・其の壱・入学前
俺と雅は所謂幼馴染
ついでに、家も隣同士で、家族ぐるみで仲が良い
雅は近くにいるだけで、疲れが癒される個性で、その距離が近ければ近いほどよく発揮される
夜、雅の布団に潜り込んで一緒に寝れば、翌日、とても心地の良い目覚めを約束される、とても心地のいい個性で、よく窓を使い互いの部屋を行き来して一緒に寝たりと、とても仲良く過ごしてた
そして、俺たちが小学生になる時、雅の両親が海外に行く用事ができて引っ越すことになった
雅も家族共々海外に行くことになり、離れ離れになるかと思ったが、2人とも離れたくなくて、それぞれの親にゴネてみると俺の家で雅を預かることになった、雅のことがただただ好きで仕方がなかった俺は本当に夢のようだと思った
雅はとても嬉しそうだったし、俺も嬉しかったので、ゴネた甲斐があった
そして、また数年が経った時、俺たちの家も引っ越すことになった
そして、その引っ越し先で、ミリオに出会った
転校先で、どんどん友達を作る雅と違って誰とも友達になれてなかった、俺と、ヒーローが好きと言う共通点だけで、仲良くしてくれた
俺と雅はもともと、ヒーローにとても憧れていて、2人でヒーローになるのが夢だった
そして、そこにミリオも加わり、3人の夢になった
また、数年経って、そろそろ男女の体の違いとかを意識し始め、お風呂を一緒に入るのをやめた(小学校卒業と同時)
そして、中学校に進学してから、雅は今までもモテていたが、度を越してモテ始めた
今までは、クラスのマドンナって位だったが、気がついたら、他校まで、噂が広がるくらいの存在になってた
当然、そんな女の子と一緒に暮らしてる俺は嫉妬の嵐に見舞われた
結構な鬱みたいになってたとき、1人の強気な男子が俺のことを呼び出してきた
行きたくなかったが、断る度胸なんてなく、ついていくと、案の定、晒しあげられる
そして、集団に暴行にあってると、遠くから、雅の声が聞こえたかと思うと、その集団と俺の間に滑り込んできた
ミリオも、一緒に来てくれていてとても安堵する
雅は背中に俺をかばいながら、一番殴ってきたリーダーの前に立ち睨みつけた
「何してるの?もしかして、晒しあげ、なんて醜い事ではないわよね?私さ、そんな醜い事する人は生理的に受け付けないんだけど、どう?」
自分より身長が高く、男女の差で筋力も変わってきてるのに、リーダー格の男に対して、顎を掴みながら、見てる人を凍てつかせる絶対零度の視線と声で言いきった
顎を掴まれてる男は、恐怖からなのか、震えながら、歯をガチガチと鳴らし、首を横に振って、ただただ謝罪の言葉を並べてる
「もし、次見つけたら、……………分かってるるよね?」
たっぷりと溜めながら冷笑したのち、手を離すと、周りの奴らもろともリーダー格のやつは逃げって行った
「環、ごめん、遅くなっちゃった」
そういいながら、怪我で一杯になった俺の体をミリオと一緒に引き起こしてくれる
「私のせいで環がこんな目にあっちゃって……本当に申し訳ない…家帰ったらちゃんと癒すから」
外で個性の使用はできないので、そう約束される
「雅、ありがとう、ミリオも来てくれて…」
「全然いいよ、私のせいだし」
「俺も全然かまわないよ!」
家に帰って、色々とし終わり、後寝るだけになる
「ねえ、環、久しぶりに一緒に寝ようよ」
小学校の時はほとんど毎日一緒に寝ていたが、2人とも身長が伸びて、ベットで2人寝るのは少し狭くなり、中学に上がってからは一緒に寝てなかった
「ねえ、怪我も癒すからさぁ、いいよね?」
そういいながら、俺よりも先に俺の布団に潜り込んでいる
「まぁ、ダメって言っても強制的に一緒なんだけどね」
幼馴染とか、居候、そんな風ではなく、好きな女の子として雅のことをずっと昔から見てる俺からしたら、本当にどうしようと思う
「ねえ、環〜、早く寝るよ〜」
そういいながら、布団をめくり、自分の隣をポスポスと叩いてる
それで、ようやく我に帰った俺は、欲望に負けて布団に潜り込んだ
すると、すかさず、逃がさないとでもいうように、腕が俺の体に回される
そして、今は夏で、薄着だったので、相手の体温が素肌のところで直に感じる
心を無にしていると、服の裾から手が侵入してきて、そのまま素肌を撫でてくる
「っ?!」
雅が個性を使う時特有の、あったかい感じと、うっすらと花のようないい匂いがしたかと思うと、体がゾクっとするものが感覚として這い上がってくる
その感覚が気持ちよすぎて、耐えるように、目をキュッときつく閉じて、背中を丸める
「んっ、んん〜っ!」
出したくないのに、口から出そうな自分のものじゃないみたいな声を堪えようとする
「ちょっ、大丈夫?」
様子がおかしい俺を心配するように、雅が声をかけてくるが、その声が直接腰のあたりに響くので、黙ってといいたくても、口を開けば、喘ぎ声ばっかりが口から出てくる
仕方がないので、首を振って主張するも、理解はもちろんしてもらえない
「ねえ、本当に大丈夫?顔真っ赤だよ!」
そういいながら、心配するように、回されてただけの手で背中を擦られる
その瞬間、また快感が強くなる
やめてほしいはずなのに、離れた難すぎる感覚に体が蝕まれる
「ちょっと待ってて、お母さん呼んでくる」
そう言って、俺から雅が離れた瞬間、快感がマシになる
それが嫌だったのか、物足りなくなったのか、何なのかよくわからないが、反射で、キツく閉じていた目を開けて、腕を掴んだ
すると、驚いて振り向いた雅と目があった
そして、真っ黒なはずの雅の目が怪しくぼんやりと紅く輝いてる
かと思うと、ゾクゾクっと快感が身体中に走り抜けた
「ああっ〜〜〜っ!んんっ!」
ギュッと雅の手を握ったまま、未だに感じたことのない感覚の余韻で、浅い息を繰り返す
その様子を呆然としたように腕を掴まれたまま雅は見ている
そして、力が抜けて、雅の腕を離すと、体の熱が引いてくる
その状況からどう考えても辿り着くのは一つだ
「………もしかして、雅の個性ちょっと変わった?」
体は軽くなったし、ヒリヒリと痛んでいた傷の感覚はほとんどなくなっている
そして、何より股のあたりがベタベタすることが気になる
知識でしか知らなかった射精をもしかしなくてもしたんだと思う
「えっ、嘘、回復じゃなくなったの?」
そういいながら、自分の手を握ったり閉じたりして何かを確認してるが、もちろん回復かどうかなんてそんなことしてもわからない
「とりあえず、お母さんに報告しに行こう」
「うん、そだね」
次の日、病院に行って検査してもらうと、個性は"回復"から"花魁"に変わった
「後天的に変化するタイプだって」
俺の部屋のベッドに寝転びながら報告してくる
「へぇ、そういうのってあるんだ」
俺は勉強用の椅子に座ったまま、答える
「後、この個性はさらに強くなっていく可能性が高いって」
「えっ……」
診断された結果をメモったのだろうか、スマホを見ながら教えてくれた
「最終的には、同じ部屋にいるだけで相手を絶頂に導けるらしい」
「う、うん……」
あんまり、好きな女の子の口から絶頂とか聞きたくなかったな…
「で、絶頂って何?」
ベッドから起き上がりながら聞いてくる
ていうか、知らずに言ってたんだ、その安心とともに、説明しなきゃいけない、という重荷が自分にズッシリとかかってくる
「お、俺も知らないからお母さんに聞いて」
「えっ?お母さんが環は絶対知ってるから、何が何でも環に聞きなさいって言ってたよ、後絶対外で個性について言っちゃダメよって」
お母さん、そんなに俺と雅に色っぽい雰囲気になって欲しいの?
まぁ、付き合っちゃいなよ、結婚しちゃいなよっていう押しが両方の両親全員から激しいので、あってほしいのだろうが
ミリオと仲良くなった時、ライバル出現とか言ってきたし
「えっと、絶頂って言うのは……あー…そのー…えっと……」
「何?」
純粋な曇りのない目で見つめられて、耐えきれなくて、顔を手で覆う
「あー!やっぱり俺には無理だっ、ネットで調べてくれっ」
「無理?……わかった」
そう返事しながら、インターネットで調べてる
そして、文章を目で追ってるのが、分かる
最終的に、湯気が出そうなくらい真っ赤になって黙った
「あー、環、もしかして前個性使った時、これなった?」
コツコツと画面を叩きながら聞いてくる
「あ、うん……」
「そっかー、よく理解してなかったけど、なんていうかその、アレだよねー、うん」
赤い顔のまま、目線が、泳ぎまくってる
「うん、アレだよ」
返事をすると、急にベッドの上に雅が立ち上がった
「よし、ミッドナイトを目指そう!」
手をグッと握りながら
「え?」
「だから、18禁ヒーロー、ミッドナイト!私の個性ならピッタシじゃない?」
「そ、そうかもしれないけど……」
「そうと決まったら、頑張らないと!環〜、手伝ってくれる?」
首を傾げながら聞いてくる
「も、もちろんいいよ、俺でいいなら」
「環じゃないとダメだよ、じゃあ、特訓開始〜!」
「あ、うん」
そして、特訓をし始めて、2年ちょっと、雄英のヒーロー科の入試があった
結果から言うと、俺たち3人の中で雅だけ落ちた
特訓して、強力な回復を使えるようになったとしても、攻撃型じゃない雅にヒーロー科は難しかった
それを見越して、雅はしっかりと普通科も受けていたので雄英自体には一緒に入学できた
「絶対追いつくから、覚悟しててね」
その言葉を入学式に向かう時、校門を通った直後、俺とミリオに言いながら、不敵に笑った顔は今まで見たことのあるどの表情よりも惹きつけられた
オリジナルキャラクター紹介
赤華 雅
アカハナ ミヤビ
個性については話中で紹介予定