※この作品はR-18です。

ガンダムX異伝―末期のヴァージンロード―   作:あれくん

3 / 5
Lシステムの悪夢―砕かれたルチルの心―

「分かりました。戦争を終わらせるために、この身を捧げましょう」彼女は覚悟を決めた

表情で上官たちに向って言った。

 

 今、彼女は裸でシャワーを浴びている。その柔肌は熱い湯を浴びて桜色に

火照っている。

 

(私が人としての生を犠牲にすれば終戦が近付く…ひとりでも多くの人が死なずに済む…

でもジャミル…できれば最後にあなたと…)ルチルは顔を両手で覆って嗚咽した。

しかしその声はシャワーの音でかき消されるのだった。

 

 

 

(ああ…やめて…いやぁ…!)彼女の聖なる子宮に植え込まれた装置が作動し、

ルチルに胎内から望まぬ性的快感をもたらす。

 ここは地球の戦場・Lシステムのカプセルの中…此処は黄金色の溶液で満たされ、

全裸のルチルが収められている。彼女の顔は安らかで落ち着いた彫像のようだ。

 

 しかし、その内面は…

 視える…ルチルの二つの卵巣にびっしりと大量の卵子が宿り、その一つ一つが命の光

を発しているのが。

 

(いや、いやあぁ…やめてぇ―――っ!!)

 

ぱちゅん、ぱちゅぱちゅん!

Lシステムを使うたびにルチルの卵巣にマイクロウェーブが照射され、内部の

限りある卵子が次々に弾け、砕けて逝く…その中の命の光を放出しながら…

そのエネルギーもLシステムの糧になっていくのだ。

ルチルのNT能力は胎内から湧き上がる性的快感と共に

自身の卵子が死んで逝くのをダイレクトに感じてしまい、

自分が一歩一歩不妊の身体に近づいて行く悲嘆と罪悪感の念も

かえってLシステムの出力を高めていくのだ。その絶望感たるやいかほどのものか…!

 

(ああっ!お願い 卵子(こどもたち)を殺さないで!光を消さないで、お願いよぉっ…!)

(ごめんね、あなた達を護れないお母さん(わたし)を許して・・・)

 

 

それは胎内の装置からの

性的快感と相まって、彼女の心を砕き、正気度を削っていくのだ…。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

フリーデンの艦内の通路にて、ジャミルと共に歩むルチルの心に突如、過去の

忌まわしい悪夢の記憶がフラッシュバックする!

「うっ…ううっ…いやぁぁあああああっ!?」彼女の両目からボロボロと涙が

こぼれ始めた。

「ルチル?」

「私の心を責めないで!お願いだから、もう身体を犯さないで!いや、思い出したく

ない!忘れていたのに。そんなイヤなこと!もうやめて、

生命(いのち)は、生命は力なの!生命は、この宇宙を支えているものなのよ!それを、それを…!

こうも簡単に壊していくのは、それは、それは、酷いことなのよー!」

「ルチルっ!もう大丈夫だ、もう終わったんだよ…」

「ごめんね、ジャミル、きれいな身体でいられなくてごめんね…!」ルチルはジャミルの

腕の中で泣きじゃくった…。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。