「分かりました。戦争を終わらせるために、この身を捧げましょう」彼女は覚悟を決めた
表情で上官たちに向って言った。
今、彼女は裸でシャワーを浴びている。その柔肌は熱い湯を浴びて桜色に
火照っている。
(私が人としての生を犠牲にすれば終戦が近付く…ひとりでも多くの人が死なずに済む…
でもジャミル…できれば最後にあなたと…)ルチルは顔を両手で覆って嗚咽した。
しかしその声はシャワーの音でかき消されるのだった。
(ああ…やめて…いやぁ…!)彼女の聖なる子宮に植え込まれた装置が作動し、
ルチルに胎内から望まぬ性的快感をもたらす。
ここは地球の戦場・Lシステムのカプセルの中…此処は黄金色の溶液で満たされ、
全裸のルチルが収められている。彼女の顔は安らかで落ち着いた彫像のようだ。
しかし、その内面は…
視える…ルチルの二つの卵巣にびっしりと大量の卵子が宿り、その一つ一つが命の光
を発しているのが。
(いや、いやあぁ…やめてぇ―――っ!!)
ぱちゅん、ぱちゅぱちゅん!
Lシステムを使うたびにルチルの卵巣にマイクロウェーブが照射され、内部の
限りある卵子が次々に弾け、砕けて逝く…その中の命の光を放出しながら…
そのエネルギーもLシステムの糧になっていくのだ。
ルチルのNT能力は胎内から湧き上がる性的快感と共に
自身の卵子が死んで逝くのをダイレクトに感じてしまい、
自分が一歩一歩不妊の身体に近づいて行く悲嘆と罪悪感の念も
かえってLシステムの出力を高めていくのだ。その絶望感たるやいかほどのものか…!
(ああっ!お願い
(ごめんね、あなた達を護れない
それは胎内の装置からの
性的快感と相まって、彼女の心を砕き、正気度を削っていくのだ…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フリーデンの艦内の通路にて、ジャミルと共に歩むルチルの心に突如、過去の
忌まわしい悪夢の記憶がフラッシュバックする!
「うっ…ううっ…いやぁぁあああああっ!?」彼女の両目からボロボロと涙が
こぼれ始めた。
「ルチル?」
「私の心を責めないで!お願いだから、もう身体を犯さないで!いや、思い出したく
ない!忘れていたのに。そんなイヤなこと!もうやめて、
こうも簡単に壊していくのは、それは、それは、酷いことなのよー!」
「ルチルっ!もう大丈夫だ、もう終わったんだよ…」
「ごめんね、ジャミル、きれいな身体でいられなくてごめんね…!」ルチルはジャミルの
腕の中で泣きじゃくった…。