白露型の風俗で 作:ユニコーンを狩る者
1941年12月、この年人類は深海棲艦と呼ばれる存在と遭遇・戦争状態に突入した。当初一方的な敗北を喫していた人類は、しかしその後「艦娘」の開発と投入、更に各国による技術協力による様々な新兵器により反撃に転ずる。結果として一時期地上の半分を喪失した人類は深海棲艦を海にまで押し込み、以来戦闘は数十年に渡り海上と沿岸地域で膠着状態を続けている。
深海棲艦との慢性的な戦争の最前線にある帝国では徴兵制度が今なお続いており、十八以上の青年は一年の訓練期間を含む五年に渡る軍役が義務づけられている。
明日、輸送船に乗り前線に向かう事になる第301師団第707連隊に所属する新兵達30名は上官たる後藤軍曹の驕りでこの横須賀の飲み屋を梯子し、出征前の最後の宴を開いていた。
「そうか、貴様ら童貞かっ!」
四件目の居酒屋で軍曹は部下の一人に問い質す。
「はっ……ははっ!ど、童貞であります!」
酒の勢いで女性の話をしているとその部下はどうやら女性経験が皆無である事を軍曹は知る。
「ほぅ、ではほかに戦場童貞の奴はいないかっ!?」
冗談めかして口にする軍曹、だが次の瞬間驚いた。何と新兵全員が恐る恐ると挙手したのだ。
この慢性的な戦争かま続く時代である、若者達も工場で昼も夜も武器を作るか、軍事教練ばかり、女性とそのような経験どころか恋愛をする機会すらないというのだ。
無論、自由恋愛を完全に禁止し、結婚や子供の「製造」すら国家の管理下となっているソヴィエト程帝国は逼迫してはいないが、まだ辛うじて文化的に自由というものがあった軍曹の青年時代に比べてこの新兵達は青春というものをまるで知らないのだ。
「それでも溜まるものはあるだろが、どう処理しているんだ?」
「そ、それは……」
言い淀む新兵、その頬の赤さは酒だけが理由では無かろう。
「その……本とか……写真で……」
「自分で処理しているわけか?」
「はぁ……」
どうやらほかの者に尋ねても似たようなものであるらしい。中には官能小説で妄想している者までいた。
軍曹は考える。彼らは明日戦場に向かう。しかも……くそったれな事に……あの地獄のダガルカナル要塞行きである。十年以上も血を血で洗う凄惨な戦いが続くあの地である。本来ならばベテラン兵士を送り込むべきであるが兵力不足からこんなひよっこ共がいきなり投入されなければならないのだ。恐らくは彼らの半分が一月以内に死ぬはずで、無事兵役を終えられるのは一人いるかいないかだろう。軍曹としても彼らを無駄死にさせるつもりはないが……彼自身内心で死を覚悟しているのだ。まして新兵達が生き残れると思えるほど楽観視していない。
「そうか……じゃあお前達、今日童貞卒業だっ!」
軍曹のその声に驚きと困惑をない交ぜにする若者達。軍曹からしてみれば殆んど戦死同然の出征である。ならばせめて彼らに最後の思い出づくりをしたい気持ちでの言葉であった。
さて、そうであれば話は早い。すぐにでも居酒屋を飛び出して部下達を率いて歓楽街へと向かう軍曹。
だが……。
「あん?お断りだとぅ?」
「す、既に予約している御客様がおりまして……」
おろおろと店員が説明する。どうやら似たような‼️考えをしていた上官はほかにもいたらしい。どの風俗店もすでに満員であり、次々と来店を断られる。
「も、もういいですよ、軍曹殿……!」
「うるせぇ!俺は諦めねぇぞ!てめぇら全員童貞卒業するまで船には乗せねぇ!」
怪しげなネオンの漂う歓楽街の空気に圧され、一人の部下がそういうが、軍曹は彼ら全員が童貞である事を暴露しつつ食い下がる。この自伝的てま半ば軍曹は意地になむていた。
そんな時である、街中で一人の売り子が軍曹に声をかけた。
「童貞卒業させたいんですか?大佐さん?」
「あん?」
恐らく煽て目的であろう、明らかに下士官と分かる軍曹に敢えて大佐と呼んだ売り子に軍曹は目を向ける。
「うちの店でしたら開いてますよ?ご利用しませんか?」
紫がかった幼い顔立ちの、しかし胸元は豊満な女性がそう尋ねる。
「……30人はいるぞ?そっちのお嬢達は何人いるんだ?」
「そうですねぇ……うちは10人位ですけど……あ、ま、ま、待ってください!お願いします!」
その数を聞いて去ろうとする軍曹を慌てて止める売り子。さらりと軍曹の腕を胸を当てるように抱きながら涙目でを浮かべる。尤も、この程度でほだされるほど軍曹も甘くない。
「おいおい、お嬢ちゃん。聞いてるのか?うちは30人の大所帯だぞ?10人だ?そっちのお嬢達は一晩に三人も相手に出来るのか?」
仮に出来るとしても後半は相当手を抜かれそうだ。明日戦場行きの部下達にそんな雑な童貞卒業なぞさせたくない。
「当然ですとも!うちの女性は皆さん元艦娘ですから!」
しかし、売り子は意外過ぎる事を口にした。
「艦娘、だとぅ?」
軍曹は驚くように売り子の言葉を反芻する。「艦娘」、深海棲艦との戦争の中期に開発された遺伝子組み換え技術とサイボーグ技術を組み合わせて作り出されたそれは文字通り人類滅亡寸前の戦況を逆転させた「兵器」であった。一時期は数十万ユニットも「製造」された彼女達はしかし、技術の進歩により更に効率的な兵器が開発されると倫理面や運用面におけるデメリットもあり、以降順次退役をしていき今では前線では数千ユニットが運用される程度の「珍しい兵士」となっていた。
確かに「艦娘」ならば体力面で問題ないし、しかも顔立ちも美しい。成る程、ひよっこ共の初めての相手に丁度よいかも知れない。
「……分かった、連れていけ」
「はーい、御客様のご案内です!」
軍曹の肯定の返事に答えるように売り子は弾んだ声でそう答えた。
少し薄暗い洋風の店内に入った瞬間、軍曹は甘い匂いを感じた。
「おいおい、こりゃあ香水か?」
「はい!雰囲気作りに良いでしょう?ええっと……メニュー表は…これですね!」
「一人一時間二万、三時間五万だ!?ぼったぐりじゃねぇのか!?」
相場の二倍はある。確かに艦娘は皆顔立ちが良いにしても少し高すぎる。まして部下全員分となると……。
「一人一時間としても30人で60万……!うぐぐ……払えん事はないが……」
「ぐ、軍曹……む、無理しなくても我々は別に……ど、どこか酒場で飲みに行っても……!」
「うるせぇ!上官が楽しい事させてやるってんだ!黙って楽しめや!ん!これは……!」
軍曹がメニュー表を睨みつけていると端の方に団体様特別セットという物が見えた。
「おいこれは……」
「はいっ!こちら10名様以上限定のものでして!所謂「乱交セット」です!」
どこか幼げな顔立ちの売り子が平然と乱交などという言葉を口にして部下達は何とも言えぬ気分となるが、売り子の方はにこにことセットの説明をする。
「こちらは店の娘達とお客様方が全員同じ部屋で思い思いの相手とやって頂くものでして、実際は一人当たりの時間は少なくなりますし、一人の娘が同時に御相手する事もあるので、こちら三時間で一人二万円!しかも今なら新規割引で二割引きです!なんと見目麗しい艦娘達十人とヤれてなんと52万円です!どうですか?」
「即金で払おう」
「軍曹!?」
鞄からぐちゃぐちゃの札を取り出して一枚一枚数える軍曹。
「うるせぇ、お前ら童貞のまま死にたいのか!?三時間で10人相手だぞ!こんなサービスほかにねぇ!いいからヤれや!」
彼らも男だ、性欲くらいはある、あるが……乱交というのは……。
「ではでは、お客様、まずは御着物をお脱ぎ頂くためこちらにどうぞ!軍曹さんはどうしますか?」
「もう金なんてねぇよ。ここで待っているわ。おら、上官命令だ、ガンガン楽しめや」
「「「はっ……ははっ!」」」
困惑しつつも若者達は一斉に敬礼する。幼少時からの教育で上官命令は絶対であるという価値観が彼らは刷り込まれていたためだ。
下着まで服を脱ぐ事自体に気恥ずかしさは無かった。軍隊は共同生活であり、互いの裸は見慣れている。風呂で何百回も見ているので今更仲間達に下を見られてもどうという事はない。肉体もまた見せても恥ずかしく程の健康的で、引き締まっている。だが、今から子の姿で女性の下にいき、仲間と一緒に性交行為をするとなる何とも言えない複雑な気持ちになる。だが、それと同時にこれから来るであろうことを想像し彼らの逞しい男根は僅かに硬直しているのだ。
「あー、皆さん初めてでしたね!はい、では緊張をほぐすためにもこれを飲んでください!」
裸で逞しい男達を前に少しも身じろぎしない売り子は栄養ドリンクと称した瓶を差し出す。各々が困惑しつつも、しかし一時の現実逃避のためにドリンクを見つめ、飲んでいく。すると……。
「うっ……!?これは……!?」
体の奥底から火照る感覚を彼らは感じた。次いで言い知れぬ衝動が這い寄るように呼び覚まされる。彼らの逸物はぎりぎりと目覚めるように屹立し、肥大化していく。
(ふふふ、やっぱりこの媚薬は効きますね)
国外から仕入れた精力増強剤兼媚薬は飲んだ者の性欲を一気に数倍まで激増させる。これを一度飲めば先程までの恥ずかしさも倫理観もなく、ただひたすら薬の効果が効く限り腰を振り続けるだろう。老人や虚弱な者だとそのままテクノブレイクしてしまうが軍隊で鍛えられた彼らなら一日位はいける筈だ。
「さて、では皆さん!今宵の御相手の方々が待っておりますのでこちらにどうぞ!」
売り子は自分に向けてぎらついた劣情の視線が向いているのを察して案内を始める。自分だけでこの場の全員の相手なんてすれば死亡確定である。
新兵達は広めの部屋に招かれた。そこは敷物が敷いているだけの部屋で、ほかには何もいない。
「あ、あの……相手は……」
可能な限り丁寧に売り子に尋ねる一人の若者。しかしその顔を見れば今にも爆発しそうな欲望を抑えているだけだと分かる。事実彼の分身は震えるようにそそり立ち、その大きさは既に凶悪だった。
「慌てないでください。さぁ、来ましたよ?」
「白露がいっちばーん!」
その声に全員が振り向いた。同時に目を見開いた。
奥の扉から最初に現れたのは茶髪の可愛らしい美少女だった。ベージュに白いフリルをつけた下着、ほどほどの胸元、体は瑞々しく、そして健康的な色をしていた。元気そうで汚れを知らなそうな下着姿の少女は、しかし、いかつくぎんぎんにそそり立つ肉棒を見せつける男達を見て、笑顔で挨拶する。
「私、白露型駆逐艦の一番艦白露っていうの!皆宜しくね!一番が大好きだから今日は皆の一番を貰えるように頑張るね!」
あっけらかんとした口調、しかしその言葉の意味が分かれば彼女が唯の生娘ではない事が分かろう。
「やぁ、僕は時雨っていうんだ。今夜は宜しくね?」
続いて現れたのはまたしても美少女である。青い海色の瞳に子犬のような癖毛の少女が微笑む。一見美少年にも見えない事もないが、彼女が惜しげもなく見せる肢体を見れば立派な雌である事が分かろう。黒い下着と女性らしい曲線、特に先程の白露に比べて大きな胸元。
「ふふ、僕の下着に興味があるの?それともこの下かな?」
どこか妖艶な仕草で谷間に指を入れて、ブラジャーを下に引っ張る少女。幾人かは彼女を真っ先に狙いをつけ、事が始まればその下着をむしり取る事を心に決める。
「もう!皆村雨の事も見てよう!」
その甘い声に視線を向けた彼らは身を見開く。それ程までに大きな果実であったのだ。今にも零れそうなそれを見せつけるのは村雨と呼ばれる金髪のツインテールにした美少女だ。華奢に見えて肉肉しい体は男の獣欲を呼び起こす。白に黒いフリル付きの下着は清楚に見えるが、それが一層彼女の淫乱さを強調しているようにも見えた。
「うふふ、今日は皆に村雨のちょっといいトコロ見せたげる」
口元に指を立てて、蠱惑的にそう口にする。彼女の下にもきっと多くの男がその欲望と共に襲い掛かるだろう。
「ポイっ!夕立も忘れないでっぽい!」
四人目の少女はお日様のように明るかった。癖のある金髪は時雨のように子犬を連想させる。赤い瞳は何とも言えない魅力がある。どこか子供らしい口調とは裏腹に体は良く発育している。
「今夜は皆で楽しくしようっぽい!」
キラキラとした笑顔でそう言い放つ夕立。彼女との交わりはきっと獣のように激しいだろう。
「は、春雨です……はい」
五人目の少女は桃色だった。髪も瞳も、下着も桃色だった。その幼げで内気そうな表情も相まって一瞬彼女に欲望の視線を向ける事に皆嫌悪感を持った。しかしすぐにそれは下着から見える整った乳房から消え去る。
「そ、その……私、余り上手く無いですけど……精一杯頑張りますから、皆さん、どうぞ沢山春雨を食べて下さい!」
恥ずかしそうに、しかし笑顔でそう答える姿に嗜虐心を幾人かが刺激され、最初に狙いを定めた。
「五月雨です!宜しくお願いします!」
春雨よりも更に幼い処女だった。青い瞳に青い髪、おっとりとした表情。細く胸は少し小さい。だが下着しか着こんでない彼女は男達に明るい笑みを浮かべる。
「ふぁぁ、こんなに沢山……今日は頑張らないと。一人一回位は相手をしないといけませんね!」
ファイト、と独り言のように語る五月雨、しかしその言葉を聞いた幾人かが言葉攻めしながらの輪姦を思い立つ。
「海風です。えへへ……」
透明感のある美少女だった。銀髪を一纏めにした清楚そうな少女は、しかし目元にあるほくろはどこか蠱惑的だ。そしてその体付きは正にその淫乱さを証明するようだ。くびれた腰と対照的な大きな胸元、どこかエロティシズムを刺激する脇……今宵彼女の体全体が白濁に汚される事になるだろう。
「山風……だけど……何?」
恥ずかし気に体を隠す緑髪の少女。内気で子供のような口調とは裏腹にその体は男の欲望を刺激する程に発育していた。怯えるような表情が素であるのか、それとも演技化は分からない。構わない。強壮剤で理性が破裂しそうな男達は唯々彼女を組み敷いて襲うだけだ。
「んっ、江風だぜ、今日は宜しくな!」
夕立のように元気よく答えた江風は、しかし彼女と違い幾分子供らしい体付きだった。しかし当然このような体にも需要はある。幾人かは彼女を上に乗せ奉仕させたいと考えた。彼女自身の動きでその奥底に精を流しこみたい、と。
「てやんでぃ!子供っぽいとかいうなよ?涼風様の技術は一流でい!」
一番子供らしい体付きの涼風は何故か江戸っ子のような口調でそういった。確かに子供らしい、しかも気が強そうだ。この娘を組み伏せ、泣かせながら犯したい、と何人かは倒錯した欲望を覚えた。
「えー、これで全員ですね。いいですか?頑丈な艦娘とはいえこの店はあくまで合法なお店です。命に関わるプレイはしない事、傷が残るような事はしない事、この二点は守ってください。後は時間まで皆さん好きなだけヤってもらって結構です。それではよーい、スタート!」
売り子がストップウォッチをスタートさせる。同時に我慢に我慢を重ねて来た屈強な男達は我先とでもいうように小柄な美少女達の下に駆ける。そして白露型の面々はそれを微笑んで、あるいはにやりと笑って迎え入れる。
男達が抱き着き彼女達を押し倒す。可愛らしい嬌声を上げる艦娘達。欲望と肉欲に塗れたひと時が始まった。