えっちなデレマス小話「ふたなりのクラリスと時子の話」 作:Papporopueeee
時子がクラリスに対して寸止めをすることになったようです。
「あっいっ、あっんくっ!」
「なに? イきそうなの?」
「ち、ちが、いぃっ……ま、まだぁ……でっ」
「紛らわしいわね。もっとはっきり言ってもらわないと困るわ」
「んっうぅっ! あ、あっイっイきそうです!」
「あぁん? 今度は本当なの?」
「あ、いやっ、やっ、イきっ、イっっ……!」
「……ぎりぎりセーフってところ?」
呼吸を荒げているものの、すんでのところで絶頂には至らなかったようだ。足をピンと伸ばしながら震えているのは、必死に快感を逃そうとしているからだろうか。まるで猫の伸びのようだ。
「はぁっ……ぁっ……くっ……」
「一応の確認だけれど、イってないわよね?」
「んっく……はい……」
「そう……ところでクラリス。先ほどあなたがイきそうだと宣言をした後、私は二回ほど踏みつけたわよね?」
「は、はい……」
「クラリスがイくと言ってから二回踏みつけてもあなたはイかなかった。つまり、あなたの宣言は寸前ではなかったということになるのだけれど……どう思う?」
「……っ。お、おっしゃる通りです。故意ではありませんが、本当の寸前でお伝えするというのも難しくて」
「そうね。その通りだわ。クラリスの言う通り、昂る快感を冷静に見極めるというのは難しいでしょう。だから、クラリスが本当はイきそうになくても、わざとイきそうだと宣言することで勝負を有利にすることは止めようがない。それが本当かどうかなんて私にだってわからないのだから」
「……何がお望みなのでしょうか?」
クラリスも時子のやり口に慣れてきたようだ。口ごたえも無駄だと悟っているらしい。
「ふふふっ。別に、何も私は望まないわ。ただ、クラリス自身がどう思っているか気になっただけよ。自身が高らかにイくと叫んだ後に二回も余裕を残していたことにね」
「時子さんが納得できないのであれば意味がありません。しかし、私が性感を完璧にコントロールできているわけでもありません……」
真面目に考え込んでしまうクラリス。彼女にとって人に信頼してしまうというのはとても価値のあるものらしい。時子のようなクラリスをいたぶる人間とも、彼女は愛を共有する関係になりたいのだろうか。
敵のために祈りなさい。大層な人類愛だが、それが自身の首を絞めていることに本当に気づいていないのだろうか。
「クラリスがコントロールできないのであれば、私がするしかないわね」
「で、できるのですか?」
「完璧には無理ね。でも今よりも精度を上げる方法ならある」
「そ、それはどのような?」
「仰向けになりなさいクラリス。そのぐしょぬれのクッションを抱えたままね」
「?」
会議室の床の上、クラリスはごろんと転がった。大きなクッションはその細身をより一層際立たせ、体の大部分を隠された姿はクラリスを小柄に演出している。
クッションを抱えたまま無防備に仰向けになる姿はまるで飼い猫のようだ。野生を忘れ、警戒することを忘れ、捕食される側に回った哀れな小動物。その無垢な顔は正にそのものだ。
「愛らしい姿ねクラリス。とても情欲で性器を濡らしているとは思えないわ」
「か、からかうのはおやめください……」
「事実を言っているだけだわ。その容姿に釣り合うちんけな男性器も実にクラリスらしい。今も勃起しているのでしょう? 確か、小指程度の長さだったかしら。ふふふ、そんなところも男児にそっくりだなんてね」
「…………っ」
クラリスはクッションで自身の顔を隠してしまった。
「あらごめんなさい。少しお喋りが過ぎたようね。お詫びに、優しくしてあげるわ」
「……や、優しくとは?」
「あら、怯えているの? 安心なさい。優しくというのは嘘ではないわ」
右足のパンプスを脱ぎ捨て、クラリスに見せつけるように足をクッションに乗せる。胸部から腹部へ、そして陰部へとクッションの上を滑らせると、クラリスは時子の意図を理解したらしい。これから自身を襲う衝撃に備えるように、ぎゅっとクッションを握りしめた。
「そう固くならなくていいわよ。前と違って痛くはないのだから。ほらっ」
「っ? こ、これひゃ、ぁっ」
捏ねるようにクッションの上から性器を踏みつける。クッションにめり込んだ指先に感じる固いものは、勃起した陰茎もどきだろう。記憶通り、大した大きさではない。
「これなら快感をコントロールしやすいわ。クラリスの感じている様子もよくわかるしね。それにクラリスもこっちの方が気持ちいいでしょう?」
クラリスは質問に答えない。悶えるばかりで、時子の声が聞こえているのかも定かではない。
「んっぅ! んぁっ……!」
「……喜んでもらえてなによりだけど、話を無視するのはいただけないわね」
足の動きを止め、指先で陰茎をつまむように撫でる。親指と人差し指の間に挟んだそれをくにくにと弄ぶ。踏むよりも柔く、擦るよりも弱く、クラリスのそれを愛撫する。
「あ、くっ、こ、これ……んっ」
「じわじわと快感が昇ってくるのがわかるでしょう。快感としては弱いけれど、それでも気持ちよさが充填されていっているのが感じられるでしょう。この刺激を、あなたの限界ギリギリまで与えてあげる」
「ふっ……んぅっ、あ、はぅ」
荒い呼吸に混じる嬌声は焦れったそうだ。今まで強烈な快感しか知らなかったクラリスにとって、この焦らしはよほど効くらしい。
「ふふっ、苦しそうね。快感に包まれながら苦しむというのはどのような気持ちなのかしら。負けを認めてしまえば、すぐにでもその苦しみから解放されるわよ?」
「い、いえ……んっだ、大丈夫です」
「その割には腰が浮いているようだけれど?」
「えっ?!」
ミルクをせがむ赤ん坊のようにクラリスの腰が浮き、性器を時子の足に押し付けている。自身の無意識のおねだりに気づいたクラリスは慌てたように腰を引き、その背中をべったりと地面にくっつけた。
「今の、自慰として捉えてもいいのかしら? クラリスが私の足を使って自慰に耽っていたと。まさかシスターともあろうものが人間の足を慰みものに使うだなんて思わなかったけれど」
「……っ……ぁっ」
羞恥と悔しさからか、クラリスの口はパクパクと開閉するばかりで声を発しない。自慰と決めつけるにはクラリスの行動は弱い。ただ腰を上げていただけで、擦りつけるような動きをしていたわけではない。その押し付けも弱々しく、それによって得た快感など高が知れているだろう。
しかし、クラリスが自身の屹立したした性器を時子に押し付けたのは事実だ。それは淫行にあたる行為であり、無意識だろうと事実は覆らない。
「まあ、今のはノーカウントということにしておきましょうか」
「……よ、よろしいのですか?」
時子の目的はクラリスを負けさせることじゃない。クラリスに自身で性欲を処理させることだ。それに時子はクラリスを信用していないし、例えクラリスが勝とうとする気もない。
そもそも信用とは勝負の結果ではなく、行動によって得るものだ。だから、クラリスが負けたとしても、その過程によっては信用する可能性がないわけではない。万が一にもありえないだろうが。
「ええ、その代わりペナルティはもらうけどね」
「……こ、今度は何をすればよいのですか?」
「そうねえ……実況でもしてもらおうかしら」
「じ、実況?」
「例えば……この状況とかね?」
「んっくぅ……っ」
「ねえ、クラリス? 今どんな気持ち?」
「っん……き、きもちいい、です……」
「それだけじゃ実況とは言えないわね。もっと細かく、具体的にお願いするわ」
「くっんっ……と、時子のさんの、足が性器を刺激して、そ、それが、少しもどかしいような、そんな気持ちよさです……んぅっ」
クッションからはみ出ているクラリスの耳が真っ赤になっている。快楽責めに羞恥責めまで受けているのだ。今クラリスの体で赤く火照っていない箇所などないだろう。
「まだ具体性が不足しているわ。言葉だけで状況がありありと思い描けるくらいにお願いしたいものね」
「そ、そんな、あぁぅっ」
「ククク、可愛そうに。クラリスはどうやら快楽に思考がやられてしまって、まともに話すことができないようだわ。ここは一度イカせてあげて、快感と回数をリセットさせてあげるのが情けなのかしら」
「ま、まっきゃぅっ!」
「わからないわね。クラリスにとってなにが気持ちいいのか。どんな動きに弱くて、どこを責められるとイってしまいそうになるのか。教えてもらわないとわからないわ」
「あ、そ、それっ! そ、それはだ、だめっくぅっあっ!」
どうやらクラリスは陰茎を指で挟み、踏みながら上下に擦るのに弱いらしい。恐ろしくわかりやすく態度に出ている。
「だめって、いったいどれのことかしら? まさかこれのこと? ねえクラリス?」
「あっ、イッちゃっ、い、お、イっ……っ!」
「ん?」
「おちんちんを擦らないでぇぇっっ!」
部屋に響き渡る絶叫。爪をクッションに食い込ませ、衝撃を逃がすように腰を高く上げた姿勢で、クラリスは叫んだ。
痙攣をしていないことから、ぎりぎり絶頂には至っていないのだろう。本当にギリギリのところで、クラリスは耐えきったようだ。
「はぁっ……はぁっ……」
「く、ククク、あーっはっはっはっ! よりにもよっておちんちんだなんて! クラリス、あなた最高のセンスだわ! 会社の会議室で! 同僚の前で! 成人した女が! 子供の駄々のようなことを叫ぶだなんて! しかもその粗末なものにぴったりときたものだから、ククッ……まさか本当に思春期じゃないでしょうね、あなた!」
「ふぅっ……はっ、うっ、はぁ、はぁっ……っ」
時子の嘲笑に構う余裕もないらしい。クラリスは必死にその呼吸と体を落ち着けている。
「ククッ、せっかくだわ。イっていないことの確認がてら、そのおちんちんを見せてもらおうかしら? もちろん、まだ勃起し続けているのでしょう?」
クラリスは抵抗する素振りも見せず、クッションを顔の方にずらして下腹部を晒し始めた。疲労と快感の残滓に耐えながらゆっくりとスカートとタイツを脱ぎ、小さなふくらみを見せるショーツも脱ぎ捨てた。
そこには二週間前に見た性器が変わらぬ姿でてらてらと濡れ光っており、打って変わって二週間前に見たあるものがすっかり消え去っていた。
クラリスの性器は隠されることなく丸見えになっている。無造作に生えていたアンダーヘアがなくなり、そこにはつるつるとした恥丘があるだけだった。
確かにクラリスは言っていた。時子に言われて剃毛を始めたと。しかし無毛にまでしているとは思わなかった。
「クククッ、まさかここまで子供並みなんてね。本当に笑わせてくれるわ」
「は、ふっ……わ、私は何か間違えてしまったのでしょうか?」
「いいんじゃない? 私の意図とは違ったけれども、とてもお似合いよクラリス」
穢れを知らない一本筋の女陰。ちっぽけな陰茎。生え始めてもいないようにつるつるな陰部。それらはあまりにもその貞淑さに似合っている。
最も、今の状態はその見た目の幼稚さとあまりにもかけ離れているのだが。
がちがちに勃起をしている陰茎は自ら吐き出した愛液に塗れながら、いまだにどろどろとした粘液を零している。ぴったりと閉じた割れ目からも濁った愛液が滲みだしており、陰茎からの分泌と混ざりながら床に溜まっている。あまりにも淫靡な光景だ。
「ふふふ。それじゃあ勃起も確認できたことだし、最終ラウンドといきましょうか。面白いものを見せてくれたお礼に、サービスしてあげるわ」
「サービス……?」
ねちゃりとした感触が足の裏を這いずる。クッションを挟まない、薄いストッキング越しから陰茎の熱さを感じる。ストッキングにクラリスの愛液が染み渡っていき、汚されるような感覚が不快だ。そしてそんな不快感を補ってあまりあるほどに、気分がいい。
指先を陰茎に這わせると、それは喜びに涎を垂らして歓喜に震える。爪先で先端をカリカリとひっかいてやると、それは楽器のように鳴きながら体を震わせる。足を浮かせてやるだけで、それは名残惜しそうに腰を浮かせる。
「ひゃっ、ぁひゅ、くぅっ、んんっ!」
「なに? ただ撫でてるだけだと言うのにもうイきそうだと言うの?」
「な、んっ、こ、これぇっ、だ、んくぅっ」
「人の言葉で話しなさいな。何がダメなのかはっきりと言ってもらわないと、私にはこれっぽっちも伝わらないわ」
「さ、さきっ、さ、さきっちょ……っ! さきっちょやめぇっ、やめてくださいっ!」
「あら、クラリスは先端がお好みなのね。それじゃあ、じっくりと味わってもらおうかしら?」
「んっ、あぁっ、くふぅんっ」
指の腹で鈴口を擦ってやると、むず痒そうに腰をくねらせ始めた。くねる動きが鬱陶しいので逃げられないように指で陰茎を掴んでやり、液をたらし続ける亀頭を指先で優しくひっかいてやる。
「どう? これくらいなら話すくらいの理性は残ってるかしら?」
バタバタと暴れながらも陰茎を掴まれ逃げられないクラリス。それでも今までに比べれば刺激が弱いからか、次第にクラリスは呼吸を整え始めた。
「はぅっ、くっ、ん……あ、あついです……! い、陰茎があつくて、しびれるような、はぁっ!」
「陰茎? そんな言葉づかいは今のクラリスには似合わないわね。さっき大声で叫んだ言葉は忘れてしまったの?」
「……お、おちんちんが、な、無くなってしまいそうな、そんな感覚ですっんぅ」
「それは好都合ね。クラリスも無くなってしまった方が嬉しいでしょう? ほら、ほらほらほら」
「あ、やっ、あ、あついのが、ひ、広がって、はぁ、んっ!」
徐々に指の動きのペースを上げていく。優しく、淡く、それでもしっかりとそのむき出しの先端を擦る。クラリスの中に少しずつ快感を溜めるように。じっくりと絶頂へ追いやるように。
「あ、ど、どんどん熱いのが昇ってきて、はぅ、体の感覚も、まるで宙に浮いているような……っ」
クラリスが今まで経験したものとは違う、冷静な頭を残した状態での快楽。クラリスは今、自身が快楽にはじけ飛びそうになるのをしっかりと認識しながら、抵抗できずにただ為すがままにされている。
「い、いや、はっくぅ、こ、こわいです。と、時子さん、わ、私、あぁっん!」
「怖い? 気持ちいいの間違いでしょ? ほら、正直に言いなさいな」
快楽は確実にクラリスを蝕んでいる。性器からの快楽が下半身から上半身へとゆっくりと侵攻していくように。その汚染から逃れることはできず、やがてクラリスの脳まで届いて理性を吹き飛ばす。その過程を、クラリスはじっくりと体験している。時限爆弾のカウントダウンを、目を瞑ることも許されないままに直視させられている。
「き、気持ちいいですっ、で、でも、こわいっ……! あつくて、気持ちよくて、感覚がどんどんなくなっていっていて……! いや、いやいやいやいやっ! いやぁっ!」
「っ!?」
突然クラリスは激しく抵抗し始めた。足を弱々しくぶんぶんと振り回し、駄々をこねる子供の様に腰をひねって、時子から逃げ出そうともがき始めた。
咄嗟にクラリスの両足を捕まえ、時子に向かって投げられたクッションも叩き落とす。
「このっ、急になにを……っ?」
「いやぁ、離してくださいっ……うっくっ、いやぁっ!」
クラリスは両目から涙を零していた。その顔を隠すこともなく、ただ逃れたい一心で、懸命にもがいている。
クラリスの陰茎もどきが特殊なせいなのか。それともクラリスの今までの性体験のせいなのか。クラリスにとってゆっくりとした快感は余程の恐怖らしい。
涙を流すほどに。勝負から逃げ出してしまうほどに。あのクラリスが時子にクッションを投げつけるほどに。
その姿は憐憫を誘うものだ。クラリスがここまで嫌がるのだから、ここで止めてあげよう。そう思うのが人情なのだろう。
けれど時子は、どうしようもなく高揚する己を自覚していた。
「あらあら、あらあらあらあら……まさか泣いてしまうなんて。ククッ、イくのが怖いだなんて、まるで箱入りの生娘のようね、クラリス」
「も、もうっ、んくっま、負けでいいです! 私の負けでいいですから! だ、だからもう、ひゃぁっ!」
「そんなこと言わないで、ほら、もうちょっと頑張りなさい。せっかくここまで我慢したんだもの。ここで諦めるだなんてもったいないわ」
椅子に腰かけ、片足でその陰茎を踏みつけ捏ねまわし、もう一方の足で先端を指の腹でひっかきながら撫でまわす。女陰からぴゅっぴゅと漏れ出る潤滑液を陰茎に塗してやり、その鈴口からの愛液を上からコーティングする。
両足を掴まれているクラリスは逃げることも抵抗もできないまま、駄々をこねる子供のように泣き叫んでいる。
「あぁっ、イ、イく、い、イきそっ、あくっ!」
「そうなの? それじゃあ、もっと力を弱めた方がいいわね」
「っ!? い、いやぁっ……も、もうイかせてください! も、もう、ゆるしてっ! んんぅっ」
「寸止めなのだから、ギリギリでないと意味がないでしょう。閾値の寸前、息を吹きかけただけでもイってしまいそうになるその間際。ゆっくりと、じっくりと、時間をかけて、導いてあげるわ」
「あぁ、あぁっ、うぅあっぁあぁっ!」
恐怖に顔が歪み、快楽で表情が蕩けている。
気持ちいいのは当然だ。今まで性体験をしてこなかったクラリスにとっては今のような優しい刺激がちょうどいい。握りつぶされかけたり、踏みつぶされかけたり、床とセックスするよりも健全な刺激だ。だから、クラリスにとってこれは最高の快楽だ。
怖いのも理解できる。今まで碌な性体験をしてこなかったクラリスにとっての絶頂とは、強すぎる刺激によってメーターが振り切れた末の結果でしかなかったのだから。だから、今の優しすぎる快感はまさに真綿で首を絞められる心地なのだろう。
「あっ、イっ、いくっ、いっ……あぁあっ、も、もう、やめぇっん!」
絶頂しそうになれば力を弱め、また絶頂しそうになれば更に弱い刺激を。すでに時子の愛撫も極限まで弱くなっており、もう亀頭をちょんちょんと弾く程度にしかクラリスに触れていない。
「いやぁ……はぅっ、んっ、いやぁいやっ……イっ、く……んぁっ」
クラリスはもう時子を見ていない。恐怖から、現実から逃避するかのように虚空を見つめ、ただ声を漏らし続けている。
クラリスは絶頂を懇願した。その緩やかな快楽に恐怖し、楽にしてくれと叫んでいた。腰を浮かせ、時子の足による愛撫をせがむかのような挙動も見せた。
それでも、事ここに至ってもクラリスは自慰をしていない。イこうと思えばいつでもイけたはずだ。快楽を得る手段は理解しているのだから。拘束などしていない。両手を使うこともできたし、本気で腰を時子の足に擦りつけることもできた。
楽になることはいつでもできた。その恐怖から逃れることも容易に出来た。それでもクラリスはそれをしなかった。
クラリスは時子に許してくれと懇願はしても、決して自身の手で楽になる事を選ばなかった。
「最後の確認よクラリス」
「いや、もう、いやぁっ……!」
「これから私はあなたに対して何もしない。その陰茎を刺激することもしないし、触れることもしない。イく寸前のあなたをイかせるような行為は何もしない。だから、あなたがイくには自慰をしなければならない。ここまで高めてきたあなたの興奮を静め、溜まりに溜まった快楽を発散させ快感を得るには自慰しか方法がない。この状況であなたは自慰をするのかしら?」
「はっ……ふっ……うぅっ……」
呼吸を必死に整えながら、クラリスは時子を正面から見つめた。その視線を、時子も正面から受け止める。
クラリスの目尻から、涙が一筋零れ落ちた。
「はぁっ……し、しません……。と、時子さんが、こ、これ以上何もしないのならば、私は、何も……っ! ひゅっ、ふぅ……ただ、気持ちが落ち着くまで待つだけです」
時子を正面から見据え、クラリスは己の勝利を断言した。
「そう……なら勝負はこれで終わり。勝者はクラリスよ、おめでとう」
「お、終わり……。ほ、本当に……もう、終わったのですか?」
「ええ。あなたは見事に耐えきったわ。どれだけ性的快感に追い詰められようとも自慰をしなかった。その自我を保ってみせた。認めるわ。クラリスは衝動に駆られ動くような人間ではないと」
「はぁ……ふぅっ……あ、ありがとうございます……」
クラリスは満身創痍の様相だ。勝利の喜びよりも、安堵の方が大きいのだろう。これで終わったのだと、クラリスは信じ切っているらしい。
「それじゃあ、勝者へのご褒美をあげましょうか」
「……ごほうび?」
勝者にはその報酬を。それは当たり前のことだ。そして、最後に笑うのは勝者ではなく主催者である。これもまた当たり前のことだ。
「クククッ、自分の言ったことを覚えていないのかしら。クラリス、あなた言っていたでしょう。恐怖に駆られて怯えながら、私に向かって大声で、懇願していたじゃないの」
安堵を浮かべていた表情が曇り始める。最初から望み通りの展開などありえなかったのだと、クラリスは今更気づいたようだ。
「ち、ちがっ……あれは、時子さんが……っ!」
「いいのよ、恥ずかしがらなくて。あなたの痴態なんてもう飽きるほど見たから。さあ、思う存分イき狂いなさないな」
イかせてほしいと、クラリスは確かに言っていた。あの清楚で敬虔なクラリスがだ。だったら、見事耐えきり勝利したクラリスを思いっきりイかせてやる。それが人情というものだろう。恥ずかしがっていても、嫌がっていても、苦しんでいたとしても。
「いや、やめ、やめぇ、あぁっ!」
「安心なさい、ちゃんとわかっているわ。ゆっくりとした優しいやり方は嫌なのでしょう? だから、強く踏みつけてあげる」
右足で陰茎を踏み、左足で亀頭を擦るように踏む。跳ねる腰を押さえつけるように、逃げ出そうとする意志を踏み潰すように。愛液でネトネトになっている陰茎は強く踏もうとすればするほど滑り、踏む力は摩擦に代わってクラリスに襲い掛かる。もしもあの陰茎が女性の陰核並みに敏感なのだとしたら、クラリスは通常の女性では味わえない快感に包まれていることになる。通常の大きさの陰核では、とても両足で踏むように擦るなんてできはしないのだから。
「イぃっく、イくっ、ん、くっ、あぁっ!」
「いいわよ、イって。そして神様とやらに教えてあげなさい。クラリスは淫乱な女ですってね」
体が勘違いしているのか、クラリスの膣はどろどろとした白い粘液を必死に吐き出している。まるで自身に快楽を与えるペニスを包みこんで愛そうとでも言うように。何も挿入もしていないのにヒクヒクと、健気にペニスを締め付けている気になっているのだろう。
「だ、だめ、あぁ、イっ、イっちゃ、イくぅぅぅんんぅぅっ!」
弓を引き絞るように背中を反り返してクラリスは果てた。鈴口から勢いよく分泌液が噴出し、それらがクラリスの体を汚していく。さらさらとした金髪にもべっとりと粘液が飛び散っており、顔もどろどろになっている。
「早かったわね。そんなに待ち望んでいたってことかしら」
「あ、ぁくっ、か、ひゅっ……っ!」
「余韻に浸っているところ申し訳ないけど、次を始めるわね」
「っ!? んん、くぅぅっ!」
「クラリスは自慰に頼らない心の強さを証明した。その陰茎による性欲によってどれだけ苦しもうとも、クラリスは決して自慰をしないのでしょう。……クククッそれは素晴らしい心の強さだと思うけど、同時に哀れだとも思うわ。耐えることができてしまうクラリスは苦しみ続けることになるのだから。むしろ心が弱い方が幸せだったかもしれないとも思えてしまう。だから、これは慈悲でもあるのよ。今だけは勝者として好きなだけ快楽に溺れられるようにね」
「そ、そんな、あぁっ……んっ! あっあぁっんんぅっ!」
「さて、あと何回イかせてあげようかしら。人間そう簡単に服上死なんてしないでしょうし、とりあえず二桁ってところかしらね?」
「ふ、ふっ!? あっくっ! い、イくぅっ!」
二回目の絶頂。陰茎から噴出される愛液は前回よりも色が濃くなっており、粘度も上がっているようだ。クラリスの顔はその肌が見えなくなるような有様で、垂れる液体はいつまでも糸を引いている。
何度も寸止めをしていたからか絶頂の感覚が短い。この調子なら後数回はすぐに達してしまいそうな勢いだ。
「これで二回目。三回目もすぐにイけそうね。どうせならタイムアタックでもしてみる?」
「……わ、わかりまし……た」
「……」
「じ、自慰を……します……。そ、それで、よろしいですか?」
ここで粘っても意味がない。我慢をしようと報われるわけじゃない。そんな選択肢は最初から道がない。クラリスはそれを理解した。結局は時子に従うしかないのだと。抵抗も、努力も、全て無駄だったのだと。
「……嫌々やるかのような言い草ね、クラリス」
「……?」
「私が自慰を勧めた時、あなたはそれを拒否した。拒否された時は腹立たしく思ったけれども、我慢強さを知ってその意思を尊重しようと思い直したのよ。だと言うのに、今度は何かしら。舌の根も乾かない内に、今度は自慰をするですって? しかも、まるで私にやらされているかのような言い方じゃないの、えぇ?」
「んくぅっ!?」
「裏切られた気分だわ。敬意を表していたというのに。自慰をしないあなたの苦しみを慮って、足が汚れるのも構わずに愛撫してやっているというのに。その仕打ちがその態度と言うのかしら?」
言わずもがな、クラリスは時子に自慰を強制されている。クラリスが自慰をすると言ったのは、そう言わないと時子から踏まれ続けるからだ。けれどそんな言い分は通らない。この場を支配しているのが時子である以上、時子がルールなのだ。
敗者だろうと勝者だろうと、支配者には敵わない。ルールによって支えられているやつらは、ルールを作った人間を超えることはできない
だからこの場でクラリスがどんな抗議をしようと無駄であり、その事は既に理解しているらしい。諦めたような口調で、クラリスは口を開いた。
「ど、どうすれば良いのですか……?」
「単純なことよ。したいことがあるのならはっきりと口に出しなさい。そしてその行為が他者に干渉するのなら、懇願しなさいな。その態度が気に入れば、私も聞き入れる気になるでしょう。そうでなければ、私はこの行為を続けるだけだわっ!」
「んぅっ!」
「それじゃあ、タイムアタック開始といきましょうか」
「ま、あぅっ! 待って……くださいぃっ! さ、させてください! じ、自慰をさせてくださいぃっ!」
せっかくのクラリスの売春婦さながらの言葉を遮る理由もない。時子は足の動きを止め、その耳を傾けた。
「何か言ったかしら?」
「はぁ、ぅっ……じ、自慰をしたいんです。お願いです……私に自慰をさせてください」
「ふぅん……」
「うぅ……だ、だめでしょうか?」
「……どんな風に?」
「ど、どのようなとは……」
「具体的にどのような自慰がしたいのか教えてほしいものね。それと、あなたのような淫乱な女に自慰だなんて言葉は似合わないわ。オナニー……そう言ってみて頂戴」
「……お、ぉっ、オナニー……」
オナニーも淫らな言葉というわけではないが、自慰よりも抵抗があるだろう。現にクラリスも言い淀んでおり、その表情にも羞恥が増している。まるで少女の様に目を反らし、視線から逃れるように腕で顔を覆っている。
「そう、あなたのような女にはそれが相応しいわ。それじゃあ聞かせてもらえる? クラリスがしたい自慰はどんなものなのかを」
「……ぉっお、おちんちんを、クッションに擦りつけるオナニーがしたいです……っ」
「ふふっ、あれがクラリスは気に入ったのね。そんなに気持ちよかった?」
「は、はぃ……」
「人に恥ずかしげもなく懇願してでもしたいの?」
「……っさ、させてはいただけないですか?」
「いいえ、好きなだけするといいわ。見ててあげるから、安心してみっともなく自慰をしなさい」
「……ぁ、りがとう、ございます」
クラリスは転がっていたクッションをその胸に抱くとうつぶせになった。丸出しの尻がまた滑稽だ。臀部の筋肉がひくひくと痙攣しているのは、快感を受けすぎたせいだろうか。
クラリスが躊躇なくその尻を晒す姿を見て、時子の中にある疑問が湧いてきた。
「ちょっといいかしら?」
「……?」
「腰をこちらに突き出してくれる? その卑猥な液に塗れた陰部を晒すようにね」
「っ……。な、なぜですか?」
「理由なんてどうでもいいでしょう。重要なのは私がクラリスにお願いをしたということだけ。あとはクラリスがどうするか、それだけよ」
「…………こ、こうでしょうか?」
長い沈黙の後、クラリスはゆっくりと、猫が伸びをするに腰を突き出した。挿入をせがむ淫蕩なメス豚のような、クラリスのイメージとはかけ離れた格好だ。
「次は、そのポーズのまま両手で広げてもらってもいいかしら?」
「広げ……なっ、 ま、まさか!?」
「勘違いしないでほしいのだけれど、私はクラリスの肛門と膣口になんて興味ないし、そんなべとべとの愛液塗れのもの見せつけられるのも不快だわ」
「そ、それならどうして……!」
「さっきも言ったでしょう? 理由なんてどうでもいいのだと」
「っ……、し、しかし……っ」
「いいのよ、そんなに嫌なのなら広げなくても。これはただのお願いなのだから。そう、ただお願いしているだけ。嫌なのならしなければいいだけ……そうでしょ?」
これは試金石だ。クラリスの中で時子の言葉がどの程度の力を持っているのかを示す。従わなければ何をするとも言っていない。脅迫ではない純粋な要求。
時子の前で人としての尊厳をクラリスが捨てるのかどうか。もしも捨てたなら、クラリスは時子に従属したと言っても差し支えないだろう。二度と覆らない上下関係を、二人で築いたことになる。
「…………っ。……で、でも……っ」
「……」
「……ぁ、あぁ…………」
クラリスは広げた。細い十指を柔らかな肉に食い込ませ、臀部と大陰唇を左右に引っ張って、その内部を時子に見せつけた。
広げられた膣口から愛液が垂れ落ち、糸を引いて落ちる。内部に余程溜まっていたのかその漏洩は止まる様子を見せず、クッションとの間に橋を架けている。空気に晒された敏感な直腸は早く指を離せと言うようにひくひくと動いている。そんな状況でも陰茎は勃起しており、愛液を垂らしながら腹にくっつきそうなほどに反り立っていた。
クラリスは今、人ではなくなった。少なくとも時子の前では、彼女は対等な存在ではない。
「……クククッ」
「も、もう……もうよろしいですか?」
「ええ、ありがとう。もう思う存分を自慰に没入してくれて構わないわ」
「は、はい……」
クラリスは焦ったようにクッションに挿入すると、躊躇することなく腰を動かし始めた。もはや自棄になっているのか、もしくは早く終わらせたいと必死になっているのかもしれない。
「情熱的な腰つかいね。クッションも喜んでいるんじゃないかしら?」
「はぁっ、んっ、くぅっ、あぁっ!」
時子の言葉も意に介さず、クラリスは自慰に集中している。自身が最も気持ちいいと感じる箇所を探りながら、性感を高めて快感を充填していっている。
もう羞恥心なんて気にしていられないのだろう。喘ぎ声を我慢することもなく、むしろ性感を高めるようにクラリスは腰を振りながら鳴いている。
「犬のようね。人に見られているのに情事に励む姿なんてまさに犬さながら。少しは羞恥を持ってほしいものだわ。ねえ、クラリス。そんなに夢中になるほど気持ちいいの?」
「は、はぃ……っ、き、気持ちいいぃ、で、すぅっ!」
すっかりクラリスは時子に忠実だ。素直に自身が快楽に耽っていると答えるほどに。
時子はクラリスの正面に回り込んでしゃがみ込む。喘ぐクラリスと対面するように、その顔を正面から見据えた。
「っ!? んぅ、と、時子、さ、さん?」
「クラリス、もう一度聞かせて? おちんちんがそんなに気持ちいいの?」
「っ……は、はい……」
「視線を逸らすな」
「っ! お、おちんちんが気持ちいいですっ……」
「自慰ができて嬉しい?」
「おぉ、オナニー、がで、できて、んぅっう、うれしいですぅっ……」
「そうなの。素直に答えて偉いわね」
「んっ!」
芸を覚えた犬を褒めてやるように、その頭に手を添え撫でてやる。満更でもないのか、クラリスは撫でられるがままで抵抗もしない。むしろ頬が緩んではにかんでいるようで、喜んでいるようにも見える。
そんなペットのような愛らしい仕草とは裏腹にピストンのペースが上がっていく。呼応するようにクラリスの語気も激しく淫靡になっていき、絶頂が近いことが見て取れた。
「もうすぐイきそう?」
「ま、まだっ、も、もうすこし……あっ、イ、イっきそうですっ」
「イってもいいのよ。人の前ではしたなく自慰をして、シスターでありながらクッション相手に腰を振って。そんな情けない姿を見ていてあげるから。みっともない表情も、酷い痴態も。見ててあげるから。イきなさい、クラリス」
「イ、イク、と、時子さんっ、んくぅっ、ああぁぁっ!」
時子に頭を撫でられながら、時子の顔を見据えながら、時子に見られながら、クラリスは果てた。
「──っはぁっ、んっ!」
愛液を出し切るように、クラリスは腰を深く挿入している。びくびくと震える度に愛液を吐き出しているのだろう。蕩けた表情からもその気持ちよさが伺える。
やがてクラリスはクッションに倒れ込んだ。細かく痙攣していることから、まだ絶頂の余韻が残っているのだろう。かすかに吐息交じりの喘ぎ声も聞こえている。
「初めての自慰を終えた気分はどう?」
クラリスは答えない。答える余裕がないのか、それとも答えたくないのか。
「性欲はもう治まったかしら?」
こくんとクラリスは頷いた。うつ伏せになっているので表情はわからないが、様子を見るに快感や性欲よりも疲労感が大きそうだ。クラリスが今日絶頂した回数を考えれば当然だろう。
「そう、ならこれでわかったでしょう。性欲をどうにかしたければ処理をするのが最も効率的だと。そして手っ取り早いのが自慰であると。それが体で理解できたでしょう?」
一呼吸程度の間を置いてクラリスは頷いた。
「自室で一人で自慰をしても誰もそれを知ることはない。だから何も恥ずかしいことはない。所属している宗教の慣習だかルールも関係ない。クラリスは今日、自慰をしたのだから。快楽を貪って、夢中になって腰を振って。淫乱な女であることを認め、自覚したのだから。そうよね?」
クラリスは頷かなかった。その代わりに、呼吸を荒げたまま口を開いた。
「……はい。時子さんの言う通りです。私はその罪深さを認めながら快楽に、自ら身を委ねました。きっかけはどうであれ、私は……オナニーを気持ちいいと思いながら行いました……。私は……私はっ──」
「でも、それは汚点ではないのでしょう?」
「え?」
「一度の失敗が人生を決めるわけじゃない。あなたが言ったことよ、クラリス」
クラリスが項垂れていた顔を上げる。汗と涙、それと己の愛液で汚れた顔。口の端は絶頂の余韻でまだ少し震えている。
「自身が辛い状況に置かれているという自覚はある? 生前から持ち合わせていたそれと、原因不明の性的興奮。そんな状態で普段と同じように過ごすなんて非合理的よ。体調が悪いのなら休む。それが誰にとっても当たり前で、あなたにとっての自慰はそれと同じこと。そうよね?」
「時子さん……」
人の感情は上書きされやすい。どんな罵詈雑言を吐かれても、むしろ言葉が酷ければ酷いほど、後の甘言は容易く染み渡る。
快楽の教育と、自慰に対する印象操作。これでもクラリスが自慰をしなければもう時子の手には負えない。切除させるしかない。
「……時子さんの言う通り、私が意固地だったようです。助言を否定までして、私がしたいことはなんだったのか。じ……オっ……それをしないことの意義を考えるべきでした」
「意義ねえ」
「自慰をしないこと。それは──」
「言わなくていいわ。それはクラリスの中に大事に秘めておきなさいな」
そんなことに興味はない。それに、クラリスの説教臭い話を聞く気もない。
「そうですわね。これはあくまで私個人の思い。人様に聞かせることでもありません」
「わざわざ会議室に呼び出した要件はこれで終わったわね? 私は帰るから、適当に後片付けをしておいてちょうだい」
「あ、お、お待ちください! その、私のこの格好はどうすれば……」
クラリスの衣服は度重なる情事によりぐっしょりと濡れており、どろりとした粘液に塗れている。この部屋に着替えなどあるはずもなく、室外に出て人目に触れれば時子も諸共に処罰もあり得るだろう。
「……そうねえ」
視界の端にウォーターサーバーが映る。タンク部分が取り外し可能なタイプであり、水の残量もある。
時子の意図に気づいたのか、クラリスが口を挟み始めた。
「あ、あの……そ、それはさすがに、きゃぁっ」
有無を言わさずクラリスの頭上から水を垂れ流す。タンクが空になる頃にはクラリスの衣服に濡れていない箇所はなくなり、粘液も洗い流されていた。
「これなら外に出ても問題ないわね?」
「は、はい……」
「濡れた理由とか、床の水たまりとか、そのクッションの始末とか、全部任せるわ。それじゃあさよなら、クラリス」