---坂本一弥---
土御門に呼び出され、火織と共に彼らのアジトへ向かった。って、ここは、あの教会では無いのか?イカれている信者達をかき分けて、奥にある部屋に辿り着いた。
「結論から言うとな。由良翼紗を掛けて、レーティングゲームをしろと、相手サイドが言っているんにゃ」
レーティングゲーム?
「そのゲームはなんだ?」
「貴族の間で流行っているゲームにゃ。バトルフィールドはVR世界にある。そこでルールに基づいて戦うのさぁ」
「生身でボコれないのか?」
「それだと大事になり兼ねないからにゃ」
なんか面倒…
「スキャン装置で、人体データを読み取って、VR世界で再現をする。なので、ベースになる人体の能力が良い程、強さを発揮できる」
生身でボコろうぜよ。
「但し、VR世界で経験を積むと、装備を得たり、魔法を覚えたり出来る。これで、基本データの優劣は無くなるかもしれない」
「それは相手が素手じゃないってことか?」
「そういうことだ」
なんかズルい…
「まず、お前のデータを取る。お前の仲間のデータは取ってあるから」
「何時の間に…」
「五和が取ってくれたんだよ」
なるほど。五和の仕事は早いなぁ。土御門に促され、カプセルのような装置に横たわった俺。まぁ、戦えればいいか…
---土御門元春---
ねーちん、五和、そしてインデックスの心を鷲掴みにした、コイツのデータを見極める。現代において、近代兵器による戦争は人知れずに消え、現在ではレーティングゲームが戦争の代わりになっている。メリットは、国民の安全が確保され、国土も破壊することなく、奪えたりする。デメリットは、強力なデータを持つヤツは誘拐され、帰属を抹消できた者は、奴隷市場で売られていることだ。アーシア、由良がそうである。
ねーちんがアイツと出逢ったのは、戦士と成りうる者達の青田買いの実体を探る為の潜入中でのことであった。
「どんな感じだ?」
レベル0…まぁ、普通の人間なら、この区分である。能力を強化した人間だとレベル5でアーシアがそうなる。ねーちんはレベル6で、インデックスはレベル10だ。コイツ曰く「喰う寝る喰うだけ女」は、このレーティングゲールにおいて、能力が発揮できる。いや、このゲームでしか発揮出来ないかもしれない。
「えっ…」
こ、こ、コイツの値って…マジ?再計測をさせてみる。再計測結果も同じ為、データは確定されていく。
「どうしたんだ?」
ねーちんに訊かれた。
「初めて見た…レベル10オーバーだ…」
こんなことって有るのか…最大レベル10だと聞いていたのだが。
「はぁ?これって初期値だよな?」
ねーちんに訊かれた。データは確定され、ランクは「変異の王」と出ている。通常は「王」と表示されるのだが…
「王の駒って、変異するのか?」
マニュアルを調べて行く。う~ん、基本能力が異常に高い場合だけ、発現する可能性があるって。なになに…経験を積んで成れるものではないと、小っこい文字で注釈が入っているし。
「なるみたいだよ。コイツ、大当たりじゃないのか?」
基本データでの能力は「瞬動術」「真空刃」とある。コイツ、始めから能力があるのか…
「そうなると、二つ名は有るんじゃないか?」
ねーちんに言われて、データを見ていく。これかな?《縁の紡績人》って?
「一弥らしい二つ名だな。縁を紡ぐ者ってことだ」
あぁ、コイツ、知らず知らずのうちに、強いデータを集めているしなぁ。次にコイツの仲間でチームを作成していくと…
ランク「変異の女王」インデックス レベル10 初期能力:敵の魔法及び魔力の行使を無効
ランク「戦車」《聖神》神裂火織 レベル6、《闘神》川神百代 レベル6
ランク「僧侶」《聖女》アーシア・アルジェント レベル5、《電磁砲》御坂美琴 レベル5
ランク「騎士」五和 レベル4、アスナ レベル4
ランク「兵士」由良翼紗 レベル4
…って…固まる俺。
「なんだ、これは…」
ねーちんが苦笑いしているし。これって、現状で最強チームで無いのか?
「デフォでこれって…」
「あぁ、鍛えると更に強くなる。王のレートが上がれば上がるほど、眷属のレートも上がっていく」
由良は相手サイドの「戦車」なのだが、「兵士」って…レートが高すぎる。そもそも、インデックスの初期能力が有る限り、コイツの負けは無い気がする。
--坂本一弥---
おぉぉぉぉぉ~!VR世界、バンザイである。ここで戦っても、別荘に行かないでも良いらしいし。色々な相手と戦っていく。
「こんな鍛錬場所があったのか」
百代と二人で、ストリートファイトモードで、楽しみながら鍛錬していく。
「さすがは一弥なのだ」
って、インデックスはこの世界でなら活躍出来るそうだ。って、リアル世界では「喰う寝る喰う女」を、卒業出来ないらしい。この世界で戦えるように、教会で鍛えられたって。
「でも、この世界は、お腹が減らないんだよ」
哀しそうに言うインデックス。コイツの楽しみは喰うことだけなのか?しかし、戦うだけの世界…喰うことは大切だと、実感する。俺的には色々出来て、戦える世界が良いんだけど…
「よし、土御門、翼紗を奪還しに行くぞ」
◇
土御門が相手サイドと交渉をしてくれ、ゲームは3日後で、ルールは総力戦ってルールらしい。
「初心者用のルールだよ。まぁ、出た敵をボコるタイプのお前向きのルールだ」
このゲームは色々なゲームがあるらしい。陣取りとか、旗取りとか、玉拾いとか、サイコロマッチとか…面倒なルールは、土御門におまかせである。分かるヤツが説明して欲しい。
「質問はあるか?」
「経験を積めば、ちっぱいは、乳が育つのか?」
、
土御門先生に質問をした。
「ちっぱいって言うなぁぁぁぁ~!気にしているんだから。後なぁ、名前で呼べ!」
そう言えば、コイツの名前を知らない。
「まだ訊いていないんだが、お前の名前は?」
「そこから?あぁ、名乗る機会が無かったのか。私は御坂美琴だよ!」
身体は隅々まで見たんだけどなぁ。
「そうか。で、美琴のちっぱいは、経験を積めば大きくなるのか?」
「なるかぁぁぁぁ~!心配してくれるのは嬉しいが、ちっぱい言うなぁぁぁ~!」
俺より美琴の方が詳しそうだ。まぁ、俺は女では無いので、女体には詳しくないしなぁ。
「経験を積めば、俺も魔法を覚えるのか?」
魔法って、便利そうだが、
「う~ん…お前のデータの欠片に、魔法という言葉は無い」
覚え無いのか…
「そういうのは、インデックスに頼れ。後はアーシアだ。基本、脳筋チームだから、作戦は特に要らないだろう」
えぇぇぇぇ~!俺も脳筋の部類に入るのか?納得出来ない。こんなにも頭脳労働しているのに…
「インデックスの能力で、相手は魔法、魔力が使えないが、武器での攻撃は可能だ。まぁ、頑張れや」
「私が一弥さんの剣になります」
って、アスナ。VR世界では健康体のようだ。まぁ、2年ほど、VR世界で生き抜いたんだから、俺よりも強いのだろう。
「一弥、食事にしようよ~」
お腹の空かない世界で、喰う寝る喰う女は飯が恋しいようだ。コイツ、VR世界でも燃費が悪そうだぞ。
---ソーナ・シトリー---
翼紗を助けてくれた勢力が、翼紗を欲しいと言って来た。翼紗も相手の勢力を気に入ったようで、移籍をしたいと願い出た。
翼紗を預けるに値するのか、ゲームを申し出た。翼紗を預けるに値するなら、移籍を認めるけど、そうでは無いんだったら、翼紗を引退させて、生きたいようにさせようと思っている。
潜入捜査をしていて、相手に掴まり、陵辱された上で、奴隷として売られた彼女。相手の戦力が分からず、助けられなかった。そんな翼紗を助けてくれた勢力。借りが出来てしまったわ。
「ソーナ、相手のデータが送られて来たんだけど…」
公式戦でない場合はゲーム前日に、参加者データの交換をする決まりである。私の「女王」である真羅椿姫が、相手の窓口である土御門元春と、データを交換して戻って来たようだ。
「これ…戦わないでも、結果が見えているんだけど…」
そんなに弱いの?データリストに目を通して、固まった。何…これって、どういうこと…
相手の「王」のレートは私よりも、遥かに上であった。まさか…貴族の嗜みとして、レーティングゲームを小さい頃から修練してきたのに…ずぶの素人で、こんなレベルってあるのか…
鍛錬を積み重ねてもなれないレベル10オーバーの壁。それをレーティングゲームの存在を知らなかった素人が、簡単に超えてきた。その上、「女王」にはジョーカークラスのインデックスって…
インデックス…最強クラスの戦士である。だけど、主を選ぶ上、頑固者で、存在は知られているが、ゲームに参加することは無かった。今まで、主と認める者が居なかったから。なのに、この男を主として認めたようだ。
「ゲームは中止するって伝えて来て。理由は降参でいいわ。私のチームじゃ勝て無い」
「わかりました」
「後、この王のことを調べて来て。興味があるの」
たぶん、私の勢力には入らないだろうけど、友好条約は結びたい。
---坂本一弥---
ゲームは中止になり、翼紗の転入手続きを、ウザミンがしてくれている。俺は俺に出来る事をするか。SPACEに向かい、おたえと足り無い備品をメモしていく。
「レンタル楽器は有った方がいいのかな?」
「そうですね。有ると嬉しいかも」
中古の楽器を修理して、格安で売るのも有りかな?有ると便利そうな物をメモに書いていく。これを楽器販売部門に見せて、可能か打診をすることにしている。餅は餅屋である。
そうそう、傘下の工務店の仕事は確実で早い。明日には楽器店はプレオープンらしい。ここはまだまだであるけど。アンプとか使っていないとダメになるみたいだ。
「若、修理部門を、コチラに持って来ました」
と、楽器部門のエラい人が報告しに来た。
「アンプのチェックを頼めるかな?」
「わかりました」
ここはまかせて、大丈夫そうだな。
「おたえは練習しないでも大丈夫なのか?」
「大丈夫。明日、みんなで練習するから」
じゃ、帰るか。店の外へと歩き出すと、背中に柔らかい刺激が…
「もう、帰るの?」
お尻に秘部を押し付けられても…
「やること無いし…」
「私を調律してください」
それは調教してくださいってことか?
◇
バイトの時間が終わったたえと、行きつけの連れ込み宿へ…家で、麻衣の知り合いとするのは、気が引けるからな。いや、麻衣が乱入しそうだし。この前のさーやの時は、二人のプレイを見ているだけだったしなぁ。
「気持ち良くしてください」
たえに抱き付き、口付けを交わし、ブラのホックを外し、ブラをまくりあげ…たえの胸の感触を愉しむ。ベッドに押し倒すと、自ら着ている者を脱いでいくたえ。俺も全裸になり、たえとスキンシップを楽しむ。
「あぁぁぁ…か、い、か、ん…」
って、言いながら果てたたえ。2ラウンドをして、たえを家まで送った。最近、散歩をしてしないなぁ。って、公園の方へ行くと、世良が何かに苦戦していた。
「どうしたんだ?」
「あぁ、一弥。迷子みたいなんだけど…」
なんか、誰かに似ている子供。目の下にピンク色の隈取りがある特徴的な顔。なぜか入院着ぽい服装。違和感が有り有りである。
「そこはJK探偵の出番だろ?」
「そうなんだけど、手がかりがなぁ」
その迷子は、俺の臭いをかぎ始めた。連れ込み宿の石けん臭が好きなのか?
「迷子じゃないよって、ミサカはミサカは訴えたり」
そうだ、美琴に似ているのか…って、アイツの子供か?ちっぱいなのに、中学生で出産したのか?
「美琴を知っている?」
「勿論って、ミサカはミサカは御坂だったり」
「世良、この子、知り合いの関係者のようだ。俺の家に連れて行くわ」
「あぁ、その方がいいな」
美琴似の子供を抱き抱え、散歩は終了…家に帰宅した。
◇
「えっ!」
固まる美琴。
「どうして、ここに?!」
固まるインデックス。
「紡ぐ縁の奇跡ですかね…」
絶句している五和。こいつらの知り合いか?そうなると、碌な者では無い予感…
「って、美琴…ちっぱいなのに、出産したのか?」
「していないよ~!これでもまだ処女だぁぁぁ~!」
そうだな。まだ入れられそうもなかったし。
「そうなると、無交配で出来たのか?」
マリア様のように…
「違うって!私を母親にするなぁぁぁぁ~!」
で、ミサカと名乗った子供は、インデックスに抱きついている。こいつに任せるか。喰う寝る喰うだけでは無く、子守りという仕事でも、して貰うか。
「はやっ!もう興味が無くなったんですか?」
部屋に戻ろうとすると、五和に引き留められた。
「その子のことは、インデックスに任せる。勿論、美琴にも任せる」
お子様には興味は無いからなぁ。
「この子の正体を知らないでいいの?」
て、美琴に言われた。
「美琴の子供なんだろ?」
一目瞭然であるが…違うのか?
「違うって!妊娠したことは無いわよ!」
無いのか…無妊娠で子供って出来るのかな?
「でも、美琴の関係者なんだろ?」
「まぁ…私のクローン人間よ」
「クローン?人間に適用は禁止されているだろ?」
確か、倫理の問題で。
「違法で作られた固体なの。コードネームはラストオーダーもしくは打ち止めと呼ばれている。2万体以上作られて、彼女は完成形なの。後、彼女はミサカって、呼んで欲しいらしいわよ」
って、いつの間に来ていた火織が、子供を抱き締めていた。
「おひさっ!って、ミサカはミサカは抱き締めたり」
ミサカも火織を抱き締めていた。
「で、どこからの迷子だ?」
「研究施設からの脱走よ。多分、一弥に引き寄せられたんじゃないかな?一弥には、インデックスと御坂美琴、御坂美鈴の香りが染みついているから」
俺は臭い袋か?そもそも、インデックスとはした事無いし、御坂親子とは1回しかスキンシップをしていない。とって、心外である。
「この子もレーティングゲームで、ジョーカー扱いなの」
訳有りのようだ。
「火織に預ければいいのか?」
「一弥が飼ってよね。インデックスが安住の地を得たように、この子もここを安住の地にすると思うし」
なんか、喰う寝る喰う人員が増えていく気が…
「何?何で私を舐める様に見ているのよ?!」
美琴が狼狽えている。
「いや、並べて比較して見たくなっただけだよ。イヤなら無理にはしない。幼児虐待はしたくないから」
俺は俺の部屋へ向かった。部屋には、メモがあった。
『部屋で待っています 麻衣』
また、見ているだけかな。麻衣の部屋へと向かった。