二人が訪れたのは、小さな宝飾店だった。こぢんまりとした店内には、華美さはないものの質素で美しい装飾品の数々が、誇らしげに陳列されている。奥の受付には老婆が一人、両目を瞑って座っていた。
ティーゼを先導して足を踏み入れたユージオは、明るい声で老婆へと声を掛ける。
「こんにちは。見ていっても大丈夫ですか?」
「……」
右目だけでユージオを見た老婆は無言で頷くと、そのままうたた寝を始めてしまう。
きょとんと、老婆を見返すユージオは、赤い顔のティーゼと顔を見合わせて互いに苦笑。
「好きに見て大丈夫みたい。入ろうか、ティーゼ」
「はぃ、ユージオ、先輩……♡」
妙に甘い吐息のティーゼを招き入れ、ユージオは陳列棚へと目を向ける。赤、青、緑、黄、紫……色とりどりの装飾品が目を引く。辺りを見回せば種類も様々で、首飾りや指輪、腕輪に腰帯など、装飾品としての品揃えはピカイチのようだった。中には懐中時計などの絡繰り仕掛けの装飾品もあったが、目玉が飛び出るような値段が付いており、到底手が出なさそうだ。
そしてユージオの隣に立つティーゼは、はぁ、と感嘆の溜息を漏らして、首飾りの棚を眺めている。
「きれい、ですね……」
「うん、そうだね。品質や品揃えはここが一番らしいよ」
「ん……こういう所を知っているなんて、意外です……あまり、興味はないものと……ぁ……思っていましたから……」
頬を染めて言うティーゼに、ユージオは苦笑するしかない。
「はは。まあ、そうだよね。実は、元々このお店を紹介してくれたのはキリトなんだ」
「キリト先輩が……そちらの方が、なんというか、意外、ですね……んぅ♡」
「っ! ……ま、まあ、キリトに驚くのは、もう慣れたよ」
ユージオの至近。潤んだ瞳で甘い吐息を繰り返すティーゼに、ユージオは若干目を逸らして言を返す。移動中も思っていたが、今日のティーゼは妙に艶がある。下半身のある部位が反応してしまいそうになり、ユージオは必死に気を逸らす。
「あ、あのさ。折角だから、何か買う?」
「え……いいん、ですか? どれも、ん……高そうですけど」
「大丈夫。こういう時のために、お金は貯めてたから。僕からの贈り物だよ」
そう言うと、ユージオは自身の脇腹の辺りを右手でぽんぽんと叩く。ティーゼが見やれば、そこには膨らみ。貯めていた資金を持っているのだろう。
ティーゼは火照った頬に両手を当てて、ユージオの優しげな微笑みを見る。
「(ゆ、ユージオ先輩……♡ こ、こんな私に、贈り物、だなんて♡ んぅ♡ そんな、おまんこに張り型挿れながらもらったら♡ やだ、イっちゃいそう♡)」
贈り物、と言われて意識してしまったのは、憎きあの男からの贈り物。即ち、膣に入ったままの張り型だ。若干の内股でももを擦り合わせれば、膣襞が張り型と擦れて快感が昇ってくる。腰布(スカート)の内側では愛液がじゅくじゅくに溢れ出し、股布(ショーツ)は全体が既に濡れそぼっている。
顔全体を真っ赤に染め上げ、快感に身をよじるティーゼ。ユージオはそれを、喜んでいると解釈した。
「ふふ。ティーゼに喜んでもらえるなら僕も嬉しいよ。何か、気に入ったモノはある?」
「えっと……んふ……私は……ぁん……ゆ、ユージオ先輩に、選んで、ほしいです……ん♡」
「そ、そう? わ、わかった」
甘い吐息を混ぜながら、俯き言うティーゼに、ユージオはドキリとしながら答える。
なんとも甘酸っぱい気持ちに、ユージオは襲われる。初々しく、男に選んでほしいと答える女の構図。親友のキリトがいれば、「ひゅーひゅー色男ー」などと冷やかされること請け合いだった。
気恥ずかしさに耳まで真っ赤にしたユージオは、宝飾店の陳列棚を見回す。何かいいものはないだろうか。責任重大な難事に、ユージオの頭は全力で回転する。
「(てぃ、ティーゼには何が似合うかな。何を選んだらいいんだろう。くっ、アリスにもこんなの贈ったことないから難しい! 色合いも考えなくちゃ……そう、色だ。ティーゼの紅い綺麗な髪と目に合うものがいい。違う色……僕には難しそうだ……無難に……同じ色……紅い色の装飾品がいいかな……何か、何かないかな……あ、あれは!)」
ユージオの目に留まったのは、小さな紅玉(ルビー)をあしらった簡素な刺装具(ピアス)だった。値段も手頃。何より、ティーゼの色に合いそうだった。
刺装具の陳列棚まで歩み寄ったユージオは、赤い顔で震えるティーゼを手招く。
「てぃ、ティーゼ。こっち……これを見て。これなんて、どうかな」
「ん♡ え、と……どれ、でしょうか……んん♡ あ……かわいい……」
体を掻き抱きながら陳列棚を覗き込んだティーゼは、紅玉の刺装具を見て溜息を漏らす。どうやら、お気に召してくれたようだった。しかし、ティーゼはそこで一瞬、顔を暗くしてしまう。
「で、でも……私、穴、開けてないです……」
「……あ」
刺装具を装着するには耳たぶに穴が必要だ。穴を開けるには専用の穴開け鋏(ピアーサー)がなければ、素人には難しい。簡単なことを失念していた。
どうしようかと、ユージオがまごついていると、ゴトリ、と音がした。
「……穴開け、やっとるよ。わしは回復の神聖術も使えるしの」
振り向いたユージオに掛かったのは、老婆の呟きだった。受付の上には使い込まれた跡の見れる穴開け鋏。どうやら、この店は刺装具用の穴開けをやっているようだった。
「ティーゼ、お願いする?」
「……そ、そうですね。折角ですから」
ユージオの問いに、ティーゼは体を震わせながら答えた。
緊張から震えていると思ったユージオは、安心させようとティーゼの肩に手を置く。すると、ティーゼはびくん、と一際震えた。驚かせてしまったのだろうか。
「大丈夫だよ。刺装具の穴開けは結構な人がやってるから、そんなに震えなくても、怖くないよ」
「こ、怖くなんてありません。これは……ん……そう、武者震いなんです!」
「ふふ、気合い十分だね」
「ふひん♡」
ユージオがぽんぽんと肩を叩くと、ティーゼが変な声を出したような気がしたが、気のせいだと思い無視した。しかし、実際には勿論違う。
「(ひ、ひん♡ た、叩かないでぇ♡ 衝撃で、ちょ、ちょっと♡ おまんこイっちゃったぁ♡)」
びくんびくんと体を震わせるティーゼは、若干両目を裏返させながら、軽い絶頂に耐えてていた。肩を叩かれれば体が動く。そうすれば、張り型も膣の中でずれるのだった。
ティーゼの実情などいざ知らず、ユージオはティーゼの手を引いて老婆の元へと歩いて行った。
「すみません。穴開け、お願いできますか」
「……いいよ」
囁くような声で呟いた老婆は、よっこいせ、と席を立つ。曲がった腰で赤い顔のティーゼの前に立つと、その顔を見て、一言。
「……おまえさん、風邪でも引いてるのかい?」
「も、もう治ってます! んふぅ♡」
ティーゼとしては逢い引きを中止させるわけにも行かず、老婆のつぶらな瞳を見て答える。逢い引きが中止になろうものなら、あの男からどんな仕置きを受けるか。想像しただけでゾクゾクと背筋が震える。
老婆は無表情に頷くと、
「そうけ。ちくっとするよ」
「んひぃぃっ♡」
「っ!?」
早業だった。老婆の手が閃いたと思ったら、ティーゼは右の耳たぶに鋭い感覚を得、達した。膣から愛液がぶしぶしと股布に染み込み、全身を震わせて繋いだユージオの手を握りしめる。びくんびくんびくん、と痛いほど勃起した乳首が肌着の内側で自己主張する。
そして手を握りしめられたユージオだが、むしろ突然の早業に目を丸くする。この老婆、中々の遣り手であるようだ。キリトの剣と、どちらが早いだろうか。そう思っていると、
「ほい」
「あひぃぃっ♡」
連続だった。突然の絶頂に震えていたティーゼを無視して、老婆は容赦なく左も開けていった。やはり目で追える速度ではなく、その追い打ちにティーゼは我も忘れて奇声を上げていた。
一方のユージオだが、やはり老婆の業に感心するばかり。
「すごい……失礼ですけど、以前はどこかで修練を?」
「昔の話さね。整合騎士にもお声が掛かったけど、蹴ってやったのさ」
ふぇふぇふぇと笑う老婆は、一瞬だけ剣気を覗かせる。その圧倒的な圧に、ユージオは思わず仰け反る。やはり、達人だ。
老婆はそんなユージオをにやりと一瞥すると、懐からあるものを取り出し、顔を蕩けさせたティーゼに差し出した。
「これ付けな。穴の保持用の器具さね。このまま神聖術を掛けると、穴が塞がっちまうからね」
「は、はひ♡ はひぃ♡」
ユージオから手を放したティーゼは、息も絶え絶えに器具を受け取る。そして震える手でそれを付けようとするが、うまくいかない。度重なる絶頂により、視界もぐらぐらと揺れていた。
それをみかねたユージオは、優しくティーゼの手を包み込むと、耳元でしっとりと囁く。
「ティーゼ。僕がやってあげるよ」
「ひん♡ え、あ♡」
ティーゼの返事も聞かず、ユージオは器具を奪い取る。するとそのまま、ティーゼの形のよい耳を触りだした。
「ぁ……♡ ぁ……♡」
愛しいユージオの手が、右耳を這い回る。ざわざわという接触音。ゾクゾクゾクと背筋を快感が駆け上がり、ティーゼは恍惚とした表情でそれを甘受する。
そしてユージオの手が、穴を探り当てる。
「……挿れるよ」
「はひ♡ いひぃん♡」
ずぷり、と穴に挿入される。異物感が穴いっぱいに広がり、ティーゼはそれだけで、軽い絶頂に達した。ティーゼの表情がとろとろに蕩けるが、真剣なユージオはそれに全く気付いていなかった。彼は、ティーゼの後ろを回って逆側へ。
「こっちも」
「ほあ♡ んひぃ♡」
右耳でコツを掴んだのだろう。左耳の刺装具の穴には、即座に挿入がなされティーゼはまたしても軽く絶頂する。びくんびくんと体が震え、腰布の内側はおもらしをしたかのように愛液でびしょ濡れだった。
そんなティーゼを胡乱げに見ていたのは、正面に立つ老婆だった。しかし、彼女はそれを無視し、ぶっきらぼうに言う。
「それじゃ、神聖術を掛けるよ。システムコール」
唱えられたのは初級の回復術だった。小さな傷ならたちどころに治るそれが、ティーゼの両耳を対象として発動。たちまち、刺装具の穴を修復に掛かる。しかし、器具によって阻害され、破断面の修復に留められる。光が収まる。
「器具を外しな」
「ん……は、い♡」
平坦な老婆の声に応じるのはティーゼのふやけた声。そしてティーゼの手を制したのは、ユージオだった。
「僕がやってあげるよ」
言うや否や、ユージオはティーゼの左耳を再び触る。びくん、と震えたティーゼに構わず、ユージオの手が器具に添えられる。
「外すよ」
ぬぷり、と穴から引き抜かれる。それはやはり快感で、
「っ……♡ っ……♡」
歯を食いしばって嬌声を耐えるティーゼ。腰布の端を両手で握りしめ、今すぐに張り型をじゅぽじゅぽと動かしたい衝動に耐える。動いてくれない張り型が、今このときは恨めしかった。
そして、もう一つ残っている。
「こっちも外すよ」
「っっっっっっっ♡♡」
不意打ちだった。右耳の器具が引き抜かれ、ティーゼを大きな絶頂が襲う。膝がガクガクと震え、立っているのがやっと。愛液が多量に噴き出し、吸いきれなくなった股布からぽたりと滴り落ちる。
絶頂は一秒。それは永遠にも感じられ、やっと終わったとき、ティーゼは肩で甘い吐息を繰り返していた
「っ、はぁ♡ はぁ♡ はぁぁ♡」
「……? ティーゼ? 大丈夫?」
「はひ♡ へ、へいきれしゅ♡ ゆーじおせんぱい♡」
心配そうなユージオの声に、ティーゼは精一杯に取り繕った顔で答える。しかし、口調は怪しく蕩け、見返す紅い瞳は淫らに揺れていた。
一瞬、ユージオはどきりとする。しかし、ティーゼの様子は刺装具の穴開けに緊張したからだろうと結論づけ、それを無視した。ティーゼは耳が弱かったんだな、と無駄な知識は増えてしまったが。
ともあれ、穴開けは終了した。ユージオは本来の目的である、紅玉の刺装具の購入を老婆に請う。
「そ、それじゃあ、これを……これをください」
「はいよ。穴開け代はまけとくよ」
老婆が提示した値段は値札と一致した。どうやら本当に、穴開け代をまけてくれたらしい。ユージオは助かった、と内心思う。実は、用意してきた資金がちょっとぎりぎりだった。
「装備品は装備しないと効果がないよ」
「え?」
「言ってみただけさね。ただの紅玉だから、何の効果もないさね。ここで装備していくかい?」
「はい。お願いします」
老婆の好意に甘え、ユージオは紅玉の刺装具をそのまま受け取った。そして、それを掌に乗せて、ティーゼに差し出す。
「贈り物、だよ。ティーゼに似合うと思う」
「はい♡ はい♡ ありがとうございます♡ ユージオ先輩♡」
ティーゼは胸がキュンキュンと高鳴り、小さな絶頂が度々襲ってくるのを感じていた。大好きな人から贈り物をもらうのが、こんなに素晴らしいことだとは。ティーゼは内腿を擦り合わせ、張り型の快感を貪りながら思う。
無言で、ティーゼは右耳をユージオに差し向ける。付けてほしいという懇願だ。
ユージオはそれを正しく読み取り、優しげに微笑み応える。
「……ん♡ ぁ……♡」
ユージオの指が再び耳に触れ、小さな快感をティーゼに与える。好きな人に触られることは、至上の快楽である。これが膣や乳首であったなら、どれほどの快感だろうかと、ティーゼは少し残念に思う。
「挿れるよ」
囁き。ティーゼが身構えると、右耳の刺装具用の穴に、ぬぷりと紅玉の刺装具が差し込まれる。ゾクゾクとした快感にティーゼは震え、恍惚とした表情でそれに耐える。
刺装具の装飾側を保持したユージオは、そのまま、裏の針に留め具を付ける。そして、手を放す。刺装具はティーゼの耳に、しっかりと装着されていた。
「……どう、ですか?」
「うん……綺麗だよ」
ティーゼのおずおずとした問いに、ユージオは素直に答えた。
かぁ、とティーゼは急上昇する己の体温に耐えねばならなかった。好きな人からの賛辞に全身が興奮する。膣壁の血の巡りがよくなり、張り型からの快感が一層強くなる。その存在を認識すればするほど、ティーゼは自身が興奮していることに気付いていなかった。
左耳にも、ユージオに紅玉の刺装具を付けてもらう。一段と、ティーゼは大人になった気分だった。
かっかとした全身の熱に浮かされて、ティーゼは自分から、そっとユージオの手を握る。なんとなく、手を繋ぎたい気分だった。
「ふふ、ティーゼ」
「っっっっっ♡♡」
ティーゼの行動に気付いたユージオが、ティーゼに微笑みかける。
きゅんきゅんきゅんと胸と乳首と膣が痙攣したティーゼは、その場で絶頂を迎える。表情を蕩けさせ、体も寄せてみる。ユージオは拒まない。
「……ユージオ、せんぱい♡」
「……ティーゼ」
「お熱いねぇ。けど、そう言うのはあっちでやってくれないかい」
二人の世界に老婆の声が割って入る。びくりと肩をふるわせた二人は、老婆に視線をやって揃いの苦笑。
「行こっか、ティーゼ」
「はい♡ ユージオ先輩♡」
二人は老婆に礼を言うと、店の出口に足を向けた。
ティーゼはユージオの左腕に抱きつき、乳首が勃起した胸を当てている。ユージオは気付いているのかいないのか、赤い顔で前だけ見ていた。それが、ティーゼにはなんとなく、面白かった。
――老婆は、独りごちる。
「あの“三人”、変な趣味しとるねぇ」
老婆は床に散った乙女の秘密を片付けるため、いそいそと雑巾を取りに行った。
店を出た二人は、再び噴水の広場に戻ってきていた。
時刻はお昼時。広場沿いの食事処やお茶処は、多数の人々で賑わっている。
「そろそろお昼だね。ティーゼは何が食べたい?」
「ん♡ え、と……ユージオ先輩の食べたいものが食べたいです」
張り型にようやっと慣れてきたティーゼは、いじらしい表情でユージオを見上げながら言う。
思わず心臓が高鳴るユージオ。彼は努めて平静を装いながら、辺りを見回す。様々な料理屋が誇らしげに看板を掲げており、どこの品書きもおいしそうだ。
考えること暫し。ユージオは一軒の店に目を留め、
「そうだね。なら、あそこなら」
「ご、ごめんなさいユージオ先輩! 私、ちょっと、その……」
ティーゼの遮り。妙に赤い顔をしている。
「ど、どうしたの?」
「えっと……ぁ♡ あの、その、お花摘みに……」
少し、面を食らったユージオは、以前にキリトから教えてもらった隠語を思い出す。要は手洗いのことだ。男は雉撃ち、女はお花摘み、だったか。
慌てて、ユージオは赤い顔で言う。
「わ、わかった。ここで待ってるよ」
「す、すみませ~ん!」
ティーゼはユージオの腕を振りほどくと、大急ぎで人混みに消えていった。
「(ティーゼ、よっぽど我慢してたのかな……)」
場違いなことを、ユージオは思っていた。
そして、路地裏に駆け込んだティーゼは、
「ククク、そこまで急いで来てくれるとは、中々に私も愛されているな」
「別に愛してなんて……よ、呼んだのはあなたでしょう!?」
金髪の男――制服姿のライオスに反論する。
先ほど、ティーゼは路地裏から顎で呼ぶライオスを見つけてしまった。張り型の子機を見せつけられては、行くしかなかった。
ティーゼは思う。ユージオ先輩に縋り付いた状態で張り型を振動させられていたなら、確実に事は露見していただろう。そしてユージオ先輩に軽蔑した目で見られ、ただのおまんこ奴隷として扱われたに違いない。ごめんなさいごめんなさいと、何度謝っても赦してくれず、ただ乱暴に犯されるのだ。ぐちゅぐちゅ、ぐちゅぐちゅ――
「……ふへ♡」
「おい、何を気持ちの悪い笑みを浮かべている。こっちだ。もっと奥に来い」
「ひゃうん!」
妄想に耽っていたティーゼの腕を乱暴に掴み、ライオスは強引に路地裏の奥へと連れ込んでしまう。そこは人二人が横に並べば精一杯な狭さで、窓のない煉瓦積みの壁が先まで続いている。ソルスの恵みも、喧噪も遠い。だがティーゼが左右に目を見やれば、通りを行き交う人々が光の中に映り、床机(ベンチ)に手持ち無沙汰に腰掛けるユージオの姿も……。
「……っ」
ごくり、と生唾を飲み込むティーゼ。一体、これからどうなるのか。その期待とも不安とも付かない感覚に、じゅんじゅんと、張り型を咥えた膣が疼く。
「この辺りでよかろう……クク、なぁ? 我が妻よ」
「きゃあ!?」
だん、とティーゼは壁に押しつけられた。前を見れば、憎き男の顔。
逃がさない、とばかりにライオスはティーゼの両手首を掴んで壁に押しつけ、体を密着させてくる。ティーゼの慎ましやかな胸が潰れ、勃起した乳首がライオスの胸板を引っ掻く。膝がぐりぐりと腰布越しに股間を押し、じゅくじゅくの愛液が布に染み出す。それらに気付いているライオスは、底意地の悪い笑みを浮かべている。
「おやおやおや。我が妻殿は既に発情していらっしゃるのか。ククク」
「ぁ♡ ち、ちが♡ ひざ♡ おまんこぐりぐりしちゃダメ♡ だめぇ♡」
秘裂を押し潰すようにライオスの膝がティーゼの股間を刺激する。淫らな匂いを伴って腰布が濡れるのを感じ、股で挟み込むようにして何とか膝を制しようとする。しかし、それがまた張り型を動かし、ティーゼに快楽を突きつけてくる。
と、その時、ぐぅ~、と気の抜けた音。
「ひぅん!?」
「……今のは、腹の虫か?」
ティーゼへの責めを中断したライオスが、不思議そうな顔でティーゼを見下ろす。それにティーゼは、耳まで真っ赤にして俯くしかない。
「腹が減ったのか? 我が妻よ」
「つ、妻じゃないわ……し、仕方ないじゃない、朝から何も食べてないんだから……」
ティーゼは視線を揺らしながら、ライオスの声に応える。
そういえば、とライオスは思い出す。ティーゼを自室に呼んで辱めたのは朝方で、朝食の前ぐらいだ。その後、張り型を入れたままティーゼは朝食を取らずに逢い引きの待ち合わせ場所に出かけた。“見ていた”のだから、当然、知っている。
そこで、ライオスは何かを思いついたのか、邪悪な笑みを深める。
「我が妻よ、食事にしようじゃないか。ククク」
「……ここで?」
「ああ、そうだ。そうさな、まずは股を開いてしゃがめ」
「……? ……ん♡」
ティーゼは訝しみながらも、ライオスの言葉に従ってM字開脚気味にしゃがみ込む。そうすると股布が引っ張られて張り型がより深く潜り込み、子宮口をぐりっと刺激する。そのまま腰を前後に振れば、張り型の亀頭がぐりぐりと動き、なんとも気持ちがよい。
「……ん、あ……ぁん♡ あ♡ しゃ、しゃがんだ、わ♡」
見上げるティーゼの顔は、丁度、ライオスの腰の辺りに来ていた。
既に勃起しているのだろう。ライオスの下履き(ズボン)は、前側が大きく膨らんでいた。するとライオスは、あろうことか下履きの留め金に手を掛ける。
「そら、食事の時間だ」
「ひゃ!?」
びん、と屹立する肉棒が、ティーゼの目の前に現れた。勢いのまま亀頭が頬を叩き、ぬめぬめとした先走りが肌を汚す。むわりと雄の匂いが鼻を突く。
ティーゼは困惑しながらも、ライオスの男根から目が離せない。
「しょ、食事って……え、これ……?」
「そうだ。妻としての食事と言えば、夫のザーメンが相場だろう?」
クククとライオスが嗤う。びくびくと震える肉某には血管が幾筋も浮き出て、鈴口がぱくぱくとして先走りを滴らせる。
口角を引き攣らせるティーゼは、しかし、これからどうすればよいか分からない。ザーメン――精液が食事と言われても、男根を囓るわけにもいかない。皿だってない。それに、精液を出すには、男根をシコシコと扱くしか……。
「……まさか」
「何をしている。さあ、新鮮なザーメンを疾くと味わえ」
「んぶぅっ!?!?」
突如、ライオスがティーゼの頭を両手で鷲掴みにし、肉棒を口の中に突き込んだ。
困惑に口を開けていたティーゼが口を閉じる間もなく、肉棒が喉奥まで入り込む。舌の上から喉に掛けてが亀頭で擦られ、先走りのエグい味が口いっぱいに広がる。
「んぶぅ!? んぐ、んんんん!!!」
「そら動くぞ。歯を立てるんじゃぁないぞ!!」
「んご!? ご!? ぶ!? ぶぶ!? ぶじゅ!?」
ライオスはティーゼの事など構わず、その腰を動かし始める。
太い竿が可憐なティーゼの唇を擦過し、先走りと唾液を攪拌する。肉棒はティーゼの顎をいっぱいまで広げており、口開けて回避することもできない。
「じゅぶ!? んぎゅ!? ぐぎゅ!? じゅぼ!? おぼ!?」
膨れた亀頭が喉奥を圧迫し、呼吸ができない。何度も何度も抽挿が行われ、その度に亀頭が喉を叩く。溢れた先走りが食道に流れ込み、更には鼻にまで逆流する。凄まじく濃い雄の匂いが口腔も鼻腔も埋め尽くし、脳髄ごと犯されているかのよう。
「ずじゅ!? おご!? じゅる!? んぼ!? んぼおおおお!?!?」
ライオスは緩急を付けて腰を振り、ティーゼの頭をおもちゃのように扱う。肉棒を根元まで押し込み、喉奥まで占拠すると、食道に擦りつけるように腰を揺する。ティーゼの喉は肉棒の形に変形し、外から見ても膨れ上がっているのが見て取れた。
「ハハハ! 気持ちがいいぞ! さながら口まんこといった所か!? ええ!?」
「おぶ!? ご!? じゅぼ!? おご!? んん!? ご!?」
ライオスの嘲りにも、ティーゼは応える余裕がない。ほとんど呼吸ができず、頭が酸欠にくらくらとする。必死にライオスの腰を両手で押さえて動きを止めようとするが、男の力の方が強い。哀れ、ティーゼは口を蹂躙されるしかない。
「んじゅ!? じゅじゅ!? ずぼ!? おぼぉ!?」
「くぅ!! 熱いな!!」
口腔に先走りと肉棒の味が広がる。すると反射的に唾液が分泌され、口の中がどろどろとした液体で満たされる。それはライオスの男根を刺激し、更に太さと抽挿が増す。
溢れ出した唾液と先走りの混合液がティーゼの口の端から漏れ出し、一突きごとに辺りに飛び散る。更には飲みきれなかった分がティーゼの鼻腔に逆流し、鼻からも垂れている。
「クハハハ! ずいぶんと間抜けな面だな、我が妻よ! そんなに気持ちがいいか!?」
「んんん!! んじゅ!? じゅぶ!? おぎゅ!? んぎゅ!?」
気持ちがいいはずなどない。だのに、匂いと酸欠にくらくらとした頭は心地よい浮遊感をティーゼに齎す。酸欠に筋肉が強張り、膣を締め付けて張り型の存在感を一層叩き付けてくる。今、張り型を動かされたら……。
「物欲しそうな顔だな。そら」
「んんんんんんんんんんんんんんんんんん!?!?!?!?!?!♡♡♡♡♡♡」
ぶぶぶぶぶ、と張り型が強烈に振動し始める。酸欠に浮かされた脳を、横合いから殴りつけるような快感。きゅんきゅんと膣が張り型を締め付け、腰全体がビリビリと痺れる。
「んびゅ!?♡ んじゅ!?♡ んん!?♡ おぼぉ!?♡ ぼぶ!?♡」
ティーゼの全身がびくんびくんと痙攣しても、ライオスは腰を止めない。喉奥がガツガツと殴られ、窒息にティーゼの両目が裏返りかける。しかし、膣から及ぼされる振動の快感が意識を飛ばさせてくれない。
「(だめだめだめ!!♡ これだめ!♡ おまんこきゅんきゅんしてるのに!♡ 口まんこじゅぽじゅぽされて!♡ 私の口♡ ほんとにおまんこになっちゃうう!!♡♡)」
脳髄に刻み込むように、膣の快感が窒息と口腔に関連付けられる。ティーゼは既に口と喉奥を抽挿されるごとに快感が増してくることに気付いていた。膣から脊椎を通って口腔を経由し、快感が脳を揺さぶる。そして、
「んぶぅっ!?♡ んぶ、んぶううう!!♡」
ライオスの肉棒がいやに太さを増し、びくんびくんと震え始める。喉奥を広げる亀頭が更に大きくなり、気道が完全に押し潰される。抽挿が更に激しくなり、
「ぐぅ! 出すぞ!」
「おぶ!?♡ んんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!♡♡♡♡♡♡」
ティーゼの頭が、ライオスの腰に押しつけられる。途端、食道に入り込んだ肉棒から灼熱が吐き出された。
「んんん!!♡♡ ん!♡♡ んんんんんんん!!!♡♡♡♡」
大量の灼熱はティーゼの胃の腑に直接落ち込み、腹が一気に熱くなる。その熱にティーゼは達し、濡れそぼった股布に潮が噴き出す。ぶしゅぅぅ、と長く大量の潮は股布から染み出し、路上にボタボタと零れ落ちる。
「そら、まだ出るぞ。たっぷり味わえ」
「んぐぐ!?♡ んぐ!?♡ んんん!!♡♡ んぼぉ!?♡♡」
灼熱は止まらない。遂には噴門に入りきれなかった精液が逆流し、ティーゼの口腔を満たす。それに留まらず、更には鼻腔へと侵入し、鼻から精液が溢れ出す。
「んぼ♡ んぶ♡ ぶびゅ、ずび♡ じゅずず♡♡」
精液によって呼吸が完全に止まり、ティーゼは窒息する。酸欠の酩酊にくらくらとしながら、しかし脳髄を満たすのは濃厚な精液の熱と味と匂いだ。まるで脳そのものに射精されているかのような錯覚にティーゼは陥り、全身が蕩けて痙攣する。
「く、は……こんなものか」
「おぼぉぉ♡」
射精を終えた肉棒が、じゅぼりとティーゼの口から引き摺り出される。
「ごぼ♡ おぼぇ♡ げぼぁ♡」
途端、ティーゼの口から精液が溢れ出し、俯き嘔吐きながら白濁が零れ落ちる。ボタボタと塊に近い精液が路上を汚し、ティーゼの愛液と混然となる。
「おいおい、もったいないじゃないか、我が妻よ」
「おぶ♡ げぶ♡ ごぽ♡ あひ……あへぇ♡♡」
ライオスがティーゼの紅髪を握りしめて無理矢理上を向かせると、窒息からの解放により無残に蕩けた顔があった。そこに理性は認められず、あへあへと快感に溺れる雌の本能だけがあった。
ぞくり、とライオスの背筋が震え、肉棒が再び力を取り戻す。
「足りん、足りんなぁ……ククク、夫からの恵みを無碍にするとは、“非礼”だなぁ?」
「んひ♡ ひれ♡ ひりぇぃ♡ ちが、ちがうぅ♡ んひいい♡♡」
ティーゼを無理矢理立たせたライオスは、ティーゼの制服の腰布を剥ぎ取り、質素な股布を引き千切ってしまう。
下半身裸となり、すーすーと風の通る感覚が膣を撫で、ティーゼの背筋がぞくぞくと震える。張り型を咥え込んだ膣は愛液をどぷどぷと吐き出しており、内腿は滴る液体でびしょ濡れだ。
ライオスはティーゼの左足を抱え上げると、そのまま煉瓦積みの壁に押しつける。ビクビクと震える竿がティーゼの陰核を押し当てられ、コシコシと擦りつけられる。
「ひぃん♡ ひ♡ らめ♡ だめぇ♡ クリこすっちゃらめぇ♡」
ライオスの胸板に両手を当てて悶えるティーゼ。するとライオスは、左手で張り型の根元を掴むと、
「そろそろ本物が欲しくなってきた頃、だろう?!」
「ひにいいいいいいい!!♡♡」
じゅぼぉ、と愛液を撒き散らしながら、震える張り型が一気に引き抜かれた。内臓ごと引き出されそうな感覚と刺激に、ティーゼは絶頂する。愛液がびしゅびしゅと噴き出し、ライオスの下履きを濡らす。
ライオスは、邪悪に顔を歪める。
「“非礼”、“非礼”、“非礼”……罰が必要だよなぁ? 我が妻よ」
「しょ、しょんなの♡ あなたが♡ ほひ♡ かってに♡ らめぇ♡ おちんぽいれちゃ♡ この♡ おんなのこの、おまんこぐちょぐちょにして♡ ていこうできないようにして♡ ごうかんしゅる♡ きぞくのかざかみにも♡ んひ♡ おけない、げすぅ♡ らめ♡ おまんこいれちゃ、あ、ああああああああああああああ♡♡♡♡」
ライオスの男根が、問答無用とティーゼの膣へと根元まで突き込まれる。途端、ティーゼの愛液の量が更に増し、湯に浸けたような熱さが肉棒へと絡みつく。
念願の雄を受け入れたティーゼの秘裂は、逃がさないとばかりにパクパクと蠢き、肉棒を丹念に刺激する。
ライオスはこれまで以上の気持ちよさに、うめき声を上げる。
「ぐお……我が妻よ、これほど欲してくれるとは、嬉しいじゃないか」
「んひぃ♡ らめ♡ うごいちゃ♡ あ♡ あん♡ おまんこじゅぽじゅぽ♡ じゅぽじゅぽらめぇ♡ ぁ♡ んぁ♡ あ♡」
腰を振り始めたライオスに、ティーゼはたまらず嬌声を返す。
とろとろに蕩けた膣に肉棒が出たり入ったりを繰り返す。抽挿の度に膣壁が擦られ、熱さと快楽にティーゼの脳が溶かされる。
「はひ♡ あ♡ あん♡ きもち♡ いい♡ おまんこ♡ じゅぽじゅぽ♡ おちんぽはいってる♡ ひん♡ おちんぽ♡ おちんぽいいよぉ♡♡」
もはや自身が強姦されていることなど、ティーゼの頭からは綺麗さっぱり消えていた。膣壁を擦るエラが、子宮口を殴る亀頭が、陰唇が咥える竿が、肉棒の全てがティーゼを快楽の園へと誘ってくれる。
ライオスは蕩けるティーゼに、嘲るように問う。
「そんなに我が男根が好きか? え?」
「しゅきぃ♡ おちんぽしゅきぃ♡ あ♡ あん♡ あなたは♡ きらい、だけど♡ おちんぽしゅき♡ おちんぽで♡ おまんこじゅぽじゅぽしゅきぃ♡」
「つれないな、我が妻は」
「はひぃっ♡ らめっ♡ はげしっ♡ はああっん♡♡」
自身の口走っていることなど既に理解していないティーゼに、ライオスは嫉妬したとばかりに抽挿を激しくする。
じゅぽじゅぽと卑猥な音と共に肉棒がティーゼの膣を抉り、路上に飛び散る淫液から濃厚な性臭が一面に漂う。腰のぶつかり合う音が周囲の喧噪と響き合う。そう、喧噪である。
「……お、おい、あれ」
「うお、本気かよ……」
突如、路地裏に響いた声に、二人はぴたりと動きを止める。
ティーゼが恐る恐るそちらを見やれば、町人と思われる若い男が二人。
「なっ……なっ……なぁっ!?」
驚愕に、ティーゼは顔を真っ青にして声を上げた。今の己の状況を振り返れば、男と濃厚にまぐわう女。しかも路地裏、町中である。
「ま、待って! おねがい! 抜いて! 人、人が……!! 人が見てるっ!!」
ティーゼはライオスの胸板を力の抜けた腕で叩き、身をよじる。何とか膣から肉棒を抜こうとあがくが、ライオスにがっちりと押さえつけられており抜くことができない。
そして、思わぬ乱入者に目を見開いていたライオスだったが、すぐに、邪悪に顔を歪める。その笑みに、二人の若者は後ずさった。
「お、おいおい、こんな所でヤってるのが、悪いんじゃぁないか?」
「そ、そうだそうだ。俺たちは、悪くない、悪くない……よな?」
冷や汗をかいて横目で目を合わせる二人。それに答えるのは、ライオスだ。
「ああ、悪くないぞ。禁忌目録には、“秘め事は極力秘めて行うべき”と書かれているだけだ。“秘め事を見てはならない”や“見せてはならない”、などとは何処にも書かれてはいない。だから、な!」
「あひいいぃぃっ♡」
ライオスは言うなり、再び腰を動かし始める。顔を青くしていたティーゼは、その凶行に驚愕を浮かべながらも嬌声を上げる。
「まって!♡ あ♡ 人!♡ ぁん♡ 見られて!♡ おまんこぐちゅぐちゅ!♡ 見られてるっ!♡ やだ♡ やめ♡ おちんぽとめてぇっ!♡♡」
「ククク、締まりがよくなっているぞ? 人に見られて興奮しているんだな? この変態め」
「やだ♡ ちが♡ ちがうぅっ♡ そんな♡ あん♡ ひぁ♡ わたし♡ へんたいなんかじゃ♡ あ♡ あ♡ あひぃん♡♡」
ティーゼの視界に、食い入るようにこちらを見る二対の瞳。二人の若者が、ごくり、と生唾を飲み込む。その股間が膨れ、下履きを押し上げている。
「(そんな♡ 見られてる♡ あの二人、私のおまんこ見て♡ おちんぽおっきくしてる♡ ああ、そんな♡ やだ♡ こんなのだめ♡ だめぇ♡)」
ライオスの肉棒がティーゼの膣を容赦なく抉る。二人の観客に興奮を覚えているのか、その硬さと太さは先よりも増し、きゅんきゅんと締まる膣と相まって多大な快感を叩き付けてくる。
若干、前屈みになった若者たちは、瞬きすら忘れて痴態を眺める。
「うぉぉ、なんだこれ、なんだこれ」
「本気か? 本気なのか? なんでここでヤってんだ? 見てていいのか??」
その二人の反応を面白がるように、腰を振りながらライオスが言う。
「こやつは我が妻でな。しかし、上級貴族たる私という者がありながら、他の男と逢い引きをしていたのだ。浮気には罰が必要だろう? ほれ、あそこで床机に座っているなよなよとした男が、浮気相手だ」
「ちが♡ わたし♡ あ♡ つまじゃ♡ ひぃん♡ あ♡ あ♡ だからうわきじゃ♡ あひぃん♡」
ティーゼの反論など、若者たちは聞いていなかった。そろりと後ろを見やった二人の視線の先。欠伸を噛み殺すユージオの姿があった。遅いティーゼに、待ちくたびれているのだろう。
ティーゼの心臓が、きゅんきゅんきゅんと高鳴る。
「(やだやだやだ♡ ユージオせんぱい♡ せんぱいがそこにいるのに♡ セックス♡ 知らない人に見られながら♡ ユージオせんぱいじゃない人とセックスしてるぅ♡)」
「ぐぉ……ハハ、ハハハ! あの男を意識して、余計に締まったぞ」
ライオスの呻きと嗤い。ティーゼの膣は、一層肉棒を締め付け、愛液を垂れ流し、ライオスに快感を齎す。ぐちゅぐちゅと湿った抽挿音、それに合わせた嬌声が路地裏に高らかに響き渡る。
そこで若者の内の一人が、何かに気付いたのか、まぐわうティーゼたちを指差す。
「お、おい……というか、こいつらの制服って、修剣学院のじゃね……?」
「う、うおお……あのお貴族様も通ってるいい所のじゃ……て、さっきこの男、上級貴族とか言って……」
「ククク、そうだ。私は上級貴族、我が妻も下級とは言え貴族だ。貴族のまぐわいを見れるなど、そうあることではないぞ?」
「「ひぃっ……!?」」
ライオスの暴露に、若者二人は血の気を引かせて後退る。平民の二人にとって、貴族裁決権の対象にならないとはいえ、貴族の機嫌を万一にも損ねるわけにはいかなかった。だから、身を翻す。
「お、俺ら……私たちはもう、お、おいとましせうっ!!」
「そ、そうだな! そそそれじゃぁっ!?」
「まあ待て」
腰を振りながらのライオスの制止。湿った音とティーゼの嬌声が遠い喧噪に混じり、路地裏に響いている。どことなく非現実的な状況に、二人の若者はギギギと音がしそうなほどゆっくりと振り返る。
「我が妻は見られると興奮する性質のようでな。そこで見ていてくれないか? そうさな、自慰行為も許可しよう」
「あ♡ あひ♡ ま♡ まって♡ それ♡ そんなの♡ だめぇっ♡♡」
ライオスの暴言に、最も驚いたのはティーゼだった。膣を責め立てられ嬌声を上げながら、ライオスに抗議する。
「見られ♡ あ♡ 見られながらなんて♡ だめ♡ ぜったいだめ♡ しかも♡ オナニーしていいって♡ そんな♡ わたし♡ ひん♡ おかしくなるぅ♡」
「存分に狂えばいい。そうだろう?」
「んはあああ♡♡」
ぐい、と男根が奥まで押し込まれ、子宮が押し潰される。片足を持ち上げられていることで二人の腰がより密着し、膣にぴったりと男根が納まってしまう。その快感はティーゼの抗議を封殺する。
快感の涙に視界が歪む。その中で、ティーゼが見たのは二人の若者が大急ぎで下履きを脱ぐ姿だ。
「あ、あとで文句は聞かないからなあ!? そっちが言ったんだからな!?」
「くそ! くそ! 見せつけやがって!!」
二人は下半身裸になると、屹立する肉棒を曝け出す。そして、先走りを滴らせるそれを自分たちで慰め始めた。
「(やだ♡ うそ♡ ほ、ほんとに♡ ほんとにオナニー始めちゃった♡ セックスしてる私を見ておちんぽ扱いてる♡ やん♡ くさい♡ くさいよぉ♡)」
ティーゼは貫かれながら、嗅ぎ慣れてしまった自身やライオスの淫臭とは違う匂いを感じ取る。平民は節水のためにあまり水浴びをしない。それ故に濃厚な雄の匂いがティーゼの鼻をくすぐる。
当然、腰を振るライオスもその匂いは感じ取る。
「ククク。匂う、匂うなぁ。平民の雄の匂いだ。どうだ? 我が妻よ。雄がお前を求めて、お前の好きなちんぽを扱いているぞ。感想を聞かせてくれ」
「やだぁ♡ 聞かないで♡ あん♡ そんなこと、聞かないでよ♡ おちんぽ♡ おちんぽでおまんこぐちゅぐちゅされてるのに♡ 違うおちんぽの匂い嗅がせないでぇ♡」
別の雄の匂いに反応し、ティーゼの膣がきゅんきゅんと肉棒を締め付ける。もっと欲しい、もっと欲しいと、秘裂はよだれを零し続ける。右足を伝う愛液により、既に靴の中すらびちょびちょだ。
「「はぁ、はぁ、はぁ」」
更にティーゼの耳を、自慰行為に耽る男の声が浸食する。それは否応もなく、憎い男とのまぐわいをティーゼに意識させ、背筋をぞくぞくぞくと背徳感が駆け上る。
ちらりと、路地の先の光に目をやれば、ユージオがうつらうつらと船を漕いでいる。余計に心臓が高鳴り、子種を求めて子宮が降りてくるのを感じた。
それをライオスは目聡く見抜き、腰を思いっきり押しつけてくる。
「そら。私の亀頭に、子宮が口付けをしているぞ。ザーメンが欲しい、ザーメンが欲しいと泣いているようだ」
「ほひいいい♡♡ らめええ♡ しきゅ♡ しきゅうぐりぐりらめえええ!!♡♡」
すっかり開発されてしまった子宮口を責められ、ティーゼは絶叫しながらライオスに縋り付く。右足ががくがくと震え、体重を支えられない。そうすると、支点となる肉棒に余計に体重が掛かり、子宮口へと更なる刺激が加わる。腰に、快感が溜まる。追い詰められる
「はぁ、あ、出そう……」
「くそ、こんなんで……くそ……」
観客たる二人の若者の肉棒を扱く速度が速くなる。脚が震えており、射精が近いことを知らせている。そしてそれは、再度腰を振り始めたライオスも同様だった。
「く、そろそろ……出すぞ……」
「あ♡ はひ♡ 出して♡ おまんこ中出し♡ おまんこにザーメンちょうだい♡ んあ♡ あついの♡ いっぱいぃ♡♡」
「ククク、いいのか? 妊娠するぞ……?」
「いいの♡ にんしん♡ あかちゃ♡ あかちゃんできてもいいから♡ おまんこ♡ おまんこ種付けしてぇっ!♡♡ 他の人の目の前で種付けぇ♡」
もはや、快楽に溺れたティーゼにとって妊娠は恐怖ではなかった。妊娠してしまえば様々な不都合があるにもかかわらず、そんなもの、膣内射精の快楽を味わえないことに比べれば些末なこととさえ感じていた。確かに、憎いこの男の赤子など御免被る。がしかし、膣内射精は快楽の頂点だった。
よって、ライオスは射精を断行した。
「出すぞ!」
「んはっ!♡ ザーメン♡ ザーメンきたああああああ♡♡♡ あひあああああ♡♡♡」
子宮に押しつけられた亀頭から、灼熱の精液が噴き出す。それは子宮口から子宮内部へと侵略し、ティーゼの胎に熱を齎す。同時、ティーゼは達する。
「あああああああ♡♡♡ イくイくイく♡♡♡ 見られながら♡ 中出し♡ 中出しでイくうううう♡♡♡♡」
「「おおおお!!」」
ティーゼの絶叫に合わせて、二人の若者もぴゅる、と薄い精液を吐き出していた。ライオスのそれに比べて量も濃さも少ないそれらが、無残に路上に墜落する。それを見て、ティーゼは己を犯す肉棒がライオスのものであったことに、無上の感謝すらしていた。
「ざーめん♡ ざーめんいっぱい♡ いっぱいでてりゅ♡ おまんこいっぱいになって♡ しきゅうも♡ しきゅうもいっぱいい♡♡」
背を仰け反らせてティーゼは叫ぶ。二度目にも関わらず、どびゅるると大量に吐き出された精液が膣内で暴れ回り、結合部の隙間からも溢れ出す。精液と愛液の混合液がぼたぼたと零れ落ちて、むせかえるような淫臭を漂わせる。
「まだだ。まだ出るぞ」
「んああああ♡♡ しゅご♡ しゅごいい♡♡ ざーめん♡ ざーめんしゅきいい♡♡」
ろれつの怪しい声で、ライオスの声に応えるティーゼ。常人ならざる精液量に、ティーゼの子宮が耽溺する。ちゅうちゅうと子宮口から積極的に精液を吸い上げ、孕みたい孕みたいときゅんきゅん鳴き声を上げる。
観客たる若者たちは、ライオスの優秀すぎる雄としての姿に脱帽するしかなかった。
「す、すごいな……どんだけ出るんだよ……しかも、めちゃくちゃ濃いじゃねえか」
「上級貴族ってのは、みんなこうなのか……? あれ、絶対に孕んだろ……」
二人の視線を受けて、ティーゼは素晴らしい雄に孕まされる快感を改めて実感していた。なぜ、初めての時はあれほど拒んでいたのか、今ではすっかり分からなくなっていた。
やがて、長い射精も終わる。力を失ったライオスの肉棒が、じゅぼり、と淫液の橋を架けながらティーゼの膣から引き抜かれる。
「ぁん♡ ああ……ザーメン、もったいない……♡」
ごぽりごぽりと、秘裂から塊になった精液が零れ落ちる。熱感が胎の中から抜けていくのを、紅い瞳を伏せ、ティーゼはさみしく思った。
ライオスとしては、快感の虜となったティーゼの姿に、邪悪な笑みが止まらなかった。
「ククク、それほど愛されるとは……私もうれしいぞ」
「ちが♡ ちがう!♡ あ、愛してなんてない!♡ そう、おちんぽ!♡ おちんぽが好きなだけなんだから!♡ おちんぽでおまんこぐちょぐちょされて、体中おまんこみたいになるのが好きなだけなんだからぁ!♡♡」
蕩けた笑みを浮かべながら、ティーゼは紅い髪を振り乱して否定する。しかし、その言が既に常軌を逸していることに全く気付かない。
淫語の知識がない若者二人。彼らは、首を捻りながらも一つだけ、はっきりと分かったことがあった。
「あの女、何言ってるかさっぱりだが、完全に堕ちてるよな……」
「だな……」
「お、堕ちてなんかない!♡ 私が好きなのは、おちんぽと先輩だけなんだから!♡♡」
二人の言葉を聞いたティーゼは慌てて、それを否定する。ユージオのことが好きであることは、誰にも譲れない一線だった。同列に肉棒のことが上がっていることなど、やはり、認識している様子はない。
そこでふと、ティーゼは秘裂に当たる感触に気付く。
「……え、うそ♡ もう回復したの♡ やだ♡ おちんぽ当たってる♡♡」
「ククク、私が一度や二度で満足しないことなど、既に知っているだろう?」
「やぁ♡ やす、休ませてぇ♡ あぁん♡♡」
力を取り戻したライオスの肉棒が、再びティーゼの秘裂に潜り込む。じゅぶぶ、と精液を押し退けて突き込まれる男根に、ティーゼは歓喜の声を上げる。
一方、回復する見込みのない男根をぶら下げる若者二人は、驚愕に目を見開いていた。上級貴族恐るべし。二人は改めてそう思った。
ティーゼの膣に完全に肉棒を埋め込んだライオスは、そんな二人に振り向いて言う。
「そうだ貴様ら。二つ、頼まれてくれないか。一つは、このことは他言無用としたまえ。ああ、思い出して自慰を行うことは許可しよう。そして、もう一つ――」
実質的な命令に、二人は揃って頷いた。
喧噪。行き交う人々はソルスの恵みの中、幸せそうに日々を謳歌している。
そんな彼らに混ざらず、床机に座るユージオは手持ち無沙汰に頬杖を突いていた。
「……ティーゼ、遅いな」
おっきいほうだろうか。などと、大変失礼な事を思いつつ、ユージオはソルスを見上げる。既に中天からは逸れ、お昼時としてはやや遅い時間となっている。
そこへ、不意に声が掛けられた。
「なあ、おい。お前がユージオか?」
「……はい? ええ、僕がユージオですが」
顔を上げた先には、二人の若い青年。彼らは妙ににやにやとした嗤いを浮かべ、ユージオを見下ろしていた。
「おし。なら、お前の彼女さんから伝言だ。心して聞けよ」
「……伝言? ティーゼから?」
彼女、という言葉に若干照れながら、ユージオは不思議そうな顔で首を傾げる。
「へぇ、ティーゼ、て言うのか、あの子……まあいい、伝えるぞ。『急用ができたから自分で帰る』だってよ。残念だったな、色男」
「……え?」
そう言って青年の一人から差し出されたのは、丁寧に折りたたまれた手巾(ハンカチ)だった。受け取って検めれば、確か、ティーゼが愛用していたもののはず。
それを認識した途端、ユージオの怒気を含めた低い声。
「ティーゼを、どうした」
「おぉう……こわ……」
二人の若者はユージオの剣気に当てられ、怯えた表情で後退る。しかし、その怯えの中にすら、どこか見下したような色がある。
片方の若者が、冷や汗を掻きながらも言う。
「う、嘘は言ってないぜ……だってよ、“利益の為に他者を騙す”のは禁忌目録に反するだろ? なんで、それを破らなきゃあならないんだよ」
「……それは」
その反論を封ずる術を、ユージオはもっていなかった。禁忌目録は絶対の掟。それを破ることなどあってはならないし、もしも破っているのなら、“あの時”のように整合騎士が文字通りに飛んでくるはずだ。ならば、ティーゼは本当に、急用ができたのだろう。
「……すまない。少し、早とちりしていたみたいだ」
「いいってことよ。なぁ、それよりさぁ、ちょっと聞きたいんだけどよ」
ユージオが怒気を引っ込めて謝罪すると、反論を口にした青年が、やたらと馴れ馴れしくユージオの肩を組む。その顔には、嘲りの表情がありありと浮かんでいた。
そして、顔を近づけると、ひっそりとした声で、
「……なぁ、あの子と、もうヤってんのか?」
「……ヤってる?」
近い距離の青年に不快感を感じながらも、ユージオは耳慣れない言葉に聞き返した。
すると、
「ばか。性交したのかって聞いてんだよ。お前のモノを、あの子の穴に突っ込んでズコバコしたのかって聞いてんだ」
「なっ……!? ふざけるな!!」
「おおっと」
あんまりな言葉に、ユージオは声を荒げて組んだ肩を振り払った。あんまりにもあんまりだ。それは、ティーゼの名誉を傷つける。ユージオは当然の如くそう思った。
しかし、怒声にも青年はおどけた表情を崩さない。
「聞いただけじゃんかよ-。そう怒るなよ。なあ?」
「そうだそうだ。あの子、めっちゃカワイイじゃん? その彼氏がいるなら、聞いてみたくなるのが人情だろ? 穴の具合はどうだーって」
「そーそー」
二人は卑猥な嘲りを遠慮もなしに、ユージオへとぶつける。その顔は、まるで小動物をいたぶるかのように邪悪に歪んでいた。
ぎり、とユージオは歯噛みする。学院内の修剣士同士であったなら、上級修剣士たるユージオは逸礼行為として彼らを処罰できる。しかし、ここは学院ではないし、二人はただの町人だ。
ユージオは湧き上がる怒りを無理矢理抑え、低い声で言う。
「僕とティーゼは、そんなふしだらな関係じゃない。それに、そういうことは結婚してから、愛を確かめ合う為、子供を作る為に行うべきだ。そうそう簡単にしていいことじゃない」
「おー、お堅いねー、お熱いねー」
「あいをちかいあうー! こどもをつくるためー!」
ぎゃははは、と二人は嗤う。ユージオの言葉など、全く聞いてはいない。
だめだ、とユージオは思った。話が、通じない。
そう理解した途端、ユージオの怒りは、すっ、と冷めた。相手にするだけ時間の無駄。早々にここを立ち去り、学院で剣を振るのが有意義だ。
「……失礼する」
「おやぁ? 童貞がいっちゃうぞー? ぎゃはは」
「童貞! 童貞!」
囃し立てる二人に構わず、ユージオは足早にその場を後にした。
ただ、ティーゼのことは、後ろ髪を引かれるように心配だった。
――金髪の背中を見送った二人の若者は、お互い顔を見合わせ、嗤い合う。
振り返れば、路地裏の隙間に交わる姿。二人の下半身がむくむくと情欲に燃える。
「もう少し見てくっか」
「だな」
雑踏に、雌の鳴き声が聞こえてきた。
(´・ω・`)他の人にも気づかれてたら乱交√だったかも・・・
(´・ω・`)というか、ティーゼちゃん、めっちゃ堕ちてる・・・