1年生の仮免取得の為の特訓中の治療係として、駆り出され、皆にアドバイスしながら定期的に疲労を癒し、傷を直したりするのが、最近のやる事だ
自分のクラメイトはヒーローインターンに向かってる人が大半の中、私はまだ個性に不確定要素が多い為、個性を使う場合はなるべく消太さんから離れない様にという指示が出されている
なるべく個性は使い過ぎない様にしなければならない
花魁の存在がわかった以上、もう私が寝てる間に花魁に勝手をさせるわけにはいかないし、かといってかなりの頻度で自己回復させるのも気がひけるので、今までの様に大雑把にせずに、細かい調節を行う
あまり細かい調節などはしてこなかったので、神経を使うが、仮にも幼い時から付き合ってる個性なのでほとんど問題なく使いこなせる
立て続けに何人かの回復をして、少し休憩をしたくなり、TDLの壁際まで寄り、壁にもたれて座ると、消太さんが寄ってきた
割座で座る私の目の前にしゃがみ、わしゃっと頭を撫でられ
「お疲れさん、やっぱりお前が居てくれると特訓が捗る、やっぱりお前の個性はいいな」
そう言われた瞬間、まるで電流でも流れたかの様に体に衝撃が走る
そして、一気に記憶が流れ込んできた
その記憶は、オール・フォー・ワンに捕まり、部屋に閉じ込められた時の記憶だった
私は全く覚えていなかったが、体操服がベタベタだったし、経験した人の名前にあがっていたから、いつか、あいつとの情事の記憶も知ることになるとは思っていたので、正直シた事自体は然程問題ではない
だが、オール・フォー・ワンはヤるだけでは満足しなかった
私の頭に手を置き、少し撫でる様な仕草をした後
『お前の個性はいいな』
まるで愛おしいとでもいうかの様な手つきだった
『お前には俺と一緒に過ごす権利をやろう』
そう言って、私の中に個性を入れた
私は忘れていたらいけない最悪の記憶をそうやって知った
オール・フォー・ワン程の巨悪が何もせずにヤるだけで終わるわけがなかったんだ
この記憶を思い出したことにより
オール・フォー・ワンがまるで私の体に仕掛けた時限爆弾が爆発して、私がダメージを被ったのをみて、あいつが嗤った気がした
一瞬のうちに膨大な記憶や心情を知るので、いつも軽く放心するかの様になってしまう
環や、寮で一緒に暮らすクラスメイトには、最近上の空だと言われる
だが、今回は知ってしまった事実がショックすぎて、少し放心した程度は現実に意識が戻ってこなかった
だが、肩を掴まれ、揺すられて
「おい、大丈夫か?雅」
そう問いかけられてようやく現実に戻ってきた
だが、まだ完全に戻ってきたわけではなかった
私は自分を心配して声をかけた男の手を全力で振り払い
「私に触らないで!」
そう言ってしまった
目の前に驚愕している消太さんの顔を見てようやく意識が完全に戻ってきた
だが、もう遅い
手を振り払った音もだが、強い拒絶の言葉はTDL中に響き渡り皆何事かと私に視線を向けている
「雅、急に触って悪かった、大丈夫か?」
自分の体を両手で強く抱きしめ、カタカタと震え尋常じゃない汗を一瞬でかき始めた私をみて、消太さんは心配して、両手の手の平をこちらに向け、無愛想な消太さんにしては優しい表情で敵意がないことを示してくれる
だが、そんな事されても私がオール・フォー・ワンに個性を無理矢理渡されたという事実は変わらない
しかも、タチの悪いことに花魁の方はその個性を喜んで受け取っていた
そんな個性、貰っても嬉しくないのに、彼女は無邪気に喜び、オール・フォー・ワンに礼を言った
そして、そんな彼女と私は同化が進んできてる
完全に同化した時、どこまで私が私のまま居られるか分からないが、完全に飲み込まれでもしたら、私はただのタチの悪いヴィランに堕ちる
「消太さん、手を振り払ったりしてしまってすみません、私少し、校長先生の所に行ってきます、重要な話を思い出しました」
「おい、本当に大丈夫か?顔真っ青だぞ?」
「大丈夫です、私は絶対に死にませんので」
持たれていた壁に手をつき、力をかけて立ち上がる
私はもう人の優しさに縋って甘えて生きるという選択をしていいほど弱くはない
深く息を吐き切ってから、しっかりとした足取りで私はTDLから出た
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してくださると、作者頑張って話の続き頑張って書きます。
どうかよろしくお願いします。