・其の二・体育祭
登下校のみ一緒で、学校内で会うのは食堂くらい
けれど、雅のことは周りがよく教えてくれた
キメの細かい白い肌
サラサラ黒髪のストレートロングヘア
はっきりとまつ毛で縁取られた、パッチリ二重の目
手足や腰は細いのに、全力で柔らかさを主張する胸
その上、勉強もできる
けれど、そんなに妬まれそうな要素満載なのに
周りに細かい気配りができ、男女ともに人気が高い
ミッドナイトに習った毒舌のSキャラとして定着してるようだ
「二人共!体育祭だよ!体育祭!今日のリザルトによって私の今後が決まるんだよ!」
すっごいハイテンションで腕を上下に振りながら楽しそうに主張してる
正直、そんなオーバーな動きはミリオがする分にはいいのだが、彼女がすると、腕とともに大きな胸も激しく揺れる為目に毒だ
「緊張するかい?」
「するわけないじゃん!唯々上がるね!」
ミリオの問いに対して、呆気カランと答えれる程の心の強さを持った彼女は本当にすごい
「すごい自信だね……、俺も…アガッてるよ……」
明らかに、雅の上がってるとは違う感じだが、聞くだけなら、同じみたいだ
「ふふっ、すっごい緊張してるじゃん、だってそのアガッてるの、私とは違う、ミリオは?」
「俺も緊張してるかな」
「へー、ヒーロー科の2人がそうなら、優勝できる可能性がまた上がった!どんな競技が来ても優勝して見せるからね!そして編入!」
「頑張って……」
応援はもちろんするが、それよりも、胃がキリキリと痛むことに意識を持ってかれそうになる
「俺も緊張してるけど優勝狙うからね!」
「おっ、ミリオには負けないからね!」
そして、その体育祭で彼女は有言実行、優勝した
『花魁』という、圧倒的な個性で、周りの人を軒並みダウンさせた
彼女が頑張ってるのは知っていたが、まさかそこまで個性の出力や精密さが上がっていたとは知らず、本気で驚いた
そして、表彰台で、表彰を受けている時、妬みで「そんな性的な個性で、のし上がる女なんてビッチ」と罵ってきた男に対して、体育祭の中で唯一表情が消えた
それまでは本気の表情になったとしても、見た人を凍てつかせる表情は一度もしなかったのに
「そっかそっか、ビッチかぁ、なんや?妬ましい相手は罵らないと生きてけへんのか?男のくせにえらく器が小さいことでありんすなぁ」
雅はわざわざ舞台から降りて、相手の頭をポンポンとしながら色言葉で対抗した
すると、案の定顔を真っ赤にして相手は怒る
更に罵声をいくつも怒鳴り散らし、喚く相手を目の前で雅は目を細めながら鑑賞してる
先生達が急いで止めに入ろうとするが、ミッドナイト先生がそれを押しとどめていた
雅のと恐らく1番仲が良いであろうミッドナイトはそれくらいの諍いには自分達先生が入らなくても大丈夫だとわかっているのだろう
自分自身の駆け寄りたい気持ちを抑え、どうするのかと思い、2人の動向をみていると、急に雅がガッと相手の顎を掴んだ、そして
「キャンキャン吠えるしか能のない発情期の小型犬は黙っとき」
フッと冷笑しながら、最後のトドメを刺した
「環〜!ミリオ〜!勝ち取ったよ!」
「見てたよ!けど、個性の詳しいこと初めて知ったよ、幼馴染なのに、よく知らなかったんだね!俺」
体育祭では流石に個性のごまかしが効かないので、個性については、今日初めて周りに知られることになった
「俺も…」
大体の内容は実は知っていたが、一応同意を表す
「ミッドナイト先生に誘惑術、習った甲斐があったよ〜」
誘惑術と個性を融合させて、個性を効果的に周りにかけて行く様子は本当に、男女例外なく見惚れる美しさで、未だに脳裏にこびりついて離れない
「へえ、個性がしっかりとわかってからずっと目指してるし、憧れだしね、よかったじゃないか習えて」
入学するなり、ミッドナイト先生にベッタリ抱きついてる様子はたまに校内で見かけていた
「うん」
「このリザルトなら編入はほぼほぼ確実だろうねっ!」
「もっちろん!今度相澤先生に近接格闘術を教えてもらう約束も取り付けたしね」
「すごいね……本当に……」
雅は着々とヒーローになるための道を進んでる、けれどそれに対して俺はどうだろう?
ヒーロー科にせっかく入ったのに、そんなに成長してる気がしない
半端な状態で全然進めない自分が雅に比べて、ひどく駄目な気がした
少々文章加筆修正しました・2020/1/16