流行にのってみたよ。
文字数足りなくて増量がつらいよ。
記憶がある。
幼かった自分がアイスを食べている。
離れた場所でお友達とお話していたママ。
渡されたくまの人形。
爆ぜる。
轟音。
悲鳴。
大きな影。
爆発。
ママはあっちだという声。
いい子だ、と。
また泣いてる自分。
周囲は混乱を極めていて、いたるところが破壊されている。
ガキンチョ、と声がかけられる。
また泣いている自分。
繰り返し繰り返し、記憶の彼方で現れる大きな影。
私を守ってくれた影。
誰何すれば応えてくれた、名。
だけれど、その記憶が実際にあったことなのかうろ覚えで。
同じような、それでいて違う人災、災害。
破壊された建物、なぎ倒される車、巻き込まれる人々。
何度となく繰り返される時間の記憶。
眠りから覚めたときには忘れてしまう夢のような不確かな記憶。
しこりのように残る、確かな名。
記憶はどこまでも曖昧でなにが起きていたかも解らなかった。
いまは違う、それだけは解る。
彼はヴィランで、相対するヒーローが居る。
そういう街で、一般には不明な戦いが起き、破壊蹂躙される。
止めないと。
開放してあげたい。
助ける、なんておこがましいことは言えない。
言えないけど、幸運にもその為の力が私にはある。
ワームホールを潜り抜けこの世界を見たとき、おぼろげな記憶を思い出した。
忘れられないあの恐怖、不安、孤独。
安堵するあの姿。
大きな影。
不運ではない。
幸運でもないとおもう。
けれども現にこうして
恩返しがしたい。
幾度となく死んだ自分を、死ぬはずだった自分を何度も助けてくれた
私にとっては紛れもなくヒーローで憧れ。
ヴィランの反応。
おじ様も、私の記憶にあるこの街をも改変せんとするヴィラン。
街はともかく、おじ様の存在するこの世界を変えようとするのだけは許せない。
アスファルトを蹴り走る。
壁を蹴って跳んで屋上にあがればヴィランが目視できた。
ロックピッカーとしての私は斧を振り上げ跳躍する。
己の相対するヴィランに振り下ろす。
速く片付けてしまわないと、おじ様に危険が迫ってしまう。
他のヒーローや他のヴィランが駆けつけてくるだろう前に、速く。
おじ様が来る前に片付けて褒めてもらいたい。
違う。そうじゃなくて。
もうおじ様のかげで泣くだけの私じゃあない。
その呪われた牢獄の鍵を開けておじ様を自由にしたい。
おじ様ごと護ってみせる。
私、強くなったよ?
憧憬から抜け出した少女は斧をぶんまわし、
己のヒーローすらも護るヒーローになろうとしていた。