自分してはかなりえろく濃厚に書いたつもり。前半は過去の回想とメガトンでの会話等ですが、初めて濡れ場を書く辺り、様々な作品を参考にしました。
うまく出来てればいいのですが・・・。
2275年8月 旧ネヴァダ州マッカラン空港(NCRに接収され、軍事基地に)
NCRで製造された武器や弾薬、衣類や食料がマッカラン基地に運び込まれる。それらは旧軍が使用していたトラックを再利用して使われている。殆どはマイクロフュージョンセルを動力源として使用しており、多くの車列が出入りを繰り返していた。そんな、食料満載で弾薬や衣料品があるトラックは宝の山に見えるだろう。マッカラン空港からそう遠くない西に位置する廃墟では薬によって凶暴化したフィーンドと呼ばれる部族が、キャラバンや行商人、時には武装したNCR兵士まで攻撃を加えてくる。この時も、彼らは草食動物を狩ろうとする獣の如く、襲いかかる瞬間を待つ。
一発の銃弾が走っているトラックのフロントガラスに命中し、作業兵はマニュアルに基づいて停止してしまった。
「新鮮な肉だぁ!」
「ヒーハー!殺しだ!」
フィーンド達は奇声を挙げながら、車列へと突撃する。しかし、NCRは奴らに餌を与えるわけではなかった。車列の最前列と後方と中央には旧軍が試作していた軽装甲戦闘車が待ち構えていた。
(敵の数は約一個小隊!車内から出るなよ。銃手は撃て!)
無線から響いた指揮官の声が響き渡り戦闘車両の上にあった機関銃からは50口径の大口径弾が発射されて、フィーンドの身体を引き裂いていく。戦闘車に乗り込んでいた兵士達も窓を開けて銃を出し、一斉射撃を加えた。ヤク中の集団が軍事訓練を積んだ兵士達に叶うはずもなく、突撃した大多数が死に、撤退していく。
(射撃中止!無駄弾は撃つなよ!)
硝煙と錆びた鉄のような血の匂い。車列の中央にあるむせ返るような車内の助手席から一人の兵士が顔を出す。NCR国内にある兵器製造会社が製造した戦前の防弾プレートを多く使用した茶色のレンジャーパトロールアーマーを着、茶髪を短く丸刈りにした兵士は持っていたマークスマンカービンを構えつつ車内から出てきた。
兵士は助手席の窓から無線機を取りだした。
「各員状況報告!」
(こちらAlpa1-1、異常なし)
(こちらAlpa1-2、車体に何発か撃たれましたが無事です)
(こちらAlpa1-3、フロントガラスにヒビが入りました。)
レンジャーの男は安堵のため息を出し、トークスイッチを入れる。
(こちらAlpa leader,これより基地に入る。損傷報告は各自、整備兵に報告し、弾薬消費を申告しろ。out)
男は前方にいる車両に合図を入れて、動かすよう命令する。車列は動き始め、男は助手席へと戻った。
「報告には聞いていましたが、フィーンドってどっかの部族にそっくりです」
「そうか?」
運転席に座っていたスラヴ系の女性隊員はフィーンドの死体を見て呟いた。しかし、男はフィーンドのようなヤク中は初めてであったが為に言葉を濁す。
「撃っても、怯まず突撃してきますよ。まるでリージョン兵です」
「奴等は薬で痛覚が麻痺しているし、正常な思考など持ち合わせていないんだろう。リージョンは全ての兵が屈強な兵士として訓練されているからな。フィーンドも面倒だが、リージョン兵は腕の一本や二本を覚悟しないと生き延びられない。」
男はリージョンと言う単語の響きに頬や肩の古傷が疼き出す。マチェットの斬撃や44口径弾を食らった時の光景を思い出し、持っていたマークスマンカービンを握り締める。弾倉と機構内に入っていた弾丸を抜き去っているため、暴発することは無いが、入っていれば男の顎は吹き飛んでいる所だ。
「レンジャー殿の前回の任務は?」
「キャンプフォーロンホープの警備。・・・・彼処は何時までたっても地獄だよ。何度コイツに救われたことか」
幾つもの戦場を手にしたマークスマンカービンで戦ってきた。幾つもの改造を施し、フルオート機構も搭載してあるライフルだ。男はダッシュボードに転がっていたクリップボードの紙を見る。
「そう言えば君の名前は?」
「言いましたけど、忘れました?」
ハンドルを握り締める隊員はちらりと男の顔を見る。目鼻立ちがくっきり整った顔立ちに少し日焼けした肌。ソバカスがあり、余り見掛けない銀色の髪が窓から流れる風に煽られ舞い上がる。男は長髪がタイプなのでボーイッシュに切られた隊員の髪が伸びたらどうなるのだろうかと想像する。
「えーと・・・」
男は物覚えは良い筈なのだが、気を抜くと話を聞かない所があった。レンジャー訓練では教官から誉められることもあったが、重要でなければ忘れてしまう。
隊員の名前など特に覚える必要も無いだろうと、すっかり忘れていたのだ。
「ミーシャ・ステファノフ伍長です。始めに言いましたけど?」
「伍長は覚えていたんだがな・・・」
と言うのも嘘で、自分よりも階級が下か部隊で分隊長クラスか否かで覚えるため階級も覚えていない。男はまだ20代半ばであるのに記憶力は老人並みと所属部隊から弄られていた。
男はクリップボードの中身を確認する。そこには輸送部隊の人員と物資のリストが書かれており、レンジャー候補の隊員のリストも書いてあった。
最近ではレンジャー候補の兵士はバハのレンジャー教練施設ではなく、モハビや最前線エリアに連れていかれる事が多い。それは、教練施設で脱落者を減らすため、先に前線でスキルを磨いた方がレンジャーの素質を見い出しやすいという上層部のやり口だ。実際は予算を減らすために選抜方法を戦場に求めたに過ぎない。
「ん?・・・紙が引っ付いてやがるな」
NCRでは古本をリサイクルして書類の紙を使っている。核戦争で殆んどの木が燃えてしまっているためだ。幾つか生えているものも存在するがこれ以上減らすわけにはいかない。なので軍では再生に再生を重ねた紙を使用する。だが、それをパソコン印刷に掛けるとき、リサイクル用紙が印刷した後くっついてしまうことが多々ある。
男はアーミーナイフで接着された部分を引き剥がし、行きに目を通すことの出来なかった書類に目を通す。
そこには、新たな任務とレンジャー候補の兵士が配属されることが書かれていた。普通のレンジャー隊員に言わせてみればお守りである。男はそれを読み頭を抱えた。面倒なことが嫌いな彼にとって、新米の面倒を見るのは温いヌカコーラを飲むより辛いことだ。
さらに、男は配属される兵士の名前に目を通し、驚いた。そこには運転席でハンドルを握る兵士の名前があったからだ。
「お前がレンジャー候補か?」
「はい、今の所属は輸送部隊ですが。以前はBOSとの戦いで偵察部隊にいました。レンジャー殿と仕事が出来て光栄です。・・・・あ、レンジャー殿の名前は?」
少し堅苦しい言い回しをするミーシャは隣の男に問い掛ける。男は変な奴の世話をしなくちゃならなくなったことに一度溜め息を付いた。
「分かった、じゃあ“レンジャー殿”って言ってくるの辞めてくれよ」
「じゃあ、何てお呼びすれば?」
男は少し間を開けて口を開けた。
「ルイスだ。ルイス・コールマン少尉・・・・・」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「・・・・朝か・・・」
久しぶりに熟睡した男、ルイス・コールマン元少尉は物を盗まれていないかチェックする。生憎、幾つもの地雷やブービートラップをすり抜けて彼の寝床まで来て寝首を掻く輩は存在しない。脱いでいたライオットアーマーを装着し、持っていた10mmピストルをホルスターに納め、スナイパーライフルを携える。そして、背嚢を背負って解除した地雷をバックの中に納めてスーパーの外に出ていく。
照りつけるような太陽に草ひとつ見当たらない荒野、東海岸はGECKを使っていないためか、西海岸よりも荒廃は激しい。ライオットヘルメットを被ると、一先ず補給品を得るために人が居そうな場所に移動する。
普通なら熱中症になるような暑さの中で、ルイスはヘルメットを脱がずに歩いていく。中にはその対策用に冷却ジェルがアーマー部分に装備されており、衝撃も吸収するものとなっている。殆んどのパワーアーマーやライオットアーマーにはそれが備え付けられている。時々、彼は腰に取り付けた水筒から綺麗な水を飲み、キャラバン弁当の中身を少しずつ食べていく。
次第に足跡を辿りながらとある集落に辿り着いた。飛行機と思われる材質の金属壁を城壁のように周囲を取り囲み、中にはバラック小屋の家が立てられていた。
「まるでモハビだな。いや、それ以上か」
ルイスは西から東へ、コロラドを抜けての大陸横断をした人間だが、ガラクタを集めて作った彼らを見て感心してしまう。彼処なら何か食い物や回収した武器の売買が可能となるだろう。
ルイスはその集落を一瞥すると、そこへと足を向けて歩き出す。途中で集落の天辺にいた警備の男がスナイパーライフルを彼に向ける。ルイスは両手を頭まで上げて歩く。次第にスナイパーの影になる
と、手を下ろして扉が開かれるのを待った。
「メガトンヘヨウコソ。犯罪行為ヲシタ場合即座ニ射殺シマス」
「メガトンか。それにしても物騒な町だな」
ルイスはスナイパーライフルを肩に掛けて、門が開かれるのを見ていた。上のエンジンらしき物が起動し、扉を開けていく。複雑な扉の開き方を見る限り、襲撃してくる輩や獰猛な生物も居るのだろう。
錆びた金属のような匂いと燻った肉のような匂い。埃が舞い、喧騒と貧困がこの町の象徴だ。
「また余所者か・・・」
ふと、中心部に行く下り坂から保安官らしき人物が登ってくる。この町は余所者が多く入っていて、治安も悪化している証拠だ。
「俺はルーカス・シムズ。この町の保安官だ。あんたは・・・厳ついナリをしているようだな。出来ればそれを脱いで欲しいんだがね。」
ルーカスはルイスの頭を指差す。それに気付いたルイスはライオットヘルメットを脱ぐ。
「何時もコイツを被っていたからな。すまない、警戒させるつもりはなかった」
「ふん、此処等にいる入植者よりはまともなようだな」
入植。それは今のNCRが行う開拓地を入植すると行った感じで、開拓していく土地に根っこを張ってその地を発展させていくことを指す。一応、周囲では一番栄えている町の一つだ。そんな栄えている場所が入植地に選ばれるとは思えないとルイスは首を傾げる。
「一応町として発展しているのに、入植者が居るのか?」
「本当は20年前に近くにあったVaultから人が出てきてな。それからと言うもの、vaultに入ろうと流れ者が此処に来るようになった。住んでる俺達には良い迷惑だ」
vault、vault-tec社が造り上げた核シェルター。核戦争が予想され、アメリカ国民を守るために数百ヵ所に築き上げた。しかし、その殆んどが生存する為のバンカーでは無く、マッドサイエンティストがやりそうな人体実験を行っていた。話を聞く限り、そのvaultはまともな施設なのだろう。しかし、外界と接触を図ろうとしない彼らはどちらにしろ異常であることは変わりない。
「ここに宿屋と武器屋を探している。いいのはあるのか?」
「突き当りの丘の上に酒場がある。そこに宿屋も娼婦もいる。武器を扱っている雑貨屋は爆弾を正面にして右の上にある。見れば分かるはずだ」
ルイスは礼を言って、レイダーから奪った武器を売りさばくべく武器屋を扱う雑貨店へと赴いた。誰しもがルイスを見るが、数秒もすれば見ることをやめる。珍しい装備であるものの、関わってろくな事になるとは思えるためだ。
坂を上り、店の目の前にたち扉を開ける。そこには様々なジャンク品や武器弾薬が品々としておいてある雑貨屋だった。
「いらっしゃい・・・、珍しい装備しているわね」
赤毛の店主、モイラはライオットアーマーを着込んだルイスに尋ねる。
「ここら辺の旧軍は配備していないからな」
ルイスは手を出し、もいらと握手をする。ウェイストランドにおいて握手とは自分が敵対していないという意思表示としても機能する。大抵、握手する前に銃をぶっぱなすのが強盗のやり方。ルイスは握手をしたあと、背負っていた背嚢を下ろしてバックを開ける。
「幾つかあるが、状態のいい物とは言い難いな。」
「どれどれ・・・・ふむ」
出したのは10mm拳銃が二丁、中国軍拳銃が一丁。アサルトライフルが一挺、手榴弾が一つに地雷が4つ。5.56mmが47発、10mmが15発、十二番ゲージが30発だった。
「アサルトライフルはレイダーの奪っているのに品質がイイわね。他の銃は悪いけど」
「多分、そこらの傭兵の回し者だろう。俺は308ライフル弾で十分だから、308口径弾200発とそれを交換だ」
「せめて150発でしょう?」
「一応分解してみたが、200年経っているのにこの品質だぞ。普通ならもっと高いぞ。」
「308口径200発はちょっと・・」
モイラは最後まで出し渋ろうとする。
「ならこうしよう、これは今日から顧客となる俺へのプレゼント。贔屓になるから今日ぐらいはまけてくれ」
そう言うとモイラは腕組みをして考える。ルイスは後ろにいた傭兵の鋭い視線を感じるが無視した。すると、モイラは結論が出たのか拳を手のひらに当てて鳴らした。
「いいわよ。じゃあ、ほかのを引っ括めて80キャップって所かしら?」
「ああ、いいよ。それと、そこから右に行った酒場のこと教えてくれない。今日の寝床を考えているんだ」
行き当たりばったりで酒場に行くわけにもいかない。酒場自体が街の暗部だった場合、ひょっこりよそ者が来ることは、鴨が猟師の目の前を歩くのと同じだった。こういう時は近くの人間に聞いてみることが手である
「あら、モリアティーの酒場ね。彼処は一階が酒場で二階が売春宿兼宿屋になっているわ。そこを仕切っているのは、金貸しのモリアティーよ。普通に寝るのなら、彼処はお勧めしないけど・・・一番厳重な所だから安心して。」
セキュリティーは安全だとモイラは言う。寝ようとする人間にはお勧めしないと言うのは、隣からヤっている声が聞こえているらしい。モイラ曰く、只の寝泊まりの客もムラムラさせて娼婦を使わせる為に壁は薄くしているようだった。
「成る程、モリアティーと言う男は中々の策士だな」
ルイスはそう言って金と308口径弾を受けとる。幾つかの医療品や日用雑貨も必要だったために幾らかのキャップを使い購入した。
「顧客になるって言っても、死んだらそれまでだから。死なないでね」
「ああ、ここら辺で幾らか稼いでいくつもりだし、そこそこ治安はいいだろ」
「それはどうかしら?下の小学校はレイダーの巣窟だし。ここら辺一帯はジャイアントアントの巣があるわ」
「食糧があるなら良いじゃないか。俺はここら辺のレイダーよりも凄いのを知ってるよ。アリゾナの首狩り族とかな」
そう言ってルイスは店を出た。日は夕焼けとなり、周囲は暗くなっていく。街灯のないこの集落は夜だと追い剥ぎに襲われる。不意討ちは如何に武装した兵士でさえ、見えない敵からの攻撃は防ぎようがない。夜はあまり出歩かないのが懸命だ
坂道を上がり、立ち入り禁止のメガトン武器庫という甘美な響きにルイスは舌を巻きつつ、酒場に到着した。外からでも酒場の喧騒が聞こえ、雰囲気は良い。
「おっと、あんたが噂のカウボーイか?」
そう聞いてきたのは人当たりの良さそうな男だった。
「牛追いに見えるか?」
「いや、だがここら辺の人間には見えないね」
手元の煙草を吸い込み、手摺にもたれ掛かる男は足元のウィスキーのビンを傾けて口に流し込む。ルイスは店の壁に寄りかかった。
「西海岸から来た」
「ここら辺の学のない人間にゃ、数千キロ西の先に何があるかなんて分からないもんさ。確か、彼処にはカリファルニル共和国ってのがあるんだったか?」
「正確にはカリファルニアさ。俺はそこの生まれだ」
男の間違いを訂正したが、ルイスはこの男が何者なのか掴めなかった。
「ほぉ・・・・、であんたはここら辺の情報収集をしようとここに来たわけだ。歓迎するぜ」
「どうも、ルイスだ」
「モリアティーだ。ここの店主さ、俺の事を悪く言う奴が居るだろうが忘れてくれ。そいつらは金を借りたまま返そうとしない人でなしさ」
金貸しでもあるモリアティーは日々、町の奴に金を返せと文句を言っているんだろう。ルイスはモリアティーと別れると、酒場の扉を開ける。中はウェイストランドによくある酒場の雰囲気とそう大差ない。傭兵が仲間と酒を飲み、街の労働者が日頃の鬱憤を忘れにウォッカを浴びる。吹き抜けの上の階では女の色気を出している娼婦が軽武装の傭兵を引っ張っていく。その傭兵は鼻の下を伸ばし、次は明らかにお楽しみの時間であろう。
ルイスは目の前のカウンター席に腰掛けると、グールのバーテンダーが声を掛けてきた。
「ご注文は?」
「ウィスキーとヌカコーラ、ショットグラスじゃなくて普通のコップも着けてくれ。それと、ここって軽食か何かあるか?」
「あるぜ、何が食いたい?」
「バラモンが食いたいんだが」
「串刺しとステーキがある」
「じゃあ串刺しで」
「60キャップだ」
ルイスは財布からキャップを払い、カウンターに置かれたウィスキーをショットグラスに注いで飲む。独特の香りと喉を焼くような強いアルコールに酔った。実の所、ウェイストランド人の平均と比べてあまり酒は強い方ではない。しかし、飲まずには居られない。だが、来たばかりの土地で酔い潰れて装備を全て奪われるのは嫌だったのでなるべくペースを落としていく。
途中からウィスキーをコップに三割ほど注ぎ、上からヌカコーラを注いでいく。NCR領の酒場なら冷えた物があるが、贅沢は言わない。ルイスはそれを飲み、喉を潤した。
「それにしても、あんたは俺の顔を見て何とも思わんのか?」
放射能によって皮膚は爛れてしまった人間、グール。差別の対象として忌み嫌われているが、ルイスに取って外見が醜くても内面が醜いとは限らないと考える男だった。
「なんにも?・・・・戦前生まれか?」
「いいや、でも百歳は超えてる筈だぜ。ミュータントが闊歩するDC市街地を見たことがある数少ないグールさ」
ボブは「秘密だぞ」と言って、カウンターからヌカコーラのビンを置く。差別の対象であるグールは人間となんら変わりない。自分を差別しないということでルイスにヌカコーラを奢ったのだ。
「そうか、俺の師匠はアメリカ軍の特殊部隊に居たらしくてな。色々伝授して貰ったよ」
NCRは新興国家の一つだが、強大な軍事力がある。それを影で支えているのは、戦前にアメリカ軍に所属していた兵士などが居ることも要因の一つとしてある。建国からグールと深い関わりがあり、先見の明がある者は戦前から生きているグールから教わることが多い。ルイスの場合、NCRレンジャーの1割弱の隊員はグールで構成されるという噂も立つほど、グールを重宝する。ルイスはその中の一人にNCR軍設立から関わっていたグールから様々な知識を伝授してもらい、レンジャーと呼ばれる精鋭集団の仲間入りを果たした。
今、あの人は何しているんだ?
ルイスはふと捨てた祖国にいる恩師の顔を浮かべる。しかし、直ぐに思い出に浸るのを辞めた。感傷に浸るのを辞めようとしている時、不意に肩を叩かれる。その方向をみると、肩にライフルを携えた女傭兵が立っていた。
「そこ座っても良いかしら?」
ブロンドの髪を後ろで束ね、日焼けはもとより地肌は浅黒く、アーマーから覗く首筋や鎖骨は扇情的に感じられた。レザーアーマーを着込み、幾つもの弾倉を腰のポーチに入れており、使い込んだアサルトライフルを肩に掛けていた。ルイスは彼女を凄腕とまでは行かないが、そこそこ稼いでいる傭兵と計った。
「ああ、空いているよ」
「ボブ、ヌードルとウォッカね。あとウィスキーも」
「カレン、あんま飲みすぎるなよ」
「大丈夫よ、ゴブも居るんだし助けてくれるわよね」
ゴブは呆れながらもカウンターの置くからウォッカを取り出し、ショットグラスを出した。
「あまり見ない顔ね、何処から来たの?」
「遥か西の先から・・・かな?」
「たまにピッツバーグのレイダーと一戦交える事もあるけど、そこではないわね」
「もっと西の大陸の端からさ。あんたここら辺の傭兵か?」
軍人など知識があるものは彼女の格好を見れば、かなりの重武装した傭兵だと分かる。キャラバンガード辺りの装備ともよく似ていた。
「ええ、週一でキャラバンの護衛をしているわ。それよりもそれは何?」
彼女はカウンターの上に置かれた物を指差した。コップに注がれたヌカコーラとウィスキーのチューハイ擬きだった。もう一度言うが、ルイスは酒に弱い。
「ヌカコーラとウィスキーの混ぜ合わせだ」
「そんな邪道を飲んで!」
彼女はコップを取ると、一口味見をする。ルイスは味見ぐらいなら良いだろうと思ったが、ゴキュ!ゴキュ!という音が喉元から聞こえ、自分の酒が消えたことを悟った。
「お、おい!おれの」
「意外と美味しいじゃん!後で返すから、作り方教えてよ。ああ、そうそう名前は?」
ウィスキーとヌカコーラを割って飲むことなど考えたことがなかったのだろう。テンションが高い彼女はルイスに訊いた。
「ルイスだ。正直言って仕事を探してる」
「カレンよ、宜しくね」
自己紹介を済ませた二人は丁度やって来た料理に舌鼓しつつ、話を弾ませる。
「それにしても、そのコートの中って凄い。何処の物なの?」
「西海岸に配備されてた暴徒鎮圧用のライオットアーマーだ。米陸軍の憲兵隊が使っていたらしい。これがヘルメット」
ルイスは腰に吊るしていたヘルメットをカウンターに置く。カレンは食べていたヌードルの手を止めて、ヘルメットを見る。
「へー、ここは暗視装置か。このマスクって除染フィルター入っているの?」
「催涙ガスと放射能の塵なら塞き止められる筈だ」
「凄いわね、私もこういうの欲しいわ~」
そんな他わいもない話を二人はしつつ、グラスに入った液体を次々と飲んでいく。ルイスは自制しつつも、ウィスキー瓶の半分を飲むに至った。時計が十時を過ぎ、夕食もツマミに変わり、それすらも食べきった頃。二人は赤い顔をしながらも話をしていた。
「ズバリ、童貞を挙げた女は?」
時は十時過ぎ。話は下ネタに移行していた。ルイスは軍でそれらについて話し込んでいるためネタには事欠かない。しかし、カレンからそれを振られるとは思っていないため面食らった。
「あら、もしかしてまだ・・・・」
「挙げたよ。た、確か15の夏だったか?」
ルイスは戸惑いながらも答える。カレンはほほぉ、と笑みを浮かべる。その顔はまるで後輩に下ネタトークで困らせる先輩の顔だろうか。はたまた上司と部下の関係か。それはともかく、ルイスは思い出しつつその話をする。
「初めては3つ歳上のキーリーって言う近所に住んでた幼馴染みの三つ年上の子。」
「良いわね~」
「彼女は軍に志願するからってお別れ会みたいなことしたわけさ。まあ、たらふく飲んで食って酔っぱらって。キーリーも酔って隣にいた俺に絡んできてな・・・」
「それで・・・」
「皆が帰った後で彼女の家でシタよ・・・・あれは思い出に残るよ」
「良いわ・・・・私なんて散らしたのは20も違う傭兵仲間のおっさんよ!幼馴染みとか良いな~・・・」
ルイスは昔の事を思い出す。彼の父親はNCRの将校、母親はキャシディ・キャラバンの商人の一人だった。二人は俺が十歳を過ぎると、仕事で色々な場所を転々として家があるロサンゼルス近郊のサクラメントに帰ることが少なくなった。自然と近所に住んでいたキーリーと仲良くなった訳だが、お別れパーティーでその彼女に童貞を挙げるとは思わなかったのだろう。しかし、スタイルの良い身体を思い出すと胸が締め付けられた。
「まあ、兄弟みたいな関係だったからな」
「近親相姦ね、厭らしい」
「血は繋がってないさ、だけど恋愛関係には至らなかったな。直ぐに彼女は入隊したし」
「あらら、勿体ない」
とカレンは頬杖をついて、つまみとして置かれたポテトチップスを食べた。パリッポリッという音が聞こえ、ルイスも一枚貰い口に入れる。
「まあ、三年後に俺も入隊したら彼女が上官になってたんだけどね」
「何それ」
それは偶然と言って良い。しかし、会いたくて入隊したのだから、本望が叶ったと言えるだろう。ルイスは三年経ってから軍に入隊した。入隊理由はキーリーに会いたかったから。建前上は父に憧れてとそれなりの嘘をついたのだ。訓練は上から五番目の成績で、上等兵の階級で軍務に着いた。そこで軍曹として指揮していたキーリーを見つけたのだ。彼女も俺が来ることは父親が軍人だから予想は着いていたが、同じ配属になるとは思わなかった。しかも、入隊理由が彼女に会いたいとなれば、ルイスにとってはかなり幸運だった。
その後、キーリーが下士官のレンジャー過程に進み、ルイスは追いかけるようにしてレンジャーに志願した。訓練は熾烈を極め、何故女に会うためにここまでするのかと訓練中に自問したものだ。しかし、少年時代に微笑み掛けたキーリーの笑顔を糧に地獄とも言えるレンジャー過程を通り、成績も上位に食い込み、狙撃に関しては歴代のレンジャーですら圧巻するほどの腕前を見せた。直ぐ様、ルイスはキーリーと同じ偵察部隊に志願して、配属された。
「ここまで来ると、昔のハリウッド映画見たいね。女を追いかけるために軍に入り、近づくために精鋭部隊のコースを選ぶなんて・・・」
私には真似できないわ、とカレンは話を聞いてから呆きれていた。女からすればそうなるかもしれない。それか、そこまでやるかと引くかもしれない。しかし、軍の特殊部隊はそう言った意思の強さこそがあらゆる武器や兵器よりも優先される。最後まで諦めない意思、生き残りたいという未練。それが強ければ強いほど、特殊部隊員として相応しい。
「まあ、その後が大変だったとも言えるがね」
彼女はそのまま士官となり、おれもそれを目指してレンジャー士官過程に進んだ。彼女の部下となり、あまよくば彼女と結婚するつもりでいた。しかし、運命とは実に残酷である。
「彼女、子供が産めなかったんだ」
女として産まれたにも関わらず、子供を生む能力がなかった。それが分かったのが、入隊直後。軍の身体審査でそれが発覚したらしい。NCRの医療技術では治療できず、エンクレイヴの技術なら何とか出来るだろうが、首都の研究所でそれらを解析していてまだ実用化には至らない。もし至ってもウン千万のキャップが必要となる。
ルイスは子供など要らない、一緒にいるだけでいいと彼女に言ったのだが、彼女は結婚と言う男を縛る事はしたくなかった。それはルイスを愛しているためとも言える。キーリーは自分の意思を捨て、ルイスを自分の人生に縛るなんて事はしたくない。自分よりも良い女は沢山いる。
「彼女の気持ちも分からなくもないけど、男にとっては辛いよね」
ルイスは愛する人の告白を聞いた後も関係は続いた。どちらも惹かれ逢っていたのだから。恋人と言うにはあまりにも悲惨であり、愛人といえばどうにも合わない。恋人とも言い難く、大人の関係とオブラートに包んだ関係。ルイスに再び運命の人が来るまでの繋ぎと言う、悲しい関係が続いた。
「しつもーん、なんでここに来たのさ?」
カレンは聞いていた人なら誰もが疑問に思う投げ掛けを行った。ルイスは語っている内は気付いていなかったが、周囲の目線は全てルイスに向いていたのだ。儚くも散っていった男の話に興味を持つのは仕方がない。しかも、このウェイストランドでは余り聞かない複雑な恋愛関係の話は新鮮だった。
「それは・・・・また今度でもいい?」
ルイスは初日にここまで話してしまうとは思わなかった。彼は大陸横断して多くの集落に言って様々な経験をしてきた。こうやって酒場で話すこともあったが、“何故故郷を離れてきたのか?”という質問は直ぐには来なかった。その話をするのは、集落を離れる前の日か信頼における人間ぐらいだろう。何処にNCRのエージェントがいるか分からないから言えなかったが、大陸の反対側まで追ってくることは先ずない。しかし、初日からそれを話すのもつまらない。
「俺も聞きたかったな」
そう言ってきたのは、酒場の入り口で飲んでいた店主のモリアティーだった。
「カレンと俺以外にも聞いている奴は居るぜ」
モリアティーは視線を周りに向ける。テーブルで飲む傭兵や医者、技術者などここの常連は多い。誰もが新参者の話を聞いていた。
「俺の初めては実の母親だった」
「俺は叔母だったな」
「勘弁してくれ、もう少しまともなの居ないのか?」
傭兵の二人組はとんでもないカミングアウトをし、近くにいた技術者はため息を吐いた。ウェイストランドの女性に三人に一人はレイプされた経験がある程、この世界は荒廃している。自分の好きな女性と結ばれるなんてこの世界では珍しい。
「ねえ、今日はここで泊まるの?」
ルイスは残り少なくなったヌカコーラを飲み、のどを潤していると、隣に座っていたカレンは訊いてきた。
「ああ、ここって高いよな」
確か、ここの宿は少し高い。それはセキュリティーの事を考えると妥当である。一応、メガトンの一角には、入植者が作った三階建ての掘っ立て小屋が存在しており、犯罪が頻発している。ウェイストランドでは被害者本人が判事と処刑執行人をしなくてはならないため、常にそこでは死人が一日置きに出るらしい。金さえあればセキュリティーの良い宿に泊まれる事が出来るので、キャラバンの傭兵などはこの宿屋も重宝している。
「私の部屋使う?」
「君は寝ないのか?」
「寝るわよ?ここまで言って分からないの?鈍感ね」
カレンはあきれたように、しかし微笑みながら残りのウォッカを飲んだ。彼女の顔は紅く、酒に強い彼女の目はとろんとしている。ブロンドの髪は解かれて彼女のほほをさらりと流れる。彼女の目には獣が獲物を狙っているような雰囲気が伝わってきた。
「でも、いいのか?・・・会ったばかりだろ?」
「いいのよ。あなたがいい人だってのは分かったし・・・・一人の夜は寂しいでしょ?」
彼女の言い分は尤もだった。一階は酒場、二階は淫欲の巣窟である売春宿兼宿屋。そんなところに一人で泊まるなんて何かの罰ゲームだろう。隣部屋からは嬌声が聞こえ、何も考えずに寝ることなど不可能だ。
「まあ、そうだろうな・・・・」
ルイスはヌカコーラを飲みきると、足下に置いていた背嚢のポケットから酒や食時の代金であるキャップを支払い、スツールから立ち上がった。酒を飲んだときの高揚感と火照った身体。ルイスは隣を見ると、潤ませた瞳を向けるカレンの姿があった。
「ちょっと飲み過ぎちゃったみたい。部屋まで肩貸して」
「酒に強いんじゃなかったか?」
「少し足下がふらつくだけよ。お願い」
ルイスは仕方がないなとカレンに肩を貸して、カレンの右腕を自分の肩へと乗せた。カレンの髪からは女性の甘い香りがルイスの鼻腔を刺激する。至近距離から見た彼女の顔はウェイストランドの平均を考えても、かなり上位に位置する見た目だ。間近で見れば見るほど彼女の魅力に引き込まれた。
「さて、お嬢様。どこのお部屋でございますか?」
「通路の突き当たりの部屋・・・・、ちょっと身体も拭きたいから、ちょっと待ってね。それと、執事プレイは勘弁して」
ルイスは茶化すように言って彼女を運ぶ。二人は通路を通り、カレンの借りていた部屋へと到着する。カレンはポケットから鍵を取り出して鍵穴に差し込んでロックを解除した。彼女は中に入ると千鳥足の一歩手前のような歩き方で洗面所へと歩いていく。ルイスは扉のロックを確認して周りを確認する。戦前のモーテルを再利用したのではなく、航空機を分解して組み立て直した建物であり、ワンダーグルーで塗り固めた壁が敷居となっている。ベットはクイーンサイズで全ての部屋がそうなのだという。カレンが借りていた部屋はこの宿でもすこしランクが高く、洗面台が付いていて、簡易的なシャワーが使えるらしい。
ルイスは背嚢を部屋の隅に立て掛けて、ヘルメットやコート、ライオットアーマーを脱ぎ下着とカーゴパンツというラフな格好になった。ふと、彼が目をやるとベットの近くでカレンが何一つ纏わぬ格好で棚からタオルと石けんを取り出していた。
カレンの姿はルイスの欲情をあおった。躰は色黒の褐色肌で腰は引き締まり、彼女の女性の象徴である双乳が動くたびに揺れ動く。先端はピンク色で張りの良く、女を知らない者ならその場で襲うだろう。躰には幾つもの傷跡があり、背中には火傷の痕が残っていた。
「もう、シャワーを浴びてからね。・・・それとも一緒に入る?」
「シャワーか、入らせて貰おうかな」
ルイスはここらに来てからシャワーという文明の器を使ってはいない。精々、濡れたタオルで躰を拭くぐらいだ。
カレンは笑みを漏らしながら「水の節約になる」と言ってルイスの服を脱がし始めた。シャツを脱がせ、ルイスの上半身が露わになる。NCRの練兵所とレンジャーになってからの鍛錬。彼の躰は鋼のように硬く、鍛えられた身体はまるで人の形をした凶器とも言えなくもない。そんな彼の上裸を見て、惚息を吐いて目は色欲に染まっていた。そのままルイスは彼女を押し倒そうか悩むが、それを察したのか、彼女はルイスの唇に指を当てる。
「もう少し待って。躰を洗わなくちゃ」
ルイスの手を引いて洗面所の横の簡易シャワーに入ると、カレンは置いてあったバケツの水の中にRad-Xの錠剤を入れた。Rad-xは放射能を分解しない薬剤であるが、人が内服すれば、放射能による被爆を押さえられる。放射線を出す微粒子を体内が吸収して被爆するが、Rad-xの薬剤によって微粒子に直接膜を張って放射線を防ぐ。全てを弾くわけではないが、実際内服するよりも水に溶かす方が膜を張りやすく被爆しにくいのだ。微量の泡を出しながら溶けていき、放射能を含むゴミなどを包み込む。人間では見えないものの、顕微鏡では放射線を発する微粒子を膜が包み込んでいるはずだ。
カレンはシャワー室の上にある貯水タンクに水を流し、少し沸騰させたお湯も流し込む。貯水タンクはほどよい温度となり、カレンは俺を引っ張って中に入れた。
「今、出すから待って」
蛇口をひねると、シャワーヘッドから四十度には満たない温いお湯が彼女を濡らした。生温いお湯のシャワーが捻った分だけ溢れ出し、カレンの躰はお湯が滴り始める。
潤っていくブロンドの髪を揺らしたカレンは目を閉じ、顔を上げてそれを一身に浴びた。
額から顎に、首から肩上をなぞって手指から流れた。乳房を舐めるように流れ、へそから股間を通り、柔らかな丸みを帯びた尻から脚の爪先までもが洗い流されていく。褐色の肌が水の反射によって良く見え、ルイスの目の保養となる。
艶やかな肢体がシャワーの熱によって暖められ、上気したように色付いていく。
「ルイス、そこにあるスポンジを取ってくれない?」
ルイスはスポンジを渡し、カレンは置いてあった石けんで泡を立てる。左右の腕から磨くようにスポンジで擦り、続いて足裏、踵から太腿にかけて洗い、全身の四肢を軽くなぞりながら胸下までをも洗い続ける。
膨らんだ胸を擦るたびに揺れる乳房、その乳肉を軽く指で揉んで垢が残ってないことを確認しながら、首元から後ろまでをスポンジで擦る。ルイスは褐色肌と泡の見事なコントラストを見て、生唾をゴクリと飲む。その音に気付いたカレンは笑みを浮かべて泡だらけになった躰をルイスの躰に押しつけた。乳房がルイスの胸板にあたり、ふにゃりと柔らかく変形する。絹のように滑らかい肌を感じ、乳房の中心にある突起が擦れ、カレンは嬌声を少し上げた。
「あなたも躰を洗って」
ルイスはシャワーを浴びて、四肢まで水浸しになる。そこにスポンジをもったカレンが躰をまさぐるようにスポンジで躰を擦っていく。臑から太もも、鍛え上げた腹筋から頼りがいのある胸板。カレンはこれからこの躰に抱かれていくのかと興奮した。そして指先から上腕、鎖骨や首筋を丁寧に洗っていく。
「ルイス、顔もちゃんとやるから目を瞑って」
ルイスは目を閉じてカレンの為されるがまま顔をスポンジで擦られる。古い角質や脂が削がれ、皮膚に付いた汚れは綺麗に洗い落とされた。カレンは何を考えたのか、お湯を溜めた入れ物でルイスの顔だけにお湯を掛ける。それにより顔以外は石けんの泡が付く格好となった。
「さて、もういいかしら」
ルイスが目を開けた先には、満面の笑みでルイスを見るカレンの姿があった。彼女の目は欲情した獣ようであり、漂う女の薫りがルイスの鼻孔を刺激して下半身に血が送られていくのを感じ取った。彼女の腕がルイスの首に絡まり、彼女の豊かな乳房が彼の胸板にこすられた。泡だった石けんが滑り、彼女の乳首が擦れて快感を呼ぶ。二人は自然と顔が近づき、カレンは迷い無く唇を重ねた。
「んちゅ・・・んふぅっ・・・ぁふ・・・くぅん・・ちゅっ・・・」
互いの唇を吸い付くように、または貪るようにしていき唇を重ねる。だが、五秒も経たない内に互いの口腔を舌で蹂躙する。互いの舌を絡め合い、出された体液を交換しあう。相手のを体内に取り込むことに快感を覚え、歯肉や舌の付け根までも丁寧に舌で擦っていく。ルイスとカレンは絡み合い、泡だった石けんが潤滑油となって互いの躰を擦りつける。既にルイスの陰茎は怒涛のように勃起し、カレンの腹部を擦りつけていた。それに気付いたのか、カレンは手を伸ばして陰茎をしごき始める。ルイスはいきなりの刺激に唇を離そうとするが、カレンは離さないとばかりにもう片手でルイスの頭を固定し、舌を吸い始める。
「ん、んっ・・ぷふぁ・・・ルイ・・スッ・・ちゅっ・・」
ルイスの名を呼びつつ、しきりに舌を貪っていく。ルイスは男なのにやられてばかりは癪だとおもったのか、空いていた片手をカレンの陰部へと伸ばした。入り口に近いクリトリスを触り、膣に中指を入れ始めた。
「ぷはぁ・・だ、だめだって!・・今弄っちゃ!」
そんなカレンの抗議は受け入れられず、ルイスは中指を曲げて指の腹で撫でる。膣は震え、カレンの太ももはぷるぷると震え始めた。
「い、イっちゃう!」
膣が震え、力の限りルイスを抱きしめて耐えた。足がふらつき始めルイスは咄嗟に倒れそうになるのを止めた。達した彼女は息が乱れ、シャワーを浴びた以上に顔が紅潮していた。
「馬鹿、先にいかせないでよ」
「悪い、可愛くてついな」
その言葉にカレンは恥ずかしがるようにして顔を背ける。彼女は空いた手で蛇口をまわして少しさめたお湯が二人を濡らしていく。付いていた石けんが流されていき、蛇口を止める頃には二人についていた石けんは全て流されていた。なれたのを見計らってルイスはカレンの頬にキスをして、次第に下に降りていく。頬から首筋、首筋から鎖骨まで。そして彼女の乳房に接近すると空いた手で片方の乳房揉みながら、もう片方の乳房の突起。乳首を舌で弄り始める。
「そんなに揉まないで・・・吸うなんて反則!」
両方の乳房から送られる刺激は達した後の彼女に取っては強烈な刺激だった。喘ぎ声を聴きたいルイスはそれを激しくしていき、もんでいた手の指で乳首を抓るようにする。抓る痛みはあるが、それ以上に快感は大きかった。大きく流れた快感は彼女を仰け反らせ、達してしまう。ルイスは達しやすい彼女でよかったと心の中で感謝する。
「ちょっとぉ、ルイスうますぎる」
「下手のほうが良かったか?」
「ううん、こういうのも好き」
再び二人の唇が重なり、唾液が交換される。艶めかしい彼女の肢体は天井に吊された光によって照らされ、濡れた身体が扇情的に映える。傭兵業で引き締まった躰に豊かな乳房。見ているだけで頭がクラクラとしてきて、本能にある生殖願望が強まっていくのを感じた。さっきよりも短いディープキスだったが、唇が離されると唾液の橋がかかり、やがて重みでシャワーの排水溝に流れていく。カレンの目はトロンとしていて、彼女の恥部からは絶え間なく愛液が流れ落ちる。
「ねぇ・・・・」
「ここでするのか?」
ルイスは言われる前に訊いた。するとまるで初な乙女のように顔を紅潮させてゆっくりと頷いた。
「ここでして欲しい・・・、お願い」
その姿はまるで若き日の恋人の姿を重ねてしまう。ルイスはカレンの片足を上げて自分の陰茎をカレンの陰部にくっつける。ゆっくりと入れていくと亀頭に膣肉が絡みつき、一センチも満たないのにカレンが声を出す。
「入ってきたぁ・・・。」
ルイスはゆっくりと入れてすっぽりと根本まで入っていく。竿をなで回すように膣が蠢き、脈動するそれはルイスの理性をがりがりと削っていく。ルイスはあまりの締め付けに処女かと疑ってしまったが、膜はなく入ったことを喜ぶカレンが目の前にいることでそれはなくなった。しかし、あまりの名器のよさに陰茎をぴくりと震わせる。
「もうイきたいの?」
「いいや、だけどすごく気持ちいい」
「私も・・・」
カレンは今まで経験のない大きさに最初は戸惑ったものの、中に入ってきたルイスの物に喜びのあまり躰を震わせた。熱を帯びた棒がかき回されるようにされると、奥にある子宮がうずくのを感じ、呼吸が荒くなる。もっと感じていたいと思い、腕で抱えられた足をルイスの腰に絡めてもっと奥深くに入るようにした。熱い逸物が膣肉を抉るたびに随から脳に走る快感は男の快感と比べものにはならない。快感のあまり涎が垂れそうになるのを必死に我慢して、唇を強く結んだ。
ルイスは腰を小刻みに動かしつつ、カレンの顔が淫乱に染まるのを見ながら微かに動く乳房を触りながら首筋に舌を這わせる。吐息から色気の帯びるようになる頃には、噤んでいた唇からはよだれが垂れ始め、彼女の目には快感しかなかった。
「そろそろ動くか・・・」
「え!ちょっとまっ・・あぁ!」
陰茎を引き抜かれ、カリによって膣肉が削がれていく。その動きによってカレンの頭は真っ白になる。抜けそうになる一歩手前まで引き抜いて一気に差し込んだ。肉と肉がぶつかる音が室内に響き、快感のあまりのけぞり倒れそうになる。
「おっと危ないな。」
落ちそうになる彼女を押さえ、壁際に彼女を押しつけるようにして躰を持ち上げる。両手で太ももを持つようにして揺すり、小刻みのストロークが彼女に伝わっていく。
「わ・・・ひぅ、んぁっ ――ッあ・・・くぅ・・・んっ、あッ!」
絶え間なく快感の波が彼女を襲い、紅潮する彼女の顔を見るたびにもっと奥深くに突き入れたい衝動にルイスは駆られる。彼女の嬌声がどこを擦られて一番大きい声が出すのか考えつつも彼は腰を巧みに突き入れる。彼女を飽きさせないように、細かい動きから大きく抜き差しをする。それか陰茎で膣自体をかき回すように円を描きながら腰を動かした。
「ちょっと!それは・・・・ぁん!」
彼女の味わったことのない快感が次々と繰り出され、目を白黒させながら腰に足を回して離れないようにと腕を首に巻き付けて快感を得た。付き入れられた恥部からは溢れんばかりの愛液が出始め、精子を絡め取っていく本気汁と呼ばれる白い粘液は出て、抜き差しを行うたびに泡となって太ももに垂れていく。膣肉は早く子種が欲しいとばかりに絞り取るように蠢き、強い締め付けが彼を襲う。揺れる乳房がルイスの厚い胸板に擦れ、勃起した乳首が擦れ、快感が流れる。ルイスは胸の柔らかい感触を堪能しつつも、壁に頭を打ちそうになる彼女の背中に両腕を回して密着して頭を押さえていく。
「そろそろ、出そう」
「いいよ、そのまま中に出して」
付き入れた竿は膣肉にしごかれ、次第に終着駅である子宮に到達する。何度も抜き差ししている内に柔らかくなり降りてきたのだ。そして、そうこうしていくうちに子宮の入り口に陰茎の先端である亀頭が触れあった。
ルイスはコリコリとした感触を覚え、その感触に男としての達成感を覚えた。一方、子宮を触れられたカレンは背筋にビリリと電流のように流れるような快感が流れ、嬌声を発した。
なにこれぇ!私、こんなの知らない!!
カレンはそこまで経験のある女ではない。今まで経験した人数は五人にも満たない。それも粗暴な男ばかりであり、自分の身を案じる男などいなかった。ただ、自分が気持ちよければそれでいい。彼女は自分に何か欠けていると思っていた。だが、目の前にいる男は自分より先に女を気持ちよくさせて一緒にイこうとしていた。それが嬉しくてたまらなくなったカレンは目から涙を流した。
「大丈夫か?痛くないか?」
「すごく気持ちよくて幸せ。だから、早く出して」
ルイスは子宮口で感じるのは馴れている女位で、カレンの反応をみつつ腰を動かしていた。もしかして、あまり経験がなくて痛いのではないかと思っていたが杞憂に終わった。彼女の嬉し泣きなのだと結論づけた彼は軽くキスをして、再び腰を動かした。
「ふぁ!・・・あん!・・・もっと!・・・」
躰を震わせ、快感に身を任せる姿はルイスにとってもう限界だった。二回に一回のペースで子宮口に亀頭がぶつかり、その強烈な快感でカレンは喘いだ。もしかしたら、これは酒場に響いているのではないかと疑うほどおおきな嬌声だったが、それを気にする二人ではなかった。
「出して!・・・いっぱい!」
「くっ!」
膣肉は陰茎を締め付け、精子を絞りだそうと蠢く。勢いよくつきだした陰茎は子宮口を開いて亀頭が子宮の中へと入り込む。ルイスは我慢することが出来ずに勢いよく性の塊を出し、溜められた物がはき出され脈動した。
ビュルルル! ビュルルル!
子宮の中にビチャビチャ!とはき出される感触と脈動する陰茎など、快感の波にのまれていたカレンを絶頂に達する条件は全てそろっていた。射精すると同時に絶頂が彼女の躰を駆け巡り、声にならない叫びを上げ、腰と腰をくっつけ、躰を密着し合った。
久しぶりの射精にルイスは躰を振震わせ、長い射精による快感に酔いしれる。射精が終わったルイスは自然とカレンの顔に手を当てて顔を近づけキスを交わす。射精した陰茎は衰える事を知らす、その体勢のままカレンを抱き上げて濡れた身体でベットまで運び、彼女をベットに横たえた状態で腰を動かし始めた。
夜は始まったばかりである。
その夜、二人は恋人のように行為を重ね、夜が明けるまで腰を振りつつけ、よがり続けた。行為を終えたあと、二人は疲れ果て酒場が開店する10時まで寝ることになるのだった。
上手くできていればいいのですが。
しかし、描写を書くのにかなり時間を費やしました。うまく掛けていれば幸いです。