誠。そのついでに火月も参加して一緒に身体を鍛えている。
元々鍛えてはいた為に少し物足りない気もしたが、しないよりかはマシだろう程度の気持ちで一誠に付き合っていた。
始めは根を上げていた一誠だが、日々の成長に実感を持てるようになるとより努力するようになった。
少しずつではあるが、一誠は成長している。
一誠が成長していくなかで、リアスはボーッとしていたり、溜息を吐くことが多くなった。
その原因は火月達の前にいる。
「いやー、リアスの『
「痛み入りますわ」
赤いスーツを着た二十代前半の男性。彼の名はライザー・フェニックス。
純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家の三男。そして、リアスの婚約者でもある。
ソファに座るリアスとライザーに対面するようにソファに座っている火月以外は少し離れた席に集まって二人の様子を見ている。
「いい加減にしてちょうだい!」
我慢の限界がきたリアスは激昂する。
元々リアスは今回の縁談は反対だった。だが、ライザーは悪魔の未来の為に純血の悪魔を絶やす訳にはいかないと述べる。
すると、ライザーは。
「安心しろ。お前の眷属達もしっかりと可愛がってやる」
そう言いながら近くにいた朱乃に手を伸ばそうと―――――
「おい」
するが、その腕を火月が掴んで止める。
「今回の縁談については割り込むつもりはなかったけど、姉さまに手を出すというのなら潰すぞ? ライザー・フェニックス」
姉である朱乃に手を出そうとしたライザーに怒りを剥き出しにしながら睨み付ける。だが、ライザーの表情からは余裕が消えない。
「相変わらずのシスコンだな、お前は。少しは姉離れでもしたらどうだ?」
「余計なお世話だ」
「俺はこう見えてもお前の事をかってるんだぜ? あの魔王様に傷を与えた逸材だ。どうだ? 俺の下で働く気はないか? 金も女も好きにしていいぞ?」
「誰がお前のような奴の下で働くか。いい加減その口を閉じろ。鳥野郎」
「……………ガキが。調子に乗るなよ?」
ドラゴンのオーラとフェニックスの炎を纏わせ一触即発する二人をグレイフィアが止めた。
「お二方。落ち着いてください。お二人がこれ以上騒ぎを起こすというのであれば私も黙ってはおりませんよ?」
薄っすら、とだけど氷のように冷たい殺気を放つグレイフィアに二人はオーラと炎を落ち着かせる。
それから今回のリアスとライザーの縁談はレーティングゲームによって決定することとなる。
リアスが勝てば縁談は破棄。
ライザーが勝てば即結婚。
二人はそれに了承する。
だが、今回のゲームはリアスが圧倒的に不利だ。
ライザーは既に成熟し、公式のゲームにも参加している上に眷属も揃っている。それに対してリアスはゲームの経験もなく、眷属の数も半分以下。
経験も人数も圧倒的に不利だ。
当然そのゲームに火月は参加できない。今回はあくまでグレモリー家とフェニックス家の御家問題。どちらの眷属でもない火月は参戦することは認められない。
ハンデとしてゲームは十日後。その間にグレモリー眷属は別荘で猛特訓することとなる。
その特訓には火月も付き合うことぐらいは許された。
「ばっかじゃないの?」
その話を聞いた黒歌はソファで寛ぎ、煎餅を食べながら言った。
「たかが十日特訓したぐらいで姫ちゃん達が勝てるわけないにゃ」
そう言い切った黒歌に姫島姉弟は肯定も否定も取れない。
「火月ならともかく、今の姫ちゃん達には無理にゃ。一ヶ月ならまだわからないけど」
黒歌の言葉は的を得ていた。
現在のリアス達とライザー達の実力はかけ離れている。たかが十日特訓した程度では勝てない。
「あの力を使えば………………………」
朱乃が深刻な顔をそう呟く。
朱乃は父親のこともあって光を使うことを拒んでいる。だが、悪魔の弱点である光を使えばまだ勝機があるかもしれない。
火月なら雷光を与え続けて不死性を崩していく手段も取れるし、
少なくともライザー相手に負ける気はしない。
「それでもできる限りの事は――――――」
「話は聞かせて貰ったわ!」
火月の言葉を遮って勢いよく扉を開けて入ってきたのは金髪の女性。
「その特訓にはお姉さんも参加するわ!」
「お帰り、ジャンヌ」
「ええ、ただいま」
帰ってきたのは火月の
「報告は後で聞くよ。それよりも対ライザー戦に向けて対策を考えないといけないから二人もすぐに準備して」
「ええ」
「はいにゃ~」
リアス達の特訓に付き合う為に準備をする為に今から出ていく二人を置いて火月は表情を曇らせている朱乃を抱きしめる。
「…………………火月、ごめんなさい。私があの力を使えたら……………」
「姉さまが謝ることなんて何一つないよ」
姉は弱い人だ。そして火月自身も自分は弱いと認識している。
互いが互いを支え合うことで壊れずに済んでいる。もう、引き剥がすことができない分身のようなものだ。
「俺達は姉弟なんだから、お互いに支え合って、もっと強くなろう」
「………………………………うん」
弟の言葉に頷く姉。
二人は気持ちが落ち着くまで身を寄せ合っていた。
原作キャラである英雄ジャンヌ・ダルクの魂を引き継いだ者、ジャンヌを